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2019年4月25日木曜日

ヨーロッパからの報告:肉・魚・乳製品・卵と虚血性心疾患の関係

ひどいのになると開始前1回程度の食事アンケート後数年後のイベント発生と相関性を議論する、この種の報告いやになってきた。人間の記憶や記載正確性ってどの程度担保されるモノなのだろうか?

食事性コレステロールと卵摂取増加により心血管死・総死亡増加と関連
https://kaigyoi.blogspot.com/2019/03/blog-post_57.html

ここぞとばかり、コレステロールは健康を害するものではないと・・・妄想を広める人たち
https://kaigyoi.blogspot.com/2015/02/blog-post_21.html
卵何個から体に良いか悪いかなんての線引きは、その後の体内代謝、最近はやりのmicrobiomeから考えても人それぞれのはずだし・・・

一応 全欧 EPICコホート(n=409,885)の肉、魚、乳製品、卵の虚血性心疾患(IHD)リスク評価

前向き研究で9ヶ国欧州国含み、平均12.6年間フォローアップ

レッド・加工肉摂取とIHDの正相関
ヨーグルト・チーズ・卵摂取量とIHDの逆相関

"reverse causation bias"問題がヨーグルト、卵の相関性インパクト与えている可能性あり、レッドミート・加工肉、チーズにおいてはcausality反映しているか不明
しかし、これら食品摂取量とnon-HDLコレステロールと一致しており、レッドミートと加工肉の収縮期血圧との関連性もIHDへの影響媒介しているのかもしれない


Consumption of Meat, Fish, Dairy Products, Eggs and Risk of Ischemic Heart Disease: A Prospective Study of 7198 Incident Cases Among 409,885 Participants in the Pan-European EPIC Cohort
Timothy J. Key, et al.
https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.118.038813
https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/CIRCULATIONAHA.118.038813






最近報告のこのチロシン代謝産物の話

チロシン含有物質量の多いのはやはり乳製品、卵・・・
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html


Gut microbiome-derived phenyl sulfate contributes to albuminuria in diabetic kidney disease
Koichi Kikuchi, Daisuke Saigusa, […]Takaaki Abe
Nature Communicationsvolume 10, Article number: 1835 (2019)



フェニル硫酸が糖尿病性腎臓病の新規原因物質であることを発見【プレスリリース】
腸内細菌酵素を投薬ターゲットとする新規治療法の開発へ
https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/33406

研究のポイント
・ 腸内細菌が産生に関わるフェニル硫酸が糖尿病性腎臓病の原因物質の1つであることを明らかにした。
・ 糖尿病患者を対象にしたヒトの臨床研究の結果から、フェニル硫酸は糖尿病性腎臓病増悪の予測因子であることが明らかになった。
・フェニル硫酸産生に重要な役割を果たす腸内細菌が持つ酵素チロシン・フェノールリアーゼが糖尿病性腎臓病の新たな治療法開発のターゲットとなり得る。


この報告でも単に食事含有量が多いからなんらかのベネフィットってのは安直すぎるんだよなぁ

2018年7月27日金曜日

仮面高血圧は脳卒中リスク増大と関連、冠動脈性心疾患とは関連示せず

ほんとは「マスクをつけた、仮面をつけた」高血圧というのが正確な気がする、いわばマスク化(覆面化)高血圧が正しいと思う。故に、仮面高血圧って表現個人的にはいつまでも好きになれないが、まぁ公式にそうなってるようなので・・一応そういう名称で・・・

その"仮面高血圧”と心血管疾患イベントの臨床的関連性検討で、"家庭血圧測定(home bllood pressure monitoring;HBPM)が卒中イベント発生リスク増加と関連すると日本の一般臨床での報告。HBPM使用により、改善された血圧関連リスク評価が達成され、心血管イベント予防の観点から新しい治療介入となるだろう”と要約


自治医科大学などからの報告
4261名の外来患者コホートで、仮面高血圧は"コントロ−ル血圧レベル”の対照に比べ、卒中リスク増大と関連、一方、冠動脈性心疾患リスクとは関連しない


Association of cardiovascular outcomes with masked hypertension in a Japanese general practice population
JAMA Cardiology — July 26, 2018
JAMA Cardiol. 2018;3(7):583-590. doi:10.1001/jamacardio.2018.1233



日本の71のプライマリ治療あるいは大学病院、4,261名の外来治療患者
Japan Morning Surge–Home Blood Pressure study として2005年1月1日〜2012年12月31日登録

心血管疾患病歴もしくはリスクありで、2,015年3月31日までフォローアップ
受診時2回のoccasional血圧測定と14日間朝夜HBPM測定
ベースライン時尿中アルブミン/Cr比、血中BNPを心血管疾患終末臓器障害のマーカーとして測定
2017年7月1日〜2017年10月31日までデータ解析
4つの血圧群形成

  • 仮面高血圧:masked hypertension—hypertensive home BP levels (systolic, ≥135 mm Hg; diastolic, ≥85 mm Hg) and nonhypertensive clinic BP levels (systolic, <140 diastolic="" hg="" li="" mm="">
  • 白衣高血圧:white-coat hypertension—nonhypertensive home BP levels (systolic, <135 and="" bp="" clinic="" diastolic="" hg="" hypertensive="" levels="" li="" mm="" systolic="">
  • 持続的高血圧:sustained hypertension—hypertensive home and clinic BP levels
  • コントロールされた血圧:controlled BP—nonhypertensive home and clinic BP levels.


主要アウトカム・測定は、卒中・冠動脈疾患発生

総数4261名登録、女性 2,266(53.2%)、降圧剤服用 3,374(79.2%)、平均年齢(SD) 64.9(10.9)歳 フォローアップ中央値 3.9(2.4-4.6)年間

卒中 74(1千人年対 4.4) 、冠動脈性心疾患 77(1千人年対 4.6)、

仮面高血圧 vs 対照にてリスク増加 従来心血管リスク・尿中Cr/アルブミン比・血中BNP値と独立増加 ハザード比 2.77; 95% CI 1.20-6.37
データでは仮面高血圧は冠動脈性心疾患リスクと関連せず






家庭血圧必須・・・



"仮面高血圧” 19.0% 白衣高血圧 14.4% で、むしろ仮面高血圧の方が多い・・・ こんなものなのか? 

2017年5月11日木曜日

NSAIDと院外心停止に関わる警告

イブプロフェンについての重大警告
https://medlineplus.gov/druginfo/meds/a682159.html

イブプロフェンに限らず全般的NSAID(アスピリン以外)の潜在的心発作・卒中を有する高リスク対象者への投与に注意を啓発している。
These events may happen without warning and may cause death. This risk may be higher for people who take NSAIDs for a long time. Do not take an NSAID such as ibuprofen if you have recently had a heart attack, unless directed to do so by your doctor. ;事前徴候無く発生する可能性と致死的可能性。長期間服用ほど高リスク。心発作後間もない場合は医師相談無くNSAID服用すべきでない
直近の報告

Non-steroidal anti-inflammatory drug use is associated with increased risk of out-of-hospital cardiac arrest: a nationwide case–time–control study
Kathrine B. Sondergaard  , et al.
Eur Heart J Cardiovasc Pharmacother (2017) 3 (2): 100-107. 

デンマークの Danish Cardiac Arrest Registy国内研究、2001−2010年の院外心停止( out-of-hospital cardiac arrest (OHCA))全例を含む

0HCA 28,947名、うち OHCA直前30日内NSAID治療 3376

イブプロフェンとジクロフェナクは最も使用頻度高く、51.0%と 21.8%

ジクロフェナクとイブプロフェンは共にOHCAリスク増加と相関
(オッズ比 [OR], 1.50 [95% 信頼区間(CI) 1.23–1.82]) 、1.31 (95% CI 1.14–1.51))


ナプロキセン  [OR, 1.29 (95% CI 0.77–2.16)]、セレコキシブ  [OR, 1.13 (95% CI 0.74–1.70)]、ロフェコキシブ:rofecoxib (OR, 1.28 [95% CI 0.74–1.70)] はOHCAのリスク増加と有意に関連せず;イベント数が少ないためかも





2017年4月18日火曜日

hs-TnT 心電図非虚血性所見と合わせ救急部門でのAMI除外成功

Ann. Int. Med.誌の記事によると、救急部門受診中心臓関連胸痛の10%から20%は急性心筋梗塞(AMI)、非AMI胸痛患者を同定のため除外する



新生代 high-sensitivity cardiac troponin T (hs-TnT or hs-cTnT) blood test

Elecsys Troponin T Gen 5 STAT (TnT Gen 5 STAT) blood test
http://www.cobas.com/home/news-room/cobas-stories/troponin-t-test-approved-fda.html


下限濃度 < 0.005 μg/Lと 心電図非虚血性所見にて、救急部門でのAMI除外成功


Rapid Rule-out of Acute Myocardial Infarction With a Single High-Sensitivity Cardiac Troponin T Measurement Below the Limit of Detection: A Collaborative Meta-analysis
John W. Pickering, et al.
Ann. Int. Med.
http://annals.org/aim/article/2619006/rapid-rule-out-acute-myocardial-infarction-single-high-sensitivity-cardiac

11コホート研究、 9241名の患者、 2825 (30.6%)低リスクと分類
低リスク判定で急性心筋梗塞 : AMI 14(0.5%)
AMIリスク分類感度は、 87.5%〜 100% pooled estimated sensitivity 98.7% (95% CI, 96.6 〜 99.5)
30-day MACE(重大心疾患イベント)感度は、87.9% 〜 100%、 pooled estimate sensitivity 98.0% (CI, 94.7 % 〜 99.3%)

低リスク患者死亡無し




陰性的中率



2016年12月13日火曜日

心筋虚血・急性冠症候群:不適切酸素投与有害性

「急性心筋梗塞」管理について、未だ、こういう記載が見られる
酸素の吸入:低酸素血症は、不整脈を誘発したり心筋虚血を増悪させ、梗塞巣の拡大や病態の悪化につながるので、呼吸困難やチアノーゼの有無にかかわらず、十分な酸素を投与する。通常鼻腔カニューレで2~3 /分。
以下の見解にも批判的吟味があるようだが・・・ 「十分な酸素を投与」というのは明らかに間違い





Chest Pain and Supplemental Oxygen Too Much of a Good Thing?
Maxime Cormier, et. al.
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2592700

仮想的症例だと思うが、「60歳代、高血圧、脂質異常、冠動脈疾患による治まらない胸骨後部痛症例、バイタルサインは正常、酸素飽和度95%」に対しパラメディックが非再呼吸顔マスクによる酸素投与開始し、EDへtransfer、その後酸素投与継続。心臓カテーテルとdrug-eluting stentを前下行枝へ。その後2日間酸素投与。その後非持続性心室頻拍、心房細動発症。左室駆出率は機能は6週間後も悪化持続。

こういった症例なのだが・・・

急性冠症候群への酸素投与は世紀を超えて施行されてきたが、1960年代に高酸素血症による悪影響、即ち、虚血悪化、心拍出量増加、全身血管抵抗増加が血行動態研究から示唆された。メカニズムは未だ明確ではないが、ROSによる冠動脈血管痙攣、oxygen free radicalによる過剰発現性再潅流障害など関与しているのだろう。
2015年までに、わずか4つのトライアルだが急性心筋梗塞での酸素投与影響検討。これらのメタアナリシスでは急性心筋梗塞確定症例で死亡リスク統計学的非有意ながら2倍増加。
CabelloJB,BurlsA,EmparanzaJI,BaylissS, QuinnT.Oxygentherapyforacutemyocardial infarction. Cochrane Database Syst Rev. 2013;(8): CD007160.doi:10.1002/14651858.cd007160.pub3


最近の638名のST上昇急性心筋梗塞での非酸素vs酸素投与比較では血中心筋とトロポニン・血中CK値のプライマリアウトカムで、酸素投与群の再発性心筋梗塞 (5.5% vs 0.9%, P = .006) 、重大心臓不整脈増加有意 (40.4% vs 31.4%, P = .05)。MRIによる6ヶ月後梗塞巣増大 (20.3 g vs 13.1 g, P = .04)。これら知見によれば、院内心筋梗塞事案NNH 22、重大心臓不整脈 11となる
StubD,SmithK,BernardS,etal;
AVOID Investigators. Air versus oxygen in ST-segment-elevation myocardial infarction. Circulation.2015;131(24):2143-2150. doi:10.1161/circulationaha.114.014494


COPDでは、酸素投与、特に、高炭酸ガス血症の危険性が広く認識され、2010年405名の高濃度酸素療法 vs 補正酸素療法のランダム化研究、COPD確認サブグループのみで有意に高濃度酸素療法より補正酸素投与の方の死亡率低下効果認めた。
AustinM,WillsK,BlizzardL,WaltersE, Wood-Baker R. Effect of high flow oxygen on mortality in chronic obstructive pulmonary disease
patientsinprehospitalsetting:randomised controlled trial. BMJ. 2010;341:c5462. doi:10.1136 /bmj.c5462


他、高酸素投与の有害性示唆は、脳卒中、心肺蘇生、未熟児など


ST上昇心筋梗塞管理のためのAHAガイドラインでは、酸素投与は低酸素患者にのみ推奨されているが、正常酸素飽和度症例に対し"for comfort"や呼吸困難対応のため用いられる場合も残存している。
非常識的酸素投与により多くの患者に害をあたえている事態が状態化しているところもある。



以前も書いたと思うが・・・

最近は、医師・看護師だけでなく、患者本人・家族、救急搬送職員や介護施設、老人住居施設職員まで酸素飽和度が周知されてるらしく、酸素飽和度を「サーチ」と誇らしげに示されることが多い・・・(こういう経験を多数しているのは私だけなのだろうか?)

98%から92%に酸素飽和度が下がる?・・・とかなり心配するようで・・・どうにかならないものか?



虚血性心疾患には酸素投与ルーチンに・・・と、私が研修医の頃は習ったものだが、その後、血管再建術が盛んになり(私の頃はウロキナーゼによる冠動脈内薬剤投与:PTCRやっと導入され担当医にされたばかりだったが)、そのとき、虚血再灌流障害も話題になったが、酸素投与については思いがいたらなかったなぁ・・・と独り言 年取った証拠かな?

2016年8月30日火曜日

CE-MARC 2 研究:心血管MRにて無駄な心血管造影オッズ減らすこと可能、心筋シンチも同等の価値

序文から:冠動脈性心疾患は世界的にも死亡・障害の主要因。冠動脈性心疾患診断、血管再建必要性判断、リスク層別化の上に、いくつかの検査方法が試みられている。心筋潅流シンチグラフィ(MPS)は世界的に用いられて、予後評価に関するエビデンス豊富である。次第に、心血管MR(CMR)の診断の正確性、予後評価が高まっている。


心血管MR検査が、ガイドラインベースの直接検査より優れているのではないかと仮説
その検証


Effect of Care Guided by Cardiovascular Magnetic Resonance, Myocardial Perfusion Scintigraphy, or NICE Guidelines on Subsequent Unnecessary Angiography Rates
The CE-MARC 2 Randomized Clinical Trial
John P.
Greenwood, et. al. ; for the CE-MARC 2 Investigators
JAMA. Published online August 29, 2016. doi:10.1001/jama.2016.12680


 英国6病院の多施設3平行群RCT:pragmatic comparative effectiveness design
 1202名の有症状、CHD疑い症例
 CHD 試験前尤度 10%〜90%

 主要アウトカム・測定:12ヶ月以内の事前設定不必要冠動脈造影(正常fractional flow reserve >0.8 or 定量的冠動脈評価(QCA):直径2.5mm以上の冠状動脈血管全て:1view 70%以上、2直交viewで50%以上)
二次エンドポイント:血管造影陽性所見、重大副事象心血管イベント(MACEs)、検査関連合併症

結果:
1202有症状患者(年齢平均 56.3歳[SD 9.0]、 女性 564 [46.9%]、平均CHD 検査前尤度 49.5 % [SD 23.8%)
12ヶ月後侵襲的冠動脈造影施行数、NICEガイドライン群 102 (42.5% [95% CI, 36.2%-49.0%])]、CMR群 85 (17.7% [95% CI, 14.4%-21.4%])、MPS群 78 (16.2% [95% CI, 13.0%-19.8%])

研究定義不要冠動脈造影
NICEガイドライン群: 69 (28.8%)
 CMR群: 36 (7.5%)
 MPS群: 34 (7.1%)
; 不要冠動脈造影補正オッズ比 : CMR group vs NICE guidelines group, 0.21 (95% CI, 0.12-0.34, P < .001); CMR group vs the MPS group, 1.27 (95% CI, 0.79-2.03, P = 0.32)

血管造影陽性比率
NICEガイドライン群: 12.1% (95% CI, 8.2%-16.9%; 29/240 patients)
CMR群: 9.8% (95% CI, 7.3%-12.8%; 47/481 patients)
MPS群;  8.7% (95% CI, 6.4%-11.6%; 42/481 patients)


MACE(最低12ヶ月間)
NICEガイドライン群: 1.7%
CMR群: 2.5%
MPS群: 2.5%
 (adjusted hazard ratios: CMR group vs NICE guidelines group, 1.37 [95% CI, 0.52-3.57]; CMR group vs MPS group, 0.95 [95% CI, 0.46-1.95])







 結論:12ヶ月以内評価による不要とされる冠動脈血管造影検査は、NICEガイドラインによるガイダンスより、心血管MR(CMR)による検討の方が不要な検査尤度を減少可能である
心血管MR(CMR)心筋潅流シンチグラフィ(MPS)戦略では統計学的有意差認めず
 MACE率に差を認めず






コスト効果など他側面の検証も必要だろう

2016年6月28日火曜日

海産物・植物由来のω−3バイオマーカー:冠動脈性心疾患リスク低下と相関

海産物・植物由来のω−3脂肪は初回の冠動脈性心疾患リスクと関連性があるか?

上記食物由来バイオマーカーでその関連性を検討

結論から言えば、心発作リスク低下とある程度関連


ω-3 Polyunsaturated Fatty Acid Biomarkers and Coronary Heart Disease
Pooling Project of 19 Cohort Studies
Liana C. Del Gobbo, et. al.; for the Cohorts for Heart and Aging Research in Genomic Epidemiology (CHARGE) Fatty Acids and Outcomes Research Consortium (FORCe)
JAMA Intern Med.
Published online June 27, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.2925



2014年までの19研究:前向き(コホート、nested症例対照)、後顧的研究:ω3バイオマーカー(血液、組織)と確定CHD


45637重複無し16ヶ国症例、CHD総数7973、致死CHD2781、非致死性MI7157
総血中ω3、燐脂質、コレステロールエステル、脂肪組織
メディアン年齢 59歳(range 18-97歳)
多変量解析連続1-SD増加毎、ω3バイオマーカー ALA、DPA、DHAは致死性CHDリスク低下と相関
相対リスク (RRs) はそれぞれ、ALA  0.91 (95% CI, 0.84-0.98)、DPA 0.90 (95% CI, 0.85-0.96)、DHA 0.90 (95% CI, 0.84-0.96)
DPAは総HCDリスク低下と相関するが、以下は相関せず: , ALA (RR, 1.00; 95% CI, 0.95-1.05), EPA (RR, 0.94; 95% CI, 0.87-1.02), DHA (RR, 0.95; 95% CI, 0.91-1.00)
非致死性MIとの有意相関明確ではない
燐脂質・総血中で関連は一般的に強い
三次元スプラインで、量反応の非線型関係エビデンス認めず





2016年6月22日水曜日

安定期虚血性心疾患:スタチン使用時至適LDL-C値:70-100 mg/dL

安定期虚血性心疾患患者でのスタチン使用時至適LDL-C値:70-100 mg/dL
これ以下の強化治療での付加的ベネフィット認めず

very low target LDL-C level推奨のガイドラインに一致しない結果






Association Between Achieved Low-Density Lipoprotein Levels and Major Adverse Cardiac Events in Patients With Stable Ischemic Heart Disease Taking Statin Treatment
Morton Leibowitz,et. al.
JAMA Intern Med. Published online June 20, 2016.



治療開始1年以上後のLDL-C達成値

心筋梗塞・不安定狭心症・卒中・血管再建・バイパス手術・全死亡率を含めた重大副事象

LDL-C測定:低LDL-C 70 mg/dL以下、 中等LDL-C 70.1-100.0 70 mg/dL、 高 LDL-C 100.0 mg/dL以上



平均年齢 67.3(9.8)歳、31619名、80%アドヒアランスのコホート、女性27%、低LDL-C 29%、中等度LDL-C 53%、高 LDL-C 18%

副事象アウトカム 9035名:平均1.6年間フォローアップ(1000人年あたり 6.7)


補正発生回数アウトカムは、低vs中等LDL-Cで変わらず (ハザード比 [HR], 1.02; 95% CI, 0.97-1.07; P = .54)
しかし、中等vs高 LDL-Cでは差を認める (HR, 0.89; 95% CI, 0.84-0.94; P <0 .001="" p="">

アドヒアランス50%以上の54884名での検討では、補正HRは、それぞれ 低vs中等LDL-C 1.06 (95% CI, 1.02-1.10; P =0.001) 、 中等vs高 LDL-C 0.87 (95% CI, 0.84-0.91; P =0.001)





2016年6月1日水曜日

メタアナリシス:不安と心血管疾患リスク

うつでは冠動脈関連リスク特異的報告が多いが、不安障害に関しては脳血管を含め全般的心疾患系リスク増加がめだつ

Meta-Analysis of Anxiety as a Risk for Cardiovascular Disease
Connor A. Emdin, et. al.
The American Journal of Cardiology
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.amjcard.2016.05.041


不安で以下項目リスク増加

  • 心血管疾患死亡率 (RR 1.41 CI 1.13, 1.76)
  • 冠動脈性心疾患 (RR 1.41 CI 1.23, 1.61)
  • 卒中 (RR 1.71 CI 1.18, 2.50)
  • 心不全 (RR 1.35 CI 1.11, 1.64)


不安でリスク増加有意相関せず(信頼区間幅大だが・・・)

  • 重大心血管イベント
  • 心房細動



恐怖不安症は他の不安障害に比べリスク増加

  • 冠動脈性心疾患


PTSDはリスク増加

  • 卒中




ちなみに、うつでは、
大うつ(MDD)では、冠動脈性心疾患(CHD)リスク増大(相対リスク 1.64)
重症度に比例して冠動脈疾患(CAD)発症リスク増加
死亡率に関しては、MDDは合併CHDの場合相対リスク1.8にも及ぶ
参照:http://journal.frontiersin.org/article/10.3389/fpsyt.2016.00033/full

2016年4月27日水曜日

シフト労働:冠動脈心血管リスク前向き検討

シフト勤務と冠動脈性心疾患リスクの関連性を前向きにおこなったもの

18万9158名の、健康女性を24年にわたり検討
Nurses’ Health Studies (NHS [1988-2012]: N = 73 623 and NHS2 [1989-2013]: N = 115 535)


看護師としての勤務の場合、シフト勤務長いほど、その絶対的増加程度はさほどないものの統計学的有意差のある冠動脈性心疾患リスク増加をもたらす


Association Between Rotating Night Shift Work and Risk of Coronary Heart Disease Among Women
Céline Vetter, et. al.
JAMA. 2016;315(16):1726-1734. doi:10.1001/jama.2016.4454.


フォローアップ期間中、incident CHD 症例
NHS (ベースライン平均年齢, 54.5 歳) 7303
NHS2 (平均年齢, 34.8 歳) 3519



多変量補正Cox比例ハザードモデルベースラインのrotating night shift work年数増加ほど、両コホートともCHDリスク有意増加


NHSにおいて、年齢標準化(罹病)発生率(10万人年対)はrotating night shift work年数
5年間未満経験 435.1 (hazard ratio [HR], 1.02; 95% CI, 0.97-1.08)
5 to 9 年間  525.7 (HR, 1.12; 95% CI, 1.02-1.22)
10 年間以上 596.9 (HR, 1.18; 95% CI, 1.10-1.26; P<.001 for trend)
vs 経験無し 425.5


NHS2において
5年間未満経験 130.6 (HR, 1.05; 95% CI, 0.97-1.13)
5 to 9 年間  151.6 (HR,1.12; 95% CI, 0.99-1.26)
10 年間以上 178.0 (HR, 1.15; 95% CI, 1.01-1.32; P = .01
vs vs 経験無し 122.6



NHSにおいて、rotating night shift work年数とCHDの相関性は 
フォローアップ前半で著明
フォローアップ前半 
 (5年間未満経験, 382.4; HR, 1.10 [95% CI, 1.01-1.21];
5 to 9 年間 , 483.1; HR, 1.19 [95% CI, 1.03-1.39]; and
10 年間以上, 494.4; HR, 1.27 [95% CI, 1.13-1.42]; P<.001 for trend)  
フォローアップ後半 
 (5年間未満経験, 424.8; HR, 0.98 [95% CI, 0.92-1.05];
5 to 9 年間, 520.7; HR, 1.08 [95% CI, 0.96-1.21];
10 年間以上, 556.2; HR, 1.13 [95% CI, 1.04-1.24]; P = .004 for trend; P = .02 for interaction)
 
このことはシフト勤務中止後リスクは軽減することを示唆


NHS2のシフト勤務経験者の内、シフト勤務止めた後長いほど、CHDリスク減少 (P<.001 for trend)


シフト労働というのは、心血管リスクの少ない人たちが絶対的リスクは少ないものの無理して行う勤務体制ということ。






2016年3月30日水曜日

ACC/AHA2016:抗血小板薬 2 剤併用療法:DAPT治療期間アップデートガイドライン

抗血小板薬 2 剤併用療法:DAPT治療期間アップデートガイドライン

2016 ACC/AHA Guideline Focused Update on Duration of Dual Antiplatelet Therapy in Patients With Coronary Artery Disease
A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines
http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=2507082
J Am Coll Cardiol. 2016;():. doi:10.1016/j.jacc.2016.03.513

冠動脈性心疾患(CAD)患者の dual antiplatelet therapy (DAPT)治療期間に関するアップデートガイドラインの注意すべきキーポイント
(誤訳高頻度のため、本文併記した)

  • The scope of this focused update is limited to addressing recommendations on duration of DAPT (aspirin plus a P2Y12 inhibitor) in patients with coronary artery disease (CAD).:アスピリン+P2Y12阻害剤併用に限定した話題
  • Intensification of antiplatelet therapy, with the addition of a P2Y12 inhibitor to aspirin monotherapy, and prolongation of DAPT, necessitate a fundamental tradeoff between decreasing ischemic risk and increasing bleeding risk. Decisions regarding treatment with and duration of DAPT require a thoughtful assessment of the benefit/risk ratio, integration of study data, and patient preference.:アスピリン単剤にP2Y12阻害剤を加えることは、虚血性リスク軽減と出血リスク増加のトレードオフ;ベネフィット/リスク比、研究データ集積、患者の好みまで熟考すべき
  • Recommendations in the document apply specifically to duration of P2Y12 inhibitor therapy in patients  with CAD treated with DAPT. Aspirin therapy should almost always be continued indefinitely in patients with CAD.:DAPT治療されているCAD患者でのP2Y12阻害剤治療期間に特異的記載
  • Lower daily doses of aspirin, including in patients treated with DAPT, are associated with lower bleeding complications and comparable ischemic protection compared with higher doses of aspirin. The recommended daily dose of aspirin in patients treated with DAPT is 81 mg (range 75–100 mg).:DAPT治療患者に於ける、低用量アスピリンは出血合併症を軽減し虚血性予防は同等。推奨投与量は 81 mg (range 75–100 mg).
  • In patients with stable ischemic heart disease (SIHD) treated with DAPT after drug-eluting stent (DES) implantation, P2Y12 inhibitor therapy with clopidogrel should be given for at least 6 months (Class I). In patients with SIHD treated with DAPT after bare-metal stent (BMS) implantation, P2Y12 inhibitor therapy (clopidogrel) should be given for a minimum of 1 month (Class I).:drug-eluting stent (DES) 植込後DAPT治療安定虚血性心疾患患者では、クロピドグレルとしてのP2Y12阻害治療は最低6ヶ月。bare-metal stent (BMS)植込後安定虚血性心疾患患者では1ヶ月最低投与すべき。
  • In patients with SIHD treated with DAPT after BMS or DES implantation who have tolerated DAPT without a bleeding complication and who are not at high bleeding risk (e.g., prior bleeding on DAPT, coagulopathy, oral anticoagulant use), continuation of DAPT with clopidogrel for longer than 1 month in patients treated with BMS or longer than 6 months in patients treated with DES may be reasonable (Class IIb).:安定期虚血性心疾患においてBMS治療1ヶ月超、DES治療6ヶ月超のそれぞれクロピドグレルを含むDAPT治療は出血合併症無ければ耐用性十分で合理的
  • In patients with acute coronary syndrome (ACS) (non-ST elevation [NSTE]-ACS or ST elevation myocardial infarction [STEMI]) treated with DAPT after BMS or DES implantation, P2Y12 inhibitor therapy (clopidogrel, prasugrel, or ticagrelor) should be given for at least 12 months (Class I).:BMS、DES植込後DAPT治療中のST非上昇、ST上昇型急性冠症候群患者は最低12ヶ月投与すべき
  • In patients with ACS (NSTE-ACS or STEMI) treated with coronary stent implantation who have tolerated DAPT without a bleeding complication and who are not at high bleeding risk (e.g., prior bleeding on DAPT, coagulopathy, oral anticoagulant use), continuation of DAPT (clopidogrel, prasugrel, or ticagrelor) for longer than 12 months may be reasonable (Class IIb). A new risk score (the “DAPT score”), derived from the Dual Antiplatelet Therapy study, may be useful for decisions about whether to continue (prolong or extend) DAPT in patients treated with coronary stent implantation.:冠動脈ステントACS(ST非上昇、ST上昇心筋梗塞)患者で、出血合併症なし・出血リスク高度でないDAPT耐用患者では、12ヶ月以上治療は合理的。DAPTスコアというあたらしいリスクスコアが継続可否の意思決定に有用
  • In patients with ACS (NSTE-ACS or STEMI) treated with DAPT after coronary stent implantation and in patients with NSTE-ACS treated with medical therapy alone (without revascularization), it is reasonable to use ticagrelor in preference to clopidogrel for maintenance P2Y12 inhibitor therapy (Class IIa). Among those who are not at high risk for bleeding complications and who do not have a history of stroke or transient ischemic attack, it is reasonable to choose prasugrel over clopidogrel for maintenance P2Y12 inhibitor therapy (Class IIa).:冠動脈ステント後DAPT治療および薬物治療のみ(血管再建せず)NSTE-ACS患者では、P2Y12阻害剤治療継のためのクロピドグレルよりチカグレロル(アストラゼネカ)使用されるのは合理的;出血合併症リスク高くない、卒中・TIA病歴なしの患者において、クロピドグレルよりプラスグレル(エフィエント)を維持的P2Y12阻害剤治療のため選択するのは合理的
  • In patients with ACS (NSTE-ACS or STEMI) being treated with DAPT who undergo coronary artery bypass grafting (CABG), P2Y12 inhibitor therapy should be resumed after CABG to complete 12 months of DAPT therapy after ACS (Class I).:CABG施行DAPT治療ACS患者治療中ACS(ST非上昇-ACSあるいはSTEMI)患者では、P2Y12阻害剤治療はCABG後に再開、ACS後12ヶ月間DAPT治療完遂すべき
  • In patients with STEMI treated with DAPT in conjunction with fibrinolytic therapy, P2Y12 inhibitor therapy (clopidogrel) should be continued for a minimum of 14 days and ideally at least 12 months (Class I).:血栓溶解療法併用DAPT治療STEMI患者において、P2Y12阻害剤(クロピドグレル)は14日間継続すべきで、理想的には12ヶ月
  • Elective noncardiac surgery should be delayed 30 days after BMS implantation and optimally 6 months after DES implantation. In patients treated with DAPT after coronary stent implantation who must undergo surgical procedures that mandate the discontinuation of P2Y12 inhibitor therapy, it is recommended that aspirin be continued if possible and the P2Y12 platelet receptor inhibitor be restarted as soon as possible after surgery (Class I).:待機的非心臓手術はBMS挿入後30日間、DES挿入後最適なのは6ヶ月間遅延すべき。手術治療すべき、冠動脈ステント後DAPT治療患者、P2Y12阻害剤中止考慮患者では、可能な限りアスピリン継続し、P2Y12血小板受容体阻害剤は手術後早期に再開すべき
  • Clinical Topics: Acute Coronary Syndromes, Anticoagulation Management, Cardiac Surgery, Invasive Cardiovascular Angiography and Intervention, Anticoagulation Management and ACS, Interventions and ACS, Interventions and Coronary Artery Disease






 Development and Validation of a Prediction Rule for Benefit and Harm of Dual Antiplatelet Therapy Beyond 1 Year After Percutaneous Coronary Intervention
Robert W. Yeh, Met. al. ; for the DAPT Study Investigators
JAMA. Published online March 29, 2016. doi:10.1001/jama.2016.3775





2016年3月11日金曜日

COPD:急性心筋梗塞分析 ・・・ 見逃しが多く、若年者での死亡リスク高い

 心血管疾患はCOPD患者死亡率の主原因の一つだが、呼吸器科医・循環器科医にその認識あるのか?





COPD患者では、昨今の急性心筋梗塞全体の死亡率減少という喜ばしいことに預かれているか?
COPD患者の急性心筋梗塞後の死オブリスク増加を指摘し、関連要素について議論したレビュー





Chronic obstructive pulmonary disease and acute myocardial infarction: effects on presentation, management, and outcomes
Kieran J. Rothnie,  et. al.
EHJ
DOI: http://dx.doi.org/10.1093/ehjqcco/qcw005 qcw005 First published online: 4 February 2016
http://ehjqcco.oxfordjournals.org/content/ehjqcco/early/2016/02/25/ehjqcco.qcw005.full.pdf

COPDは、多くの他の疾患リスク増加。肺内の炎症から全身炎症への"spill over"を生じる。心血管疾患はコモンな併存症であり、喫煙の影響と独立検討しても急性心筋梗塞と関連する。炎症、血管内皮機能障害、動脈stiffness亢進。
COPD患者の多くは呼吸器疾患では死亡しない、30%未満で、実際は心血管死亡率が一番の頻度。




COPDにおける急性心筋梗塞の存在ばらつきの理由は見過ごしもしくは発見の遅れ。COPD急性増悪入院患者の約8%が Universal Definition for Myocardial Infarctionに一致。急性増悪が心筋梗塞のとりがーになるのか?type 2の急性心筋梗塞を急性増悪と誤診する( Under the Universal Definition for Myocardial Infarction, such events, usually resulting in subendocardial rather than transmural infarction, are termed type 2 MI )のか不明。心筋梗塞既往のCOPD入院患者の33%で心疾患診断のカルテ記載なしで、特に女性患者での比率が高い(呼吸器担当医の認識の問題?)。

心筋梗塞後長期死亡リスク:COPD有り群とCOPD無し群(図2)



心筋梗塞6ヶ月後の死亡リスク:年齢群別(図3)


若年ほどCOPD患者では急性心筋梗塞死亡率増加する



2015年11月10日火曜日

米国でのPCI:適正使用クライテリア発表・情報公開にて非急性期PCI量減少・不適正PCI減少に成功

2009年 “Appropriate Use Criteria for Coronary Revascularization”
2009年ACC/AHAは他の専門集団とともに、PCIの患者選択についてクリティカルな検討と質の改善、過剰使用を懸念して、上記クライテリアを発表した

従来の検討では、非急性期PCIの6例に1例は不適切、"rarely appropriate"として分類され、リスクを上回るベネフィット無しの例である。

米国では、2011年、National Cardiovascular Data Registry’s CathPCI registry (NCDR CathPCI) によりPCI適正パフォーマンス情報提供がなされるようになった。

さらに、
ACCF/SCAI/STS/AATS/AHA/ASNC/HFSA/SCCT 2012 Appropriate Use Criteria for Coronary Revascularization Focused Update A Report of the American College of Cardiology Foundation Appropriate Use Criteria Task Force, Society for Cardiovascular Angiography and Interventions, Society of Thoracic Surgeons, American Association for Thoracic Surgery, American Heart Association, American Society of Nuclear Cardiology, and the Society of Cardiovascular Computed Tomography
http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=1201161



そういうPCI適正に関するトレンドの中で、米国国内の包括的調査はなされておらず、今回その報告。

2009年以降、明らかに非急性期PCIの量的減少、不適正比率減少した



Appropriate Use Criteria for Coronary Revascularization and Trends in Utilization, Patient Selection, and Appropriateness of Percutaneous Coronary Intervention
Nihar R. Desai,  et. al.
JAMA. Published online November 09, 2015. doi:10.1001/jama.2015.13764



急性期、非急性期PCI比率/病院レベルでの不適正適応









適正、不適正、不明PCI比率の推移




2015年9月10日木曜日

前壁ST上昇型心筋梗塞PCI後シクロスポリン投与効果無し

前壁ST上昇型心筋梗塞へPCI後再還流障害・腫瘍サイズ縮小目的のシクロスポリン投与の効果

多施設二重盲験ランダム化トライアルで否定



Cyclosporine before PCI in Patients with Acute Myocardial Infarction
Thien-Tri Cung, et. al.
N Engl J Med 2015; 373:1021-1031September 10, 2015




2015年8月13日木曜日

大規模コホート:テストステロン補充正常値回帰は男性の心筋梗塞、死亡率減少をもたらす? ・

【インチキ概念:男性更年期】高齢者テストステロン補充3年間でIMT、冠動脈カルシウム改善せず、性的機能・QOLも効果無し
http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/08/3imtqol.html

と書いたが、反する大規模コホート報告(低テストステロン値 83010名の在郷軍人後顧的検討)がなされた。

以下に掲載の論文参照いただきたいが・・・

かたや、RCTでアウトカムはIMTなどの動脈硬化指標
かたや、後顧的検討でアウトカムは重大イベント指標



アウトカムだけ見れば、後者圧倒だが、3年程度では、IMT、冠動脈カルシウムといった血管病変に変化認めないのに、5−6年間で重大なアウトカムに影響をもたらすとは・・・ちょっと信じがたい




5−6年の検討のはずなのにフォローアップ12−14年間に差が拡大しているという後顧的研究ならではの不自然さ
さらに、死亡率の方が心筋梗塞より先に治療差がついている


不自然な結果だと私は思うが、大喜びしている記事が欧米マスコミに・・・



Normalization of testosterone level is associated with reduced incidence of myocardial infarction and mortality in men
Rishi Sharma, et. al.
EHJ DOI: http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehv346
First published online: 6 August 2015



カテゴリー分け
Gp1: TRT with resulting normalization of TT levels
Gp2: TRT without normalization of TT levels
Gp3: Did not receive TRT

Gp1 (n = 43 931, 年齢中央値 66 歳、平均フォローアップ 6.2年) vs. Gp3 (n = 13 378, 年齢中央値 66歳、平均フォローアップ 4.7 年間)  propensity-matched cohort
全原因死亡率ハザード比(HR) 0.44、信頼区間(CI) 0.42−0.45
心筋梗塞(HR) 0.76, CI 0.63–0.93)
卒中(HR) 0.64, CI 0.43–0.96




(AC) Kaplan–Meier curve depicting the all-cause mortality among different propensity-matched study groups.





(AC) Kaplan–Meier curve depicting the myocardial infarction-free survival among different propensity-matched study groups.

同様に、全原因死亡率  (HR: 0.53, CI 0.50–0.55)、MIリスク (HR: 0.82, CI 0.71–0.95)、卒中リスク (HR: 0.70, CI 0.51–0.96) もGp1 vs. Gp2 (n = 25 701, 年齢中央値 = 66 歳、フォローアップ平均 4.6 年間)で有意差



Gp2 vs Gp3で、心筋梗塞、卒中リスク差なし





糖尿病・安定虚血性心疾患患者:心筋トロポニン高感度分析は予後と関連するも血管再建ベネフィットと関連せず

心トロポニン濃度は心筋壊死のマーカーとして利用され、ACS予後と逆相関。高濃度測定が利用され安定心疾患患者で比較的低レベル濃度検知できるようになった。



high-sensitivity electrochemiluminescence assayを用いたトロポニンT濃度
14 ng/Lを正常として、検証




Troponin and Cardiac Events in Stable Ischemic Heart Disease and Diabetes
Brendan M. Everett, et. al. for the BARI 2D Study Group
N Engl J Med 2015; 373:610-620August 13, 2015


2型糖尿病・安定虚血性心疾患を有する、2285名。2277名で3 ng/L以上、ベースライントロポニンT濃度増加は 897 (39.3%)

複合エンドポイントは、正常範囲トロポニンT濃度 12.9%、高濃度では27.1%

心血管リスク要素、糖尿病重症度、ECG異常、冠動脈解剖補正後、複合エンドポイントは正常濃度に比べ異常濃度では ハザード比 1.85 (95% 信頼区間 [CI], 1.48 to 2.32; P<0 .001="" br="">
異常トロポニンT濃度では、薬物治療に比べ、血管再建ランダム割り付けでは複合エンドポイント発生率有意減少の結果とはならなかった (ハザード比, 0.96; 95% CI, 0.74 to 1.25)





2015年8月3日月曜日

閉経後女性:心血管脂肪は閉経後経過期間、性ホルモン変化に関連し、心血管合併症リスクとなる

心血管系脂肪、Cardiovascular fat、CFは、内臓脂肪より心血管系悪化要素として知られている (Iacobellis G, Gao YJ, Sharma AM. Do cardiac and perivascular adipose tissue play a role in atherosclerosis? Curr Diab Rep. 2008; 8:20 –24.)。CFのCHD病因の重要性エビデンス蓄積しているとのこと


閉経期間・閉経後経過した女性では、閉経前・閉経前後の女性に比べ、年齢、肥満、他の寄与要素に関連せず、心臓周囲脂肪:CFが増加する。内因性女性ホルモンは閉経後において、CFと関連し、CFはCHD高リスクと関連している。




Cardiovascular Fat, Menopause and Sex Hormones in Women: The SWAN Cardiovascular Fat Ancillary Study
Samar R. El Khoudary, et. al.
J Clin Endocrinol Metab press.endocrine.org/journal/jcem
http://press.endocrine.org/doi/pdf/10.1210/JC.2015-2110



目的: CF蓄積と、閉経状態、内因性性ホルモンの関連性検討

デザイン:横断・長軸研究

セッティング: The Study of Women’s Health Across the Nation (SWAN) Heart

被験者: 女性456名(平均年齢:50.75歳);  62% pre-/early peri-, 38% late peri-/postmenopausal


介入: 閉経状態、内因性性ホルモン、CF量、入手可能なら循環血中エストラジオール4.8年前のデータ

主要アウトカム測定: CF量( (epicardial (EAT), paracardial (PAT), total heart (TAT􏰀=EAT+􏰁PAT))、  aortic perivascular adipose tissues (PVAT))

結果: 最終モデルとして、 閉経前後から期間過ぎた後女性では、閉経前/閉経直後女性に比べ、EAT 9.88%、 PAT 20.72%、TAT 11.69%多い P 􏰂< 0.05




PVATは、閉経状態と相関しない


最終モデルとして、エストラジオール濃度は、PAT増加、TAT増加と相関 P 􏰂< 0.05。

ベースラインでのエストラジオール濃度かなり減少した症例では、軽度低下した症例に比べPAT量多い  P= 􏰀0.02.

2015年7月28日火曜日

冠動脈疾患:PROMISE研究 冠動脈造影優先戦略は機能的検査よりアウトカム優れているとは言えない



一般外来での胸痛患者のほとんどは心疾患由来ではないが、こと心血管イベントであれば、重大なアウトカムが予想される。故に、過剰な検査となりがち。

Marburg Heart Scoreのような一定指標(既知血管疾患、心臓由来との患者推測、労作時悪化胸痛、動悸で悪化しない胸痛、65歳以上の女性・55歳以上の男性)で、2点以下なら低リスク、3なら中間、4−5なら高リスクとなる。


冠動脈造影CT(CTA)臨床戦略は、機能的検査臨床戦略より臨床的アウトカムを改善するものではないという、PROMISE研究

5月の論文なのでtoo lateだが・・・今更ながら記載


Outcomes of Anatomical versus Functional Testing for Coronary Artery Disease
Pamela S. Douglas, et. al. for the PROMISE Investigators
N Engl J Med 2015; 372:1291-1300April 2, 2015
1万3名の有症状患者を以下2つに割り付け
・CT血管造影
・機能検査(運動負荷心電図、ストレス核検査、ストレス心エコー)

プライマリアウトカムは、死亡、心筋梗塞、不安定狭心症入院、重大施術合併症の組み合わせ指標


患者の平均年齢 60.8±8.3 歳、 女性 52.7%、 胸痛もしくは労作性呼吸困難が87.7%

閉塞性CAD事前尤度平均  53.3±21.4%

フォローアップ期間中央値は 25ヶ月、プライマリエンドポイント発症は CTA群 164/4996(3.3%) vs 機能検査群  151/5007 (3.0%)  (補正ハザード比, 1.04; 95% 信頼区間, 0.83 to 1.29; P=0.75)


CTAは、機能検査に比べ非閉塞性CADを示す特性少ない (3.4% vs. 4.3%, P=0.02)、しかし、CTA群の方がランダム化後90日内のカテーテル施行患者多い (12.2% vs. 8.1%)


患者あたりの累積放射線暴露中央値は機能検査群よりCTA群の方が少ない  (10.0 mSv vs. 11.3 mSv)、しかし、機能検査群の 32.6% が全く放射線暴露なく、故に全体では、CTA群の方が暴露量多い (mean, 12.0 mSv vs. 10.1 mSv; P<0 .001="" div="">



2015年7月10日金曜日

米国FDA:NSAIDs使用と心発作・卒中リスク増加に対してさらなる警告

今のところは、選択的COX2阻害剤や非選択的NSAIDs区別無く警告



Non-aspirin Nonsteroidal Anti-inflammatory Drugs (NSAIDs): Drug Safety Communication - FDA Strengthens Warning of Increased Chance of Heart Attack or Stroke
http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/SafetyInformation/SafetyAlertsforHumanMedicalProducts/ucm454141.htm?source=govdelivery&utm_medium=email&utm_source=govdelivery


Prescription NSAID labels will be revised to reflect the following information:


  • The risk of heart attack or stroke can occur as early as the first weeks of using an NSAID. The risk may increase with longer use of the NSAID.:NSAID使用初回週など早期に心臓発作・卒中リスクが生じる。リスクはNSAID長期使用にて増加。
  • The risk appears greater at higher doses.:薬剤量依存的にリスク増加
  • It was previously thought that all NSAIDs may have a similar risk. Newer information makes it less clear that the risk for heart attack or stroke is similar for all NSAIDs; however, this newer information is not sufficient for us to determine that the risk of any particular NSAID is definitely higher or lower than that of any other particular NSAID.:全てのNSAIDsは同等のリスクとかつて考えられていたが、新規情報だと心発作・卒中リスクが全てのNSAIDsで同様とははっきり言えない。;しかし、特定のNSAIDsのリスクが他の特定のNSAIDより低いと決定できるほどの新しい情報を有していない。
  • NSAIDs can increase the risk of heart attack or stroke in patients with or without heart disease or risk factors for heart disease. A large number of studies support this finding, with varying estimates of how much the risk is increased, depending on the drugs and the doses studied.:NSAIDsは心発作既往有無・心疾患リスク要素有無に関わらず、心発作・卒中リスクを増加させる。この知見に関しては多くの研究が有り、リスク増加がどの程度か様々な推定があり、それは薬剤や投与量に依存した推定である。
  • In general, patients with heart disease or risk factors for it have a greater likelihood of heart attack or stroke following NSAID use than patients without these risk factors because they have a higher risk at baseline.:一般に心疾患患者・心疾患リスク要素揺する患者では、ベースラインリスク要素それらリスクがない患者よりNSAID使用後の心発作・卒中尤度増加する。
  • Patients treated with NSAIDs following a first heart attack were more likely to die in the first year after the heart attack compared to patients who were not treated with NSAIDs after their first heart attack.:心発作後NSAIDs治療患者はNSAIDs治療のない患者に比べ初年度死亡率増加する。
  • There is an increased risk of heart failure with NSAID use.:NSAID使用は心不全リスク増加する

2015年6月15日月曜日

冠動脈疾患患者のRCT:レジスタンス・トレーニングにて心拍変動性・筋パフォーマンス改善

冠動脈疾患患者のRCT:レジスタンス・トレーニングにて心拍変動性・筋パフォーマンス改善


Resistance exercise training improves heart rate variability and muscle performance: a randomized controlled trial in coronary artery disease patients
F. R. CARUSO , et. al.
Vol. 51 - No. 3 EUROPEAN JOURNAL OF PHYSICAL AND REHABILITATION MEDICINE
http://www.minervamedica.it/en/journals/europa-medicophysica/article.php?cod=R33Y2015N03A0281


背景:レジスタンス運動(RE)は心リハビリテーションにとって重要。しかし、冠動脈心疾(CAD)患患者において、REトレーニング低強度、頻拍変動性(HRV)、筋肉強度、耐用性にたいして影響をあたえるかはほぼ知られてない。

目的:CAD患者において、多数反復/低強度REトレーニング(HR/LL-RT)プログラムと、筋力、耐用性について検討
デザイン:ランダム化・対照化トライアル

セッティング:   Cardiopulmonary Physi-cal Therapy Laboratory between May 2011 and No-vember 2013.

対象:20名のCAD患者をランダム化、トレーニング群(61.3±5.2 歳)、対照群 (61±4.4 歳)

1 repetition maximum (1-RM) maneuver(1回挙上可能最大重量)、 discontinuous exercise test on the leg press (DET-L)、 resting HRV を、ベースラインと、45° leg pressを用いたHR・LL-RTプログラム8週後測定。 RMSSD、 SD1、 mean HR 、 ApEn 指数を計算
 HR/ LL-RT プログラムは、45° leg press ;20反復3セット、週2回
初期負荷は1−RMの30%設定、8週間という期間設定


HR/LL-RT8週後、トレーニング群のみRMSSD、SD1指数増加 p<0.05
トレーニング群で、HR/LL-RT後平均心拍有意減少  p<0.05
トレーニング群で、期間後ApEn有意高値  p<0.05


対照群比較で、有意にこれらの値高値 p<0.05













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