2013年8月15日木曜日

臨床ガイドライン:疾患概念拡大に突っ走り、そのリスク評価なし ・・・ 背後に製薬会社との経済的つながり示唆

日本の臨床ガイドラインは、その上に、欧米のガイドライン丸写しってのが多数存在し、日本人への科学的根拠乏しいものもおおいってのも問題。
 e.g. http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/05/blog-post_21.html

製薬会社にその会社にガイドラインを大量一括購入させている多くのガイドラインの現状・・・口では利益相反といいながら、馬鹿なことを容認する、厚労省・各学会・製薬会社・・・三者癒着は、患者のためにならない。

マスコミさんたちも、ノバルティス絡みで、大学医学部・医大のいんちき研究にきづいたわけだから、今度は、ガイドライン作成上のいんちきを暴いていただきたいものだと、田舎の開業医は思うのである。


諸外国でも臨床ガイドラインの質が問われている。
喘息臨床ガイドラインの質評価は惨憺たる結果 ・・・ 推奨容認できるガイドライン存在せず 2013/08/07

製薬会社にとっては、疾患対象者が拡大すれば、製薬販売上とても都合が良い。

前○○状態」というpre-disease状況を治療可能とし、「診断基準の基準値を広げる(診断しきい値の低下)」・「早期診断」というもっともらしい表現で、被診断者数増加させ、「新しい診断法や診断機器」導入で新しい病名や診断範疇拡大する。

いづれも「病気をもつ人々を増やす」、すなわち、製薬会社売り上げ増加に多大な好影響をもたらす

だが、それは真に「創出された新規患者」のためになるのか?不要な薬剤や検査介入をもたらし医療コスト・医療費増大をもたらし、薬物副作用など副次的悪影響をもたらす可能性がある。そのことを検討したガイドライン皆無ってのは由々しきことである。



ガイドライン委員会の4分の3は、製薬会社と関連性をもつ。彼らは、コンサルタント、助言、スピーカーとして、中央値表現で7つの会社とつながりを持つ。

Expanding Disease Definitions in Guidelines and Expert Panel Ties to Industry: A Cross-sectional Study of Common Conditions in the United States
Raymond N. Moynihan, et. al.



2000年から2013年のコモンな疾患に関する定義・診断くらいテリアに関する意思決定に関する直近出版米国国内・国際的ガイドラインの横断検討
コモンな病態 14に関する16出版物のうち、10では疾患定義拡大を提案、一つのみ疾患定義縮小を提案。5つではインパクト不明。

疾患定義拡大は3つのカテゴリーに分類
1)pre-disease
2)診断しきい値低下
3)早期化・診断法種類増加

根本理念は、診断クライテリア標準か、疾患保有とされてなかったリスク状態への新規エビデンスを含むもの
ガイドライン変化提案の内在性有害要素評価に関する記載は全く存在しない。

情報公開14の委員会について、製造メーカーとのつながりのあるメンバー平均比率は75%、関連製薬会社との関連ある会社数中央値は7。

委員と高比率なつながりを持つ製薬会社は、治療領域についてactiveである。

つながり情報公開への信頼性の限界があり、疾患が拡大広範すぎて、単一委員会の出版物解析では解析不能という状況も存在する。

結論:コモンな病態研究のなかで、疾患定義の変化提案の大部分は、疾患保有者増大にむかうものが大部分で、その疾患概念拡大に関して有害性を評価するレポートは皆無。
そして、検討委員の大部分が製薬会社との経済的つながり公表している。


皮膚軟部組織感染(SSTI)・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染:感受性株への変化 多く存在

MRSA・SSTI感染の3割近くは、メチシリン感受性に変貌する可能性がある


Reversion of Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Skin Infections to Methicillin-Susceptible Isolates 
Anisha B. Patel,  et. al.
JAMA Dermatol. 2013;():-. doi:10.1001/jamadermatol.2013.4909.
外来MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染増加は、MRSAエンピリカル抗生剤使用増加傾向をもたらす。経口抗生剤限定的使用と抗生剤抵抗性に関する状況は今のところ議論状況である。

MRSA皮膚・軟部組織感染(SSTIs: skin and soft-tissue infection)からMSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)への移行率を検討

2000年1月1日から2010年12月31日までの後顧的医療記録レビュー

被験者:MRSA陽性SSTIと、その後1ヶ月以降に培養陽性黄色ブドウ球菌SSTI例

主要アウトカム:SSTIのMRSA感染続くか、MSSAにrevertするか?

結果:215名の患者のうち、最低1回でもMSSA reversionしたのは64(29.8%)で、以降検査でMSSA reversionは55(25.6%)
reversion尤度増加減少要素を評価し、侵襲性デバイスの存在は有意に統計学的リスクで、MRSA陽性継続(相対リスク; 95% CI, 1.02-1.41; p=0.03)

結論:MRSA−SSTI患者はMSSA-SSTIへrevertする可能性がある。
MRSAリスク要素の今後の検討・後続感染への影響に関する今後の検討で、エンピリカル治療のガイダンス変更も出てくるだろう。
MRSA陽性患者の新規感染の再培養検査は、必要なマネージメント戦略であり、黄色ブドウ球菌の耐性変化を認識することができる。

一度、MRSA出現すると、二度と感受性株へもどらないと考える医療人がおおい。ひどいのになると、「MRSA」感染の有無を老人施設入所基準にしているアホなところもまだ存在する。
老人施設入所診断書でわかる 地方自治役人のアホさ 2013/01/07
 老人施設入所時感染症検査強要する施設の存在2011年 02月 04日

パイロット研究:本態性振せんへのMRガイド下超音波視床焼灼

本態性振戦へのMRガイド下超音波片側視床(視床中間腹側核:unilateral ventral intermediate nucleus)焼灼

重症薬物抵抗性15名

プライマリエンドポイント:1年後、CRST指標にてベースライン 20.4 (SD 5.2)から 5.2(SD 4.8)へ低下
セカンダリエンドポイント:CRSTスコア・障害指数・クォL指数を含む改善がみられた


Source reference: Elias W, et al "A pilot study of focused ultrasound thalamotomy for essential tremor" New Engl J Med 2013; 369: 640-648.

ACCORD-MIND:2型糖尿病患者:うつと、認知機能低下の関連性

糖尿病とうつの関連性は多く要素が絡み過ぎで、後顧的解析では推定寄与要素も多く関与しすぎて、原因要素解析なかなか困難。

糖尿病におけるうつが、認知機能低下に影響を与えるらしいが、既存心血管疾患、ベースラインの年齢、認知機能、強化治療、血圧・脂質治療など関与しない相関性がうつと認知機能衰弱にみられる。


Association of Depression With Accelerated Cognitive Decline Among Patients With Type 2 Diabetes in the ACCORD-MIND Trial
Mark D. Sullivan, et. al.
JAMA Psychiatry. 2013;():-. doi:10.1001/jamapsychiatry.2013.1965.
心血管イベントリスクの高い2型糖尿病 2977名

認知機能評価:Digit Symbol Substitution Test、 Rey Auditory Verbal Learning Test、 modified Stroop test 
うつ判定:9項目 Patient Health Questionnaire 
Mixed-effects 統計モデル (参照:http://d.hatena.ne.jp/isseing333/20110413/1302695785)で認知機能アウトカムを時間依存共役係数としてうつを組み込み検討


うつを示唆するスコアを有する被験者 (9-item Patient Health Questionnaire, ≥10) では、40ヶ月フォローアップ期間中認知機能低下大きく、推定最小自乗平均の差を認めた: Digit Symbol Substitution Test  0.72 (95% CI, 0.25 to 1.19; P = .003)、 Rey Auditory Verbal Learning Test 0.18 (95% CI, 0.07 to 0.29; P = .001)、 Stroop interference, −1.06 (95% CI, −1.93 to −0.18; P = .02)


以上の認知機能低下リスクに関わるうつの影響は、 心血管疾患既往、ベースラインの認知・年齢により影響を受けず、強化 vs 血糖降下、血圧治療、脂質治療、インスリン治療に影響を受けない


住民統計・臨床共役変数を加えても、うつによる認知機能低下に影響を与えず



2型糖尿病患者におけるうつ治療の認知機能衰弱への効果の前向き検討が必要

2型糖尿病高齢者において、心機能が認知機能とうつに一部関連するらしい
Association of N-terminal pro-brain natriuretic peptide with cognitive function and depression in elderly people with type 2 diabetes.

PLoS One. 2012;7(9):e44569. Epub 2012 Sep 4.

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