2015年5月30日土曜日

急性冠症候群・スタチン治療患者:空腹時TG値は短期・長期虚血イベント推定要素

トリグリセライドの臨床的意義は時代により流動的でなんだかはっきりしないというのが個人的感想



急性冠症候群・スタチン治療患者において、空腹時トリグリセライド値は、その後の虚血性イベント再発推定要素となる

週単位・年単位という短期・長期観察期間共に心血管リスク推定因子となる


Fasting Triglycerides Predict Recurrent Ischemic Events in Patients With Acute Coronary Syndrome Treated With Statins
Listen to the Audio Commentary:
Gregory G. Schwartz,  et. al.
J Am Coll Cardiol. 2015;65(21):2267-2275. doi:10.1016/j.jacc.2015.03.544



(左)  Myocardial Ischemia Reduction with Aggressive Cholesterol Lowering trialの初期アトルバスタチン群へのランダム割り付け群でのトリグリセライド値3分位による短期累積イベント頻度
Time 0は、指標ACS後63時間の平均を示す


(右)  dal-OUTCOMES trialでの初期ランダム割り当て時トリグリセライド4分位毎長期累積頻度
Time 0 は、指標ACS後6週間(レンジ 4-12週間)中央値に対応
4分位群毎傾向 p<0 .001="" p="">



トリグリセライドへの二次予防介入はより積極的に行うべき?

AHA/ASA脳内出血管理ガイドライン

特発性頭蓋内出血マネージメントガイドライン

AANの神経学専門家への教育ツールとしてのガイドライン

Guidelines for the Management of Spontaneous Intracerebral Hemorrhage
A Guideline for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association
Endorsed by the American Association of Neurological Surgeons, the Congress
of Neurological Surgeons, and the Neurocritical Care Society
J. Claude Hemphill III, et. al. ;
on behalf of the American Heart Association Stroke Council, Council on Cardiovascular and Stroke Nursing, and Council on Clinical Cardiology
http://stroke.ahajournals.org/content/early/2015/05/28/STR.0000000000000069.full.pdf+html




Class I 推奨

緊急診断・評価

  • ICH患者初期評価の一部としてベースライン重症度スコア評価なされるべき (Class I; level of evidence B; new recommendation)
  • CTもしくはMRIによるRapid neuroimaging がICHと虚血性卒中鑑別のためなされるべき (Class I; level of evidence A; unchanged from the previous guideline)


止血法(Hemostasis)、凝固障害、抗血小板剤、深部静脈血栓予防

  • 重度凝固因子欠乏あるいは重度血小板減少の患者では、適切な因子補充療法、血小板補充をそれぞれに従い投与されるべき  (Class I; level of evidence C; unchanged from the previous guideline).
  • ビタミンK拮抗剤(VIKAs)のためINR増加しているICH患者ではVKAを中止し、ビタミンK依存因子補充し、INRを補正し、静脈内ビタミンK投与を行うべき  (Class I; level of evidence C; unchanged from the previous guideline)
  • ICH患者では深部静脈血栓塞栓予防のため、入院日その日から、intermittent pneumatic compression(間歇的空気圧迫治療)を行うべき (Class I; level of evidence A; revised from the previous guideline)






「肺血栓塞栓症予防管理料」305点というふざけた値段設定をどうにかした方がよい!


日本のメディアが本格的に報道しない間に、韓国から中国へ拡大をみせる、MERS

MERS Spreads to China from Korean Outbreak
http://www.nbcnews.com/storyline/mers-mystery/mers-spreads-china-korean-outbreak-n366826



日本のメディアは最大限の報道すべきでは? 「隣国」韓国MERS拡大
http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/05/mers.html







今頃(6月4日)こういう通達が・・・日本医師会から〜








空気対応を!
http://www.cdc.gov/coronavirus/mers/infection-prevention-control.html

・・・というのは正しかった?


文亨杓(ムン・ヒョンピョ)保健福祉相は5日、最初の患者が入院して多数の感染者が発生したのは、ソウル南方の「平沢(ピョンテク)聖母病院」(京畿道平沢市)だと初めて公表。5月後半にこの病院を訪れた人に保健当局へ連絡するよう呼びかけた。また、同病院の病室のエアコンフィルターからウイルスを検出したと明らかにした。エアコンを介し他の病室に広がった可能性があるとしている

韓国MERS感染 感染者41人に 朴大統領はソウル市長に苦言「混乱招く」

産経新聞 6月5日(金)23時52分配信





病院の密閉空間でMERS空気感染の可能性=韓国

2015年06月06日09時17分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]



京畿道(キョンギド)平沢(ピョンテク)聖母病院の感染原因が、制限された形態の空気伝播である可能性が初めて提起された。これまで知られた飛沫感染ではないということだ。

  防疫当局の関係者は5日、「平沢聖母病院7、8階の疫学調査の結果、最初の患者(68)からのエアロゾル(唾液の微粒子)形態のウイルスが病室中に高濃度で浮遊していて、出入り口の外に出て感染を起こしたと推定される」と述べた。最初の患者が入院した病室には換気口と排気口がなく、窓は下に開く小さな形態だった。

  この関係者は「エアロゾル形態のウイルスは床に落ちず空気中に浮遊していて、これが部屋中を満たした状態で出入り口を開いた時に病室の外に出ていき、他の患者と保護者を感染させた」と説明した。

  当時、天井のエアコンは稼働していなかった。エアロゾル形態のウイルスがエアコンに上がり、3つのエアコンフィルターでウイルスが検出された。

  東国大予防医学科のイ・グァン教授は「患者の体から排出されたウイルスがエアロゾル形態で病室の中を満たしている状態で、ドアが開いて気圧の差が生じる瞬間、流れ出る可能性がある。痰の吸引などの医療行為をすると、ウイルスがエアロゾル形態で排出されたりもする」と説明した。

  一方、平沢市はこの日、公務員300人を動員し、先月15-28日に同病院の7、8階に入院した患者175人の家庭を訪問し、発病がないかどうか夜通し調査した。ソウル市は大型病院の医師感染者(38)が参加した再建築組合総会の出席者1565人に対しては1対1の調査をした。



新興感染症がトピックスとなると、いいかげんな聞きかじっただけの情報が飛び交い、普段まともだと思ってるジャーナリスト・世情批評家もとんでもない記事や発言をばらまく。
ひどいなぁとおもったのは、ニッポン放送のラジオで、保守系といわれる御仁 「MERSはそのへんのかぜウィルスの一種で騒ぎすぎるのは良くない」という趣旨の発言・・・耳を疑った。新型インフルエンザも循環している季節型インフルエンザと同じように扱えってか?
「メルス」ウィルスと報道したテレビ局もありました・・・



MERS問題から韓国の医療事情が浮かび上がってきた


http://www.aichi-iryou-tsuyaku-system.com/manual/manu_iryo_4.htm

入院の場合は、患者さんには必ず家族の1人が付き添うことが求められ、ほぼ24時間身の回りの世話をします。ただ、家族が忙しくて付き添えない場合には、お金を払って介護人を雇います。最近では、多忙で付き添えない人で、かつ介護人を雇うお金が無い人のために国から援助が出るようになったと聞きます。
 大きな総合病院の多くは、院内に霊安室が併設されていて、そこで葬儀も行われます。葬儀は、それぞれの信仰に合わせて行われます。霊安室は主に地下に設置されていますが、最近では病院の最上階に設けて雰囲気も明るくするなど、傾向が変わってきているようです。


かつては日本でも見られた風景。家族による付き添い義務・・・ 韓国では未だ残ってたことを確認した。院内感染の面から見れば、感染知識・技倆の無い家族に介護・看護を任せるのは即中止すべきである。

こう見ると、韓国メディカルツーリズムがかなりの危険をはらむと認識される




MERS確定診断受けた30人中24人、当初隔離対象ではなかった=韓国
中央日報日本語版 6月4日(木)10時56分配信



最初の患者を除く29人は、病院内で感染したことが確認された。患者(14人)に劣らず家族(12人)も多く感染した。韓国医療の問題点がここに大きく表れている。米国や欧州では看護者が患者を看病するが、韓国では看病が家族の役割であるためだ。家族が病院に滞留する時間が多かったことから、京畿道B病院で最初の患者(68)と接触する機会が多く感染が拡大した。

感染者のうち医療スタッフは3人で、最初の患者を診療した医師と看護師だ。感染が集中的に発生した京畿道B病院では看護師1人が感染した。おかしなことに、この病院の全体感染規模に比べて医療スタッフの感染が非常に少ない。この病院で集団感染が発生した理由が正確に分からないため、医療スタッフの感染が少ない理由も伝えられていない。



New York Times風刺

2015年5月29日金曜日

米国FDAも遅ればせながら、LAMへのシロリムス使用承認

日本では関係各位のがんばりで、肺リンパ脈管筋腫症:LAMへのシロリムスについてその薬事承認後、2014年9月保険収載なされている
http://rapalimus.jp/general/

89名の患者にてプラシーボ比較研究、12ヶ月の治療期間、12ヶ月の観察期間を経て
米国FDA承認されたという報告

FDA approves Rapamune to treat LAM, a very rare lung disease
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm448523.htm


The U.S. Food and Drug Administration today approved Rapamune (sirolimus), to treat lymphangioleiomyomatosis (LAM), a rare, progressive lung disease that primarily affects women of childbearing age. This is the first drug approved to treat the disease.


主に女性の疾患で、TSC1遺伝子あるいはTSC2遺伝子の変異に起因するもので、異常な平滑筋様細胞が進展し嚢胞を形成、肺組織を破壊。世界で500万名の罹患疾患と推定されている。


シロリムスのmTOR阻害作用がその治療機序である
参考:Respir Med. 2010 Jul; 104(Suppl 1): S45–S58.

中国・上海:空気清浄機48時間で炎症性・血栓形成バイオマーカー改善、血圧・NO呼気濃度も改善

屋内空気浄化が正しいのか?
中国のようなPM2.5高濃度の状況では、空気清浄機で心臓呼吸器防御的に!


48時間空気清浄機を使っただけで、バイオマーカー改善という効果


 Cardiopulmonary Benefits of Reducing Indoor Particles of Outdoor Origin A Randomized, Double-Blind Crossover Trial of Air Purifiers
Renjie Chen, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2015;65(21):2279-2287. doi:10.1016/j.jacc.2015.03.553


35名の上海の学生、2群に分けて、空気清浄機とシャムプラシーボ 48時間
2週間のWashout期間を設けて交差検証

平均的に、 空気清浄機にて、操作時間内で、PM2.5濃度 57%減少し、96.2 → 41.3 μg/m3


空気清浄にて、いくつかの血中炎症性・血栓形成バイオマーカー幾何平均減少;
monocyte chemoattractant protein-1 17.5%
interleukin-1β 68.1%
myeloperoxidase 32.8%
soluble CD40 ligand 64.9%


さらに、収縮期血圧、拡張期血圧、FeNOは有意に減少;それぞれ 2.7%、 4.8%、 17.0%
肺機能、血管痙攣バイオマーカーでもベネフィット認めたが、統計学的有意性は示せず。


日本ではPM2.5極端な健康被害状況はいまだ明らかにされてないと思う。中国のようなひどい環境限定の話なのか?

日本でもPM2.5 40以上ってのがめずらしくないので、他人事ではないのかもしれない


シャープなどがオゾン発生装置をマイナスイオン産生装置として出してから空気清浄機への信頼性地においた。ついでにシャープという会社自体も存亡の危機らしいが・・・


余計な機能の無い、良質な空気清浄機を

2015年5月28日木曜日

異常気候への備え:ちょっと寒いくらいが猛暑・極寒・軽度寒冷より死亡関与大きい

極寒や猛暑、ちょっと暑いより、ちょっと寒いくらいが死亡率増加に関与するらしい





Mortality risk attributable to high and low ambient temperature: a multicountry observational study Antonio Gasparrini, et. al. The Lancet , Published Online: 20 May 2015 Open AccessArticle has an altmetric score of 270
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(14)62114-0



【背景】
選別された国において、寒さ・暑さが寄与する早期死亡推定の研究がなされたが、種々季候状況暴露による全ての気温変化範囲でのシステミックな評価は全くなされてない。
ここでは、非適正気温の寄与死亡総負荷量を定量化、暑寒、軽度〜極端な気温関与の相対的寄与を評価

【方法】
384ヶ所(オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、イタリア、日本、韓国、スペイン、スウェーデン、台湾、タイ、英国、米国)のデータ収集。
各所の標準時間シリーズPoissonモデル、週のトレンド・曜日補正。
遅延21日とした、Distributed Lag Non-linear model (DLNM)による、気温・死亡相関を推定、各国指標や気温平均・レンジを含む多変量メタ回帰にてプール化した。
最小死亡率ポイント適合した至適気温上下の気温と定義し、2.5パーセンタイルから97.5パーセンタイルをカットオフ値と定義した軽度から極端な気温での死亡率を寒暑死亡寄与計算。

【結果】
1985年から2012年の様々な期間の74 225 200死亡。総数で、研究期間内の選択国における非至適気温に於ける関与は死亡率は7.71% (95% empirical CI 7.43–7.91)であった。各国間の実質的は相違は、タイ 3.37% ( 3.06 - 3.63 %)から中国の 11.00% ( 9.29 - 12.47)までであった。
最小死亡率の気温パーセンタイルは、熱帯の60パーセンタイルから、温帯地域の80-90パーセンタイルであった。
気温寄与死亡率は、寒気は暑気より影響大きい (7.29%, 7.02 - 7.49 vs 0.42%, 0.39 - 0.44)
極端な寒暖気温は総死亡率の0.86% (0.84 - 0.87 %)

【結論】気温関連死亡率の大多数は寒気温。 
極端な気温の日々の影響は、気温はよりマイルドだが非適切な季候よりその寄与は少ない。
このエビデンスは、気温変動の健康への影響を最小化するための公衆衛生介入へのプランニングに重大な示唆となり、気候変動シナリオでの将来への影響を示唆するものである



表2:国毎死亡率:寒暑の総要素・個別要素としての寄与死亡率、データはパーセンタイル中央値あるいは%(95%エンピリカルCI)
表2:暑寒気温の軽度から極端な変化の場合の国毎総死亡率寄与比率




副作用2割有っても、「副作用発現頻度が高いとは考えられず」と主張する専門家

第58回 日本糖尿病学会年次学術集会  学会レポート
ディベート:SGLT2阻害薬は糖尿病治療の主役になり得るか?

SGLT2阻害剤推進派の先生の言い分・・・ひどくないか?


「国内のSGLT2阻害薬全体の市販後調査では約2割の患者に皮膚障害がみられたが、日本人のみで副作用発現頻度が高いとは考えられず、医師の安全性への関心の高さや企業の熱心なPMS活動がバイアスとなっている可能性があることを指摘した。」

2割も副作用出しといて・・・よくも「副作用発現頻度が高いとは考えられず」と言えたもんだと・・・


ディベートとして、あえて悪者役を引き受けたとしても、PMS軽視しすぎだし、新薬に慎重な医師たちへの侮蔑にもなる。すこし言葉を選んだ方が良かったのではないか?


患者への副作用を心配して新薬処方に慎重な医師たちの方が賢い選択となることが多い。近年の薬剤副作用・薬剤発売中止事例の数々をみれば、明白。

米国では、処方しすぎて、SGLT2薬剤のケトアシドーシスFDA警告される事態も生じている。新薬は慎重でなぜ悪い!PMS重視して何故悪い!


納得ができない以上に、腹立たしくなる

非心臓手術リスク無し症例ではβ遮断剤死亡減少効果なし

非心臓手術へのβ遮断治療の32万6千あまりの巨大コホート:Veterans Affairs hospital


Revised Cardiac Risk Index (RCRI)による心臓リスク評価



β-Blockade and Operative Mortality in Noncardiac Surgery
Harmful or Helpful?
Mark L. Friedell, et. al.
JAMA Surg. Published online May 27, 2015. doi:10.1001/jamasurg.2015.86


非心臓手術のβ遮断剤による死亡率オッズ:心臓リスク要素層別化







心臓手術でのβ遮断剤による死亡率オッズ

セカンドオピニオンは価値があるのか? 高コスト、エビデンス欠如、患者満足度は高いが、従うのは2/3に過ぎない等

日本では医療保険でセカンドオピニオンが認められているが、医療機関側に人的資源などのコストをまかなう分だけの医療報酬が支払われないことや、主に癌以外の疾患でのセカンドオピニオン確立してないなど・・・いろいろ問題があると思う


主にがんに関するセカンドオピニオンの記事





乳がん診断に際し、両側乳房切除した、女優 Rita Wilsonはセカンドオピニオン故、優秀な医師と出会い、完全回復早かったと述べている。
重症の疾患診断あるいは混乱する治療手段オプションに直面したとき、誰でも他の視点を求めるのは当然だろう。セカンドオピニオンと一致した場合ですら、明快さを得ることができ、安心を得るという効用もある。しかし、初回での見逃しや誤解がはっきりする場合もある。診断や推奨治療の重大な変更がセカンドオピニオンにより、10%から62%となるという報告がある。他に、Best Doctorsの6800のセカンドオピニオンを、 従業員給付制度としての診断治療のセカンドオピニオンとしたところ、その変更が40%超でなされた。
しかし、問題点がある、すなわち、セカンドオピニオンにより、良好な医療意思決定がなされたというエビデンスがない。健康アウトカムを改善したというデータも乏しい。


診断過誤は10%から15%で生じるという専門家の推定されることより、セカンドオピニオンは良いアイディアである。

Best Doctors studyでは、セカンドオピニオンで要求される質問の34.8%が診断に関して、症状改善しない場合が22.5%、診断できない場合が6.3%。診断に関する疑問が6%。
Wisonの例は2つの乳房生検にて癌が見られなかったが、セカンドオピニオンで侵襲性がんであった。3rdオピニオンで診断確定となった。

セカンドオピニオンの費用は$565、病理レビューコストを含む場合は$745。

高コストにかかわらず、患者満足比率は94.7%だったが、セカンドオピニオンそのものの意見を受け入れた比率は61.2%で、全てではない。




Second Opinions Often Sought, but Value Not Yet Proven
Little hard data available to show better overall result
http://www.medpagetoday.com/PracticeManagement/PracticeManagement/51789



日本のメディアは最大限の報道すべきでは? 「隣国」韓国MERS拡大

South Korea's tally of MERS cases at seven; one suspected patient heads to China



”いつもは、お隣の国「韓国」では・・・”と報道する、テレビ・メディア


韓国でのMERSの広がり、なぜ報道しないのでしょう?
日本厚労省が”2種感染症”としてカバーしているMERSが「おとなりの国’韓国」で広がりを見せてます。


ですが、「韓国 MERS テレビ」と検索しても テレビ報道の証拠有りません
https://goo.gl/XLfrGQ



Twitterや外国メディアでは随分騒がれているの随分異なる、日本内外のメディアスタンス。
https://goo.gl/mDP3Y0






内外Yahooの差!





遠隔のはずの米国Yahoo!では、3番目注目記事としてクローズアップ
日本のYahooは小さな記事としてすら取り上げてない



WHO好きのマスコミさんたち・・・WHOが5月24日 Global Alert and Response (GAR)を出してますよ

http://www.who.int/csr/don/24-may-2015-mers-korea/en/
WHO助言

Based on the current situation and available information, WHO encourages all Member States to continue their surveillance for acute respiratory infections and to carefully review any unusual patterns. 
Infection prevention and control measures are critical to prevent the possible spread of MERS-CoV in health care facilities. It is not always possible to identify patients with MERS-CoV early because like other respiratory infections, the early symptoms of MERS-CoV are non-specific. Therefore, health-care workers should always apply standard precautions consistently with all patients, regardless of their diagnosis. Droplet precautions should be added to the standard precautions when providing care to patients with symptoms of acute respiratory infection; contact precautions and eye protection should be added when caring for probable or confirmed cases of MERS-CoV infection; airborne precautions should be applied when performing aerosol generating procedures.

Until more is understood about MERS-CoV, people with diabetes, renal failure, chronic lung disease, and immunocompromised persons are considered to be at high risk of severe disease from MERS‐CoV infection. Therefore, these people should avoid close contact with animals, particularly camels, when visiting farms, markets, or barn areas where the virus is known to be potentially circulating. General hygiene measures, such as regular hand washing before and after touching animals and avoiding contact with sick animals, should be adhered to.

医療関係者への警告、空気感染故の危険性配慮、易感染性対象者など記載がある



いつもは「おとなり」「おとなり」と連呼するくせに、おとなりの国に広まるということは日本でもあぶないということ。台湾でのSARS騒ぎとは扱いが天地ほども違う・・・あのときも日本メディアは中国の無法ぶりもスルー傾向だった。


日本のマスコミは、中国・韓国に過剰に遠慮するようだが、いったい何で?

食物繊維摂取は糖尿病予防的;だが、太るような食物繊維摂取増加は意味が無い

サプリメントCMも同様だが、かつての悪の代表格と言えるテレビ番組「あるある大事典」の常套句・・・奇跡の成分○○を摂れば健康になる。○○成分が豊富に含まれる△△を摂れば健康に!

「あるある」は無くなったが、こういうインチキが跋扈している。


果物に含まれる食物繊維は抗糖尿病的なのかもしれないが、多く摂ると体重増加にツナ有り、糖尿病促進的になる


こういうのってなぁ  
     ↓
温州みかんの成分 “β(ベータ)-クリプトキサンチン“肥満・糖尿病の改善効果を実証 ~第29回日本肥満学会にて発表~
http://www.arkray.co.jp/press/press/2008_10_28.html





食物繊維 成分摂取量が2型糖尿病リスク減少と関連するわけだが、ヨーロッパでの研究が少ない。2型糖尿病1万1千5百余りを同数の症例対照研究にて比較検討

EPIC-InterACT研究 4分位比較 HRQ4 vs Q1 0.82 ; 95% CI, 0.69 - 0.97)。シリアル繊維、野菜繊維では同様の逆相関見られたが、果物の繊維ではそのリスク減少観察されない。BMI補正後相関性消失。

19コホートのメタアナリシスにて、10g/日摂取増加毎
総繊維 0.91(95% CI 0.87, 0.96)、シリアル繊維 0.75 (95% CI 0.65, 0.86)でリスク減少
果物繊維 0.95 (95% CI 0.87, 1.03)、野菜繊維 0.93 (95% CI 0.82, 1.05) でリスク減少有意差無し

体重増加という要素で果物線維などのリスク減少効果相殺として説明可能



Dietary fibre and incidence of type 2 diabetes in eight European
countries: the EPIC-InterAct Study and a meta-analysis
of prospective studies
The InterAct Consortium
http://www.diabetologia-journal.org/files/InterActConsortium.pdf






Fig. 1 Association between cereal fibre, fruit fibre and vegetable fibre consumption and risk of type 2 diabetes in the EPIC-InterAct study (n= 26,088).




Fig 2. Dietary total fibre (a, b) and cereal fibre (c, d) and type 2 diabetes,linear dose–response meta-analyses per 10 g/day (a, c) and non-linear dose–response meta-analyses (b, d). In (a) and (c), the RR of each study is represented by a square, and the size of the square represents the weight of each study to the overall estimate.

米国FDA LABA/LAMAレスピマット吸入COPD適応承認

LABA/LAMAレスピマット FDA承認
http://www.medscape.com/viewarticle/845398



once-daily tiotropium bromide and olodaterol (Stiolto Respimat) inhalation spray


各々の単剤との比較した、5千名超の肺機能アウトカム改善効果証明: pivotal Phase III TONADO® 1&2 trials (NCT01431274/NCT01431287);52週間pIII

1万5千名超の多国治験、安全性比較 TOviTO® clinical trial program






日本では、COPD治療薬として、LABA/LAMA製剤は、「ウルティブロ®吸入用カプセル」、「アノーロエリプタ」がある。いずれもカプセル吸入製剤。

ウルティブロは、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)のグリコピロニウム(商品名 シーブリ)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)のインダカテロール(商品名 オンブレス)を配合

アノーロエリプタは、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)のウメクリジニウム臭化物(Umeclidinium Bromide)(商品名 エンクラッセエリプタ)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)のビランテロールトリフェニル酢酸塩(Vilanterol Trifenatate)(商品名 レルベア)を配合

2015年5月27日水曜日

癌診断時は、禁煙受容期でもある

がんと診断されたら、禁煙行動につながるか?・・・癌診断時は禁煙受け入れやすい、
”Teachable moment”である

禁煙は癌患者にとって、メンタル・心理的側面から易感染性・心肺機能・早朝治癒機転他、あまねく健康的ベネフィット大きい。


Cancer Prevention Study-II Nutrition Cohort の調査からの報告

Does a Recent Cancer Diagnosis Predict Smoking Cessation? An Analysis From a Large Prospective US Cohort
JCO May 20, 2015 vol. 33 no. 15 1647-1652



2年後の禁煙率はがん診断患者で31.3%(95%信頼区間:CI, 28.0%〜34.5%)、対照非診断 19.5(95%CI, 19.0%〜19.9%)

4年後 43.0% vs 33.8%


癌の部位、病期で関連せず





高齢者:アルコール中東量摂取でも心構造、心機能に悪影響を与える

軽度ならアルコール摂取は健康に良い・・・というのが高齢者に当てはまるか?

高齢者の場合、特に女性では、アルコールの中東量摂取でも心臓に障害を与えることは確かなようだ


Relationship Between Alcohol Consumption and Cardiac Structure and Function in the Elderly : The Atherosclerosis Risk in Communities Study
Alexandra Gonçalves, Pardeep S. Jhund, Brian Claggett, Amil M. Shah, Suma Konety, Kenneth Butler, et. al.
Circ Cardiovasc Imaging. 2015;8:e002846 originally published May 26, 2015, doi:10.1161/CIRCIMAGING.114.002846


背景— 過剰なアルコール摂取は、心筋症と関連するが、中等度のアルコール摂取と心臓の構造・機能への影響は広く知られてない


研究方法・結果—ARIC( Atherosclerosis Risk in Communities )研究  visit 5からの登録4466 名の経胸部エコー施行被験者、除外はアルコール飲酒歴のみの者と重篤な弁膜疾患患者
4つのカテゴリー分類: 自己報告に基づく 非飲酒、 週毎7ドリンク以下、7〜14ドリンク、14ドリンク以上

心臓構造機能測定、性別層別、寄与要素補正をアルコール関連性で調査

男女とも、アルコール摂取量増加と左室拡張期・収縮期径の大きさ、左室径の大きさと相関 (P < 0.05)
男性では、アルコール摂取増加毎、カテゴリー毎に、左室心筋量増加  (8.2±3.8 g per consumption category; P=0.029)、E/E′ 比増加 (0.82±0.33  ; P=0.014)
女性では、左室駆出率低下  (−1.9±0.6% /カテゴリー増加毎; P=0.002) 、そして傾向にとどまるが、左室全般長軸Strain悪化  (カテゴリー増加毎 0.45±0.25% ; P=0.07). 


結論— 高齢地域居住者において、アルコール摂取は軽度心臓構造・心臓機能変化と関連し、女性では男性よりアルコールによる心臓毒性が生じやすい



年とったらアルコールも控えろってことらしい・・・ 

米国では、アルコール14g(18ml)を標準ドリンクとするそうだから、焼酎アルコール含量25%で、1ドリンクで済ますには18ml×4=72mlが1日あたりの1ドリンク量


ところで、アルコールの単位数ってのが国毎に違うので、Drinksという単位を学術論文で使うって避けて欲しいと思うのは渡しだけだろうか?英国、米国、オーストラリア、日本全て異なる。

ESCなど心不全収容前・入院直後管理コンセンサスペーパー


CPAP、PEEPーPSがルーチンケアになっているのが感慨深い



Recommendations on pre-hospital and early hospital management of acute heart failure: a consensus paper from the Heart Failure Association of the European Society of Cardiology, the European Society of Emergency Medicine and the Society of Academic Emergency Medicine – short version
http://eurheartj.oxfordjournals.org/content/early/2015/05/14/eurheartj.ehv066












肥満:心房細動予防のため心配フィットネスの向上を

心肺フィットネス(CRF)の悪さは、心血管系合併症・死亡率の独立したリスク要素。だが、CRFと心房細動についての関連性は不明であったとのこと


6万5千名程度 平均年齢 54.5±12.7歳、女性 46%、白人 64%の1991年から2009年までの、心房細動無し、運動トレッドミル試験被施行者対象

肥満者で顕著な心肺フィットネス増加と共に心房細動発症リスク減少相関性認めた

Cardiorespiratory Fitness and Risk of Incident Atrial Fibrillation Results From the Henry Ford Exercise Testing (FIT) Project
Waqas T. Qureshi, et. al.
Circulation. 2015; 131: 1827-1834



Nested, multivariable Cox proportional hazards modelでCRFと心房細動発症との独立予測因子推定
フォローアップ中央値5.4年間(IQR 3-9年間)、4616名の新規心房細動診断

寄与要素補正後、トレッドミル検査1METにつき、心房細動発生7%リスク減少 (hazard ratio, 0.93; 95% 信頼区間 0.92–0.94; P < 0.001)

冠動脈疾患補正後もこの相関維持 (hazard ratio, 0.92; 95% confidence interval, 0.91–0.93; P < 0.001)

CRFと心房細動発生との逆相関性は非肥満より肥満者で大きい  (P for interaction=0.02)


アップストリーム予防は,エビデンス無き虚構概念という話も聞くが、フィットネス向上による予防効果はありそうだ・・・ 

2015年5月26日火曜日

高齢者喘息:吸入コントローラ薬剤アドヒアランスは流動性知能と明確な関連なし;単純化介入にて克服の可能性

流動性知能と結晶性知能
いろんなところで解説が試みられている
e.g.) http://www.nikkei.com/article/DGXMZO79123750R31C14A0000000/


高齢者に於ける吸入コントローラ薬剤のアドヒアランスは流動性知能との相関性明らかでなく、わかりやすい指導やタスクによりある程度克服できるかも・・・という話


Health Literacy, Cognitive Function, Proper Use, and Adherence to Inhaled Asthma Controller Medications Among Older Adults With Asthma
Rachel O’Conor, et. al.
Chest. 2015;147(5):1307-1315. doi:10.1378/chest.14-0914

背景:  喘息を有する高齢者において、認知的スキルの程度により健康リテラシーと喘息関連薬剤使用の関連性が説明できると考えてきた。

研究方法:  8つの外来クリニック(プライマリケア、高齢外来、呼吸器、アレルギー、免疫)60歳以上の患者を構造化、個別インタビューを、 Asthma Beliefs and Literacy in the Elderly (ABLE) study (n = 425)の一環として登録。
薬物使用関連行動を検討、処方レジメンアドヒアランス、MDIテクニック、DPIテクニックを含めた検討。
健康リテラシーをShort Test of Functional Health Literacy in Adultsで調査。
認知機能評価は、fluid (working memory、 processing speed、 executive function) と crystallized (verbal) abilityで評価

結果:  被験者の年齢平均は68歳;ヒスパニック 40%、 非ヒスパニック黒人 30%
コントローラー薬剤へのアドヒアランスは、38%、DPI適切使用は 53%、 MDI適切使用は38%

多変量解析にて、リテラシー不足がコントローラー使用のアドヒアランス低下と関連 (OR、 2.3; 95% CI, 1.29-4.08) 、同様、DPI使用スキル不適正とも関連 (OR、 3.51; 95% CI、 1.81-6.83) 、 MDI使用スキル不適切さも同様 (OR, 1.64; 95% CI, 1.01-2.65)


Fluid and crystallized abilities :流動性知能と結晶性知能は医療行動に対して独立性相関を認めるが、このモデルにFluid abilitiesを加えると、リテラシーによる相関性は減少する


結論:  喘息高齢において、薬剤使用適正さをプロモートする介入は、“認知負荷という問題”や“セルフケアにおける最適でない状況のパフォーマンス”を克服するべく、タスクや患者の役割を単純化して行うべき


高齢者への吸入指導は、簡単に諦めてはならないと言うことか・・・





75歳以上:言語知性要求される職業の場合認知機能減衰緩徐

メンタルな部分が要求される仕事の程度で、高齢者の認知機能低下速度への影響があるか?

75歳以上の1054名の長軸検査で、6波測定機会でのMMSE検討

言語的インテリジェンスを刺激する仕事が多い職業的経験をしたひとはそれ以外に比べ、75歳以上の高齢においてもその認知機能減衰程度少なく、維持されやすい。



Differential effects of enriched environment at work on cognitive decline in old age Francisca S. Then, et. al. http://www.neurology.org/content/84/21/2169.abstract

社会住民統計指標・健康関連要素補正多変量混合モデル
言語的インテリジェンス刺激するwork taskを要求するメンタルの高い仕事を経た対象者は、そうでない対象者に比べ、ベースラインでの認知機能の良さと相関する (on average 5 MMSE points higher) 、 同様に、8年フォローアップ後の認知機能減少程度の低さとも相関 (on average 2 MMSE points less)


高度メンタル必要労務タスクを経た対象者ではそうでない対象者に比較して高齢者認知機能減少速度は有意低下





前兆無し片頭痛と、大血管系・心原性卒中と関連重複遺伝子

片頭痛と虚血性卒中の遺伝子感受性共有性

20万例近い大規模メタ分析で、特定の遺伝子座を検討

前兆無し片頭痛(MO)と大血管系卒中(LAS)で強力なオーバーラップが見られる (LAS; p = 6.4 × 10−28 for the LAS polygenic score in MO) 、MOと心原性卒中とのも同様  (CE; p = 2.7 × 10−20 for the CE score in MO)


Shared genetic basis for migraine and ischemic stroke
A genome-wide analysis of common variants
Rainer Malik,  et. al. ; For the METASTROKE Collaboration of the International Stroke Genetics Consortium
http://www.neurology.org/content/84/21/2132.abstract

2015年5月22日金曜日

食事回数を減らす脂肪蓄積しやすく、耐糖能異常を来しやすい

テレビタレントなどが、朝食や夕食などの欠食を勧めるのを見聞きするにつけ、無責任な連中だと・・・眉をひそめることが多い。直感的・経験的市井情報での無責任な噂話。こういうのが真実の如く市井に固着してしまう弊害が怖い


食事抜きが減量の早道と思うのはやはり誤りで、逆効果ということをマウスで証明


日内を通して全体量として少ない食事量にすることが減量の基本
だが、まぁ多くの人間にはそれができない・・・ってのが悩みですけどね・・・


少なくとも、食事回数を少なくして減量を目指すことはインスリン抵抗性悪化・肥満リスクを増加させることは確かなようだ・・・


でもこういう実験って いままでもあると思うけど・・・ヒトでの疫学研究でHELENA研究で朝食抜くとインスリン感受性、脂質異常きたすという報告がある。


Short-term food restriction followed by controlled refeeding promotes gorging behavior, enhances fat deposition, and diminishes insulin sensitivity in mice
Kara L. Kliewer,  et. al.
JNB DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.jnutbio.2015.01.010

齧歯類を体重増加研究目的で餌制限・餌再投与がなされる。24時間毎支給で割り当て餌前部完食し、短期的な満腹時間の後、次の日の餌の時間まで空腹時間が続く。
このため、アドリブ食(nibbling:少しずつ食べる方法)マウスでは非典型的な代謝異常が見られる。欠食による暴食の日内、累積的変化を、対照群と比較。
一時的絶食後、対照餌アドリブ摂取マウスと同じ量の餌を摂取する。
マウスは一時的絶食後、餌有る時間だけ暴食続け、代謝関連指標を餌投与時・空腹時測定。
脂肪組織のLipogenicすなわち脂質形成性やInflammatoryすなわち炎症性遺伝子発現が、代謝状況(餌時vs空腹時)によりかなり変化することが暴食マウスで見られた。
加えて、アドリブ食マウスと比較して累積餌摂取量減少に関わらず、餌制限暴食マウスは腹部内臓脂肪累積増加し、肝臓と末梢のインスリン感受性減少し、遺伝子発現特性が死亡蓄積性へ変化する。


暴食マウスの遺伝子発現の餌前後の日内差が、アドリブ食、小食頻回食に比べ、かなり変動することが、累積的代謝・行動異常をもたらす。



紫サツマイモの色素は糖尿病初期の血管内皮抗加齢作用の可能性

そういえば、今年は収穫時期判断失敗で収穫失敗した「安納芋」の代わりに「紅さつま」植えた。来年は、紫系のサツマイモ入手しよう・・・




Purple sweet potato color inhibits endothelial premature senescence by blocking the NLRP3 inflammasome
JNB DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.jnutbio.2015.04.012



紫サツマイモからのフラボノイド色素:Purple sweet potato color (PSPC)は、2型糖尿病の血管内皮細胞機能障害に対して抗老化作用をしめす。
D-ガラクトースは血管内皮細胞老化in vitro作用示され、これは2型糖尿病初期に見いだされるが、PSPCはROS蓄積、NLRP3 インフラマソーム(Inflammasome)をdown-regulateする。しかし、一度、NLRP3インフラマソーム過活動が生じると、PSPCでは抑制できない。





食い過ぎて太ればそれ以上に悪い・・・


COPD:シーブリはスピリーバ比較非劣性証明

COPD患者に対する、シーブリ(グリコピロニウム)とスピリーバ(チオトロピウム)とプラシーボをアドエア併用症例で比較

シーブリとスピリーバ比較でガチンコの差が出たのかと思ったが・・・違うようだ。非劣性は示されたということだけ(差が出たら、メーカーだまってないだろう)


シーブリ+アドエアとアドエア単独比較で肺機能改善、良好健康状態、レスキュー治療必要性減少が示されたが、スピリーバ+アドエアと比べて肺機能、健康状態指標などで優秀かどうかは疑問。



Glycopyrronium once-daily significantly improves lung function and health status when combined with salmeterol/fluticasone in patients with COPD: the GLISTEN study—a randomised controlled trial
Thorax 2015;70:519-527 doi:10.1136/thoraxjnl-2014-206670
http://thorax.bmj.com/content/70/6/519.abstract

1日1回グリコピロニウム50μg(GLY)、1日1回チオトロピウム(TIO)とプラシーボ+サルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸(SAL/FP)50/500μg×2
GLY+SAL/FP vs TIO+SAL/FPが主
プライマリ目的は、12週後のトラフFEV1値非劣性比較


患者773名 (mean FEV1 57.2% predicted)をランダム化; トライアル完遂比率 84.9%


12週時点で、GLY+SAL/FPは、TIO+SAL/FPに対して、トラフFEV1非劣性:最小自乗平均治療差 : least square mean treatment difference (LSMdiff) −7 mL (SE 17.4) ;非劣性下限 −60 mL



12週時点でのトラフFEV1はGLY+SAL/FPでPLA+SAL/FPに対して有意に増加  (LSMdiff 101 mL, p < 0.001)

12週時点でのSt George's Respiratory Questionnaire total scoreは 、GLY+SAL/FPで対PLA+SAL/FP比較で有意改善を示した (LSMdiff −2.154, p=0.02)




GLY+SAL/FP はレスキュー薬剤使用を対PLA+SAL/FP比較で有意に減少 (LSMdiff −0.72 puffs/day, p < 0.001)


重大副事象イベントはGLY+SAL/FP、TIO+SAL/FP、 PLA+SAL/FP 何れも同様で 5.8%、 8.5% 、 5.8%




高齢者脂質低下薬剤により卒中30%減少の可能性

スタチンだろうが、フィブラートだろうが、脂質低下薬剤を用いると高齢者において、卒中イベントを3割もへらせることができる可能性を示唆するコホート研究


あくまでもコホート研究であるため評価には十分配慮が必要。心臓疾患リスク減少につながらないということはちょっとした驚き。
しかし、高齢者卒中予防のための一次予防に関して寄り評価すべきという結論には成だろう




Primary prevention with lipid lowering drugs and long term risk of vascular events in older people: population based cohort study
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h2335 (Published 19 May 2015)
Cite this as: BMJ 2015;350:h2335


【目的】 血管イベント既知病歴無しの高齢者での脂質低下薬剤(スタチンあるいはフィブラート系薬剤)使用と冠動脈及び卒中長期リスクの関連性を決定

【デザイン】 1999-2000年登録コホート研究をベースとしたongoingな前向き住民、5回の対面調査

【セッティング】 65歳以上の地域居住住民ランダムサンプル、フランス3都市 (Bordeaux, Dijon, Montpellier)

【被験者】 7484 名、男女63%)、平均年齢73.9歳、エントリー時血管イベント既往既往なし、平均フォローアップ9.1年間

【主要アウトカム測定】 ベースライン脂質低下薬剤使用者と非使用者比較冠動脈疾患・卒中補正ハザード比を関連性示唆寄与多要素補正Cox比例ハザードモデル。ハザード比は薬剤種類を問わない脂質低下薬剤使用と、スタチン・フィブラート製剤毎推定。

【結果】脂質低下薬剤使用者は、非使用者に比べ、卒中リスク減少 (ハザード比 0.66, 95% 信頼区間 0.49 to 0.90); 卒中ハザード比はスタチンで 0.68, 0.45 to1.01、 フィブラート系で 0.66, 0.44 to 0.98)

脂質低下薬剤使用と冠動脈疾患との相関性認めず  (ハザード比 1.12, 0.90 to 1.40)

卒中、冠動脈性心疾患とも、年齢、性別、BMI、高血圧、収縮期血圧、TG、Propensityスコアによる層別化でもこれらの因子により影響は示されず。

【結論】 血管イベント病歴無しの高齢者住民ベースコホートで、スタチン、フィブラート使用は30%ほど卒中イベントを減少させる。




 反スタチン・コレステロール賛美イデオロギーってのは他の薬害原理主義と同様薬効ベネフィットをそぐものである。スタチンによる治療ベネフィットが示されている以上、一方的に有害性を主張し続ける医療関係者は国民一般の利益を遺失させてるということも考えた上で著作・発現を行わなければならないはず・・・


2015年5月21日木曜日

【自己学習】心電図問題:早期脱分極


この心電図問題を・・・
http://www.medscape.com/viewarticle/844888










End QRS Notching or Slurring in the Electrocardiogram Influence on the Definition of “Early Repolarization”
 Sijie Jacob Heng,  et. al.
J Am Coll Cardiol. 2012;60(10):947-948. doi:10.1016/j.jacc.2012.03.061
http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=1214577

最近まで、QRS KnotchingやSlurringは良性所見とされてきたが、Haïssaguerreらが、特発性心室粗動206名生存者の早期脱分極パターン高頻度を報告。さらに、QRS 終末knotchin、Slurringの予後重要性を報告が見られる。


ただ、定義がはっきりしなかった部分があり、 STj amplitudeは下肢誘導(II,III,aVF)と外側脚誘導(I、aVL)誘導、前胸部外側誘導(V4-6)で測定







Classification of Waveforms With J-Point Elevation on the 12-Lead Resting ECG ECG = electrocardiogram
onQRSs = amplitude at the onset of a QRS slur
pkQRSn = amplitude of the peak of an end QRS notch
STj = ST junction



  • Type 1 pkQRSn ≥0.1 mV and STj  ≥  0.1 mV and ST-segment upward sloping
  • Type 2 pkQRSn ≥0.1 mV and STj  <  0.1 mV and STj < 0.1mV
  • Type 3 onQRSs ≥0.1 mV and STj  ≥  0.1 mV and ST-segment upward sloping.
  • Type 4 onQRSs ≥0.1 mV and STj   <  0.1 mV
  • Type 5 No QRS notching or slurring and STj ≥0.1 mV and ST-segment upward sloping






早期再分極症候群
2008 年のNew England Journal of Medicine誌の報告は特発性心室細動症例の中に早期再分極が不整脈発作に関係している症例が存在することを明らかにし,早期再分極症候群という新たな疾患概念が提唱された.特発性心室細動において早期再分極は様々な誘導で認められるが,その頻度は下壁誘導で高い.早期再分極は右側胸部誘導(V1〜V3誘導)において認めることもあり,特発性心室細動の一種であるBrugada症候群との鑑別が問題となる.
http://www.jmedj.co.jp/article/detail.php?article_id=17552








接合部のノッチの存在が、この”other normal variant”と、”早期脱分極型”同じで、“other normal variant”と他の心筋炎・AMI殿鑑別はノッチの存在が重要


通常の「早期脱分極」と“other normal variant”違いは、
早期脱分極:ST部位Concave、T波Upright
“other normal variant”:ST部位Coved、T波inverted








門脇・東大のせいで我が国には関係ない名無しになったが、Fridewald推定LDL 30未満は記載するな


日本には関係ない・・・ なんせ、アホの連中が、規格化されてないはずのLDL直接測定法をひろめたため、ゴールドスタンダードFriedewald式計算が廃れてしまった。
’¥
特定健診で、ホントの医療が駆逐された。・・・門脇が主犯であることは明々白々ということは以前ブログで記載した。


日本には関係ない話だが、欧米論文を読む場合の常識として、トリグリセライド 400mg/dL未満の空腹時サンプルが必要。

さらに、 Friedewald式計算LDL-Cは30mg/dL未満は記載するな・・・という話


Reliability of Calculated Low-Density Lipoprotein Cholesterol
Jeffrey W. Meeusen,  et. al.
The American Journal of Cardiology
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.amjcard.2015.05.013

アセトアミノフェン:妊婦一定期間以上服用で男性胎児テストステロン減少:停溜睾丸・不妊など副作用の可能性

アセトアミノフェンと言えば、かぜ薬などにも含まれ、日本でも処方用量が欧米同等に近くなりその臨床的有用性再評価されたばかりなのだが・・・


アセトアミノフェンを妊婦が一定期間以上使用すると男性胎児の血中テストステロン減少をもたらすらしい


Prolonged exposure to acetaminophen reduces testosterone production by the human fetal testis in a xenograft model
Sander van den Driesche1, et. al.
Sci Transl Med 20 May 2015:  Vol. 7, Issue 288, p. 288ra80 Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.aaa4097


多くの男性生殖器疾患は、胎児期低テストステロンと関連するとされるが、胎児期テストステロン抑制の要因は多くは知られてない。妊娠期アセトアミノフェン長期使用はその子供・男児の停留睾丸と関連するが、胎児期テストステロン産生について影響は不明であった。

アセトアミノフェンの臨床的投与量・レジメンによるヒト胎児精巣暴露異種実験モデルで検証。7日間アセトアミノフェン治療量暴露で、ヒト胎児精巣異種組織所有去勢宿主マウスで、血中テストステロン45%減少、p= 0.025。精巣重量18%減少。しかし、1日程度の暴露ではパラメータ変化無し。
宿主マウス最終投与1時間後血中濃度は治療経口投与量後のヒトのそれ以下であった。

ラットの子宮暴露研究で、鍵となるステロイド原性酵素、Cyp11a1, Cyp17a1の発現減少からテストステロンの減少が生じた。

アセトアミノフェン1週間継続投与で、胎児テストステロン産生を抑制し、副作用を生じる可能性がある

さらなる研究が必要で、用量依存的なのか、治療期間との関係など、最大許容量、治療期間が明らかになってほしい

障害壊滅的進行高齢者では緩和ケア検討が必要

死亡前1年の”身体障がい程度経過軌跡”による入院状況


死亡前1年間において、障がいの進行過程が重要で、障がいが壊滅的進行型の経過を辿る場合かなり入院回数が多くなる。障害の程度が持続あるいは進行する高齢者が、1年内死亡半数超に相当し、これらの患者は、緩和ケアについて検討する必要があるという筆者等の意見



The role of intervening hospital admissions on trajectories of disability in the last year of life: prospective cohort study of older people
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h2361 (Published 20 May 2015) Cite this as: BMJ 2015;350:h2361


754名の地域住民コホートの552名の故人 、70歳以上、本来、入浴、衣服着脱、歩行、移動の4つの日常生活活動性必須項目で障がいなしの対象
主要アウトカム測定: 入院発生及び障がい重症度(0−4)、15年超の月毎インタビュー確認


死亡前1年間にて、6つの明確な区分けされる、障がい軌跡が同定された。


・一貫無障がい型:no disability 95 名(17.2%)
・障がい壊滅的進行型:catastrophic disability 61 (11.1%)
・障がい加速悪化型:accelerated disability 53 (9.6%)
・障がい軽度限定進行型:progressively mild disability  61 (11.1%)
・障がい重度進行型:progressively severe disability 127 (23.0%)
・障がい重症持続型:persistently severe disability155 (28.1%)

故人552名の障がい程度推移軌跡


 最低1回入院 392 (71.0%)、複数回入院 248 (44.9%)


いくつかの寄与要素を含む多変量モデルセットで、一定月間入院は、障がいの重症度がつよい独立した影響を及ぼし、それは相対的にも絶対的にもであった。


 最大絶対的影響は、catastrophic disabilityで認められ、障がいスコア1.9(95% 信頼区間, 1.5 to 2.4) 毎に、1回の入院、相対的効果である発生比あたりでは2.0 (95% 信頼区間,  1.5 to 2.7)であった。


障がい変化軌跡による、死亡前1年間の入院数頻度分布




緩和ケアを、癌・AIDSなどに限定する日本の医療施策は間違いだと思う。心不全・COPDや老衰症例などに、集約的積極的ケアをしなければ許さないという日本の社会情勢は有害性が大きいと思う。 医療費増大だけではなく、医療関連、患者家族への心的・経済的・時間的負担などを含め・・・

黒人女性はメタボリックシンドロームに至らなくても肥満/過体重だけで心血管リスク増加

肥満・過体重黒人女性ではメタボリックシンドロームなくても心血管リスク増加する

WHI、50-79歳 14364名のコホート研究結果

黄色人種・アジア系はどうなのだろう?
メタボリック指標1つ以下では、一応、民族・人種関連無くリスクとはならないらしい


"Race and ethnicity, obesity, metabolic health, and risk of cardiovascular disease in postmenopausal women"
Schmiegelow MD, et al
J Am Heart Assoc 2015; DOI: 10.1161/JAHA.114.001695.

BMIを18.5から25未満、25から30未満の過体重、30以上の肥満にカテゴライズ
メタボリック所見を、本来のメタボリックシンドローム(3つ異常のメタボリック指標異常)と定義、メタボリック指標の数を2つめとして定義
Cox比例ハザード回帰モデル評価にてベースラインとその後心血管リスクの関連性評価。


フォローアップ13年間において、冠動脈疾患や卒中といった心血管疾患初回イベント1101名の女性

メタボリックシンドロームなしの黒人において、過体重女性の補正心血管疾患リスク高い (hazard ratio [HR] 1.49)が、白人では、メタボリックシンドローム無しでは過体重女性では正常体重女性と同等の心血管疾患リスク  (HR 0.92, interaction P=0.05)

メタボリックシンドロームなしの肥満黒人女性は、肥満白人女性より補正リスク高い (黒人:HR 1.95 vs 白人:HR 1.07; interaction P=0.02)

メタボリック指標2つのみの女性では、心血管リスクは過体重黒人で増加 (HR 1.77) 、肥満でも増加 (HR 2.17) 、だが、白人では過体重(HR 0.98) 、肥満 (HR 1.06)では増加無し。

メタボリック指標存在1つ以下の過体重/肥満女性では、心血管リスク増加無し、これは人種・民族関連性無し。



ATS: 喘息ステップダウンでのコスト削減効果

EPR-3GINAガイドラインでは、3ヶ月間安定ならステップダウンを考慮するとある。GINAのガイドラインでは、Action Planを義務づけ、フォローアップ綿密に行い、吸入ステロイド離脱を防止することも推奨されている。


報告者のRankらは1年間という、ガイドラインより保守的判断で、夏場を選択する
喘息のステップダウン適応の安定喘息の患者約5千名で、ステップダウン選択にて1月34米ドルの節約となり、入院・ED受診減少なしで、喘息マネージメント減少も影響ないという報告。



Tapering Asthma Meds Saves Money in Stable Patients
Researchers saw no significant increase in other asthma healthcare utilization.


喘息関連医療コスト削減:34.02米ドル/月 (95%CI, 5.42米ドル〜61.24米ドル)
総コストとしては、41.54米ドル/月(14.52米ドル〜67.43米ドル)削減

就労・就学損失日数:ステップダウン  4.03(2.04〜6.03)日 vs 対照 3.35(1.93〜4.78)日
喘息完全コントロール比率 ステップダウン 89% VS 対照 84%


2015年5月20日水曜日

特発性肺線維症:肺機能低下してもピレスパなど治療継続すべき?

私は個人的には特発性肺線維症と診断後積極的に治療を勧める方だが、FVC低下し続ける症例に対してやはりネガティブな気分になることがある


ATSの報告をみると、そういう考えは良くないのかもしれない・・・



FVC減少していく場合でも特発性肺線維症治療継続しましょう
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/51613


NathanらのASCENDCAPACITY研究  1247名、ピルフェニドン 34名、プラーボグン 68名で、治療開始6ヶ月間にFVC10%以上低下した症例に注目したデータ解析


ピルフェニドン群患者のうち、58.8%がFVC減少なし
プラシーボ群では 38.2% (p=0.059)

on-treatment解析結果も同様。ピルフェニドン群1例、プラシーボ群15例でFVC10%以上減少もしくは死亡で、相対的差 83.3% (p=0.032)




電子タバコは咳反射を抑制;気道感染症リスク増加の可能性

ATS2015 

E-Cig(電子タバコ)の蒸気は咳嗽反射感度を有意に減少
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/51600


カプサイシン咳嗽暴露試験での閾値C5(咳嗽5回誘発)評価にて、LogC5 ベースライン 0.5〜暴露後15分にて、0.79へ増加


元々咳嗽メカニズムは気道感染防御的機能、電子タバコが感染防御機能を低下させている証。



ただ、24時間後は、C5 0.55とベースライン近くに戻る




急性坐骨神経痛への経口ステロイド機能改善効果、だが疼痛抑制効果認めず

椎間板ヘルニアによる急性坐骨神経痛へ短期経口ステロイドが機能面への効果が示された。しかし、疼痛への効果は認めてない。


鎮痛剤との比較なされてない、何故なされてないか疑問という意見も・・・。
疼痛への効果と運動障害への効果に解離が見られることの意味合いは議論が必要。




腰部椎間板ヘルニアによる急性坐骨神経痛への経口ステロイド投与

ランダム化二重盲検プラシーボ対照臨床トライアル

2008年から2013年、大規模集約的医療提供システム(北カリフォルニア)
3ヶ月以下の根性疼痛を有する、Oswestry Disability Index (ODI) スコア30以上(レンジ, 0-100; スコア高値ほど機能障害高度 )成人(n=269)、MRIにてヘルニア病変評価した269名成人



Oral Steroids for Acute Radiculopathy Due to a Herniated Lumbar Disk
A Randomized Clinical Trial
Harley Goldberg,  et. al.
JAMA. 2015;313(19):1915-1923. doi:10.1001/jama.2015.4468.


介入:経口ステロイド15日間、60mg×5日間→40mg×5日間→20mg×5日間、累積総投与量 600mg、 n=181) or マッチングプラシーボ

主要アウトカム: プライマリアウトカムは、3週後ODI変化量、セカンダリアウトカムは1年後ODI変化量、下肢疼痛変化(0-10スケール;数値大ほど疼痛悪化)、 Short Form 36 Health Survey (SF-36) Physical Component Summary (PCS) 、Mental Component Summary (MCS) scores (0-100 scale; higher scores better)


ベースライン及び3週め平均ODIはそれぞれ
プレドニゾン群 51.2、32.2
プラシーボ群 51.2、 37.5

プレドニゾン治療群は補正平均としてODIスコア 3週間後 プラシーボより 補正平均 6.4ポイント (95% CI, 1.9-10.9; P =  0.006) 改善、 52週後 補正平均 7.4ポイント (95% CI, 2.2-12.5; P =  0.005) 改善、有意差有り


疼痛スケールに関して、プラシーボと比較して、プレドニン群では、3週間後 補正平均 0.3ポイント減少 (95% CI, −0.4 to 1 0.0; P = .34)、 52週後 0.6ポイント減少t (95% CI, −0.2 to 1.3; P = .15)で、有意差無し


SF-36PCSスコアに関して、3週後補正平均3.3ポイント改善(95% CI, 1.3-5.2; P =  0.001) 、52週後有意差無し(mean, 2.5; 95% CI, −0.3 to 5.4; P =  0.08)

SF-36MCSスコアに関して、3週後補正平均差認めず (mean, 2.2; 95% CI, −0.4 to 4.8; P = .10)、52週後3.6ポイント改善t (95% CI, 0.6-6.7; P =  0.02)


52週後手術率に差を認めない

3週めの副事象1イベント異常はプレドニゾロン群で多い (49.2% vs 23.9%; P <  0.001)




Scores on the Oswestry Disability Index and Pain Numerical Rating Scale

2015年5月19日火曜日

上側頭溝(STS):言葉音、スピーチを管理する脳領域

側頭葉に存在する、superior temporal sulcus :上側頭溝(STS)が、数十年懸案であった言語をマネージメントする主たる領域にあたることが発見された

New York University研究チーム、David Poeppelらの報告

話しや犬の声から花火の音までを聴取したボランティアの脳をスキャニング
言語聴取の時にのみ反応し、ドイツ語理解できない被験者にドイツ語を聞かせた時と比較。聴覚野は全ての音に反応するが、この領域は理解可能な言語音のみに反応する。

The cortical analysis of speech-specific temporal structure revealed by responses to sound quilts
Tobias Overath,  et. al.
Nature Neuroscience (2015) doi:10.1038/nn.4021

胸痛入院患者のリスク検討:トロポニン連続陰性などならリスクほぼゼロ、むしろ医原性副事象出現

日本では、ありもしない”ゼロ・リスク”を求められる。常識の無い司法判断が跋扈し、異常な判決が判例として存在し、萎縮医療や医療経費膨大化の原因となりつつある。


胸痛を訴える患者を全て下記ごとく一定期間EDに滞在させシリアル・トロポニン試験をするだけでも膨大な社会資源を消費することとなる。まぁそれでもリスクが稀になるなら・・・医療関係者は以下のプロトコールをせざる得ない。



Risk for Clinically Relevant Adverse Cardiac Events in Patients With Chest Pain at Hospital Admission
Michael B. Weinstock, et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 18, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.1674


序文
虚血性胸痛の可能性のある患者は副事象イベント懸念のため通常入院もしくは否定のためEDでの経過観察となる。以前の研究では30日死亡率評価すうrも、大規模研究ではEDでの処遇に関する非常に重要な情報検証されてない。STEMI(ST上昇型心筋梗塞)、致死可能性不整脈、心臓呼吸停止、死亡を含めた重要な短期リスクを含め検討されてない。



目的
2つのトロポニンテスト陰性、EDバイタルサインに懸念所見無し、非虚血性あるいは解釈可能なECG所見の胸痛入院患者の臨床的副事象心臓イベント頻度の検討


デザイン・セッティング・被験者
前向き収集データベース 45416名の盲検化データ、以下の参入クライテリア受診・観察登録
(1) 胸痛、胸部圧迫、胸部硬化感、部焼灼痛、胸部圧迫の主要症状
(2) 連続バイオマーカー陰性所見
データ収集2008年7月1日〜2013年6月30日;人口100万人超、3つの地域教育施設病院のED
仮説盲目抽出者によりデータ分析


主要アウトカム・測定項目
プライマリアウトカムは、入院中生命危機不整脈、入院ST上昇心筋梗塞、心臓停止あるいは呼吸停止、死亡


結果
機会 4万5416回、参加クライテリア1万1230、患者平均年齢58.0歳
1万1230機会のうち、救急受診 44.83%、女性55.00%
高血圧の明確な病歴は46.00%、糖尿病病歴 19.72%、心筋梗塞 13.16%
プライマリエンドポイントは1万1230名中20 (0.18% [95% CI, 0.11%-0.27%])
異常なバイタルサイン心電図虚血、左脚ブロック、ペースメーカーリズムを有する患者を除外すると、プライマリエンドポイントイベントは 4/7266 (0.06% [95% CI, 0.02%-0.14%])
これらのイベントのうち、2例は非心臓性、 2つは医原性の可能性


結論・新知見
連続バイオマーカーの2連続陰性所見、懸念されるバイタルサイン異常なし、心電図非虚血性所見患者において、短期臨床的明確な副事象心臓イベントは極めて稀。あるとしたら通常医原性で、ルーチンの入院では、これらの徴候なら入院ベネフィット無し




徐放ペパーミントオイル(IBgard):過敏性腸症候群への緩和効果

雑草以上に生命力が強いハーブ”で、私の所の庭にも最強の雑草として繁殖してる


徐放ペパーミントオイル(IBgard)

これが重症の過敏性腸症候群(IBS)の腹部症状緩和に有効とDDW2015で報告

具体的には、28日目で、重症・不耐症状を66%軽減 vs プラシーボ 42% 減少 (p=0.0212)


"IBgard®, a novel small intestine targeted delivery system of peppermint oil, results in significant improvement in severe and unbearable IBS symptom intensity. Results from a US based, 4-week, randomized, placebo-controlled, multi-center IBSREST™ trial"
Reference: Cash B, et al
DDW 2015; Abstract Su1373



機能的疾患の常で、プラシーボでも、経過観察でもある程度改善する。故に、対照比較が重要。プラシーボ 42%減少 vs 治験薬 66%ってホントにそれほど有効なのか?



ITI-007:統合失調症急性症状・陽性症状への効果

ITI-007は、セロトニン5−HT2Aアンタゴニストで、pIIではプラシーボ比較で有意改善なしだった薬剤。だが、同時、28日間の検討ではリスペリドンに相当≧で、急性薬剤としての使用可能では・・・という話か?

統合失調症急性エピソード症例へのランダム割り付け
・プラシーボ
・リスペリドン 4mg
・ITI-007 60mg、120mg


不思議なのは投与量多い方が、プラシーボとの効果差みとめないということ
だが、PANSSスコア改善


"ITI-007 for the treatment of schizophrenia: safety and tolerability analyses from the randomized ITI-007-005 trial"
Vanover K, et al APA 2015.
解説:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/APA/51598


  • 28日治療後、ITI-007 60mg投与量で、プラシーボ、リスペリドン比較PANSS有意改善
  • ITI-007 120mg量では有効性プラシーボ比較で有意差無し
  • 陽性症状サブスケールにおいて、 ITI-007 60mgとリスペリドンは同等だが、プラシーボ比較で有意改善、120mg投与量では有意差なし
  • 完遂例 81%
  • 2015年5月18日月曜日

    下痢主症状の過敏性腸症候群特有の抗-CdtB抗体、抗-vinculin抗体

    除外診断が主な機能性胃腸症、その中の下痢主症状の過敏性腸症候群抽出に役立つバイオマーカーの話


    抗-CdtB抗体、抗-vinculin抗体はD-IBSで増加し、D-IBS外では増加しない、このバイオマーカーはD−IBSをIBDから鑑別するのに役立つ可能性あり


    Development and Validation of a Biomarker for Diarrhea-Predominant Irritable Bowel Syndrome in Human Subjects
    Mark Pimentel ,   et. al.
    PLOSone Published: May 13, 2015DOI: 10.1371/journal.pone.0126438
    下痢主徴の過敏性腸症候群(IBS)は器質的疾患除外後臨床クライテリアで診断。急性胃腸炎と時に即断される。一方、Cytolethal distending toxin B(CdtB)は急性胃腸炎を生じる細菌により産生され、ホストの腸管内VinculinとCdtBは交差反応を生じることが動物感染後モデルで示されている。ヒト対象に、D-IBSのバイオマーカーとして血中抗ーCdtB抗体と抗ビンキュリン抗体を評価。Rome クライテリアに基づく


    IBD及びCeliac diseaseを登録、Celiac diseaseはで小腸症状及び結腸・小腸の慢性炎症性変化組織学的で確認。Celiac病の患者はまた、tTG増加と生検を条件とした。
    それぞれ抗体をELISA法で検査。
    抗CdtB抗体はIBD、健康対象、Celiac diseaseよりD-IBSで有意に高値 (P< 0.001 )
    抗-vinculin 抗体もまた、他群に比べ、IBSで増加  (P < 0.001)

    D-IBS診断に関し、抗ーCdtB、抗ーvinculin抗体についてのAUC-ROCは、それぞれ 0.81、0.62

    最適化検討では、anti-CdtB (optical density≥2.80)で、特異度 91.6%、 感度 43.7%、尤度 5.2
    抗ーvinculin (OD ≧ 1.68)で、同様 83.8%、32.6、 2.0 



    米国FDA警告:糖尿病治療薬SGLT-2によるアシドーシス

    糖尿病治療薬SGLT-2 阻害剤3剤に関しFDA警告。
    糖尿病管理に関して、尿中ケトン体測定などケトアシドーシスチェックと共に、症状チェックとして呼吸困難・吐き気・嘔吐・腹痛、意識混濁、異常な易疲労、傾眠などに注意必要と記載

    例えばダパグリフロジン治験時、ケトアシドーシスの副作用報告無かった。機序から考えて2型糖尿病のみ適応なのだが、1型糖尿病もしくはインスリン分泌不全症例が紛れ込んでた可能性がある。


    SGLT2 inhibitors: Drug Safety Communication - FDA Warns Medicines May Result in a Serious Condition of Too Much Acid in the Blood
    [Posted 05/15/2015]
    http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/SafetyInformation/SafetyAlertsforHumanMedicalProducts/ucm446994.htm

    canagliflozin:カナグル
    dapagliflozin:フォシーガ
    empagliflozin: ジャディアンス


    そもそも、SGLTー2阻害剤は”インスリン分泌不全の場合、ケトアシドーシス懸念”あり


    SGLT-2処方前にインスリン分泌能チェック必要なのでは・・・とくにケトアシドーシスになりやすい全身状態の悪い場合は処方慎重にすべきと思う  






    FDAは、BG剤のみを悪者にすることはしないが、日本の糖尿病学会はかならずBG剤を悪者にする偏った注意警告している
    脱水がビグアナイド薬による乳酸アシドーシスの重大な危険因子であることに鑑 み、ビグアナイド薬使用患者にSGLT2阻害薬を併用する場合には、脱水と乳酸アシド ーシスに対する十分な注意を払う必要がある(「ビグアナイド薬の適正使用に関する委 員会」http://www.jds.or.jp/)。

    心臓胸部手術後低酸素血症:High-flow nasal oxygen therapy のBiPAP比較非劣性証明

    心臓胸部手術後低酸素血症患者への、BiPAPによる非侵襲的人工換気(NIV)と High-flow nasal oxygen therapy(or high-flow nasal canula oxygen thearpy ; HFNC)の比較検証


    多施設ランダム化非劣性トライアル (BiPOP Study)


    High-Flow Nasal Oxygen vs Noninvasive Positive Airway Pressure in Hypoxemic Patients After Cardiothoracic Surgery
    p07んy72pA Randomized Clinical Trial
    François Stéphan, et. al.
    JAMA. Published online May 17, 2015. doi:10.1001/jama.2015.5213

    high-flow nasal oxygen therapy 50L/min, FiO2 50% 、終日、n=414
    BiPAP (PS 8 cm水柱、 PEEP 4cm水柱) 4時間以上/日 n=416

    プライマリアウトカムは治療失敗(再挿管、他治療への変更、早期治療中止(患者希望、胃部膨張などの副作用))
    95%信頼区間非劣性範囲下限を、9%未満とする


    High-flow nasal oxygen therapy はBiPAPに対して非劣性
    治療失敗率
    high-flow nasal oxygen therapy  87 / 414  (21.0%)   vs BiPAP 91/ 416  (21.9%) (絶対的差  0.9%; 95% CI, −4.9% to 6.6%; P = 0.003)

    ICU死亡率に関して有意差無し
    BiPAP 23  5.5%] vs high-flow nasal oxygen therapy 28  6.8%]; P = .66) (絶対差, 1.2% [95% CI, -2.3% to 4.8%]

    Skin breakdownがBiPAP  24 時間ご多い (10% vs 3%; 95% CI, 7.3%-13.4% vs 1.8%-5.6%; P < 0.001)





    プライマリアウトカムに患者選択というかなりソフトな要素が入ってるのが気になる治験だが、まぁアドヒアランス不良なら治療できないわけでしかたない項目なのだろう

    BiPAPは侵襲的人工呼吸のつなぎ、HFNCはBiPAPのつなぎ的発想から離脱して新しい治療管理戦略を行う時代なのかもしれない。

    FiO2 50%で、酸素流量分時50Lって、25L/分の酸素量が必要になる・・・保険審査は10L以上一律カットするという非道な保険審査がなされている以上一部保険診療まるめ医療機関だけの治療管理法に終わるのかもしれない。

    できれば、緩和ケアに使いたいのだが・・・


    high-flow oxygen nasal  therapy(HFNC)の適応・禁忌について
    http://www.rch.org.au/picu/about_us/High_Flow_Nasal_Prong_HFNP_oxygen_guideline/

    Clinical evidence on high flow oxygen therapy and active humidification in adults
    http://www.elsevier.pt/en/revistas/revista-portuguesa-pneumologia-320/artigo/clinical-evidence-on-high-flow-oxygen-therapy-and-90226465
    適応
    - Acute hypoxemic respiratory failure
    - Post-extubation period
    - Preintubation
    - Emergency department
    - Bronchoscopy and others invasive procedures
    - Palliative care
    - Acute heart failure
    - Chronic airway disease
    - Others uses (SARI)











    甲状腺腫瘍:FNAによるmiRNA、mRNA、DNAマルチプラットホーム検査で良性・悪性分別明瞭に

    微細針吸引生検(FNA)による、miRNA、mRNA、DNA検査


    良性と診断できる可能性が増えるのが無駄な手術を減らすという意味で有意義と思う



    Molecular testing for miRNA, mRNA and DNA on fine needle aspiration improves the preoperative diagnosis of thyroid nodules with indeterminate cytology
    Emmanuel Labourier, et. al.
    Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism
    DOI: http://dx.doi.org/10.1210/jc.2015-1158
    Published Online: May 12, 2015


    手術標本と術前FNA(n=648)にて、17の確証された遺伝子変化をmiRinform Thyroid testと10-miRNA遺伝子発現classifierにて陽性陰性を検証

    悪性アウトカムを呈した結節69%で、変異検出
    遺伝子変異陰性標本にて、miRNA検査は悪性症例同定率 69%、良性症例 98%

    組み合わせアルゴリズムの診断感度・特異度はそれぞれ、 89% (95% 信頼区間 (CI) : 73 – 97%) と、85% (95% CI : 75 – 92%)

    癌比率 32%で、分子診断の61%で良性で、陰性予測比 94% ( 95% CI: 85 – 98%)

    様々な癌比率の程度と無縁に、良性判定は、mRNAベースの遺伝子発現率65%まで増加し、診断的手術69%まで減少可能




    2015年5月16日土曜日

    片頭痛と手根管症候群は共存しやすい

    テキサス大学による2010年アメリカ国内健康聞き取り調査で、手根管症候群(CTS)と片頭痛の関連性が示された。

    CTSの疾患頻度はアジア人種にいずれも比較的少ないそうで 、確かにニューヨーカーはCTSを再頻度の疾患として認識しているというのをどこかで聞いたことあるし、毎年米国では50万名以上の手術をしていると・・・。一方、片頭痛薬剤が日本では売れないとも・・


    この2つの病態は共存しやすいらしい


    An Association between Carpal Tunnel Syndrome and Migraine Headaches—National Health Interview Survey, 2010
    Law, Huay-Zong  et. al.
    PRS Global Open. Mar. 2015, Vol. 3. (3) p e333


    CTSとの相関は、加齢、女性、肥満、糖尿、喫煙


    CTSは、ヒスパニックやアジア人種に少ない


    片頭痛の相関は、若年 、女性、肥満、糖尿病、現行喫煙


    片頭痛はアジア人に少ない


    片頭痛頻度は、CTS患者の34% vs 非 CTSでは 16%  (aOR 2.60 , 95% CI, 2.16 - 3.13)


    CTS頻度は、片頭痛有りで多く 8%  vs 非片頭痛では 3% (aOR 2.67 ; 95% CI, 2.22 - 3.22)



    手根管症候群と片頭痛の関連性を示す報告奈分けだが、紋扼性神経障害である手根管症候群と、紋扼性神経障害と直接関連ない片頭痛。片頭痛病院として、頭蓋外要素がかつては考慮され、頭頸部圧迫と関聯するのではないかとの仮説もあった。この考えは結論づけされて折らず、片頭痛のトリガーとしての関与も米国頭痛学会メンバーの研究で示唆。治療としてのボツリヌス毒素治療や局所麻酔治療効果もなんらかの関連性を示唆。



    FDG-PETによる筋肉生理学検査

    具体的にどういう方法なのか知りたいが、 [18F]-fluorodeoxyglucose (FDG)を用いたPETで、非侵襲的生理学検査法とのこと

    運動による筋骨格筋急性変化をみることが可能になる


    [18F]-FDG positron emission tomography—an established clinical tool opening a new window into exercise physiology
    Thorsten Rudroff ,  et. al.
    Journal of Applied Physiology Published 15 May 2015 Vol. 118 no. 10, 1181-1190 DOI: 10.1152/japplphysiol.01070.2014


    2015年5月15日金曜日

    50〜70歳過ぎまでも、運動すれば死亡リスク40%減少、5年間の長生き可能に! 喫煙者の禁煙効果と同程度の利益

    週6回,30分の身体活動は、40%も死亡リスクを減少させる


    身体活動状況が中等度・高度の者では、動かない者に比べ、5年も長生きする

    50歳程度からの登録


    Increases in physical activity is as important as smoking cessation for reduction in total mortality in elderly men: 12 years of follow-up of the Oslo II study
    Br J Sports Med doi:10.1136/bjsports-2014-094522


    1923−1932年生まれ1万4846名の男性、1972−1973年に登録、2000年に5738名
    フォロー期間、12年間に2154名死亡

    心血管疾患、非心血管死亡率との相関性は、軽度減弱のみで、競合リスクの存在を示唆

    喫煙と身体活動の条件で、レジャー身体活動性程度と、喫煙は、同等に、死亡リスク示唆的所見

    身体活動量の増加は、死亡率減少について、禁煙と同様に、ベネフィット有り

    握力弱いと全原因死亡・心血管死・心血管疾患可能性高い、血圧値より優秀な予後推定

    握力がないと、全原因死亡、心血管死亡、心血管リスク増加する
    単純な測定だが、血圧より強力な予後推定となる

    17ヶ国、14万名ほどの国際的調査


    Prognostic value of grip strength: findings from the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study
    Darryl P Leong,  et. al.
    on behalf of the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) Study investigators
    http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)62000-6/fulltext

    PURE研究:2003年1月から2009年12月まで、14万2861名登録、うち、13万9691名は既知生存状態

    フォローアップ期間中央値は 4.0年間(IQR 2.9〜5.1年間)、死亡3379/13万9691名
    補正後、握力と各々のアウトカムの相関、がんや呼吸器疾患入院を除外したところ、国収入層別でも横断的に同様の傾向であった

    握力は全原因死亡率、心血管死亡率、非心臓血管死亡率、心筋梗塞、卒中と相関(握力 5 kg減少毎ハザード比 1.16, 95% CI 1.13–1.20; p < 0.0001、1.17, 1.11–1.24; p < 0.0001、1.17, 1.12–1.21; p < 0.0001、1.07, 1.02–1.11; p=0.002、1.09, 1.05–1.15; p < 0.0001)

    握力は全原因死亡、心血管死亡率予測としては収縮期血圧より強力な指標

    握力と糖尿病頻度、肺炎あるいはCOPD入院リスク、転倒外傷・骨折リスクには有意な相関認めず


    先進国にて、癌リスクと握力は正の相関   (0.916, 0.880–0.953; p < 0.0001)だが、中間・低収入国家ではその関連性認めず



    握力は、簡単な加齢マーカーとして良いのかもしれないと・・・

    アトピー性喘息:血中アポリポ蛋白A-I ・HDLラージサイズは気道閉塞防御的

    ApoA-IやHDLNMRラージサイズは気道閉塞を軽減可能ということになり、治療不応性となりやすい高齢者肥満女性に多い喘息の一群の治療に方向性を示しているのかもしれない・・・





    Serum Apolipoprotein A-I and Large High-Density Lipoprotein Particles Are Positively Correlated with FEV1 in Atopic Asthma
    Amisha V. Barochia1, et. al.
    American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine  Volume 191, Issue 9
    Read More: http://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.201411-1990OC


    154名のアトピー性、非アトピー・非喘息
    159名のアトピー及び喘息


    アトピー&喘息患者だけに見られるが、血中脂質濃度とFEV1は相関


    同患者群において、HDLコレステロール及びApoA-I はFEV1と正相関
    同患者群において、FEV1と血中TG、LDLコレステロール、ApoBリポ蛋白、ApoB/ApoA比は逆相関


    NMRスペクトロスコピーの知見だが、FEV1と HDLNMR粒子サイズは正相関で、大型HDLNMR粒子と、IDLNMR総数濃度も同様に相関



    一方、同患者群において、LDLNMR粒子サイズとLDLNMR及びVLDLNMR粒子濃度はFEV1と逆相関

    CXCR2拮抗剤:MK-7123  COPD 1秒量改善 、喫煙者に有効


    cytokine receptor CXCR2アンタゴニスト (MK-7123) は好中球のchemotaxisを抑制し、COPD気道炎症を緩和する可能性


    6ヶ月間二重盲検、概念確証的第2相試験


    CXCR2 Antagonist MK-7123.
    A Phase 2 Proof-of-Concept Trial for Chronic Obstructive Pulmonary Disease
    American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine > Volume 191, Issue 9 


    COPD 標準治療に MK-7123 at 10, 30, or 50 mg or placeboプライマリエンドポイントは、ベースラインからの拡張剤後FEV1

    616名(男性 71%、 平均年齢 63歳; 現行喫煙 45%、 ベースラインFEV1 平均(SD )1.43 (0.45);予測値比 43.9%

    MK-7123  50mg FEV1は、プラシーボ比較し改善 (平均差 [SE], 67 ml [32])

    検査施行122名内で、介入群は喀痰好中球減少 ; P = 0.003 (3 mo) and P = 0.092 (6 mo) (MK-7123 50 mg vs placebo)

    現行喫煙者層別検討では、プラシーボ比較FEV1改善(168mL)、初回急性増悪までの機関化以前、SGRQスコア改善

    MK-7123は、絶対的好中球数(ANC)減少は量依存的を示し、炎症性バイオマーカーである血中・喀痰中のMMP−9、myeloperoxidase を減少させる; ANC 1.5×109未満では、MK-7123 高用量にて中断となりやすい 18% in the MK-7123 50-mg group vs 1% in placebo)

    血中CRPとフィブリノーゲンはMK-7123 治療にて増加

    全グループで6ヶ月時点での感染率は同様



    中断例が気になるが、特に、喫煙者に対して効果ある薬剤


    2015年5月14日木曜日

    C型肝炎治療薬「ソバルディ」(ソフスブピル)一錠6万円・治癒率96%


    C型肝炎治療薬「ソバルディ」(ソフスブピル)一錠6万円・治癒率96%










    ‘Super spending’ on specialty meds driven by effective hepatitis C drugs
    May 14, 2015 12:09 AM
    By Steve Twedt / Pittsburgh Post-Gazette
    http://www.post-gazette.com/business/healthcare-business/2015/05/14/Super-spending-on-specialty-meds-driven-by-effective-hepatitis-C-drugs/stories/201505140130
    More than a half-million Americans had medication costs in excess of $50,000 last year, according to a new analysis by Express Scripts, and 90 percent of those “super spenders” are getting specialty medications such as a highly effective treatment for hepatitis C that costs $1,000 a pill and must be taken daily for 12 weeks.

     ↑
    1千米ドルとこちらでは書かれている

    生涯医療費で比べるとたいしたことない・・・って、製造メーカー側の意見でしょ

    http://lab.express-scripts.com/insights/drug-options/super-spending-US-trends-in-high-cost-medication-use

    2015年5月13日水曜日

    ヒトの免疫・生理学周年的リズム、Circannual rhythmに関わる広汎な季節性遺伝子発現変化

    周年的リズム、Circannual rhythmが遺伝子発現にも存在する

    催炎症性Transcriptomic profileがヨーロッパの冬増加し、sSL-6受容体やCRP増加し、心血管系精神系自己免疫系疾患のバイオマーカー増加と共に冬にその疾患頻度ピークをもたらす


    NATURE COMMUNICATIONS | ARTICLE OPEN
    Widespread seasonal gene expression reveals annual differences in human immunity and physiology
    Xaquin Castro Dopico, et. al.
    Nature Communications 6, Article number: 7000 doi:10.1038/ncomms8000
    Received 09 September 2014 Accepted 23 March 2015 Published 12 May 2015




    Seasonal mRNA expression in the peripheral human immune system.

    冠動脈形成術:喫煙者は禁煙すべき、12ヶ月後健康指標改善

    経皮的冠動脈形成術:PCI後、禁煙が理想

    米国センターのPCI患者 2765名のコホート


    Coronary Interventions;
    Association of Smoking Status With Health-Related Outcomes After Percutaneous Coronary Intervention
    Jae-Sik Jang, et. al.
    Circulation: Cardiovascular Interventions. 2015; 8: e002226
    doi: 10.1161/CIRCINTERVENTIONS.114.002226

    喫煙状態でカテゴライズ
    ・非喫煙者
    ・喫煙既往:PCI前禁煙維持
    ・禁煙者:PCI時喫煙後禁煙
    ・現行持続喫煙者

    健康状態を、疾患特異的 Seattle Angina Questionnaire と EuroQol 5 dimensionおwベースライン特性にて補正

    非補正解析にて、持続喫煙者は、疾患特異的・包括的健康状態が他のカテゴリー群に比べ悪い

    完全補正解析にて、持続喫煙者は、非喫煙者に比べ、HRQOL有意悪化。

    重要なのは、12ヶ月後時点で、PCI時喫煙者はのうち、禁煙者では、喫煙持続者に比べ、補正Seattle Angina Questionnaire angina frequency scoreの有意改善あり (平均差 , 2.73; 95% 信頼区間 0.13–5.33)、疾患特異的指標ではその傾向あり(Seattle Angina Questionnaire quality of life mean difference,  1.97; 95% 信頼区間 −1.24 to 5.18)、 包括的指標でも傾向  (EuroQol 5 dimension visual analog scale scores mean difference, 2.45; 95% 信頼区間,  −0.58 to 5.49) quality of life )。





    武田の米国内肥満症治療薬安全性治験中断

    ある種、Takedaフリークの私としては興味ある記事


    肥満症治療薬「Contrave®」(ナルトレキソン塩酸塩徐放製剤とブプロピオン塩酸塩徐放製剤の合剤);(BMI)が30 kg/m2以上の成人肥満症患者、あるいは少なくとも1つ以上の体重に関連する合併症を有するBMIが27 kg/m2以上の成人体重過多の患者において、食事療法と運動療法による体重管理に対する補助療法
    http://www.takeda.co.jp/news/2014/20140911_6744.html



    この薬剤の心血管系安全性トライアルが中止されたとのこと・・・
    May 12 Orexigen Therapeutics Inc and its partner Takeda Pharmaceutical Co said they were terminating a trial assessing the cardiovascular safety of obesity drug, Contrave.
    http://www.reuters.com/article/2015/05/12/orexigen-fda-idUSL3N0Y37H520150512


    the inconsistency between the two sets of data showed the risk in prejudgment of clinical trial results”ということで、データセット間の不整合らしく、benefit or harm知見での中止ではないというが・・・


    Wall Street Journalに解説記載されている

    Cleveland ClinicのDr Steven Nissenによると、内部分析でプライマリエンドポイントに合致せず、死亡、卒中、心発作減少するも、その後のトレンドとして異なる傾向を示したため中断と説明。理由としては、被験者の一部がミスリーディングや信頼性の低いデータの原因となる服用を開始したためと説明。

    http://www.wsj.com/articles/orexigen-terminates-required-study-for-diet-drug-contrave-1431443914





    昼寝は死亡リスクを高める

    前向きコホート研究で、昼寝と死亡率の関連性をメタアナリシス


    Daytime napping and mortality from all causes, cardiovascular disease and cancer: a meta-analysis of prospective cohort studies
    GuoChao Zhong,  et. al.
    Sleepmedicine
    DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.sleep.2015.01.025


    12研究、13万名余、昼寝 4万9千余、死亡イベント19万余

    メタ解析にて、昼寝は、全原因死亡リスク増加 (n=9 studies; hazard ratio (HR), 1.22; 95% 信頼区間 (CI), 1.14–1.31; I2=42.5%)

    昼寝とCVD死亡リスクには相関性なし  (n=6 studies; HR, 1.20; 95% CI, 0.96–1.50; I2=75.0%) 、がんでも相関性(n=4 studies; HR, 1.07; 95% CI, 0.99–1.15; I2=8.9%)

    全原因死亡、CVD死亡率リスクに、昼寝頻度層別化、フォローアップ期間、アウトカム評価、年齢、性別で関連性無し

    論文も自信の無い言い訳記載されている


    でも、昼寝を推奨するテレビ番組多く、健康上良いというエビデンス、ホントにあるのかなぁ・・・



    昼寝する子はしない子より10%学習効果あり
    Sleep spindles in midday naps enhance learning in preschool children 
    PNAS October 22, 2013 vol. 110 no. 43
    http://www.pnas.org/content/110/43/17267.abstract
    だが、小児で死亡率増加
    http://www.sleep-journal.com/article/S1389-9457%2813%2901237-9/abstract


    小児の昼寝ベネフィット・リスクは論争となっている、では成人では?
    Mayo ClinicのSiteで解説がなされているが、昼寝せざる得ない病態と夜間睡眠への影響混在しているようだ。10−30分程度、午後2−3時の夜間睡眠へ悪影響のない昼寝をさしあたり勧めている。

    東アジアに多いアルコール解毒酵素ALD2変異と冠動脈痙攣性狭心症との関係

    東アジアに多い、冠動脈痙攣性狭心症


    アルコールで顔面紅潮する頻度が多く、主にvariant aldehyde dehydrogenase 2 (ALDH2*2) genotypeによるもの


    この2つが関連するという報告

    East Asian Variant of Aldehyde Dehydrogenase 2 Is Associated With Coronary Spastic Angina
    Possible Roles of Reactive Aldehydes and Implications of Alcohol Flushing Syndrome
    Yuji Mizuno,  et. al.
    Circulation. 2015; 131: 1665-1673 
    Published online before print March 10, 2015, 
    doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.114.013120

    202名の冠動脈内アセチルコリン投与確認冠動脈痙攣性狭心症:CSA  (男性 119 、女性 83名、平均年齢 66.2±11.4歳)

    CSAと対照群を112名、90名と分割

    全血由来TaqMANPCRでALD2ジェノタイプ検査、臨床的・検査データは通常方法。

    男性頻度、ALD2*2ジェノタイプキャリア、アルコール紅潮症候群、喫煙、血中尿酸値高値、血中HDL低値が、対照群比較でCSA群頻度多い (P < 0.001 ,  P < 0.001 ,  P < 0.001 ,  P < 0.001 , P = 0.007 , P < 0.001)

    多変量ロジスティック回帰解析にて、ALD2*2 ジェノタイプと、喫煙は有意にCSAと関聯(P < 0.001 , P = 0.024 )



    aldehyde dehydrogenase 2 (ALDH2)遺伝子が抗酸化作用減少をもたらし、冠動脈痙攣を生じやすい・・・というがよく分からん
    Circulation.2014; 130: A9412Circulation.2014; 130: A9412(ALDH2*2)

    2型糖尿病:体重増加薬剤/治療法は心不全リスクを増加する

    そもそも、PPAR-γアゴニストなんて、第一選択とする薬剤ではない。SU剤とどちらが悪いか・・・議論されるべきポジションの薬剤と私は思う。武田の時代錯誤の営業で保持されてた薬剤で、ジェネリックや武田の方針変更でアクトス関連薬剤もニッチな薬剤という本来のポジションとなったと思う。


    体重増加をもたらす血糖降下剤及び戦略の心不全リスクをメタアナリシスで示した報告


    Glucose-lowering drugs or strategies and cardiovascular outcomes in patients with or at risk for type 2 diabetes: a meta-analysis of randomised controlled trials
    Jacob A Udell,  et. al.
    The Lancet Diabetes & Endocrinology Volume 3, No. 5, p356–366, May 2015
    DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S2213-8587(15)00044-3

    14トライアル、平均期間4.3(2.3)年間、9万5502名、4%、3907名心不全イベント

    血糖降下薬あるいはその戦略はHbA1c 0.50%(SD 0.33)減少、1.7kg(SD 2.8)kg体重増加と関連。

    包括的には、血糖降下薬・戦略は心不全リスクを標準ケアより増加 (RR 1.14, 95% CI 1.01–1.30; p = 0. 041)

    この影響の程度は、血糖降下治療法によりばらつきがあり (p for interaction = 0.00021)

    薬剤クラス横断的に、PPARーγアゴニストが最もリスク高い  (RR 1.42, 95% CI 1.15–1.76; six trials)
    中間的なのは、DPP-4 阻害剤 (RR 1.25、 1.08 −1.45、2トライアル)
    ニュートラルなのは、インスリンGlargine  (0.90,  0.77 – 1.05 ; 1トライアル)

    目標に基づく強化血糖コントロール戦略(RR 1.00 , 95% CI, 0.88 - 1.13 ; 4トライアル)も、強化的減量 ( 0.80, 95% CI 0.62 - 1.04 ; 1トライアル)も心不全発症と挿管せず
    メタ回帰解析にて、血糖降下薬剤・戦略による体重増加1.0kgは、標準ケア比較心不全リスク増加し、その程度は7.1% (95% CI, 1.0 - 13.6)



    ~           

    2015年5月12日火曜日

    アジア・アフリカに蔓延する、薬剤耐性腸チフス:H58

    緊急を要する課題とのこと


    腸チフス菌のsingle dominant MDR lineage、H58は30年間で広がった
    アンピシリン、クロラムフェニコール、ST、ストレプトマイシンといsった薬剤への耐性
    (MDR typhoid)

    Phylogeographical analysis of the dominant multidrug-resistant H58 clade of Salmonella Typhi identifies inter- and intracontinental transmission events
    Nature Genetics (2015) doi:10.1038/ng.3281




    Drug-resistant typhoid fever becoming an epidemic in Africa and Asia
    http://news.sciencemag.org/health/2015/05/drug-resistant-typhoid-fever-becoming-epidemic-africa-and-asia


    1985年あたりで南アジアでクローン出現後、東南アジア・アフリカに広がる前、薬剤抵抗性を獲得


    臨床トライアル: 心血管リスク高齢者への抗酸化食:地中海式は、認知機能の改善をもたらす!

    酸化ストレスと血管障害は、加齢認知機能低下と関連すると考えられ、疫学的研究にて Mediterranean食、抗酸化食品豊富な心臓疾患予防的食事パターンが、認知機能低下を遷延させることが示されているが、臨床トライアルエビデンスは無い


    スペインで、447名の認知機能正常なボランティアを平行群ランダム化臨床トライアルを行ったもの
    平均年齢 66.9歳、女性 52.1%、心血管リスク高い対象者


    認知機能の悪化を防止するだけではなく、改善をもたらした・・・!


    疫学調査ではなく、ランダム化臨床トライアルでの知見 インパクトある報告である



    Mediterranean Diet and Age-Related Cognitive Decline
    A Randomized Clinical Trial
    Cinta Valls-Pedret,  et. al.
    JAMA Intern Med. Published online May 11, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.1668

    主要アウトカム:神経神経検査バッテリーに基づく経時的認知機能変化
    • Mini-Mental State Examination, Rey Auditory Verbal Learning Test (RAVLT)
    • Animals Semantic Fluency
    • Digit Span subtest from the Wechsler Adult Intelligence Scale
    • Verbal Paired Associates from the Wechsler Memory Scale
    • the Color Trail Test

    記憶、前頭葉機能(注意、遂行機能)、全般機能の 3つの認知因子構成による差平均 z score

    結果
    介入中央期間4.1年間後、334名の被験者でフォローアップ検査検討可能

    寄与要素補正多変量解析にて、Mediterranean食にオリーブオイル追加割り付け群では、対照群に比較して、RAVLTスコア良好 (P  =  0.049) 、Color Trail Test part 2 (P =  0.04) 良好

    同様補正後の認知機能組み合わせ指標にてMediterranean食+オリーブオイルにてベースラインを上回る変化 0.04 (−0.09 to 0.18) 、それにナッツを加えると 0.09 (−0.05 to 0.23; P = 0.04 vs controls) 、対照群は −0.17 (−0.32 to −0.01)


    前頭葉組み合わせ機能のベースラインからの各々の変化は、 0.23 (0.03 to 0.43; P = .003 vs controls)、 0.03 (−0.25 to 0.31)、 −0.33 (−0.57 to −0.09)

    認知全般機能のベースラインからの変化は  Mediterranean食+オリーブオイル 0.05 (−0.11 to 0.21; P = .005 vs controls)、それにナッツ追加 −0.05 (−0.27 to 0.18)、一方、対照食 では −0.38 (−0.57 to −0.18)



    対照群は、認知機能全要素は減少 (p < 0.05)




    ただし、抗酸化食品は、単一・単調となると、それ自体が、Prooxidant作用をもたらす・・・ という懸念!
    http://www.nutraingredients-usa.com/Research/Antioxidants-and-Pro-oxidants-Two-Sides-of-the-Same-Sword


    抗酸化物質だけを大量にとると酸化促進物質として溜まる2011年 06月 09日


    地中海式が良いのは、多種多様の抗酸化食品をとっているからで、馬鹿みたいに「サプリメント」を摂取することではない!

    アルブテロール吸入 CFCから代替フロンHFAへ変更されたために生じた、支払い支出増加

    大学生の教生が授業の一枠をもつ中学校に行ってたためだと思うが、中学理科の授業中、当時珍しかったエコロジー教育を受けたことがある。そのためか、「エコ」=「燃費」や「省力化」みたいな誤用をメディアでみるにつけ、腹立たしさが募る。・・・この馬鹿どもは小学・幼稚園からやり直せと・・・

    環境問題が医療の実践に直接影響を与えることがある・・・フロン問題から吸入製品がドラスティックに変わった時代。
    個人の医療費用支出や医療資源へのアクセスに変化があったか改めて検討した報告。


    アルブテロール吸入 CFCから代替フロンHFAへ変更されたために生じた、支払い支出増加はどの程度か? 受診状況への変化はどうか?


    コスト増加を多少もたらしたが、アルブテロール使用回数そのものは減少させた


    The Impact of the US Food and Drug Administration Chlorofluorocarbon Ban on Out-of-pocket Costs and Use of Albuterol Inhalers Among Individuals With Asthma
    Anupam B. Jena,  et. al.
    JAMA Intern Med. Published online May 11, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.1665


    2004年  $13.60 (95% CI, $13.40-$13.70) /処方あたり2008年CFC終了後 $25.00 (95% CI, $24.80-$25.20)/処方あたり
    2010年末までに、コストは、  $21.00 (95% CI, $20.80-$21.20) /処方と減少 
    2004年から2010年で アルブテロール吸入総量は確実に減少 
    ジェネリックCFC吸入使用は2006年最終四半期後急激に減少。これは、HFA吸入増加に取って代わった。

    多変量解析にて、アルブテロール処方支払い$10コスト増加は、成人では 0.92% (95% CI, −1.39 to −0.44;  p < 0.001 ) の使用減少をもたらしたと推定、小児では 0.54% (95% CI, −0.84 to −0.24; P = .001) 減少と推定。

    小児 vs 成人、持続性 vs 非持続性といった患者特性に関わる違いは無く、喘息関連入院、ED受診、外来受診など差を認めない




    コントローラ薬剤の経年的変化などは考慮されてない


    noteへ実験的移行

    禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note