2016年8月3日水曜日

GLP-1アナログ:うっ血性心不全臨床安定化に機能せず

駆出率低下型高度心不全の病態に心代謝関連しているのは当然として、GLP-1アゴニストがその病初期において防御効果を示すか?


うっ血性心不全代謝異常として、脂質代謝・ATP産生のdown-reglulationが存在し、ブドウ糖依存的に心筋代謝変容しているはず・・・なら、GLP-1アナログが有効では?

という発想らしい

昨年 AHAで報告されている事案:http://www.endocrinologyadvisor.com/aha-2015/liraglutide-investigated-high-risk-heart-failure/article/453040/


Effects of Liraglutide on Clinical Stability Among Patients With Advanced Heart Failure and Reduced Ejection Fraction
A Randomized Clinical Trial
Kenneth B. Margulies,e. al. ; for the NHLBI Heart Failure Clinical Research Network
JAMA. 2016;316(5):500-508. doi:10.1001/jama.2016.10260.


第2相二重盲検プラシーボランダム化トライアル
2013年8月〜2015年3月、米国24サイト

liraglutide (n=154)とプラシーボ (n = 146)
30日間投与量 1.8mg/d

プライマリエンドポイント:治療割り付け不問、全患者3つのhierarchical tier:階層段でのランクづけglobal rank score : 

  • 死亡までの期間
  • 心不全再入院までの期間
  • ベースラインから180日までのNT-pro-BNP値の時間平均化比率

高値ほど健康状況良好(安定)を意味する

ランダム化時300名(年齢中央値、61歳[IQR, 52-68歳]; 女性 64[21%]、2型糖尿病 178 [59%]、LVEF 中央値 25 [IQR, 19%-33%]; NT-pro-BNP値 2049 pg/mL [IQR, 1054-4235 pg/mL] 、うち271名研究完遂

プラシーボ比較で、liraglutideはプライマリエンドポイント有意効果認めず  (mean rank of 146 for the liraglutide group vs 156 for the placebo group, P =  0.31)


死亡数群間差有意差認めず (19 [12%] in the liraglutide group vs 16 [11%] in the placebo group; ハザード比, 1.10 [95% CI, 0.57-2.14]; P =  0.78) or rehospitalizations for heart failure (63 [41%] vs 50 [34%], ; ハザード比, 1.30 [95% CI, 0.89-1.88]; P =  0.17) or for the exploratory secondary end points

事前設定サブグループ解析として糖尿病に関して群間差有意所見認めず

研究者報告高血糖イベント数は、liraglutide群 16 (10%) vs プラシーボ群 27 (18%)、低血糖イベントはそれぞれ 2[1%] vs 4 [3%])


結論:心不全入院直後患者・左室駆出率低下群において、liraglutideは入院後臨床的安定性改善をしめせなかった。




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