2016年10月4日火曜日

Autophagyと呼吸器疾患

昨日のNHK19時のニュースで、大隈良典先生「サイトプラズム」「オルガネラ」と連呼していたが、武田アナウンサーの微妙な顔が面白かった。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716211000.html

といいながら、初見でなく近年見聞きする言葉ではあるが、私もよく分かってないけど・・・



2016 Nobel Prize Winner Yoshinori Ohsumi’s Discoveries Could Change How We Treat Disease
http://www.huffingtonpost.com/entry/yoshinori-ohsumi-2016-nobel-prize-winner-cancer-dementia-treatment_us_57f297ace4b0c2407cdf11ad

がん、神経変性疾患、感染性疾患、糖尿病など
現在、認知症疾患からがん増殖に関する治療の有効性示唆され、臨床トライアルが現在検証中。
e.g.)
Autophagy and Alpha-Synuclein: Relevance to Parkinson's Disease and Related Synucleopathies Maria Xilouri et. al.
First published: 27 January 2016Full publication history
Movement Disorders Volume 31, Issue 2 February 2016 Pages 178–192

・・・ということで、呼吸器疾患に限って・・・


Autophagy in lung disease pathogenesis and therapeutics
Stefan W. Ryter, , et. al.
http://dx.doi.org/10.1016/j.redox.2014.12.010

肺疾患でのautophagyの意義
autophagyは多数の機能を果たし、肺疾患の病態形成に明らかに関与すると考えられる。
これには、metabolic recyclingのautophagyの全般的防御効果、炎症の調整、細胞死経路の調整関与。
primary細胞のがん形成対抗作用に関するautophagyの防御的側面は、腫瘍増殖への奇異的生存的アドバンテージにも寄与する。
線維性肺疾患のような特定疾患では、autophagyの異常は病態形成へ影響しうる。
選択的autophagyの特異的サブタイプは選択的肺疾患で追加的重要性を有することもあり得る。
autophagyのxenophagy機能は、感染性疾患・敗血症にとっても重要。
mitophagyciliaphagy programは近年慢性肺疾患の病態形成の関係示唆されつつある。







マクロautophagy経路:pro-autopahgosomal siteでのisolation membrane形成にはじまるシリーズ。初期autophagic membraneは、二重膜autopahgosomeから伸びて、細胞質領域に伸びてそれを包含するようになる。それには、特異的な細胞内物質を含む(例, ダメージを受けたミトコンドリアや凝集蛋白)が含まれる。isolateされた荷物を包含するautophagosomeは、ライソゾームにより、単一膜autolysosomeを形成するようになる。autophagosomeはこのコンパートメント内で酵素的に分解される。この分解産物は、freeのアミノ酸、脂肪酸、核酸を含みlysosomal permeaseの活性化により細胞質内へ遊離され、anabolic pathwayに再利用される。








Molecular regulation of autophagy.
autophagyは、増殖因子のネガティブ調整に反応し、class I PI3K/AKT経路を調整し、mTOR経路をupregulateする

mTOR は、 macromolecular complex (mTORC1)内に存在;このmulti-protein complexはアミノ酸、増殖因子を含みシグナルと関連した栄養素で活性化され、ULK1 complexとのinteractionによりnegativeにautophagyは調整される

また、autophagyは、5′-adenosine monophosphate (AMP)-activated protein kinase (AMPK)の活動性増加を通して、細胞エネルギー蓄積の不足による調整により反応する
AMP値増加に応じて、AMPKはmTORC1不活化し、ULK1を活性化した、そして、Beclin1を活性化し、mATG9のtraffickingを推進する。

autophagosome形成開始は、autophagy protein Beclin 1 (Atg6)によっても調整される。Beclin 1は、 hVps34、 class III phosphatidylinositol-3 kinase (PI3KC3)、 p150、 ATG14Lを含むmacromolecular complexも関係する。Beclin1複合体は、WIPI2を含むautophagosome形成上のassessory factorとして関与するPIP3を形成する。
autophagosome elongationには、2つのubiquitin-like conjugation systemが必要で、ATG5-12 conjugation systemとATG8 (LC3) conjugation systemがそれ。
Autophagy protein LC3-II は、autophagosomeのmaturingと関連し続ける。




Divergent Roles of Autophagy in Virus Infection
Abhilash I.  et. al.
Cells. 2013 Mar; 2(1): 83–104.
Published online 2013 Jan 25. doi:  10.3390/cells2010083
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3972664/











喘息:autophagyは、自然免疫・獲得免疫の鍵、さらには、呼吸器系ウィルス複製、免疫応答においても鍵。ATG5遺伝子多様性は喘息と関連。ATG5遺伝子transcriptionは、急性喘息悪化時鼻腔上皮において増加


HRV(ヒト・ライノウィルス):Hela細胞での関連性など
同様RSV、コロナウィルス、アデノウィルス、インフルエンザウィルスでautophagyの関連性



Autophagyがヒト2型糖尿病の鍵?
http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/07/blog-post_28.html
autopahgyとして知られる細胞調整システムが2型糖尿病予防の鍵となるかもしれない。toxic amylin oligomerの蓄積を防止し、インスリン分泌β細胞を防御する。

DOAC:NVAF ガチンコ比較 ダビガトラン vs イグザレルト

盛んに、メーカー側&御用達教授陣たちが、1日1回処方の利便性を「リアルワールド」と宣伝している、イグザレルト。
臨床トライアルの後顧的研究であり、文字通り受け取ることはできない・・・と、反論でるか?




非弁膜症性心房細動患者での卒中予防として非ビタミンK経口抗凝固剤:プラザキサ(ダビガトラン)とリバーロキサバン(イグザレルト)が承認されているが、卒中予防として、ダビガトランvsリバーロキサバンの卒中、出血、死亡率アウトカムでのランダム化ガチンコ比較されてない

118891名の新規使用コホート研究後顧的研究、非弁膜症性心房細動、65歳以上、メディケア fee-for-service登録

dabigatran 150mg ×2、 リーバロキサバン 20mg×1


Stroke, Bleeding, and Mortality Risks in Elderly Medicare Beneficiaries Treated With Dabigatran or Rivaroxaban for Nonvalvular Atrial Fibrillation
David J.
Graham, et. al.
JAMA Intern Med.
Published online October 03, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.5954



主要アウトカム・測定:血栓塞栓性卒中、ICH(頭蓋内出血)、重大頭蓋外出血(消化管出血を含む)、死亡率のダビガトランを比較対照としての補正ハザード比
Adjusted incidence rate differences (AIRDs)も推定


 ダビガトラン治療 52 240 、リバーロキサバン治療 66 651 (47% 女性)
 それぞれ治療フォローアップ人年 15 524 , 20 199
 プライマリアウトカムイベント 2537


リバーロキサバンは、血栓塞栓卒中の統計学的非有意減少 (HR, 0.81; 95% CI, 0.65-1.01; P = .07; AIRD = 1.8 fewer cases/1000 person-years)、ICH統計学的有意増加  (HR, 1.65; 95% CI, 1.20-2.26; P = .002; AIRD = 2.3 excess cases/1000 person-years) 、重大頭蓋外出血有意増加  (HR, 1.48; 95% CI, 1.32-1.67; P < .001; AIRD = 13.0 超過症例/1000 人年)、これには重大消化管出血有意増加を含み(HR, 1.40; 95% CI, 1.23-1.59; P < .001; AIRD = 9.4 超過症例/1000 人年)、統計学的に非有意ながら死亡率増加 (HR, 1.15; 95% CI, 1.00-1.32; P = .051; AIRD = 3.1 超過症例/1000 人年)


75歳以上、CHADS2スコア 2超ではリバーロキサバン使用は、ダビガトランに比べ統計学的有意に死亡率増加する
リバーロキサバンのICH超過増加は、血栓塞栓性卒中減少を凌駕する


結論:リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)20mg1日1回処方治療は、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)150 mg1日2回処方治療に比べ、頭蓋内出血と消化管出血を含め重大頭蓋外出血を統計学的に有意に増加する



なぜか、リクシアナが漁夫の利を得たりして・・・・

noteへ実験的移行

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