降圧薬服用してない患者へのマインドフルネス・ベースのストレス解消法(mindfulness based stress reduction (MBSR))は有効でない。
いままで、高血圧患者への降圧効果があったのは、薬剤使用遵守性改善効果があっただけではないかという報告。
Hypertension Analysis of Stress Reduction Using Mindfulness Meditation and Yoga: Results From a Randomized Controlled Trial
Canadian Journal of Cardiology Volume 28, Issue 5, Supplement , Pages S418-S419, September 2012
Canadian Journal of Cardiology Volume 28, Issue 5, Supplement , Pages S418-S419, September 2012
【序文】 高血圧は予防可能なリスク要素としてトップの病態で、5名に1人が罹患している疾患。
ライフスタイル修正が予防治療の鍵であるとされる。ストレスは心血管疾患リスク増加と関連し、ストレスマネージメントが高血圧介入でも推奨されている。
リラクセーションによるストレス減少はヒトの血圧低下を含む効果があることは判明している。個別化行動的介入はリソース集約的、グループストレス管理アプローチは血圧減少のための評価もされておらず、十分検討されてない。
HARMONY研究は前向きwait-list RCTで、マインドフルネス・ベースのストレス解消法(mindfulness based stress reduction (MBSR))、標準化グループストレス解消法が、広く利用され、不安、うつ、慢性頭痛などに特定の地域では公的負担がなされている。
【研究方法】
研究登録には自由行動下血圧モニタリングを含み
平均昼間ABP >/= 135/85 mmHgあるいは24時間ABP >/= 130/80 mmHg
早期(即時治療)群、遅延(wait-list対照)群にランダム割り付け
ベースライン受診4週間以内にMBSR早期施行割り付け。遅延群は4週間以内に、8週間のwait list期間に割り付け
プライマリアウトカム測定は、12週間のプライマリアウトカム期間の平均覚醒時・24時間自由行動下血圧 (全被験者に対し12週後ベースライン)
Wait-list患者はプライマリアウトカム期間後MBSR開始
診察室血圧、検査、身体測定、アンケートをベースライン時行う。
【結果】
20-75歳の101名の成人を登録;男性 38名、女性 63名、平均年齢 55±11歳
平均24時間ABPは 135/82±7.9/5.8 mmHg、平均覚醒時ABPは140/87±7.7/6.3 mmHg
RANOVA (Group X Time) で、治療vs対照群で、12週後プライマリアウトカム及びどの期間でも、すべてのABPパラメータで有意差認めず
たとえば、12週後の24時間SBP/DBPの治療群vs対照群差は、0.0/0.4 mmHg(± 7.2/4.7) SBP p=0.95、DBP p=0.63
この研究は、各群37名での24時間収縮期血圧6.0 mmHgの差を検知パワー81%である
【結論】
MBSRは、無薬物治療stage 1高血圧患者に対し、血圧 6mmHg 効果項目表にしても無効
文献再検にて、瞑想法使用した多くのpositiveな研究は、降圧薬治療を行った患者を多く含むものであった。
2つのnegativeな研究は薬剤naive
故に、これらの研究は血圧減少に関する研究は、薬剤服用アドヒアランス改善の寄与要素が考えられる。
HARMONY研究は、服薬のない患者では、降圧効果を認めなかったという落胆すべき結果だったが、心身相関は服薬患者では血圧コントロールを改善する可能性はある
次のステップとして、MBSR使用は、アジュバントとしての血圧コントロール良好さ、薬剤アドヒアランス/持続性改善評価を検討する。
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