2017年5月23日火曜日

米国小児科学会:果物の代わりにジュースは間違い

米国小児科学会の新しい助言、ジュースを控えなさい、果物の香りやリフレッシュさを求めるならジュースじゃなく、果物の切片を食べ、のどが渇くためなら水と共に食しなさい・・・というもの

ビタミンC、ビタミンA、カリウム他栄養に関わる優秀な供給源となりえ、抗酸化作用を有するかもしれないが、食物線維をもつ果物の方が優秀で、血糖・コレステロール・腸管への作用など有益性をもつ。肥満への影響はジュースではなく、やはり果物の方が望ましい。さらに、虫歯への影響は違いがある。
2歳から18歳のこどもはフルーツの代用としてジュースを飲用していることへの危惧。

年齢的にアドバイスされており、6ヶ月未満は有害性のみ。6ヶ月から1歳までは1日4オンス程度に制限。6歳まではなるべく果物を勧め、10代までは1日8オンスまでの制限。



Fruit Juice in Infants, Children, and Adolescents: Current Recommendations
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2017/05/18/peds.2017-0967


米国FDAでは、フルーツジュースは100%のみ、100%未満の商品はその含有率を表示する義務を課している。







以下は、乳製品についてのことなのだが・・・
「Food is not just the sum of its nutrients」(食べ物は栄養素の単なる合計というわけではない)
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/fos--fin052217.php

料理関連のテレビ番組:「この食材は○○という栄養素があって、疲労回復に効果有り、こちらの食材は△△という栄養素があって・・・」とぶっちゃべる料理人や評論家、調理師、栄養師、医療関連資格保有者たち・・・

この人たちって、栄養素でしか食べ物をみてないのだろうか?

こういう人たちは、野菜も野菜ジュースも、果物も果物ジュースも同一と思っている?

軽度脂質異常・高血圧75歳以上へのスタチン投与で全原因死亡率増加

ベースラインのLDL値 148 mg/dL程度の中等脂質異常高血圧症65歳以上成人へのスタチン一次予防効果検証


LDL軽度異常での75歳以上成人への一次予防目的スタチン使用は全死亡率悪化の可能性有り・・・慎重とすべき


大規模ランダム化トライアル  Lipid-Lowering Trial (LLT) component of the Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT-LLT)のpost hoc二次解析

Effect of Statin Treatment vs Usual Care on Primary Cardiovascular Prevention Among Older AdultsThe ALLHAT-LLT Randomized Clinical Trial
Benjamin H. Han,  et al. ; for the ALLHAT Collaborative Research Group
JAMA Intern Med. Published online May 22, 2017. doi:10.1001/jamainternmed.2017.1442 

心血管疾患を有さない65歳以上の高齢者

プラバスタチン(40 mg/d) vs 通常ケア (UC)

プライマリアウトカムは全原因死亡率
セカンダリアウトカムは原因特異的死亡率・非致死性心筋梗塞あるいは致死性冠動脈疾患

  • プラバスタチン群 1467 名 (平均 [SD] 歳, 71.3 [5.2] 歳) (女性 48.0% [n = 704] ) 
  • UC群 1400 名 (平均 [SD] 歳,  71.2 [5.2]  歳)(女性 50.8% [n = 711] )

ベースライン平均(SD)LDL値
  • プラバスタチン群 147.7 (19.8) mg/dL 
  • UC群 147.6 (19.4) mg/dL

year 6での平均(SD)LDL値
  • プラバスタチン群 109.1 (35.4) mg/dL
  • UC群 128.8 (27.5) mg/dL

year 6でのプラバスタチン割り付け群のうちスタチン服用無しは 42 / 253 (16.6%) 、UC群での服用無しは71.0%
プラバスタチン群 vs UC群比較全原因死亡率ハザード比 
  • 65歳以上 1.18 (95% CI, 0.97-1.42; P = .09) 
  • 65-74歳 1.08 (95% CI, 0.85-1.37; P = .55
  • 75歳以上 1.34 (95% CI, 0.98-1.84; P = .07) 


(赤:通常ケア、黒:プラバスタチン)
冠動脈イベント率について群間有意差無し
多変量回帰において、有意差無しのままで、治療群間・年齢において有意な関連性認めず


結論: 中等度脂質異常・高血圧高齢者への一次予防プラバスタチン投与についてベネフィット見いだせず、非有意ながら75歳以上ではプラバスタチンによる全原因死亡率増加が観察される





noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note