2013年5月21日火曜日

【COPD】【喫煙動物実験】SPECT 換気血流スキャンで肺機能障害早期検知


喫煙による肺への影響を、換気/血流 (V/Q)SPECTを用いた非観血的に肺機能の評価に使えるのではないかという動物実験からの知見


Detection of Lung Dysfunction Using Ventilation and Perfusion SPECT in a Mouse Model of Chronic Cigarette Smoke Exposure
Brian N. Jobse , et. al.
J Nucl Med April 1, 2013  vol. 54  no. 4  616-623


BALB/cマウスを用い、喫煙にて炎症反応、単核細胞・好中球数増加。気腔拡大は8週後発生、24週後拡大。
log(V/Q)カーブの標準偏差カーブは、heterogeneityを意味し、0.44 ± 0.02から、24週後 0.62 ± 0.05と増大し、V/Qミスマッチを意味する。
CTではこの喫煙暴露動物での変化を判別できなかった。


COPD早期病変検知に換気血流不均衡評価有効な可能性


SPECT smokes out cigarette-related changes in the lung leading to COPD
http://www.molecularimaging.net/topics/molecular-imaging/preclinical-imaging/spect-smokes-out-cigarette-related-changes-lung-leading-copd


肉と2型糖尿病発症:日本と欧州の報告 ・・・ レッドミート、肉総量、性別などの影響微妙に異なる

似たような欧州からの報告がなされてるので比較するとおもしろい。
欧州の報告でも、日本の報告でも同様に、肉と2型糖尿病発症の関連性がみられ、女性ではやや関連性減弱するという報告。その説明要素として、欧州からの報告だと、必ずしも鉄分が説明要素とはならないようだ。欧州女性では、鶏肉との関連性が見られる。



受信料を流用して阿漕な商売をする皆様無視の)NHK報道の大元は・・・ Japan Public Health Center-based Prospective Studyに基づく前向き検討とのこと

Dietary Surveys and Nutritional Epidemiology
Red meat consumption is associated with the risk of type 2 diabetes in men but not in women: a Japan Public Health Center-based Prospective Study
British Journal of Nutrition / FirstView Article, pp 1-9


で、そのNHKの報道分は・・・

赤身の肉多く食べる男性 糖尿病リスク高い NHK 5月21日 12時0分
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130521/k10014727341000.html
牛肉や豚肉など赤身の肉を多く食べる男性は糖尿病になるリスクが高くなるとする研究結果を、国立がん研究センターなどがまとめました。
国立がん研究センターなどで作る研究班は、全国の45歳から75歳の男女およそ6万4千人に食事などの生活習慣を尋ね、その後、5年間追跡調査を行いました。
そして、男女それぞれで一日に食べる肉の量に応じて4つのグループに分け、肥満や喫煙などの影響を取り除いて糖尿病の発症率を比較すると、食べる量が最も多い男性は最も少ない男性の1.36倍に高くなっていることが分かりました。
さらに、肉の種類ごとに分析したところ、牛肉や豚肉など赤身の肉を多く食べる男性は糖尿病のリスクが1.42倍高くなっていました。
このグループが摂取していた赤身の肉は、一日当たり85グラム程度と推定され、小ぶりのハンバーグであれば1個、薄切りの焼き肉であれば4枚に相当するということです。
女性では、食べる肉の量と糖尿病の発症に関連はみられませんでした。
研究班では、男性の場合、赤身の肉を多く食べると鉄分が過剰になり、血糖値を下げるインシュリンの働きが悪くなる可能性があるとしています。
研究をまとめた国立国際医療研究センターの黒谷佳代上級研究員は、「牛肉や豚肉を多く食べる男性は、糖尿病のリスクが高まると考えられる。鳥肉や魚も食べるなど、バランスのよい食事を心がけてほしい」と話しています。



欧州前向き研究で、肉全部と赤身肉の摂取量と2型糖尿病発症の関連性明らかに

Association between dietary meat consumption and incident type 2 diabetes: the EPIC-InterAct study
Diabetologia January 2013, Volume 56, Issue 1, pp 47-59 

EPIC研究内の大規模前向き症例対照研究

8つの欧州国家、34万0234名、11.7年間フォローアップ、2型糖尿病 12403名発症検討

多変量解析にて、2型糖尿病発症と関連する因子は
全肉 (50 g 増加分: HR 1.08; 95% CI 1.05, 1.12)
レッドミート (HR 1.08; 95% CI 1.03, 1.13)
加工肉  (HR 1.12; 95% CI 1.05, 1.19)

肉鉄分摂取とは、ボーダーラインの関連性

性別・BMIクラスによる効果補正がみられる

男性では、包括的分析でも確認
しかし、女性では、肉全部・赤身肉ともに関連性持続するが、関連性減弱、しかし、鶏肉消費量では相関性持続が見られる(HR 1.20; 95% CI 1.07, 1.34)。
これらの相関性は、肥満では明らかでない。 


レッドミートについて・・・
アメリカではRed MeatとWhite Meatという分け方があって、これは単純に生の状態での肉色によって分けられているようだ。例えばレッドは牛肉や羊肉、ホワイトには鶏やウサギといった感じ
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2012/04/red_meet.html

論文読んでて違和感を感じ続けていた「レッドミート」

コーヒーで、原発性硬化性胆管炎リスク減少、原発性硬化性胆管炎理数減少認めず

DDW2013 5月18日から21日まで

DDW2013 Press Release


コーヒーの自己免疫疾患への影響


線維化リスク減少は関連するが、数杯のコーヒーで、自己免疫性肝疾患のリスク減少と関連することが、Mayo Clinic研究者から報告、PSC(原発性硬化性胆管炎)のリスク減少が示された。データでは、PBC(c)への影響は認めなかった。


Coffee Consumption Associated with Reduced Risk of Autoimmunue Liver Disease
http://www.ddw.org/news/articles/2013/05/18/coffee-consumption-associated-with-reduced-risk-of-autoimmunue-liver-disease


食道pHモニタリングによるPPI長期使用回避コスト効果分析


GERDは成人の25%ほどで、診断アルゴリズムには議論がある。多くがPPI長期使用する。24時間食道pHモニタリングで、GERD除外し、不要なPPI使用に伴う、コストやリスク回避可能となるという仮説。8週間PPIトライアルとpH モニタリングでのコスト効果戦略評価。

Kleiman D, et al "Early referral for 24-hour esophageal pH monitoring is more cost-effective than prolonged use of proton pump inhibitors in patients with suspected gastroesophageal reflux disease" DDW 2013; Abstract 201.








30% sensitivity (1)
96% sensitivity (1)
All patients
-$100.31 (2) to $1,495.45
$1,196.99 to $6,303.43
Esophageal symptoms
-$59.57 (2) to $1,646.44
$1,327.37 to $6,786.61
Extra-esophageal symptoms
-$299.23 (2) to $758.25
$560.47 to $3,940.09









24-hour esophageal pH monitoring: 24時間食道pHモニタリング
http://my.clevelandclinic.org/services/esophageal_ph_test/hic_24-hour_esophageal_ph_test.aspx
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMH0003879/


重症ARDSへのうつぶせ治療効果

水準的広がりをもつ陰影がその後も残存するARDSのCT画像をみると確かに仰向けだけだとよいはずがないと思う。

以前は、うつぶせ寝肯定的な報告があり


Prone-Supine II Study:ARDS重症低酸素血症に対する”うつぶせ治療”効果有意な生存延長効果認めず 2009年 11月 11日

この報告で一気に熱が冷めたような気がする


今回は、久しぶりに、肯定的報告

 ↓

Prone Positioning in Severe Acute Respiratory Distress Syndrome
Claude Guérin, et. al.
for the PROSEVA Study Group
N Engl J Med. May 20, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1214103

多施設前向きランダム化対照化トライアル
うつぶせ寝 237名
あおむけ寝 229名
28日め死亡率は、それぞれ、16.0%、 32.8% (p < 0.001)
ハザード比 0.39( 95%信頼区間 [CI], 0.25-0.63)
非補正90日め死亡率は、それぞれ、23.6%、41.0% (p < 0.001)
ハザード比 0.44 (95% CI, 0.29-0.67)
合併症頻度で群間有意差なし
例外は心停止頻度で、仰向け群が多い

COPD気管支拡張薬物治療:長時間作動βアゴニスト・抗コリン剤とも心血管合併症増加

後顧的研究だが、長時間作動性気管支拡張剤である、β刺激剤:LABAも、抗コリン剤:LAMAも、心血管リスク増加させる。

しかも、19.1万名中、5.4万件の心血管疾患イベント発生率、相対的リスク 1.5割〜3割アップというのはかなりの発生率と思う。荒っぽい推定だと、これらの薬剤処方されてる患者の心血管疾患イベントの1割が薬剤の副作用のためということになる。


Cardiovascular Safety of Inhaled Long-Acting Bronchodilators in Individuals With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Andrea Gershon, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-9. doi:10.1001/jamainternmed.2013.1016.
重要性 Chronic obstructive pulmonary disease (COPD)は、コモンで死に至る病気でもある。長時間作動性βアゴニストや抗コリン剤はCOPD薬物治療としての第一選択薬剤である。薬物選択のとき、最小リスクであることを知ることは、医師・患者にとってベネフィットである。
目的  薬物クラスと、心血管イベント入院・ED受診リスクの相関性評価
デザイン  マッチング・予後因子補正後、新規処方吸入LABA(長時間作動性βアゴニスト)、LAMA(長時間作動性抗コリン剤)間の後顧的コホート研究nested症例対照解析
セッティング  多文化住民1300万人を有する、カナダ随一の州であるオンタリオの医療データベース
被験者  COPD確認症例基準に合致した66歳以上全員、医療行政データに基づき、2003年9月1日から2009年3月31日間でのCOPD治療された症例
暴露  LABA、LAMA新規症例
主要アウトカム・測定  心血管イベントによるED受診、入院
結果  該当19万1005名中、5万3532 (28.0%)が心血管イベントのため入院・ED受診
LABA、抗コリン剤新規処方は、薬物使用なしに比べ、イベントリスク高い  (対応補正オッズ比 1.31 [95% CI, 1.12-1.52; P < .001] 、1.14 [1.01-1.28; P = .03])
2つの薬剤種間において有意差認めず(補正オッズ比 LABA の LAAM比較で1.15 [95% CI, 0.95-1.38; P = .16]
結論・知見  COPD高齢者において、長時間作動性βアゴニスト、抗コリン剤新規使用は、心血管イベントリスクは同程度に増加させる。長時間作動性気管支拡張剤必要なCOPD患者においては薬剤クラスに関わらず、密なモニタリングが必要

65歳以上のスピリーバなどの抗コリン剤、セレベントなどのβアゴニストとも、長時間作動性気管支拡張剤は、肺機能改善させ、息切れ改善させるが、よりハードなアウトカムには副作用として働く。

ただでさえ、MCIDなんて、詐欺的アウトカムで、薬剤創出を後押ししている、呼吸器関連の学会 ・・・ ”軽症COPDに早期薬剤処方”という耳を疑うフレーズを耳にしてしまった。


喘息での、LABAの生命危機に関わる薬剤有害性は、多施設ランダム化研究:SMART study(e.g. Can Fam Physician. 2007 April; 53(4): 687–688. )以降、注目されているが、COPDでの薬剤有害性は、それに隠れていた。喘息・ICS-LABAでの薬剤有害性だって、わからない。検討項目から、アフリカ系アメリカ人などの人種的LABA有害感受性の高い群がはずれていた可能性がある。


Cardiac Risk May Increase with COPD Drugs
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39313

PREDIMED-NAVARRA: オリーブオイルでも、ナッツでも、低脂肪職比較で認知機能改善

地中海食として、Extraバージンオイルと、ナッツ油どちらも、認知機能に対して、効果があるようだ。

"Mediterranean diet improves cognition: the PREDIMED-NAVARRA randomised trial"
Martinez-Gonzalez MA, et al
J Neurol Neurosurg Psych 2013; DOI: 10.1136/jnnp-2013-305153.


【目的】 いままでの観察研究からMediterranean diet(MedDiet)の認知機能への利益性効果が報告されている。しかし、結論は必ずしも一致せず、MedDietsを用いた影響介入の認知機能影響を、低脂肪対照食事と比較評価。

【方法】 血管リスク高い被験者522名(男性 44.6%、年齢 74.6 ± 5.7歳、 認知機能評価)、多施設ランダム化プライマリ予防トライアル(PREDIMED)
2つのMEDDiets(extra-virgin olive oil(EVOO)もしくは mixed nutsサプリメント) vs 低脂肪対照の比較栄養介入
Global cognitive performance を、Mini-Mental State Examination (MMSE) とClock Drawing Test (CDT)を栄養介入後6.5年
アウトカム評価研究者にはグループ割り付けブラインド化
寄与共役要素補正は一般線形モデルで行った
【結果】年齢、性、教育、Apoリポ蛋白E表現型、認知機能障害・認知症家族歴、喫煙、運動、BMI、高血圧、脂質異常、糖尿病、アルコール、総エネルギー摂取量補正後、
MedDiet+EVOO割り付け被験者では、MMSE、CDTスコア高知で、対照群とに有意な差を認める (補正差分: +0.62 95% CI +0.18 〜 +1.05, p=0.005 for MMSE、 +0.51 95% CI +0.20 〜 +0.82, p=0.001 for CDT)
MMSE、CDTスコア補正平均は、MedDIet+Nuts は、対照に比べ、高値  (補正差分: +0.57 (95% CI +0.11 〜 +1.03), p=0.015 for MMSE 、 +0.33 (95% CI +0.003 〜 +0.67), p=0.048 for CDT)
これらの結果は、うつ発症補正後も変化認めず
【結論】MedDiets介入は、EVOOでも、ナッツでも、低脂肪食比較すると、認知機能改善と関連

ANZICS臨床トライアル : ICU入室・経口栄養比較的禁忌患者への早期非経口栄養の臨床的意義ない

parenteral nutrition、非経口栄養法(PN)を、ICU入室24時間以内に、経口栄養比較的禁忌成人患者へ行うことのベネフィットがシステマティックレビューで示唆?

結論から言えば day-60での死亡率に関して有意差なかった。
早期非経口栄養戦略は侵襲的人工換気日数を減らすが、ICUや入院期間

Early Parenteral Nutrition in Critically Ill Patients With Short-term Relative Contraindications to Early Enteral Nutrition
A Randomized Controlled Trial
Gordon S. Doig,  et. al.
for the Early PN Investigators of the ANZICS Clinical Trials Group
JAMA. 2013;():1-9. doi:10.1001/jama.2013.5124.


【目的】 To determine whether providing early PN to critically ill adults with relative contraindications to early EN alters outcomes.

【デザイン、セッティング、被験者】 多施設、ランダム化、単盲検(2006年10月から2011年6月)、31地域・3次病院のICU(オーストラリア、ニュージーランド)
被験者は、早期EN相対的禁忌重症成人で、ICU滞在2日間以上予想される患者

【介入】  Random allocation to pragmatic standard care or early PN.

【主要アウトカム・測定】  Day-60 mortality; quality of life, infections, and body composition.

【結果】 総数1372名をランダム化(標準ケア 686、早期PN 686)
標準ケア割り付け682名中、199名(29.2%)でEN開始、278名(40.8%)は未摂取。
EN、PNまでの機関は、2.8日(95% CI, 2.3-3.4日)

PN割り付け早期PN開始患者は、割り付け後平均44分(95% CI, 36-55)で開始
day-60死亡率で有意差認めず (標準ケア 22.8%  vs 早期PN 21.5% ; risk difference, −1.26%; 95% CI, −6.6 〜 4.1; P = .60)

早期PN患者は、day-60 QOLrate (RAND-36 General Health Status) は統計学的だが、臨床的意味合いはない高値 (標準ケア 45.5  vs 早期PN 49.8; mean difference, 4.3; 95% CI, 0.95 〜 7.58; P = .01)

早期PN患者は必要侵襲的換気日数少ない (7.73 vs 7.26 日間 10 名 × ICU 日数, risk difference, −0.47; 95% CI, −0.82 〜 −0.11; P = .01)
主観的評価、Subjective Global Assessmenベースでの、筋疲労少ない (0.43 vs 0.27 スコア増加/週あたり; mean difference, −0.16; 95% CI, −0.28 〜 −0.038; P = .01)
脂肪減少スコア少ない (0.44 vs 0.31 スコア増加/種あたり; mean difference, −0.13; 95% CI, −0.25 〜 −0.01; P = .04)





数値の切りが悪かったり、通信簿みたいだと基準を変える・・・アホ学会

この学会って・・・

『糖尿病学会はNGSP値を用いた糖尿病治療における血糖コントロール目標値を改訂、6月から施行する。従来の指標では、NGSP値なら、HbA1c 6.2%未満は『優』、6.2〜6.8%未満は『良』、6.9〜7.4%未満は『不十分』、7.4〜8.4%未満は『不良』、8.4%以上は『不可』としていた。だがこれには、医師から『数値のきりが悪い』『通信簿みたい』などと意見や批判があったため見直す』
(RIS FAXから引用 H25.5.8 )
・・・
数値の切りが悪かったり、通信簿みたいだと基準を変える・・・アホ学会


科学的根拠なく、そういうことで決めるんか・・・この学会。


(1)血糖正常化を目指す際の目標 6.0%未満
(2)合併症予防のための目標 7.0%未満
(3)治療強化が困難な際の目標 8.0%未満


ACCORD studyなどで判明した厳格コントロール弊害も無視してる・・・

科学的エビデンス無視して権威だけでごり押しするお方がトップだからそうなるのだろう。

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