2013年3月27日水曜日

若年発症はげは、前立腺がんリスク増加と相関

アフリカ系米国人だけの研究だが、
若年発症禿頭と前立腺がんリスクの関連性があきらか

しかしながら、アンドロゲン代謝との関連性は示せず、消化不良な報告となっている

Relationship of Early-Onset Baldness to Prostate Cancer in African-American Men
Charnita Zeigler-Johnson, et. al.
Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention 2013: 22 589-596

若年発症禿頭は、前立腺がんのオッズと相関[OR = 1.69; 95% 信頼区間(CI), 1.05–2.74]
前頭部禿頭は、進行病期((Gleason 7+.)(OR   = 2.61; 95% CI, 1.10–6.18) 、高grade  (OR = 2.20; 95% CI, 1.05–4.61)腫瘍と相関。
前立腺がん60歳未満診断男性では、前頭部禿は進行病期  (OR = 6.51; 95% CI, 2.11–20.06)、高 grade (OR = 4.23; 95% CI, 1.47–12.14)と相関

喫煙、年齢中央値、病型不問禿頭での相関性を認めた  (P = 0.02)
アンドロジェン関連遺伝子も調査されているが、関連性明確ではなく、加齢と喫煙が関与示唆。

アンドロジェン代謝genotypingデータで、CYP3A43*3 と前立腺がん (OR 0.32, 95% CI 0.15 〜 0.70)との逆相関認める、他のgenotypeとは相関認めず

非はげ若年男性では、以下の3つの要素で、前立腺がん有意相関
家族歴あり: OR 2.04
喫煙歴あり: OR 0.37
CYP3A43*3 genotype: OR 0.21

combo pill(合剤)発展途上国ビジネスについての解説/日本の合剤=先発扱いはおかしい 

combo pill、すなわち、合剤について

Combination Therapy to Prevent Cardiovascular Disease
Richard Smith, et. al.
JAMA. 2013;():1-2. doi:10.1001/jama.2013.3180.

combo pillは、インド、メキシコ、中南米で利用できるようになった。
これは、系統的なスクリーニングのため多くが診断されず、診断されても多くが治療されない。治療利用できず、面倒なレジメンに従う余裕がなく、個別的治療コントロールとは全く異なるやや乱暴な含有量固定化法
ジェネリック製薬製造で可能で費用も安く済み、マーケッティングリソースの少ない発展途上国で利用しやすい、薬剤提供としてやりやすく、製造業にとって多くの利益性がある。そのため、広汎に広がる可能性がある。

一方、従来のエビデンスが利用できないはずで、アウトカム研究なされていない不透明さがある

現在進行形のトライアルとして、TIPS-3と HOPE-3を紹介している。


以下のAHAでの報告
あらゆる薬剤がcombo pillで一つになると、服用しやすくなる。AHAセッションでの報告
抗血小板薬、コレステロール降下薬、降圧剤など併用が多い。
問題は心血管疾患予防に対して、固定用量設定の意義が不明なこと。
高所得国の場合、米国では、約50%がこの種の全薬剤服用が必要。一方、低・中所得国では5−20%とのこと。

2000名の男女(平均年齢62歳)の心血管疾患ありのヨーロッパ、インド住居者対象の15ヶ月間平均フォローアップ
combo pill(アスピリン、スタチン、2剤降圧剤)使用と、通常の剤型使用と比較
combo pillのほうがアドヒアランス1/3改善、血圧・コレステロール値も改善


American Heart Association. 
People more likely to take heart medicines in combo pill: American Heart Association late-breaking clinical trials report.
http://newsroom.heart.org/news/people-more-likely-to-take-heart-240422.
Published November 5, 2012. Accessed January 25, 2013


日本でも、合剤増加してきている。用量を調整しにくいという弊害と名前が覚えにくい。増量・減量のため、単剤併用へ変更が面倒。
日本での合剤特殊事情として、製薬会社にとっては好都合なようで、ジェネリック成分なのに開発コスト激減してるはずなのに先発扱いにできる。
薬品会社の事情最優先にしている現在の薬剤行政の矛盾が表面化する合剤取り扱い。
医療費削減したいのなら、ジェネリック薬価を国際基準にすべきで、「合剤、即、先発」などというのは、厚労省がのたまう「成分同一なら効能効果一緒」という宣言に矛盾する。いんちき薬剤行政が具現化している、日本の薬事行政。

MRIオーダー:頭痛時使用にくらべ、腰椎でのMRI乱用が目立つ 、特に、家庭医に目立つ

MRIの過剰使用が問題になってきているとのこと、頭痛のための椎体検査・頭部へのMRIについて、不適切な検査が頻回かどうか調査し、外来患者への適正な必要性を検討した報告

Overuse of Magnetic Resonance Imaging
Derek J. Emery,  et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-3. Published online March 25, 2013

Letter報告のため、Medscape(http://www.medscape.com/viewarticle/781381)記事

近年のMRI数は劇的増加してきたが、腰椎MRIと臨床的サイン・症状との関連性は乏しくなってきた。と不要なMRI検査を排除することで有害性リスクを減少させ、コスト削減をすべきと説明。

腰椎、頭部の2つの専門委員会を立ち上げ、専門メンバーが9点スケールで、1−3が不適切、4−6が不明、7−9が適切というポイントでrating評価、それぞれ1000のMRIを検討。

腰椎MRIに関し、適応適切だったのは 443(44.3%)、不適切は285(28.5%)、残り272(27.2%)は適応不明。

家庭医が最も悪い成績で、 MRIスキャンのわずか33.9%で適応適切だったに過ぎず、対して、他の専門医師では58.1%

下肢術後・腰痛については、適切例160/167(95.8%)だったが、スキャン施行のわずか16.7%のみで、残り833例は、意味不明・不適切適応確率は、適切適応とのratingされた確率の3倍となった 。

一方、頭痛に関するMRIオーダーの大多数の82.8%は適切で、不適切9%、不明8.2%





家庭医・総合医が正しい医療をするわけじゃないらしい・・・


腰椎MRIに関する適正使用ガイドライン例
http://www.lni.wa.gov/claimsins/Files/OMD/MedTreat/Imaging/LBchecklist.pdf

日本でもこういうチェックリストが必要と思う


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