2015年6月3日水曜日

大規模住民ベースコホート研究:チャンピックスで、自殺・事故などを含むリスク増加認めず

バレニクリン(チャンピックス)による、新規精神疾患、自殺行動、容疑・有罪犯罪行為、交通関連事故、容疑・有罪交通犯罪の関連は、15歳以上791万7436名、暴露群 6万9千757名での検討では明らかでなかった。
精神疾患既往での2つの精神状態、気分異常と不安障害のみが関連性認めた


Varenicline and risk of psychiatric conditions, suicidal behaviour, criminal offending, and transport accidents and offences: population based cohort study
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h2388 (Published 02 June 2015)

フォローアップ(2006年から2009年)33万7393名の新規精神病態診断
犯罪: 容疑 50万7823、 有罪 33万8608、自殺4万595、 交通関連事故 12万4445、交通犯罪容疑9万9895、交通犯罪有罪5万7068
個別解析にて、バレニクリンは、自殺行為、犯罪的攻撃、交通事故関連、交通事故加害、 精神疾患に有意に関連せず。
しかし、バレニクリンは不安障害 (ハザード比 1.23, 95% 信頼区間 1.01 〜 1.51) 、感情障害 (1.31, 1.06 〜 1.63)の軽度増加リスクと関連するも、精神疾患既往と関連あり



薬害を声高にさけぶことで出版・講演利権を得る団体の横槍に屈せず、チャンピックス処方制限を緩和して欲しいものだ

ボトックスによる皮膚進展性・柔軟性は炎症・腫脹ではなく、皮膚構造への直接変化反映

ボトックス注は、皮膚構造に影響を与え、skin pliability(柔軟性)、弾性収縮力を高める。この構造変化は炎症・腫脹によるものではなく、筋肉の弛緩ではなく、線維芽細胞への変化をもたらしていると考えるとの主張

2014年もDr. Bonaparteらは、2ヶ月フォローアップ研究、炎症性所見であるという皮表を受け、今回4ヶ月フォローアップ研究。 Cutometer MPA 580 skin elasticity meter (Courage & Khazaka Electronic, Cologne, German)を用い、皮膚の構造変化・弛緩性を評価。

pliability : 柔軟性
elastic recoil:弾性収縮力
粘弾性抵抗(Uv)/弾性抵抗比(Ue)

Uv/Ue比率減少を見いだし、腫脹・炎症による形態機能変化ではないと証明したとの主張

仮説が正しければ皮膚瘢痕へ有効かもしれないと・・・機序は不明だが・・・

眉間では4ヶ月、その他では3ヶ月効果が続く。


AAFPRS RESEARCH AWARD WINNER
Alterations in the Elasticity, Pliability, and Viscoelastic Properties of Facial Skin After Injection of Onabotulinum Toxin A
 James P. Bonaparte, et. al.
JAMA Facial Plast Surg. Published online May 21, 2015. doi:10.1001/jamafacial.2015.0376




Triglyceride-rich-lipoprotein(TRL)コレステロール指標

Triglyceride-rich-lipoprotein(TRL)コレステロールが心血管イベント抑制の次の指標?


the International Symposium on Atherosclerosis 2015でのスピーチ内容



TNT(Treating to New Target)トライアルで、TRLコレステロール(非HDLーLDL)が重症心血管イベント(冠動脈疾患死、非致死性心筋梗塞、蘇生心停止、卒中)に関しLDLコレステロールと別に独立した予後因子と判明


さらに、アトルバスタチン治療80mg/日で TRLコレステロール高値の場合でも有意に心血管イベントリスク増加との報告



Five-Year Risk of a Cardiovascular Event (%)
Quintile of baseline TRL-cholesterol (mg/dL)Atorvastatin 80 mg/dayAtorvastatin 10 mg/dayAbsolute relative riskHR (95% CI)
<199.769.72+0.041.01 (0.77– 1.34)
>19 to <248.208.62-0.420.98 (0.71–1.34)
>24 to <308.2110.58-2.380.71 (0.53–0.96)
>30 to <39.57.3612.07-4.710.59 (0.44–0.80)
>39.59.8413.77-3.920.69 (0.53–0.90)

ω3脂肪酸代替薬剤:12週後トリグリセライド低下

SEFA( structurally enhanced omega-3 fatty acid  )である、Icosabutateの12週間治験


12週間後、ベースラインTG中央値 650mg/dLの対象者の89%が、TG 500mg/dL未満の目標に到達、さらに 600mg投与で、食品ω3脂肪酸4g/日に相当と・・・筆者等の主張


Icosabutate for the treatment of very high triglycerides: A placebo-controlled, randomized, double-blind, 12-week proof-of-concept study
Bays , Harold, Louisville Metabolic and Atherosclerosis Research Center, Louisville Ky, United States of America (Presenting author)
http://www.eventure-online.com/eventure/publicAbstractView.do?id=262807&congressId=8753

87名ランダム化、79名研究完遂
ベースライン住民統計特性を群間比較
安定スタチン投与 21%
12週後、 Icosabutateで有意に空腹時TG減少  (-51% [-66.8,-32.4])  vs  placebo (-33% [-46.7,-20.0])
治療出現副事象(TEAE) Icosabutate群 28(65%) vs placebo 32 (74%)
薬剤中断1例は感情的ないらいら感での中止で、重篤な副事象認めず
APOC3や他の脂質マーカーも減少

noteへ実験的移行

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