呼吸回数は心拍と違って観察者が資格確認前提のため客観的正確性に問題が残る。その反面、quick Sequential [Sepsis-related] Organ Failure Assessment (qSOFA)などでは呼吸回数22という2分割評価されるなど予後評価として用いられることが多い。
不正確な呼吸回数測定は、患者のその後に影響を与えるため、改めて訓練なり、客観的測定導入を検討すべきと思う
Is everyone really breathing 20 times a minute? Assessing epidemiology and variation in recorded respiratory rate in hospitalised adults
Jack Badawy , et al.
http://qualitysafety.bmj.com/content/early/2017/07/23/bmjqs-2017-006671
6病院の連続入院患者の最大呼吸回数と、心拍分布評価
変動係数: coefficient of variation (CV=SD/mean)評価
36,966の入院、記録呼吸回数(RR)は正規分布せず ( P < 0.001 )、右へ歪度 (歪度:skewness 3.99)、18と20に値クラスター分泌(尖度 kurtosis 23.9)
対照的に、心拍(HR)は正規分布
心肺診断、低酸素患者ではvariation比較的分布 (CV 増加 2% - 6%)
1318名の患者で、病棟からICUへ移送(n=1318)のうち、 移送前日RR variationは入室時のそれと同様(CV 0.24 vs 0.26)で、呼吸不全移送のそれでさえ同様(CV 0.25)
結論:観察パターンとしては、RRは不正確、心肺障害の患者でさえ不正確で、"正常"とされる 18と20回という数値で表現される。
スポット推定値は、臨床的安定性を示唆するには適当かもしれないが、不正確なRR値が、一方では疾患重症度の分類ミス、ひいては患者の安全性を脅かすこととなるかも知れない。病院職員各位のトレーニングを強化することで正確なRRをもたらすことを推奨する。
2017年8月15日火曜日
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