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2018年1月5日金曜日

中学生:心肺フィットネス・筋力フィットネスと心血管リスク要素の関連性


序文から
“身体的フィットネスは心血管疾患および全原因死亡と成人では関連性認められている。一方心代謝リスク要素は若年期から成人期にかけて一定なのが多いが、ライフスタイル介入によりこのリスク要素を軽減できる可能性がある。若年期においては、身体要素の2つの要素として、心肺フィットネス(CRF)と筋力フィットネス(MF)が、また、個別の身体フィットネス要素も、心血管代謝リスク要素と考えられる。
日本人のCRFとMFの影響を各々あるいは組み合わせによる代謝リスクへ関わる影響を検討したもの”



Relationships among cardiorespiratory fitness, muscular fitness, and cardiometabolic risk factors in Japanese adolescents: Niigata screening for and preventing the development of non-communicable disease study-Agano (NICE EVIDENCE Study-Agano) 2
Sakiko Yoshizawa Morikawa, et al.[
Pediatric Diabetes
First published: 19 December 2017Full publication history
DOI: 10.1111/pedi.12623  View/save citation

【目的】日本人若年者の心肺フィットネス(CRF)と筋力フィットネス(MF)の2つの要素の、各々あるいは組み合わせの心代謝リスク要素への関連性

【方法】横断研究:993名の日本人13-14歳の若年者対象
身長、体重、血圧、脂質特性(非空腹時)、HbA1c測定
身体フィットネス(PF)検査は、CRF(20m多段階シャトルラン試験)・上肢筋力(握力)・下肢筋力(立幅跳び)・筋肉耐用能(腹筋)
clustered cardiometabolic risk (CCMR) を、BMI、平均動脈圧(MAP)、非HDL、HbA1cの標準化Z-scoreで推定

【結果】線形回帰解析にて、筋耐容能を除く全てのPF要素はCCMRと相関 (P < 0 .001)
代謝リスク要素のうち、ライフスタイル修正後、HbA1cはPFと関連せず、しかし、非HDL-CはCRF、上肢筋力、下肢筋力と逆相関  (B = −2.40; P <  0.001、 −1.77; P <  0 .05、−1.53; P < 0.05)
線形回帰解析にて、CCMR(≥1SD)高値はsynergicに、CRFと上肢筋力両者の下位3分位でsynergicに高い (P for interaction = .001);
しかし、CCMR高値確率の尤度比低下は、上肢筋力下位3分位で見られるが、中等度CRFでは見られない

【結論】心肺フィットネスおよび筋力フィットネス低下は、不健康なメタボリックリスク特性と有意に相関する



clustered cardiometabolic risk (CCMR) 高スコア (≥sex-specific 1SD) :
心肺フィットネスと上肢筋力の比較(左図)
心肺フィットネスと下肢筋力の比較(右図):オッズ比の差 (95% 信頼区間 [CI])



心肺機能低下群でも、上下肢筋力鍛えれば、メタボリックリスク低下するから「がんばれ!」ってことか?
それなら、学校でもインセンティブを設定すべきということになる。実際、どこかの県でがんばってるところを見たことがある。やたらと走る、走る

2016年1月21日木曜日

小中学校に飲水装置を完備すると子供の肥満防止になる


カロリーのある飲料を、同時に飲水増加させると、子供の健康や肥満頻度を減少させることができるか?

quasi-experiment : 準実験として、学校にwater jet導入



Effect of a School-Based Water Intervention on Child Body Mass Index and Obesity
Amy Ellen Schwartz, et. al.
JAMA Pediatr. Published online January 19, 2016.



ニューヨーク公立小学校・中学校の1,065,562名

water jetの標準化BMIへの有意な影響あり標準化BMIに関して男児  0.025 (95% CI, −0.038 〜 −00.011) 、女児  0.022 (95% CI, −0.035 〜 −0.008)の減少 s (P <    0.01)

体重過多となることへの効果も存在

water jetは、男児 体重過多 0.9% (95% CI, 00.015-0.003)ポイント減少、女児 体重過多 0.6% (95% CI, 00.011-0.000)ポイント減少(P <  0.05)


1人あたりのミルクhalf-pint(牛乳パック)の購入総数年間で12.3 (95% CI, −19.371 to −5.204)減少  (P <  0.01)



2015年10月13日火曜日

生まれ月による成長。学業影響 ・・・ 胎生期日照・ビタミンDの影響?

子宮内ビタミンD暴露をカーカーとして、誕生月は、広範囲の健康に関するアウトカムと相関するかも・・・と、筆者等の主張


Puberty, Seasonality, Epidemiology, Vitamin D, Sunlight
Season of birth is associated with birth weight, pubertal timing, adult body size and educational attainment: a UK Biobank study
Felix R. Day, et. al.
DOI: 10.1016/j.heliyon.2015.e00031
Cite as: Heliyon 1 (2015) e00031

生下時体重、初潮年齢、身長は、BMIと異なり、誕生月と有意に関連する
6-7-8月生まれは、多シーズン生まれに比べ、体重、思春期正常、成人身長が高値
12-1-2月生まれは、これらアウトカムに関して直接反対。


2極比較
低体重 : 2月生まれ vs 9月生まれ オッズ比[95% 信頼区区間 (CI)] 1.23 [1.15–1.32], P = 4.4 × 10−10)
早期成熟 : 9月生まれ vs 7月生まれ 1.22 [1.16–1.28], P = 7.3 × 10−15)
短躯 : 12月生まれ vs. 6月生まれ 1.09 [1.03–1.17], P = 0.006)



上記相関は、2nd トリメスターの総日照時間と相関するも、出生後3ヶ月間とは相関しない。

体重

月経




身長





教育到達度との相関性も見いだされる; 秋 生まれvs 夏生まれの16歳での教育継続性 (P = 1.1 × 10−91) 、学位到達レベル (P = 4 × 10−7)



しかし、他のアウトカムと異なり、8月 vs 9月生まれの差は始業開始に依存している。


誕生月と16歳時教育レベル( full-time education)の関連性


いわゆる、"fetal programming"仮説を支持し、誕生日の季節の子供の成長・発達への影響をリファインし拡充した検証となった。 いろいろ寄与要素あろうが、ビタミンD暴露仮説も可能性として存在する

2015年10月6日火曜日

2歳未満での吸入ステロイド投与は身長の伸びを遅らせる

乳児での吸入ステロイド投与は慎重に


Stunted Growth after Inhaled Corticosteroid Use during the First 24 Months of Life
Antti Saaria,d, et. al.
ESPE Abstracts (2015) 84 FC4.5 


目的と仮説:ICSの乳児線形成長速度へのインパクト

方法:住民ベースコホート 6391名男児、6091名女児、身長と体重測定プライマリケア・データ
両親の身長、誕生から24ヶ月までの薬物追跡集積


目標身長(TH)からの年齢に対する身長の偏位と身長の伸び速度(HV)を計算し、年齢中央値24ヶ月齢時点(IQR 24-26ヶ月)でのz-スコア(zTH、zHV)で表現
乳児のICS(フルチカゾンとブデソニド)暴露、非暴露で、母親、周産期、身体計測、医薬品要素を共役要素として比較。


ICS暴露乳児は、非暴露乳児より慎重短い (補正zTH 、 zHV 差 、それぞれ −0.16 (95% CI −0.22 to −0.11,  P<0.001)、 −0.28 (−0.37 to −0.19, P < 0.001))



この影響は、12ヶ月齢までのブデソニド暴露後特に深刻 (zTH −0.31 (−0.46 to −0.16) 、 zHV −0.34 (−0.58 to −0.09))
6ヶ月超継続する (zTH −0.63 (−0.89 to −0.37) 、 zHV −0.70 (−1.13 to −0.27))

2015年8月5日水曜日

中国中年以上女性:思春期の頃の運動は死亡率、心血管・がん死亡減少と関連

子供の頃の運動習慣はその後の人生に影響を与える・・・というのは大袈裟で、全年齢層において運動は健康上ベネフィットがあり、その開始が早いほど良いという程度という解説もなされている。





40−70歳の中国女性74941名の前向き研究で、成長期(13−19歳)運動は成人期運動と関連しない死亡率減少と効果を示す



Adolescent Exercise in Association with Mortality from All Causes, Cardiovascular Disease, and Cancer among Middle-Aged and Older Chinese Women
Sarah J. Nechuta1,et. al.
Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention Published OnlineFirst July 31, 2015; doi: 10.1158/1055-9965.EPI-15-0253


生下年や他の成長期要素補正後、青年期運動はがん、CVD、全死亡率と相関  [HRs (95% CI),; 週1.33時間以下 0.83 (0.72–0.95), 0.83 (0.70–0.98)、0.78 (0.71–0.85)、週1.33時間超 0.83 (0.74–0.93), 0.62 (0.53–0.72),  0.71 (0.66–0.77),  (reference = none)]


成人社会経済状況・ライフスタイル要素補正後関連性は減衰


スポーツチーム参加では、がん死亡率と逆相関する [HR (95% CI), 0.86 (0.76–0.97)]


青年・成人期ジョイント運動は、全原因死亡率、CVD、がん死亡率減少と相関  [HRs (95% CIs), 0.80 (0.72–0.89), 0.83 (0.69–1.00), and 0.87 (0.74–1.01), respectively]、成人・成長期要素補正後、青年期の運動のみががん死亡率減少と逆相関  [HR (95% CI), 0.84 (0.71–0.98)]


 子供の頃の運動が筋力の強度・耐用性を改善し、身体活動性の能力を向上させ、心身面に影響を与え、体重コントロール、自己ESTEEMの改善などに好影響を与えるのだろうと・・・。がんに於ける肥満関連機序も関連するという説明もなされている。

2015年4月30日木曜日

北京オリンピック開催中公害人為的減少にて胎児体重増加 ・・・ 大気汚染による成長抑制の傍証

北京オリンピック期間中だけ北京に青空が戻った


この期間が本来有るべき環境で、それにより回復した者は、妊娠期間中の胎児の成長


Differences in Birth Weight Associated with the 2008 Beijing Olympic Air Pollution Reduction: Results from a Natural Experiment
David Q. Rich, et. al.
Environ Health Perspect; DOI:10.1289/ehp.1408795

2008年オリンピック中、8ヶ月の妊娠期間であった子供は、2007年から2009年同月に8ヶ月妊娠期間例であった子供と比較して、平均 23g(95%信頼区間:CI, 5g〜40g)大きい


妊娠8カ月期間中IQRは、それぞれ PM2.5 19.8 µg/m3 、 CO 0.3 ppm 、 SO2 1.8 ppb 、 NO2 13.6 ppb 
それぞれに対し、 18g (-32g, -3g)、 17g (95% CI: -28g, -6g)、 23g (95% CI: -36g, -10g)m 34g (95% CI: -70g, 3g) の体重減少


妊娠1−7ヶ月時では有意差認めない



中国の壮大な人体実験



2014年3月7日金曜日

青年期:電子タバコは喫煙経験・禁煙計画者に使用比率が多いが、禁煙に役立たず

電子タバコ(e-cigarette)は思春期青年に広がっている。そして、レギュレーション不明。

米国中高校生徒代表的サンプル(n=22,529)横断研究

結論から言えば、青年期おいて、電子タバコ(e-cig.)は、現行喫煙オッズと相関し、喫煙習慣確立状況、禁煙計画比率と相関する。しかし、現行喫煙からの禁煙状態への成功は少なく、禁煙に役立たない。


Electronic Cigarettes and Conventional Cigarette Use Among US AdolescentsA Cross-sectional Study
 Lauren M. Dutra, et. al.
JAMA Pediatr. Published online March 06, 2014. doi:10.1001/jamapediatrics.2013.5488 

たばこ喫煙群(1 puff以上)において、e-cig使用は、喫煙既往オッズ比、現行喫煙オッズと相関(100本以上  オッズ比 [OR] = 6.31; 95% CI, 5.39 - 7.39、OR = 5.96; 95% CI, 5.67 - 6.27)


現行e-cig.使用と、喫煙既往、現行喫煙と正相関  (OR = 7.42; 95% CI, 5.63 - 9.79、OR = 7.88; 95% CI, 6.01 - 10.32)


2011年、現行喫煙・e-cig.使用既往では、次年内禁煙傾向は存在する   (OR = 1.53; 95% CI, 1.03 - 2.28)


因習的喫煙群において、e-cig.使用経験は、喫煙中止、30日、6ヶ月、1年の禁煙率低下と関連(30日 OR = 0.24; 95% CI, 0.21 - 0.28)、 6ヶ月 OR = 0.24; 95% CI, 0.21 - 0.28)、 1年 OR = 0.25; 95% CI, 0.21 - 0.30)



現行e-cig.は、同様、  30-日 OR = 0.11; 95% CI, 0.08-0.15)、6ヶ月 OR = 0.11; 95% CI, 0.08-0.15)、1年 OR = 0.12; 95% CI, 0.07-0.18)での禁煙率低下と関連


100本以上の喫煙経験者において、e-cig.使用既往は30日、6ヶ月、1年の禁煙率と負の相関( OR = 0.61; 95% CI, 0.42 - 0.89、0.53; 95% CI, 0.33 - 0.83、0.32; 95% CI, 0.18 - 0.56)


 e-cig.現行使用も、同様に、負の相関(30日 OR = 0.35; 95% CI, 0.18-0.69)、6ヶ月 0.30; 95% CI, 0.13-0.68、1年  0.34; 95% CI, 0.13-0.87)。




2014年1月18日土曜日

中学・高校時代のメンタル疾患は一過性が多い

メンタル疾患を有する成人では24歳未満症状出現が多い。若年者不安やうつも多いが、成人期まで症状継続するか、改善するか明らかでない。

報告は、オーストラリアのビクトリア州、44の中等学校、1943名のサンプル、層別化・ランダム化サンプル;16.6歳平均から29.1歳まで

Revised Clinical Interview Schedule (CIS-R) (12以上)は、男性 29% 236/821、女性 54%(498/929)
若年成人を過ぎてもエピソードあるのは約60%(434/734)
しかし、6ヶ月期間未満の1つのエピソードしかない思春期では、成人期になるとメンタル的健康上の問題を持ち越さない。
 思春期メンタル健康問題の期間が長いほど、明瞭な若年疾病の強い予測要素となる(オッズ比 3.16 95% CI, 1.86 - 5.37)
女性では、 2.12 (1.29 - 3.48)、両親別居・離婚の場合では(1.62, 1.03 -2.53)で疾病持続が多い。


The prognosis of common mental disorders in adolescents: a 14-year prospective cohort study
The Lancet, Early Online Publication, 16 January 2014
doi:10.1016/S0140-6736(13)62116-9

2013年6月17日月曜日

思春期:高尿酸血症は高血圧(パーセンタイル定義)の独立要素? :高尿酸レベルは女性 4.7 mg/dL、男性 5.0 mg/dLレベル

Viazzi F, et al. "Serum uric acid and blood pressure in children at cardiovascular risk" Pediatrics 2013; 132: e93-e99.
参考:http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Hypertension/39879

尿酸は、高血圧の独立したリスク要素でありそうだ。 貧困度、性別、BMI、腎機能、他の要素補正後、尿酸値高値 は、収縮期・拡張期血圧高値 と相関

尿酸1mg/dL増加毎、高血圧 vs 正常血圧、一過性高血圧のオッズは40%増加し、正常血圧との比較では54%増加する。

高血圧前症・高血圧は、尿酸 1mg/dL増加毎 リスクは、高血圧前症で60%、最大4分位群では2.26倍のリスク。

高血圧前症(血圧 90パーセンタイル以上95パーセンタイル未満と定義)では17%、高血圧症(95パーセンタイル以上と定義)では27%で、1/3が過体重、41%が肥満。
血圧増加は、体重、ウェスト径増加ほど、BMI増加ほど、Homeostasis Model Assessment index、尿酸値増加ほど高値 。

尿酸値最大4分位は、女性 4.7mg/dL、 男性 5.0 mg/dL超
高血圧 vs 他群では67%、 正常血圧比較では2.04倍
高血圧前症オッズ比は 1mg/dL増加毎 60%増加し、最高尿酸4分位では2.25倍高値 。


治療的な関連がすでに、以前報告されている。

交叉検証試験によれば、新規診断高血圧(level 1 )・血中尿酸 6 mg/dL 以上)青年(11-17歳)の2/3は、尿酸値減少目的のアルプリノール投与により正常血圧に回帰する。

Feig DI, et al "Effect of allopurinol on blood pressure of adolelsclents with newly diagnosed essential hypertension. A randomized trial"
JAMA 2008; 300: 924-932.


2012年12月7日金曜日

アメリカ心臓病協会:ソーシャルメディアなどを積極的に使って身体健康のための行動変容介入を・・・

日本では新しいインターネット技術を、子供の心身の健康に関して、悪い方にしか受け取らない傾向がある。旧態依然たるメディアから報道されることが多いため、どうしてもこういう報道は恣意的・無意識的な解釈が含まれるからだろう。

AHA(米国心臓病協会)は、ソーシャルメディア・ソーシャルネットワークを利用して、子供の肥満対策とする方法を検討し、最適化ツールのためにはさらに多くの研究必要。
ソーシャルネットワークと予防的健康行動の関連性が導かれ、たとえば12-17歳の95%がネットアクセスし、ソーシャルメディアを積極的に利用しているという実態から、これを利用しようとする能動的志向を表明している。しかし、ネットベース肥満介入に関する確固たる、再現性を示す研究はまだ少ない。

Jennifer Li (ivision chief of pediatric cardiology at Duke University)は、8つのネットベースのランダム化トライアル(体重、BMI、運動、食事摂取量をアウトカムとする)を行った。6つは少数で、2つは359名の思春期女性と、3千名の中学生徒研究で、結果は様々。

ステートメントは、臨床医、為政者、研究者は、ソーシャルメディアやネットワーク利用の行動変容の柔軟なモデルを考慮すべきとして、行動変容エレメントへのアプローチに着眼し、それを進めることを述べている。

たとえば、“Weight Watchers program”ベースに肥満着眼した専門的なソーシャルネットワーク開発など

21世紀の主たるコミュニケーションツールとなるかもしれないこの強力なツールを否定的に捉えるだけでは、将来性は無い・・・という感じの話。

Approaches to the Prevention and Management of Childhood Obesity :The Role of Social Networks and the Use of Social Media and Related Electronic Technologies : A Scientific Statement From the American Heart Association
Circulation. published online December 3, 2012;
http://circ.ahajournals.org/content/early/2012/12/03/CIR.0b013e3182756d8e.citation



2012年9月28日金曜日

思春期肥満への加糖飲料制限の効果 ・・・ おもったほど効果はない;NEJMの姿勢に疑問

加糖飲料制限群と対照群に思ったほどの差が認められなかった・・・さて、どういう言い訳をするかに興味の方向性が移る、今一つクリアカット出ない報告。

均一な食行動、多様なサンプル、被験者停滞率が高かったこと、身体運動・テレビ視聴との関連性も調査されたという調査は優秀だったものの、多因子が関与してるわけで、わずか200名程度では、挟雑因子の影響が大きくて結論だすのは難しいと思う。
多面的研究を狙った割には、サンプル数が少なすぎると結論でも記載されている。
食事も運動も自己報告に頼りすぎてること、不正確なBIAを体組成検査としてつかったこと、肥満関連リスク要素データの不備、バイオマーカーがないことなど、この調査の問題点である。

この程度でクリアカットな結論がだされるなら逆に信頼性に疑問が生じる位で、そもそもこの程度の結論の論文がNEJMに記載されるってことの意義は、論文の結果では無く話題性に媚びすぎてるんじゃないかと・・・


社会経済的・行動的要素の影響が大きいという証拠としてのヒスパニック系でのBMI減少結果があげられている。


A Randomized Trial of Sugar-Sweetened Beverages and Adolescent Body Weight
Cara B. Ebbeling,  et. al.
NEJM Sep. 21, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1203388
224名の過体重・肥満思春期少年少女を割り付け

滞留率1年で97%、2年で93%

加糖飲料報告量はベースラインでは、実験群、対照群同等 (1.7 サービング/日)
実験群では1年でほぼゼロ、2年時点でも実験群では飲料量報告低下のまま

プライマリアウトカムである、2年時点でのBMIの変化は2群に有意差認めず (対照群と実験群の差 , −0.3; P=0.46)


1年時点では有意にBMI (−0.57, P=0.045)、体重(−1.9 kg, P=0.04)に差を認めた。


1年時点 (P=0.04)、2年時点 (P=0.01)での民族差による影響のエビデンスを見いだした
民族毎の事前層別化解析、ヒスパニック登録者(実験群 27、対照群 19)では、有意に1年時BMI変化(−1.79, P=0.007) 、2年時BMI変化(−2.35, P=0.01)あり、しかし、非ヒスパニック系では有意差無し (P>0.35 at years 1 and 2)

総体重比率体脂肪の変化は2年時点で有意差認めず (−0.5%, P=0.40)

被験者関連の副事象認めず


bioelectrical impedance analysis (BIA) を疫学調査とは言え、採用し、NEJMに論文アクセプトされる時代。
といいつつ、不正確性との記載を要求するNEJM側・・・この態度に非常に矛盾を感じる。

オムロンだけじゃ無く、タニタとやらが、BIAの不正確性を無視して、マスメディアにでしゃばる暗黒時代・・・日本の大衆だけじゃなくて、一流と言われているジャーナルでも汚染が・・・

2012年6月8日金曜日

米国若年者危険行為:飲酒運転減少・電子メール操作運転増加、ネット虐め・マリファナ増加、喫煙減少せず・・・

ここ20年従来のリスキーな運転行為は減少しているが、新しいテクノロジーによるリスクが増加している。
MMWR2012からの報告(Youth Risk Behavior Surveillance — United States, 2011 Surveillance SummariesJune 8, 2012 / 61(SS04);1-162

Teen Drivers Drinking Less, Texting More
http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/PublicHealth/33144


シートベルト未装着:1991年 26% → 2011年 8%
飲酒運転車上搭乗:1991年 40% → 2011年 20%
飲酒後運転:1997年 17% → 8%

電子メールを運転中テキスト作成、送信したのは33%程度、44の州で、この行為は禁止されている。


cyberbullying(ネット虐め)が10代の健康リスクとして出現、16%ほどが電子メール、チャットルーム、インスタントメッセージ、ウェブサイト、テキスト・メッセージ経由で経験。白人10代女性の最も多い。

 喫煙率低下は、2009年から2011年で19% → 18%と変わらず
マリファナは21% → 23% で減少してないものの、1999年の27%からは減少。
今や、マリファナ使用率の方が喫煙率より多い(23% vs 18%)




日本はどうなんでしょう?

ネット上のいわゆるカンナビスト活動や合法ドラッグなど、若者を取り巻くドラッグ環境・・・悪化しているという印象。
日本では、米国ほどでは無いものの、同様な問題を抱えているはず。
モバイルグッズ普及から考え、ネットいじめは日本の方がより問題が深刻なのかもしれない。

2012年3月8日木曜日

反復ストレスは前頭前野グルタミン酸伝達への悪影響を与え認知機能に障害を与える

慢性ストレスは、記憶障害を生じるが、これは、前頭前野(PFC)のグルタミン酸シグナル化によるものであることを示した報告。

前頭前野は反復ストレスに鋭敏な領域で、特に、成長期で・思春期では、この部分の発達が急速な時期である。慢性ストレスが、遂行機能、記憶・注意などに影響を与え、ストレス関連のメンタル疾患に関連する不適応を示すことにもつながる可能性がある。


繰り返すストレスにより、グルタミン酸受容体turnoverを促進することで、PFCグルタミン酸神経伝達を抑え、PFCにもとづく認知過程に対し負の影響をもたらすことがわかったとのこと。

Yuen EY, et al "Repeated stress causes cognitive impairment by suppressing glutamate receptor expression and function in prefrontal cortex" Neuron 2012; DOI: 10.1016/j.neuron.2011.12.033. 

 慢性ストレスは、ストレス関連精神疾患と関連する不適応性変化をもたらすが、その基礎となるメカニズムはあいまいだったが、若年雄ラットで、反復ストレスで、 temporal order recognition memory、前頭前野(PFC)による認知過程を障害することを示した。同時に、反復ストレスを受けた動物からのPFC錐体ニューロンにおいて、AMPAR- 、NMDAR-によるシナプス伝達・グルタミン酸受容体発現の減少が生じた。

このような影響はすべてglucocorticoid receptor活動性に依存し、続いて、GluR1、NR1 subunitのubiquitin/proteasome-mediated degradationを促進する。それらは、それぞれ、 E3 ubiquitin ligase Nedd4-1と Fbx2により調整される。

ストレス下動物では、PFC内のproteasome抑制、Nedd4-1とFbx2のknockdownにより、グルタミン反応・認知記憶は喪失する。


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...