血糖状況とその後の8年間の心筋梗塞、卒中、全原因死亡リスクについての影響検討
これまで、糖尿病前状態、空腹時血糖 100-125 mg/dL、ぶどう糖負荷2時間後 140-199 mg/dLのIFG、IGTで心血管リスク増加懸念されていた。Australian Diabetes, Obesity, and Lifestyle Study (AusDiab) では、IFGもIGTも心血管疾患、全死亡率独立予測要素だが、一部にはIGTこそが・・・という報告もある。
今回の報告で、非糖尿病患者の空腹時血糖上昇は、心筋梗塞、全死亡リスクと関連し、迅速で重大であることが確認された
特に、空腹時血糖正常維持に比べ、2年内の空腹時血糖正常→異常(この場合は“IFG→DFG"と表現)では、心血管・全原因死亡リスク増加と関連している。
糖尿病という診断前から心血管疾患系の病的状況は進行していることが分かる
The effect of change in fasting glucose on the risk of myocardial infarction, stroke, and all-cause mortality: a nationwide cohort study
Gyeongsil Lee et. al.
Cardiovascular Diabetology201817:51
https://doi.org/10.1186/s12933-018-0694-z
Published: 7 April 2018
正常空腹時血糖(NFG)
NFG→NFG比較
- NFG→DFG(空腹時血糖 126 mg/dl以上):卒中リスク増加 (HR [95%CI] 1.19 [1.02 - 1.38]
- NFG→IFG(空腹時血糖 100.0 - 125.9 mg/dl) or DFG :全原因死亡リスク増加 (NFG→IFG:HR [95% CI]: 1.08 [1.02–1.14] 、NFG→DFG:1.56 [1.39–1.75] for NFG to DFG)
- IFG持続者に比べ、IFG→DFGでは、心筋梗塞・全原因死亡リスク増加 (HR [95% CI]: 1.65 [1.20–2.27]、1.16 [1.02–1.33])