2013年5月23日木曜日

H1N1模造人工的ナノ粒子:中和抗体効率的産生 ・・・ ユニバーサルワクチンへの一歩


Self-assembling influenza nanoparticle vaccines elicit broadly neutralizing H1N1 antibodies
Masaru Kanekiyo, et. al.
Nature (2013) doi:10.1038/nature12202
Published online 22 May 2013

主要な抗原蛋白の一つヘマグルチニン(HA)、天然球体集積を形成する鉄運搬蛋白であるフェリチンで、ナノ粒子 を作成した。HA-フェリチン複合体は、自動的に24ピースのフェリチン核と、8つの3ピースのHAスパイクが突出し、自然のHAスパイクに類似。



このナノ粒子により、従来のワクチンに比べ、抗インフルエンザ抗体を、マウスで34倍、フェレットで10倍産生。
1999 H1N1インフルエンザ株のHAを使ったナノ粒子であったが、他のH1N1種に対して防御効果有り、しかし、GILBERTは、N1からN17までの各タイプワクチンを作る必要があると述べている。


不完全だが、ユニバーサル・ワクチンへの一歩?

喫煙リスク・無症状患者:NLST研究:低放射線量CT (vs 胸部レントゲン比較) 死亡率減少


2002年8月から2004年4月までの、米国のセンター33カ所
被験者;55-73歳、無症状、喫煙歴 30 pack-years

低放射線量CTは、胸部レントゲン検診と比較して、肺がん死亡率 20%減少。

現在、米国がん協会(ACS)、NCCN(National Comprehensive Cancer Network)、ACCPは、CT肺がん検診を推奨している。NCCNは、50歳、喫煙歴 20pack-years、他のリスク要素に適応拡大を見込んでいる。CT検診が次第に拡大する方向にあるようだ。


Results of Initial Low-Dose Computed Tomographic Screening for Lung Cancer
The National Lung Screening Trial Research Team
N Engl J Med 2013; 368:1980-1991May 23, 2013
DOI: 10.1056/NEJMoa1209120

53,439名検討総数中割り付け
・低放射線量CT 26,715
・胸部レントゲン 26,724 
実際の検診施行
・低放射線量CT 26,307 (98.5%)
・胸部レントゲン 26,035 (97.4%)

陽性結果
・低放射線量CT 7191(27.3%)
・胸部レントゲン 2387(9.2%)
少なくとも1回のフォローアップ診断施行
・低放射線量CT 6369(90.4%)
・胸部レントゲン 2176(92.7%)
画像診断を含むのは
・低放射線量CT 5717(81.1%)
・胸部レントゲン 2010(85.6%)
手術 
・低放射線量CT 297(4.2%) 
・胸部レントゲン 121(5.2%)
肺がん診断
・低放射線量CT 292(1.1%)
・胸部レントゲン 190(0.7%) 
肺がん診断(stage 1)
・低放射線量CT 158
・胸部レントゲン 70 
肺がん診断(stage IIB - IV)
・低放射線量CT 120
・胸部レントゲン 112 
感度
・低放射線量CT 93.8%
・胸部レントゲン 73.4% 
特異度
・低放射線量CT 73.5%
・胸部レントゲン 91.3%



【アベノミクス周囲の悪魔たち】PFIの悪夢・・・再び

 PFIといえば、近江八幡市立総合医療センター(滋賀県近江八幡市)と、高知医療センター(高知市)の問題があげられる。

 この失敗例を、国・地方自治団体・住民、そして、資本投資側は十分把握しているのだろうか?

 「PFI事業を3本目の矢にする」つもりなら、問題点を十分理解した上で、進めるべき。

 最悪なのは、「民間活力の利用」という軽薄なフレーズのみくりかえすしたり顔の専門家・・・その背後の問題点を全く提示せず、夢のような話だけ示す連中。小泉政権の時に有象無象出現していた連中。

 一部大都市を除いて疲弊した地方自治では、PFIは魅力的に映るだろう。しかし、その落とし穴にはまった事例があることを忘れてはならない。



成長戦略第3弾判明 民間活力「PFI」推進 10年で数兆円呼び込み
2013.5.23 07:02
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130523/plc13052307040002-n1.htm
 安倍晋三政権が来月打ち出す成長戦略第3弾の骨格が22日、明らかになった。インフラ投資に民間のお金を使う「PFI(民間資金活用による社会資本整備)」制度の規制緩和を目玉に据え、向こう10年間で数兆円規模の資金を呼び込むことが柱。国が主導して税制優遇などを行う特区制度や、創業間もないベンチャーへの投資を減税する「エンゼル税制」の拡充も盛り込み、経済の活性化を目指す。第3弾は、安倍首相が6月5日に発表する予定だ。

改正PFI法が衆院通過、インフラファンドで民間投資促進
行政・団体
[2013年5月22日 11時39分 配信]
http://www.jutaku-s.com/news/id/0000018560
 「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)の一部を改正する法律案」がこのほど、衆議院を通過した。
 同法律案は、官民連携によるインフラファンドの機能を担う「株式会社民間資金等活用事業推進機構」を設立し、独立採算型のPFI事業に対する金融支援を行うことでインフラ事業への民間投資促進を目的としたもの。2013年度予算として、インフラファンドへの出資金100億円、インフラファンドへ出資した民間資金の政府保証3000億円を計上している。
 今後、参議院での通過を経て法案成立となる。時期は未定。



【PFI失敗の要因・まとめ】
民間資金活用を謳ったPFI病院が頓挫 失敗して分かった二つの問題点(上)
<失敗に終わったPFI病院第1号>経営の効率化をもたらすはずのPFI方式そのものが、経営の足かせになったという皮肉である。
<問題があったPFI方式の構造>利益を生み出せる部門を高知PFIに丸投げした。
民間資金活用を謳ったPFI病院が頓挫 失敗して分かった二つの問題点(下)
<高い金利に追われる>
<民間側の最大の目的はファイナンス>ファイナンスで稼ぐ――建設費はSPCが銀行から調達し、利益分を上乗せして病院に貸し付ければ、利ざやを稼げる。オリックスなど官業の民間開放派がPFI病院に力を入れた最大の理由だ。
 PFI病院に飛びついた自治体は、民間資金を活用すればすべてうまくいくという「PFI幻想」に惑わされたといわざるをえない。



本来公的であるべき病院運営にまで口出しされ、高い金利をくまされ、数十年の独占契約をさせられるPFI病院

「民間活力」というワンパターンのフレーズで、資本を出した側の利益本位の経営が促進され、結果的に、税金垂れ流しがなされた失敗事例2つ。

「少ない財政負担で質の高い病院サービスを提供できる」などと告げられ、負の側面を十分吟味せず、破綻したPFI事業。

 国、すなわち、内閣府・自治省・総務省・厚労省あたりが、資本提供側の利益・言い分を垂れ流しで、地方自治への影響に配慮してない。
 また、各自治体が、この失敗例を十分認識し、契約上の問題点を把握してないのではない。
「経営計画の甘さ、モニタリングシステム不備、契約書内容未把握」など行政サイド側の未熟さ・無能さも問題。自らの選挙のため、首長などが、過大な期待を住民に与え、負の側面を住民に伝えないまま、暴走したことも要因。
 住民側も、「PFI においては、行政が当該事業で求める条件・水準を官民対話を行い
つつ設定し、これをメッセージとして入札説明書、要求水準書、審査基準等により民
間主体に提示した上で、民間主体のノウハウ・技術・経営能力等を活かした提案を募
り、これら条件・水準をクリアし最も財政負担が少なく質の高い提案を行った民間主
体を選定すること」を良く理解し、行政に間断なく、計画設定からそれに関与し、契約書の不備の指摘、モニタリング圧力をかけることが大事である。
参考:http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/47751/1/APPS5_007.pdf

【気管・気管支軟化症新生児】3D技術を利用した気管スプリント

動的気道虚脱・呼吸困難を呈する気管気管支軟化症新生児に対し、カスタム化・生物吸収性・気管スプリントを、CT画像ベースのコンピュータ下デザインとレーザーベースの3D印刷技術併用で作成。

Bioresorbable Airway Splint Created with a Three-Dimensional Printer
N Engl J Med 2013; 368:2043-2045
May 23, 2013DOI: 10.1056/NEJMc1206319


3-D PRINTER USED TO CREATE LIFE-SAVING IMPLANT
http://www.usatoday.com/story/news/nation/2013/05/22/3d-printer-implant-baby/2348091/


Doctors print up a splint for baby's blocked throat
http://vitals.nbcnews.com/_news/2013/05/22/18425715-doctors-print-up-a-splint-for-babys-blocked-throat?lite


【大腸ポリープ切除】Cold SNARE : 高周波電流を用いない方がパフォーマンス・出血リスク少ない

 電気凝固されるから、高周波電流を用いた切除法の方が良さそうだが・・・電気的組織損傷の方が影響大きいのだろうか?


Cold SNARE


高周波電流を使用せずポリペクトミースネアのみで大腸ポリープを除去するcold polypectomyだが、通常の高周波電流を使用したconventional polypectomyとこのcold polypectomyの有用性について比較検討報告。


Horiuchi A, Nakayama Y "Prospective randomized comparison of Cold SNARE polypectomy and conventional polypectomy for small colorectal polyps in patients receiving anticoagulation therapy" DDW 2013; Abstract 852.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/DDW/39335  



抗凝固治療患者・小型大腸ポリープ切除に、Cold snare polypectomyが通常法よりパフォーマンス良好。切除時間短縮 (16 minutes versus 26 minutes,P<0 .0001="" p="">
さらに、直後出血が少なく( 5.7% vs 23%, p = 0.02)、遅延出血もない(p = 0.02)。

現行のガイドラインでは、抗凝固治療の一時的中止を推奨されているが、金属スネアを用いたポリープ切除では、electrocautery無し。粘膜下組織血管の損傷が生じるため、即時・遷延的出血が生じる可能性があるらしい。


noteへ実験的移行

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