2015年4月14日火曜日

老人介護施設入所骨粗鬆女性:ゾレドロン酸静注1回で骨塩改善するが、臨床的アウトカムは微妙・・・悪化の可能性も

施設収容老人を念頭に置いているようで、入所老人の85%が骨粗鬆症で、地域在住の老人に比べ8から9倍の骨折リスク。


そこで、静注ビスフォスフォネートを1回投与の有効性と安全性の検討。


Efficacy and Safety of Single-Dose Zoledronic Acid for Osteoporosis in Frail Elderly WomenA Randomized Clinical Trial
Susan L. Greenspan, et. al.
JAMA Intern Med. Published online April 13, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0747


 
2年間のランダム化プラシーボ対照化二重盲検研究


ゾレドロン酸5mg静注 vs プラシーボ静注 + カルシウム+ビタミンDサプリメント

主要アウトカム・測定 股関節・椎骨骨密度(BMD) 12ヶ月、24ヶ月時点
及び副事象


ベースライン差なし; 年齢(85.4歳 (0.6歳))、BMD、機能・認知状況
ただ、治療群の方が、Frailty、骨折病歴、糖尿病歴、抗痙攣薬使用が多い。


BMD値データ入手: 12ヶ月で87%、24ヶ月で73%

平均(SE)BMD変化: 治療群で大  : 3.2 (0.7)  vs  3.9 (0.7) %ポイント差 12ヶ月・24ヶ月時点での股関節  (差比較 P < 0.01)、さらに、脊椎 1.8 (0.7) vs 3.6 (0.7) %ポイント差 (P < .01);補正後解析も同様


治療とプラシーボの骨折は、  20% vs 16% OR, 1.30; 95% CI, 0.61-2.78)

死亡率は、  16% vs 13% (OR, 1.24; 95% CI, 0.54-2.86)


1回転倒者の比率に群差なし (28% vs 24%; OR, 1.24; 95% CI, 0.64-2.42; P = .52)
 治療群では多くの被験者で多回数骨折 (49% vs 35%; OR, 1.83; 95% CI, 1.01-3.33; P = .047)、しかし、その差は、ベースラインのFrailty補正後有意でなくなった




結論・知見’脆弱な骨粗鬆症を有する高齢女性の一群に対して、ゾレドロン酸5mg静注1回で2年間BMD改善をもたらす。


非有意な臨床的改善だが、骨折や死亡率増加が治療群で示され、さらなる検討が必要。
このコホートで、骨折リスク軽減に役立つかは不明だったため、大規模トライアルとして骨折率変化をもたらすような、検出パワーのあるナーシングホームでの大規模検討が必要
Trial Registration  clinicaltrials.gov Identifier: NCT00558012




ビスフォスフォネートの骨粗鬆症治療は、全般的にも、ホントにハードな臨床的アウトカムを改善をもたらすのか・・・ ホントに疑問をもってるのだが・・・



LDLコレステロール:visit-to-visit 変動性は、心血管疾患アウトカムと関連;血圧だけではなかった・・・

血圧に関する、visit-to-visit variabilityは、話題豊富であるが・・・


Visit-to-Visit Low-Density Lipoprotein Cholesterol Variability and Risk of Cardiovascular Outcomes
Insights From the TNT Trial
Sripal Bangalore, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2015;65(15):1539-1548. doi:10.1016/j.jacc.2015.02.017

患者 9572名のうち、SDと、average successive variability (ASV)はアトルバスタチン 80mg/日 vs 10mg/日比較で有意に低下 (SD: 12.03 ± 9.70 vs. 12.52 ± 7.43; p = 0.005; ASV: 12.84 ± 10.48 vs. 13.76 ± 8.69; p < 0.0001)

補正モデルでは、ASVによるLDL変動1−SD 増加毎 、すべて冠動脈イベントは16%増加する  (ハザード比  [HR]: 1.16; 95% 信頼区間 [CI]: 1.10 to 1.23; p<0.0001)
同様に、心血管イベント11%減少 (HR: 1.11; 95% CI: 1.07 to 1.15; p <0.0001)、 死亡 23%減少 (HR: 1.23; 95% CI: 1.14 to 1.34; p < 0.0001)、 心筋梗塞 10%減少 (HR: 1.10; 95% CI: 1.02 to 1.19; p = 0.02),、卒中17%減少  (HR: 1.17; 95% CI: 1.04 to 1.31; p = 0.01)。これは、治療効果や達成LDL-C値と独立した影響である。

医療アドヒアランス補正後も不変の影響

真の”Video Thumb”: スマホゲームによる腱損傷

第5指損傷を、テキスト・サム(Thumb)なんたらと記載した通信業者があったと記憶しているが、今度はホントの親指(サム)腱損傷


Tendon Rupture Associated With Excessive Smartphone Gaming
Luke Gilman, et. al.
JAMA Intern Med. Published online April 13, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0753


重要性: スマートフォン過剰使用と外傷の関連性

所見: 29歳女性、右利き男性が、6-8週間・終日スマホでMatch-3パズルビデオゲームにより慢性の左手親指痛と能動運動障害。身体所見として、伸筋長母指(extensor pollicis longus)腱触知せず、手首の腱固定で、腱の運動性欠如が示された。
親指の 中手指節関節可動範囲は10度から80度。親指の指節間可動範囲は30度から70度。臨床診断で、左伸筋長母指腱断裂。
さらに、 extensor indicis proprius(2つの腱の一つを)から、extensor pollicis longus tendon transferが行われた。 手術中、伸筋母指伸筋腱の断裂は中手指と手首の関節の間で観察された。



http://manus.crchul.ulaval.ca/manus/1DorsalRetinaculum.html




Video Thumbは造語ですよ・・・ドコモさん

U.S. Preventive Services Task Force: 2型糖尿病検診 ・・・ IFG/IGT検診は糖尿病発症抑制効果あるも糖尿病検診自体は死亡率改善示せず

 Screening for Type 2 Diabetes Mellitus: A Systematic Review for the U.S. Preventive Services Task Force
Shelley Selph, et. al.
Ann Intern Med. Published online 14 April 2015 doi:10.7326/M14-2221


糖尿病検診では、10年フォローアップ程度では死亡率改善を示せなかった。検診発見糖尿病治療の有効性を検討するにはエビデンス蓄積が必要。

IFG、IGTはその後の糖尿病発症抑制に関して関連性は示された。


 Appendix Table 1. Effect of Screening for Diabetes on Health Outcomes




Appendix Table 2. Health Outcomes in Studies of Interventions for Screen-Detected/Early DM, IFG, or IGT 

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