2013年10月4日金曜日

【歩け!】COPD : 1日運動量と全身性炎症性指標は逆相関、6MWT距離も炎症性指標と逆相関

StepWatch Activity Monitor
http://orthocareinnovations.com/pages/stepwatch_tradesystem
(機器そのもの800米ドル、コンピュータインターフェースドック・ソフトウェア・サポート1年分月 2500米ドル)





これを用い身体運動量を測定


一日運動量と、CRP、IL-6の炎症指標は逆相関
運動能力である6MWT距離も、炎症性指標と逆相関


COPD患者に関し、原因なのか、結果なのかわからないが、歩行促進介入が全身性炎症改善に寄与する可能性はある


Daily Step Count is Associated with Plasma CRP and IL-6 in a US Cohort with COPD
MARILYN L. MOY,  et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1052
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleID=1746169

対象は、171名の安定期COPD
72±8歳、 FEV1 1.5 ± 0.57 L (54 ± 20 % pred.)
中央値は、1日あたりのステップ数 5203(IQR 3627 - 7024)、 CRP 2.4 mg/L(IQR 1.2 - 5.0)、 IL-6 2.9 pg/ml (IQR 2.0 - 5.1) 
年齢補、FEV1% pred.、pack-year、心疾患、現行スタチン使用、急性増悪歴、季節補正後、1千ステップ増加あたり CRP 0.94 mg/L 、 IL-6 0.96 pg/ml 減少 (p = 0.020、 0.044) 
4分位毎の1日あたりのステップ数増加傾向と、CRP、IL-6減少に相関認める 
6MWT距離は、また、有意にCRP減少、IL-6減少と相関

【RALES】スピロノラクトン:アフリカ系アメリカ人は高カリウム血症となりにくい ・・・ 日本で治験結果をそのまま適用しちゃまずい

アメリカの治験では、多くのアフリカ系アメリカ人(AA)が対象となっている。

アフリカ系アメリカ人は、低カリウム血症ことが多く、高カリウム血症とはなりにくい、これは人種間の糖質コルチコステロイド反応性違いによるものと思われる。

非アフリカ系の人はやはりスピロノラクトンの高カリウム血症などカリウム変化により以上に気を遣うべきだ。


Race Influences the Safety and Efficacy of Spironolactone in Severe Heart Failure
Orly Vardeny, Pharm, et. al.
for the Randomized Aldactone Evaluation Study (RALES) Investigators


研究期間中のK濃度の推移




低カリウム血症(<3 .5="" 5.5="" p="">

慢性咳嗽 update (Mayo Clinic Proceedings誌)

Chronic Cough: An Update
Mayo Clinic Proceedings Vol. 88 (10), p 1115-1126, Oct. 2013
http://www.mayoclinicproceedings.org/article/S0025-6196%2813%2900722-2/fulltext

8週間超過咳嗽を対象

多くの患者は複数の原因を持つこと、基礎病態改善治療が多く行われるが、広汎なwork-upでも治療不応性咳嗽が一定存在。咳嗽反応過敏状態も存在する。臨床的アルゴリズムも複数存在しその紹介もされている。



Evaluation and management of chronic cough. ACE = angiotensin-converting enzyme; COPD = chronic obstructive pulmonary disease; CT = computed tomography; CXR = chest x-ray; ENT = ear, nose, and throat or otorhinolaryngology; GERD = gastroesophageal reflux disease; LPR = laryngopharyngeal reflux; NAEB = nonasthmatic eosinophilic bronchitis; UACS = upper airway cough syndrome.


まずは、咳嗽反射亢進状態の把握、ACE阻害剤使用の有無チェックと禁煙
病歴聴取として、気管支炎繰り返し、抗生剤使用、副鼻腔炎、副鼻腔手術歴、びらん性食道炎・Barrett食道炎など考慮聴取。発熱、体重減少、夜間発汗など悪性疾患・結核症他感染症など除外念頭聴取。嚥下困難、嚥下痛(odynophalgia)、血痰・喀血評価。POC検査は、NOS測定、スパイロメトリー、flexible rhinodarynnogcopyによる鼻腔直接観察。


後鼻漏(PND)は、慢性咳嗽の34−70%と関連し、 鼻炎・副鼻腔炎、季節性・持続性アレルギー性鼻炎などと関連する。非アレルギー性鼻炎も同様の炎症を生じ、鼻炎とことなるCRS: chroni rhinosinusitisの関与が、副鼻腔を超えて広がることもある。GERDに伴う後鼻漏も存在し、GERD治療に反応することもある。


Table 3. NAEB(非喘息性好酸球性気管支炎、アトピー性咳嗽), 喘息, 咳喘息の鑑別点 
Adapted from Lung.97
FeatureNAEB典型的喘息咳喘息
症状咳嗽呼吸困難、胸部圧迫症状、咳嗽、喘鳴咳嗽
アトピー一般の人と同様頻度増加頻度増加
気道過敏性AbsentPresentPresent
気管支拡張効果AbsentPresentPresent
ステロイド反応性YesYesYes
喀痰好酸球Always presentUsually presentUsually present
気道平滑筋バンドル内m細胞存在AbsentPresentPresent

NAEB = nonasthmatic eosinophilic bronchitis.

アジア:日本を含む東アジアでのBMIと全身血管死亡リスク・疾患特異的死亡リスクの関連性 U字型 、南アジアでは心血管疾患のみリスク

東アジアは死亡率全体が減少しているが、南アジアはいまだ死亡率全体が高く、動脈硬化疾患外の死亡率寄与要素の高さが以下の傾向に影響を与えているのだろう。

アジア人種では、ヨーロッパ人種より、BMIあたりの総・腹部脂肪比率量が多くなることがエビデンスとして存在し、BMIと死亡率リスクの相関がより強く表れることが想定された上での報告。


Association between body mass index and cardiovascular disease mortality in east Asians and south Asians: pooled analysis of prospective data from the Asia Cohort Consortium
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f5446 (Published 1 October 2013)
Cite this as: BMJ 2013;347:f5446


【目的】 東・南アジアでの、BMIと総心血管疾患・特異的心血管疾患サブタイプの死亡率との相関性評価 
【デザイン】アジアにおける20前向きコホートのプール化解析、東アジア 835,082、南アジア 289,815名。文献を2008年システミック研究同定、データ利用可能性評価した調査を続けた  
【セッティング】東アジア(中国、台湾、シンガポール、日本、韓国)、南アジア(インド、バングラデシュ) 
【被験者】 男女 1 124 897  (ベースライン平均   53.4 歳) 
【主要アウトカム測定】 包括的心血管疾患、冠動脈性心疾患、卒中、(東アジアのみ卒中サブタイプ)の死亡リスク 
【結果】心血管死亡 49 184  (東アジア 40 791、 南アジア 8393 )、フォローアップ平均 9.7年間

東アジアのBMI 25以上では、対照BMI群にくらべ、包括的心血管疾患死亡リスク増加 
BMI 22.5-24.9との比較ハザード比
27.5-29.9:1.27 (1.20 to 1.35)
30.0-32.4:1.59 (1.43 to 1.76)
32.5-34.9:1.74 (1.47 to 2.06)
35.0-50.0:1.97 (1.44 to 2.71)

この相関性は、冠動脈性心疾患、虚血性心疾患、出血性卒中リスクでも同様
死亡リスクは、27.5以上で高くなる。

心血管疾患死亡リスク増加はまた、BMI低値群でも観察される
ハザード比は BMI対照群に比較して、BMI 15.0-17.4群 ハザード比 1.19(95%信頼区間, 1.02 - 1.39)、  15.0未満群では 2.16 (1.37 - 3.40)


南アジアでは、BMIと死亡率は東アジアほどその関連性強くない
南アジアは、BMI 35超える場合だけ冠動脈性心疾患死亡リスク増加する (ハザード比 1.90, 95% 信頼区間 1.15 to 3.12)
【結論】 東アジアでは、Body mass index は全身血管死との関連性につき、「U字型」を示す。BMI低値・高値 で心血管疾患死リスク増加する。
東アジアでは、BMI高値 は、冠動脈性心疾患・虚血性卒中・出血性卒中など疾患特異的にも、心血管疾患全てでも、死亡リスクである。
南アジアでは、BMI高値 のみが心血管死亡リスクに関して弱い相関。


スタチン:高用量ほど歯周性疾患に効果有り

歯周炎症への高用量スタチンの効果確認された。ただ、アトルバスタチン 80mg vs 10mg比較によると、高用量ほど効果があることが分かった。ただ、サンプル数少なく、今後大規模臨床検討が必要。


多施設二重盲験トライアル
動脈硬化疾患存在もしくはリスク状態にある83名の成人対象

FDG-PET/CTをベースライン、4週間、12週間施行、動脈・歯周トレーサー活性で評価。
歯周骨量を造影剤CT画像で評価


High Dose Atorvastatin Reduces Periodontal Inflammation: A Novel Pleiotropic Effect of Statins
Sharath Subramanian, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2013;():. doi:10.1016/j.jacc.2013.08.1627

完遂 71名、59名で歯周画像検討可能
ベースラインにおいて、重度歯周疾患領域では、重度歯周疾患なしの領域比較の重度歯周疾患重症度(PD指数として歯周骨喪失)の面積比(TBR:target-to-background ratio )が高くなる D (mean TBR [95% CI] = 3.83 [3.36, 4.30] vs. 3.18 [2.91, 3.44], p=0.004)

12週後それぞれに割り付けされた歯周疾患炎症に有意減少見られる
80mg vs 10mg (ΔTBR mean [95 CI], 80mg vs. 10mg group = -0.43 [-0.83, -0.02], p=0.04)

群間差は、ベースラインの歯周炎症高いほど改善  (-0.74 [-1.29, -0.19], p=0.01)
そして、重度骨喪失あるほど改善 (-0.61 [-1.16, -0.054], p=0.03)

さらに、歯周性炎症変化は、頸動脈炎症と相関  (R=0.61, p<0 .001="" blockquote="">


咽頭痛への抗生剤使用は使ってもペニシリン中心;不適正使用減少しない現状

 Antibiotic Prescribing to Adults With Sore Throat in the United States, 1997-2010
Michael L. Barnett,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online October 03, 2013. doi:10.1001/jamainternmed.2013.11673 



咽頭痛ケアを求める成人のうち、A群連鎖球菌感染症のみが抗生剤必要な群の比率は約10%。ペニシリンのみが抗生剤選択として残ってるわけである。
ペニシリンは、スペクトラム狭く、耐用性良好で、安価で、GASは一般にペニシリン感受性がある。以前の報告は1993.2月から約80%から70%へ減少、疾患制御予防センターでは抗生剤不適正使用への努力継続必要.





Antibiotic Prescribing to Adults With Sore Throat in the United States, 1997-2010


日本では改善策簡単・・・咽頭痛への保険適応をペニシリン系に絞れば良いだけ ・・・ 厚労省が方針策定しないだけ・・・

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