2015年4月13日月曜日

CAP-START: 成人市中肺炎:入院治療 βラクタム単剤、βラクタム・マクロライド併用、フルオロキノロン単剤比較にて同等





Antibiotic Treatment Strategies for Community-Acquired Pneumonia in Adults
Douwe F. Postma, M. et. al. for the CAP-START Study Group
N Engl J Med 2015; 372:1312-1323


非ICU病棟入院臨床的市中肺炎症例経験的治療選択は臨床的証拠可能情報限定的。
経験治療戦略比較βラクタム単剤、βラクタム・マクロライド併用、フルオロキノロン単剤比較

4ヶ月期間ローテート戦略クラスターランダム化交差トライアル検証

 ITT分析90日死亡率、非劣性


βラクタム戦略期間 656例、、βラクタム・マクロライド併用戦略期間 739、フルオロキノロン単独戦略期間 888例、アドヒアランスはそれぞれ 93.0%、 88.0%、 92.7%

患者年齢中央値 70歳

粗90日間死亡率は、戦略期間中それぞれ、9.0%、11.1%、8.8%


ITT分析にて、βラクタム単独戦略に対する死亡リスクは、βラクタム/マクロライド併用戦略では1.9%(90% 信頼区間 [CI], −0.6 to 4.4) 高い、フルオロキノロン戦略が0.6% (90% CI, −2.8 to 1.9) 低い。

これらの結果はβラクタム戦略の非劣性を示唆。


入院滞在期間中央値は全ての戦略で6日間、経口治療開始までの中央期間は、フルオロキノロン単独戦略 3日間(IQR 0-4) 、他2つの戦略は 4日間(IQR 3-5)


Uptodateを改めて見ると、
非ICU病棟入院では
・ βラクタム(ceftriaxone (1 to 2 g intravenously [IV] daily), cefotaxime (1 to 2 g IV every eight hours), ceftaroline (600 mg IV every 12 hours), ertapenem (1 g IV daily), or ampicillin-sulbactam (1.5 to 3 g IV every six hours))+ マクロライド( (azithromycin [500 mg IV or orally daily] or clarithromycin [500 mg twice daily] or clarithromycin XL [two 500 mg tablets once daily]). Doxycycline (100 mg orally or IV twice daily))併用
・ レスピラトリーキノロン単剤(levofloxacin 750 mg daily or moxifloxacin 400 mg daily)
・ βラクタム・フルオロキノロン不耐性ではTigecyclineによる単剤を例外的に(死亡率増加可能性)

PseudomonasやMRSAのリスクある場合は、これらをカバーする戦略へ。そして、壊死、空洞浸潤、膿胸ならMRSAとしてエンピリカルにと記載

・・・と記載あるが、変更になるのかもしれない

喘息:プレドニゾロン経口投与10日間では食欲・体重・体組成への影響がないが、睡眠・胃腸障害は生じる可能性

成人喘息に対する10日間経口ステロイド は、レプチン、食欲、食事摂取量、体重、体組成への変化をもたらすか検討。
安定喘息で経口ステロイドを用いるかは疑問だが、安定喘息に関して、食欲、食事摂取量、体重、体組成の変化無かった。しかし、医療行為が必要な他の副作用は生じた。
急性増悪時の経口ステロイド処方される喘息での医薬品アドヒアランス向上にこの知見は役立つのかもしれない




Effects of short term oral corticosteroid intake on dietary intake, body weight and body composition in adults with asthma- a randomised controlled trial
Clinical & Experimental Allergy 
Clinical & Experimental Allergy, 02/03/2015


安定喘息55名を対象とした、プレドニゾロン50mg10日間の二重盲検プラシーボ対照化ランダム交差トライアル

スパイロメトリ、体重、体組成(DEXA、生体電気インピーダンス解析測定)、VASによる食欲、4日間食事記録による食事摂取量評価、レプチンを食欲のバイオマーカーとして、好酸球をアドヒアランス・バイオマーカーとして検討。アウトカムは一般化線形混合モデルで検討。


主観的アドヒアランスをプレドニゾロンとプラシーボ後の血中好酸球で確認(プラシーボ比較) Coef. -0.29 95% CI: (-0.39,-0.19) p < 0.001

プレドニゾロンとプラシーボ後の、血中レプチン (ng/ml) (Coef. 0.13 95% CI: (-3.47, 3.72) p=0.945)、食欲VAS (mm) (Coef. -4.93 95% CI: -13.64, 3.79) p=0.267) 有意差認めず

食事摂取量(kj/day) (Coef. 255, 95% CI: (-380, 891) p=0.431)、体重 (kg) (Coef. -0.38 95% CI: (-0.81, 0.05) p=0.083)、体脂肪 (%) (Coef. -0.31 95% CI: (-0.81, 0.20) p=0.230)有意差無し


睡眠、胃腸障害はプレドニゾロンでプラシーボに比較して症状有意。







喘息あるいはその疑い例に対し短期経口ステロイドを投与を行うが、有害性軽視されすぎてた可能性がある。


B型肝炎再活性化が心配なのだが・・・短期間ならOKという確証がない・・
http://www.jsh.or.jp/doc/guidelines/simplified%20version_B.pdf
通常の免疫抑制・化学療法を行う際は、主に非活動性キャリアを含めたHBs抗原陽性例からの再活性化が問題となるが、HBV DNAが2.1 log copies/ml未満であった既往感染者に対するステロイド単剤投与や固形癌に対する通常の化学療法でもHBV再活性化が生じたと報告されており、既往感染者でも注意が必要である。

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