2012年10月28日日曜日

メトホルミンは早期非小細胞肺がんの予後を改善する

早期・非小細胞肺がん(NSCLC)切除施行患者の生存率に関するメトホルミンの影響

UKPDSなどのエビデンスに関わらず、日本の糖尿病臨床家のみがメトホルミンをdisって間に、糖尿病外の専門家が、メトホルミンのがんへの効果に関心が高まっている。

糖尿病患者のがんリスク軽減の報告があり、高インスリン状態・高血糖改善以外にadenosine 5′-mono-phosphate-activated protein kinase (AMPK)活性化の影響が示唆されている。
Noto H, Goto A, Tsujimoto T, Noda M (2012) Cancer Risk in Diabetic Patients Treated with Metformin: A Systematic Review and Meta-analysis. PLoS ONE 7(3): e33411. doi:10.1371/journal.pone.0033411 
最近では、糖尿病患者外での検討に興味領域が拡大されつつある。


Metformin Usage and Not Diabetes Influences the Long Term Survival of Resected Early Stage Non-small Cell Lung Cancer Patients
CHEST.2012;142(4_MeetingAbstracts):622A-622A. doi:10.1378/chest.1382999


3393名の連続NSCLC例のうち、638名の患者がstage 1
検討対象コホートは、ネオ・アジュバント、肺がん以外のがんの存在、肺葉未満の切除除外後除外後
白人 91.7%、女性 57.9%、非喫煙者 9%、病理的病期 IA 63.3%、腺癌 59.7%、 肺切除 8%
検討コホートで、糖尿病 71(17.4%)、メトホルミン 41(10.0%) 
単変量分析にて、糖尿病診断と包括生存率(overall survival:OS)に相関認めず
(P=0.75)
 しかし、メトホルミンはOS改善と強く相関 (median survival not reached vs. 60 months; P=0.02)
 年齢、性別、病理病期(IA vs IB)、組織、喫煙状態補正後、メトホルミン使用は優位に生存率改善の予後因子(HR=2.65; P=0.01)

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note