2015年12月18日金曜日

7−17歳虫垂炎:非手術管理の方が手術より合併症少なく医療コストも少ない

虫垂炎を手術するかどうか基本的に家族選択治療法による戦略では、非手術管理の方が障害日数少なく医療コストも少ない


前向き患者選択コホート、7−17歳の急性虫垂炎
緊急虫垂切除と院内観察24時間内非手術管理の比較

プライマリアウトカムは、1年後非手術管理成功率



Effectiveness of Patient Choice in Nonoperative vs Surgical Management of Pediatric Uncomplicated Acute Appendicitis
Peter C. Minneci, et. al.
JAMA Surg. Published online December 16, 2015. doi:10.1001/jamasurg.2015.4534

102名登録;65名の患者/家族選択(年齢中央値 12歳、IQR, 9-13歳、45名男児 [69.2%])は虫垂切除、37名の患者/家族選択(年齢中央値 11歳、IQR, 10-14歳、24名男児 [64.9%])は非手術。
ベースライン特性は、群間同等。非手術管理成功率は、30日目で 89.2% (95% CI, 74.6%-97.0%) vs 手術 (33 / 37 children) 、1年目で 75.7% (95% CI, 58.9%-88.2%)  vs  (28 of 37 children)


合併症有りの虫垂炎頻度は、非手術群 2.7% (1 of 37 children) 、vs 手術群 12.3% (8 of 65 children) (P = .15)


1年時、非手術管理群は、手術管理群と比べ、障害日数少なく (median [IQR], 8 [5-18] vs 21 [15-25] days; P < 0.001)、 虫垂炎関連医療コスト少ない   (median [IQR], $4219 [$2514-$7795] vs $5029 [$4596-$5482]; P = 0 .01)

心血管疾患系、2015年10の話題

こういうまとめを概覧すると、なんだか勉強した気になる



Mandrola's Top 10 Cardiology Stories 2015
John Mandrola, MD 
http://www.medscape.com/viewarticle/856104| December 17, 2015




1. PCSK9 Inhibitors Released Into the Real World:注射モノクローナル抗体 evolocumabとalirocumab、心血管発作、卒中、死亡減少させるか未だ不明。長期安全性も不明。


2. SPRINT Delivers, but Not Without Trade-offs:理想的降圧目標は不明。SPRINT研究は、従来の140 mmHgから120 mmHgへ。早期トライアル中止。従来降圧目標群で心血管イベント数増加がその理由。課題はコスト、強化群での失神、急性腎障害、電解質異常など。リアルワールドへの適応について課題が残る。

3. Coffee and Fat Are Back2015 Dietary Guidelines Advisory Committee. Advisory:適度のカフェイン摂取量設定と食事カロリー制限排除。2015年は糖類が健康悪化をもたらすということで、税制を用いた制限がコンセンサスになった(※)

4. The Basics Make a Comeback in AF Treatment:心房細動について3つの知見、STAR-AF 2トライアルは、肺静脈isolation追加ablationでアウトカム改善せず、 LEGACYトライアル・CARDIO-FITトライアルは、減量・フィットネス増加は抗不整脈作用有り、ARREST-AF Substrate研究:リスク要素修正でヒト心房の電気生理・構造特性を改善


5. SGLT-2 Inhibitors Impress, but Concerns Remain:EMPA-REG Outcome trialは欧州糖尿病学会で報告され、SGLT-2阻害剤、ジャディアンスのプラシーボ比較治験で死亡率低下が示された、糖尿病薬剤に関して画期的知見。いままで2型糖尿病薬剤は血糖・糖化ヘモグロビンは下げるが真に合併症・死亡率低下させるか、潜在化疑念があった。ただ、なぜ死亡率減少したのか機序解明されてない。さらにケトアシドーシスや骨折リスクに関して関心が甘くなってはならないし、不明の長期的副事象についても今から明らかになるかもしれない。

6. NOAC Reversal Agents Soothe Our Worrying Minds:ワルファリン比較でNOAC群の死亡率減少が全ての治験でみられたが、リスクを嫌う人間にとって出血ありきシナリオに疑念を持つ向きもある。その中、idarucizumabのFDA承認と、抗凝固可逆性製剤, andexanet alfa:Xaリバーサルの報告は今後の方向性を与えているのかもしれない


7. Cutting the Cord in Pacing:ペーシングデバイスのアキレス腱であるリード、ワイヤレス化へ  NanoStim LP[leadless pacemaker (St Jude Medical) and the Micra TPS(Medtronic) 


8. nterventional Breakthrough Not in the Heart but in the Brain:おそらく発症後迅速導入とステントの介入のおかげで、急性卒中において5つの臨床治験で血管内治療単独でのベネフィットとtPA add-on治療のベネフィットクリアとなり重大長期身体障害予防NNT10超判明となりBreakthroughとなった


9. For Most Patients, Say No to Bridging:BRIDGEトライアルと1つの観察研究で、Bridgingは出血増やすだけで血栓イベント減少しないという報告


10. MOC, Still in the ICU, but Off Pressors:ABIMのボードについてPCI成績に関してネガティブな意見頻出




※ 日本は、加工食品まで消費税8%据え置きにしてしまったが、取り過ぎで健康有害性を示す食品は税金アップすべきだったのではないか? 政府や財務省や自民・公明には、そういう発想がない


noteへ実験的移行

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