減量は基礎代謝速度低下を伴い、体組成変化により基礎代謝も減少する。
この現象はmetabolic adaptationとかadaptive thermogenesis(適応的熱発生?)などと呼ばれ、多源量の邪魔で、体重再増加現象にも関与する。このありがたくない影響・作用はいつまで続くのだろう?
テレビ番組で減量を競い合った競技(30週間)参加者(平均148.9±40.5kg →競技終了 90.6±24.5 kg)を対象に検討した結果、6年後(体重:131.6 ± 45.3 kg)も(基礎代謝はベースラインより低下する場合があるほど)基礎代謝低下は続き、いわゆるmetabolic adaptationが増強され、減量前より太りやすいという悲観的な報告
Persistent metabolic adaptation 6 years after “The Biggest Loser” competition
Erin Fothergill, et. al.
Obesity, First published: 2 May 2016
"The Biggest Loser"の安静代謝速度(RMR)の長期変化調査
関節calorimetryをベースライン、30週間、6年後調査
metabolic adaptation:代謝適応:体組成・年齢補正後residual RMRと定義
16名の"Biggest Loser"というテレビ番組減量競技の参加者
強化食事・運動介入したclass III 肥満
フォローアップは14名
競技終了時点での減量は (平均 ± SD) 58.3 ± 24.9 kg (P < 0.0001)
RMR は 610 ± 483 kcal/day (P = 0.0004)減少
6年後、体重減少分の41.0 ± 31.3 kg再増加 (P = 0.0002)、 RMR ベースラインより 704 ± 427 kcal/day減少 (P < 0.0001) 、 metabolic adaptation −499 ± 207 kcal/day (P < 0.0001)
体重再増加は競技終了時点でのmetabolic adaptationと相関せず (r = −0.1, P = 0.75)、しかし、6年後体重減少維持被検者はconcurrentな代謝速度低下も伴っている(r = 0.59, P = 0.025)