2019年5月10日金曜日

ヒ素暴露:左室肥大など左室形態・左室機能へ及ぼす悪影響

若年成人に於けるヒ素汚染と心ジオメトリーと左室機能


population-based Strong Heart Family Study(SHGS) cohort
1337名の若年成人(糖尿病や心血管疾患認めず)

ベースラインでの無機ヒ素とメチル化ヒ素 の総量(ΣAs) をヒ素汚染のバイオマーカーとして左室ジオメトリーと左室機能フォローアップ検討



Association of Arsenic Exposure With Cardiac Geometry and Left Ventricular Function in Young Adults
Evidence From the Strong Heart Family Study
Gernot Pichler , et al.
https://doi.org/10.1161/CIRCIMAGING.119.009018
Circulation: Cardiovascular Imaging. 2019;12
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCIMAGING.119.009018

平均フォローアップ5.6年間、中央値(IQR) ΣAs: 4.2 (2.8 - 6.9) μg/gCr
ヒ素暴露 2倍増加に伴い 
全登録者について、左室肥大 オッズ比(95% CI)  1.47 (1.05 - 2.08)
高血圧/高血圧前症 1.58 (1.04 - 2.41)

LV ジオメトリー測定(LV容積指数、左房収縮期径、左室中隔、左室後壁厚)も各々有意にヒ素暴露と相関

左室機能、1回拍出容量、駆出率はヒ素暴露と相関










例の如く"google 翻訳”序文

無機ヒ素は、地下水、食料、土壌、大気中に見られることが確立されている人間の有毒で発がん性物質です。
 無機ヒ素(iA)への慢性的な曝露は、高血圧、真性糖尿病、頸動脈アテローム性動脈硬化症、末梢動脈疾患などの心血管疾患とその危険因子のリスク増加と関連しています。

 重要なことに、ヒ素曝露は心血管死亡率および有害な心臓事象、特に虚血性心疾患および他の形態の心疾患に関連している。
 しかし、砒素曝露と有害な心臓転帰との関係は完全には理解されていない。無機性の疾患は高血圧と糖尿病、心機能不全の発症の主な危険因子に関連しています。
無機ヒ素が心臓の構造や機能に関連しているのか、あるいは観察された有害転帰がヒ素に曝された個人の心血管代謝プロファイルの悪化に続発するのかは不明である。

心臓の形状と機能、特に左心室の寸法と機能(LV)は、経胸壁心エコー検査(TTE)を使用して確実かつ再現可能に評価できます。

LV肥大(LVH)、LV収縮機能障害、およびLV拡張機能障害は、心疾患の既往歴のある個人および明白な心血管疾患のない人の両方における生存の強力な独立予測因子です。

LVの量と機能のTTEに基づく測定値のベースライン値の大きさまたは方向の変化に続いて、致命的および非致命的な心血管イベントのリスクの対応する変化が続きます。
 さらに、LVH、LVの収縮機能障害、またはLVの拡張機能障害を伴う無症状の患者を対象とした治療は、心不全への自然な進行を遅らせ、その後の罹患率および死亡率を低下させる可能性があります。

したがって、心臓の幾何学的形状および機能の異常なTTEベースの測定は、心不全および有害な心臓転帰の代用として確立されている。それにもかかわらず、心臓の不均衡な成長および心機能の連続的な変化に関与する危険因子および病態生理学的メカニズムは完全には理解されていない。

無機ヒ素は、無症候性アテローム性動脈硬化症、QT間隔の延長、および内皮機能不全の循環マーカーを含む心血管代理のエンドポイントと正の関連がありました24。中央メキシコの小児の小規模横断研究では、ヒ素曝露はより高いLV質量およびより低い収縮機能。

動物実験では、ヒ素への曝露に続いて、筋細胞のアポトーシス、線維症、およびその後のLVHを含む心機能障害が起こることが示されています。
対照的に、心血管疾患のない成人集団におけるLVH、LV収縮機能障害、およびLV拡張機能障害に対するヒ素曝露の潜在的な影響は、これまでに研究されていない。





http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/basic.html
日本では、水道システムの整備に加え、ヒ素に対する事業場からの排出規制や水道水における水質基準の設定により、飲料水に含まれるヒ素の濃度が低く維持されています。したがって、日本人が経口摂取するヒ素のうち、飲料水からの割合は小さく、また、食品からの割合が相対的に大きいと推定されています。
食品からのヒ素の摂取量

MMA:モノメチルアルソン酸、DMA:ジメチルアルシン酸、AB:アルセノベタイン、TMAO:トリメチルアルシンオキシド、無機ヒ素:亜ヒ酸、ヒ酸


無機ヒ素:飲料水、ヒジキ、米等
有機ヒ素:海産動物(アルセノベタイン、脂溶性ヒ素化合物)
海藻類、貝類(アルセノシュガー、脂溶性ヒ素化合物)
無機ヒ素の代謝物(モノメチルアルソン酸(MMA)、ジメチルア
ルシン酸(DMA)等)



2004年に英国食糧規格庁(FSA)は海藻のヒジキに無機ヒ素が大量に含まれているという調査結果に基づいてヒジキを食べないよう国民に勧告しました。世界的にみて日本人の海産物摂取量は多く、中でも有機ヒ素だけでなく無機ヒ素も含有している海藻類はヒ素摂取源として最も重要な食品です。特にヒジキは無機ヒ素の含有割合が高いことが分かっています。厚生労働省によると、先に示した無機ヒ素のPTWIを体重50kgの人の一日量に換算すると107μg(=0.107mg)となり、これはFSAが調査した中で最もヒ素含有量が高いヒジキの4.7gに相当します。日本人のヒジキ摂取量は、一日およそ0.9gであり、平均的な食生活であれば生体への影響はほとんどないと考えられます。
ヒジキについてはコメントが必要です。ヒ ジキなどホンダワラ科の海藻はヒ素濃度が高く、海藻の中では例外的に無機ヒ素の割合が高いのです。こうしたことから2004年に英国では国民に対しヒジキ の摂食を控えるように呼びかけました。一方、わが国の厚生労働省は通常の摂取量の範囲であればWHO/FADの提唱する無機ヒ素の週間耐容摂取量 (PTWI、0.015mg/kg/週)には達しないこと、ヒジキには健康増進効果が期待できること等を理由に、食べ過ぎなければ安全であると強調してい ます。ただし、これは慢性ヒ素中毒を前提とした許容量であることから、発がんリスクを定量的に見積もるべきだとする研究者もいます。いずれにしても、バラ ンスのよい食事をすることが大切です。,,,,当所においてもコンブ、ワカメ、モズク、ノリなどの食用海藻について調べた結果、水溶性ヒ素の大部分は数種のヒ素糖であることを明らかにしてお り、また、海産の二枚貝にはアルセノベタインの他にヒ素糖も含まれていることがわかりました。魚介類や海藻を頻繁に摂取しても慢性ヒ素中毒を発症しないの は、毒性が大変低いこうしたヒ素化学種として含まれていることによると考えられています。北海道の重要な水産物であるホタテガイの貝柱にはアルセノベタイ ンという形で少量含まれているだけですので、食用としての安全性には問題がありません。



日本語で検索される識者の意見は、生体内で検討されてないデータなのでは?


オゾン長期暴露と原因別死亡リスク

10年前の研究( Long-Term Ozone Exposure and Mortality , Michael Jerrett , et al.
 N Engl J Med 2009; 360:1085-1095)ではPM2.5を考慮した場合心血管疾患死亡リスク増加は認めず、呼吸器系死亡リスクのみ増加という結果だったが



今回の報告では、代替モデルや共要素補正(微粒子物質や二酸化窒素)補正で、別の知見が得られた



米国成人成人の大規模前向きコホートであるNIH-AARP NIH-AARP Diet and Health Study 17年間追跡調査 1995−2011年

Long-term Exposure to Ozone and Cause-Specific Mortality Risk in the U.S
Chris C Lim , et al.
https://doi.org/10.1164/rccm.201806-1161OC
PubMed: 31051079
AJRCCM Articles in Press. Published on 03-May-2019

コホート, n= 548,780:国勢調査レベルのオゾン推定値
個別-、国勢調査レベル共役要素補正後、寄与共役大気汚染・気温補正後、多変量解析Cox比例ハザードモデル検討

オゾン長期平均年間暴露量は以下原因死亡率と相関(単一汚染物質もでr

  • 心血管疾患 (per 10 ppb, HR=1.03; 95% CI: 1.01-1.06)
  • 虚血性心疾患 (HR=1.06; 95% CI: 1.02-1.09)
  • 呼吸器疾患 (HR=1.04; 95% CI: 1.00-1.09)
  • 慢性閉塞性肺疾患 (HR=1.09; 95% CI: 1.03-1.15)


代替モデルや共汚染物質(微粒子物質や二酸化窒素)補正後でも認められたが、気温による交絡作用が認められた

長時間オゾン暴露と関連する呼吸器疾患死亡リスク有意増加は高温地域居住者で認める(p- interaction < 0.05)


地球温暖化とオゾンによる悪影響が懸念されるのかな?

対策の効果が出ているのは欧州と北米であり、20世紀を通じて増加の一途をたどっていた地表オゾン濃度が、2000年以降、横ばいか減少を示している。反対に東アジアにおいては観測所も少なく、オゾン濃度は依然として上昇傾向にあり、北米西海岸の一部でも長距離大気輸送が原因で濃度の上昇が見られるという。
http://tenbou.nies.go.jp/news/fnews/detail.php?i=25637


ヨーロッパの対応って?
https://www.eea.europa.eu/
Ozone Depleting Substances:成層圏オゾン層破壊物質に関しては記載があるが・・・
対流圏オゾン増加対応に関しては分からない


対流圏オゾンと成層圏オゾンの違いhttps://www.nies.go.jp/pmdep/ctype/result/ox200705/shiryo2.pdf

noteへ実験的移行

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