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2020年4月23日木曜日

フェブリクに動脈硬化進展抑制作用認めず

商品名 フェブリク:フェブキソスタット

血中尿酸値の増加は高血圧やインスリン抵抗性など心代謝異常と関連する可能性有り、高尿酸血症を心血管疾患の残余リスクと見なす説明を受けることがある。尿酸値低下により動脈硬化を改善するか、また、その予後を改善するかは重要なテーマである。
従来のプリン類似キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬であるアロプリノールなどの尿酸降下剤による薬理介入が広く行われ、XO 阻害により、内皮機能が改善され、酸化ストレスを抑制し、実験的に動脈硬化を抑制することが示されている。フェブキソスタットは、新規の非プリン系選択的XO阻害剤で、高尿酸血症および痛風の治療薬として承認されているが、今のところ動脈硬化抑制作用を示す報告はめだたない

で、今回もその一つだが、日本からの報告


Febuxostat does not delay progression of carotid atherosclerosis in patients with
asymptomatic hyperuricemia: A randomized, controlled trial
Atsushi TanakaI, et al.
Membership of the PRIZE study investigators
https://journals.plos.org/plosmedicine/article/file?id=10.1371/journal.pmed.1003095&type=printable
PLOS Medicine | https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1003095 April 22, 2020

血清尿酸(SUA)の上昇は心血管疾患のリスクの増加と関連している。従来のプリン類似キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害剤であるアロプリノールなどの尿酸降下剤を用いた薬理学的介入は、SUA値を低下させるために臨床現場で長期間にわたり広く使用されてきました。フェブキソスタットは、新規の非プリン選択的XO阻害剤であり、従来のアロプリノールよりもXO活性を阻害する力が強く、尿酸値を低下させる効果が高いことが知られています。しかし、フェブキソスタットの動脈硬化に対する効果に関する臨床的なエビデンスは不足している。本研究の目的は、無症候性高尿酸血症患者において、フェブキソスタットの治療が頸動脈内膜厚(IMT)の進行を遅らせるかどうかを検討することである。

方法と所見
本試験は、2014年5月から2018年8月までの間に全国48施設で実施された多施設共同前向き無作為化非盲検エンドポイント臨床試験である。無症候性高尿酸血症(SUA>7.0mg/dL)とスクリーニング時の総頸動脈(CCA)最大IMT≧1.1mmの両方を有する成人を対象に、中央ウェブシステムを用いて、用量漸増型フェブキソスタット(10~60mg/日)、または対照群として健康的な食事療法や運動療法などの高尿酸血症に対する非薬物療法的な生活習慣の改善を行う群に等しく割り付けた。登録された514人のうち、31人が解析から除外され、残りの483人(平均年齢69.1歳[標準偏差10.4歳]、女性19.7%)が修正されたintention-to-treat主薬に基づいて一次解析に含まれた(フェブキソスタット群239人、対照群244人)。頸動脈IMT画像は各部位で1人の超音波診断士が記録し、中央中核研究室に設置された1人の分析装置で治療盲検的に読み取った。主要エンドポイントは、割り付け調整因子(年齢、性別、2型糖尿病歴、ベースラインSUA、ベースライン最大IMT)を共変量として用いた共分散分析により決定されたCCAの平均IMTのベースラインから24ヵ月間の変化率であった。主要な副次評価項目は、その他の頸動脈超音波パラメータとSUAの変化、および臨床イベントの発生率であった。CCA-IMTの平均値(±標準偏差)は、フェブキソスタット群で0.825mm±0.173mm、対照群で0.832mm±0.175mmであった(群間平均差[フェブキソスタット-対照]、-0.007mm[95%信頼区間(CI)-0.039mm~0.024mm])。 0.039mm~0.024mm;P=0.65])、24ヵ月目にはフェブキソスタット群で0.832mm±0.182mm、対照群で0.848mm±0.176mm(群間平均差、-0.016mm[95%信頼区間(CI)-0.051mm~0.019mm;P=0.37])であった。対照群と比較して、フェブキソスタットは主要エンドポイントに有意な影響を及ぼさなかった(フェブキソスタット群(n = 207)では1.2%[95%CI -0.6%~3.0%]、対照群(n = 193)では1.4%[95%CI -0.5%~3.3%]、群間差の平均値、-0.2%[95%CI -2.3%~1.9%]、P = 0.83])。フェブキソスタットは他の頸動脈超音波パラメータにも影響を及ぼさなかった。SUAのベースライン平均値は2群間で同等であった(フェブキソスタット、7.76mg/dL±0.98mg/dL vs コントロール、7.73mg/dL±1.04mg/dL;群間平均差は0.03mg/dL [95%CI -0.15mg/dL~0.21mg/dL; P = 0.75])。24ヵ月後のSUAの平均値は、フェブキソスタット群が対照群に比べて有意に低かった(フェブキソスタット:4.66mg/dL±1.27mg/dL、対照群:7.28mg/dL±1.27mg/dL、群間平均差:-2.62mg/dL [95% CI -2.86mg/dL~-2.38mg/dL、P<0.001])。痛風関節炎のエピソードは対照群でのみ発生した(4人[1.6%])。追跡期間中の死亡はフェブキソスタット群で3例、対照群で7例であった。本試験の限界は、プラセボ対照試験ではなく、サンプル数が比較的少なく介入期間が短いこと、無症候性高尿酸血症の日本人患者のみを対象とした試験デザインであることであった。

結論
日本人の無症候性高尿酸血症患者において、フェブキソスタットを24ヶ月間投与しても、非薬物治療と比較して頸動脈動脈硬化の進行を遅らせることはできなかった。これらの所見は、この集団における頸動脈動脈硬化の進行を遅らせるためのフェブキソスタットの使用を支持するものではない。

2019年3月29日金曜日

アロプリノールと心血管疾患アウトカム・総死亡率減少効果

アロプリノールの総死亡・心血管疾患アウトカムへの影響は後顧的住民研究レベルだと解釈難しい

死亡率・心血管アウトカム減少作用は高用量では大きな減少効果があったが、それなら総累積量により効果変動しそうなものだがそれは認められなかった。
尿酸値と死亡率の関連性は Mendelian randomization study(White JSofat RHemani G, et al. Plasma urate concentration and risk of coronary heart disease: a Mendelian randomisation analysisLancet Diabetes Endocrinol2016;4(4):327336.)では認められなかったことと合わせ、まだ混沌部分が多い




Association between allopurinol and cardiovascular outcomes and all‐cause mortality in diabetes: A retrospective, population‐based cohort study
Alanna Weisman ,et al.
Journal of Pharmacology and Therapeutics
First published: 08 February 2019
https://doi.org/10.1111/dom.13656
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/dom.13656


カナダ・オンタリオの住民ベース後顧的コホート研究
アロプリノールと死亡率、心血管アウトカムの関連性 66歳以上の糖尿病患者で2002年4月1日から2012年3月31日まで初回処方症例で、2016年3月31日までの検討

フォローアップ中央値 4.65 (IQR , 1.79 - 7.81)年間
プライマリアウトカム (総死亡、非致死性心血管疾患(心筋梗塞、血管再建、卒中)、うっ血性心不全)発生:男性  16 266/23 103、女性  10 571/15 313

アロプリノールは、プライマリアウトカム減少と関連   [補正ハザード比 (aHR) 男性  0.77 (95% 信頼区間 0.75–0.80) 、 女性:0.81 (0.78–0.84) ]
総死亡率減少顕著、心血管イベント/うっ血性心不全 modest

累積アロプリノール量はアウトカムに影響無く、アロプリノールは、男性肺炎リスク減少と関連  [aHR 0.88 (0.83, 0.93)]



尿酸はプリン代謝の産物で、細胞外環境及び低濃度では尿酸は抗酸化作用を有するが、高濃度・細胞外環境ではpro-oxidant作用を有し有害作用となる可能性がある。Xanthine oxidaseはhypoxanthineからxanthineへ、xanthineから尿酸への反応を触媒し、ROSを産生する。高尿酸血症は、酸化ストレス、RAAS活性化、心血管アウトカムと関連。一方、尿酸は心血管疾患のメディエーター、従来のリスクのマーカーでもある。
アロプリノールは血管内皮機能を改善し、左室容積を改善、酸化ストレスを軽減し、尿酸低下と無関係の作用の可能性がある。セカンダリ・データ(二次データ)を用いた多くの観察研究では、アロプリノールが臨床的に有意な心血管アウトカム減少効果を大規模住民研究では示せず、特に心不全においては一致した結果がない。
最近出現の尿酸低下薬剤である非プリンXanthine oxidase阻害剤 febuxostatの心血管疾患安全性評価臨床トライアルでは、allopurinoloに比べ総死亡率、心血管特異的死亡率低下の報告 (注.   非劣性だが・・・)
White WBSaag KGBecker MA, et al. Cardiovascular safety of febuxostat or allopurinol in patients with gout. N Engl J Med2018;378(13):12001210.

ALL-HEART研究
Mackenzie ISFord IWalker A, et al. Multicentre, prospective, randomised, open‐label, blinded end point trial of the efficacy of allopurinol therapy in improving cardiovascular outcomes in patients with ischaemic heart disease: protocol of the ALL‐HEART studyBMJ Open2016;6(9):e013774.


2017年2月14日火曜日

小児・成長期:フルクトース摂取(炭酸飲料や甘味飲料など)と高尿酸:非アルコール性脂肪性肝疾患

フルクトース高摂取と高尿酸血症は、NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)をもたらす


"Serum uric acid concentrations and fructose consumption are independently associated with NASH in children and adolescents," Journal of Hepatology, DOI: 10.1016/j.jhep.2016.12.025
Read more at: https://medicalxpress.com/news/2017-02-fructose-consumption-linked-liver-disease.html#jCp


イタリアとイギリスの研究チームがNAFLD 271名の肥満小児(平均 12.5歳)にて肝生検を行い診断
主なフルクトース摂取源はやはり炭酸飲料や甘味飲料
被検者の90%が週1回以上ソーダやソフトドリンク飲料、95%ほどが朝・夕方スナック(クラッカー、ピザ、塩分の多い食品、ビスケット、ヨーグルト、他スナック類)摂食









NAFLDにおいて、フルクトース摂取が重要な疾患発症リスク要素というのは昨今多く取り上げられている
J Hepatol. 2008 Jun; 48(6): 993–999.


さらに、尿酸とフェリチンの役割も・・・

Role of Serum Uric Acid and Ferritin in the Development and Progression of NAFLD
Int J Mol Sci. 2016 Apr; 17(4): 548.  
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4849004/ 



Pathogenetic pathways of the association between ferritin and NAFLD. Up arrow in the boxes: increase; down arrow in the boxes: decrease.





Pathogenetic pathways of the association between serum uric acid and NAFLD. Abbreviations: SUA, serum uric acid; ROS, reactive oxygen species; ER, endoplasmic reticulum; NAFLD, non-alcoholic fatty liver disease.










高尿酸血症ってのは悪もの?


EPOCH-JAPANでは、尿酸値と死亡率にJ現象ありなのだが・・・

Serum Uric Acid and Mortality Form Cardiovascular Disease: EPOCH-JAPAN Study
EPOCH-JAPAN GROUP
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jat/23/6/23_31591/_article





他には、男性のみの現象という報告もある


Sex-specific Relationship of Serum Uric Acid with All-cause Mortality in Adults with Normal Kidney Function: An Observational Study.
J Rheumatol. 2017 Jan 15. pii: jrheum.160792. doi: 10.3899/jrheum.160792.


2015年8月3日月曜日

尿酸とアルコール性肝障害の関連:尿酸・ATPはアルコール性肝障害の肝細胞・免疫細胞クロストークを介在する

 尿酸とアルコール性肝障害の関連


NLRP3インフラマソームは、鋭利な末端を有する刺激性粒子である尿酸結晶やアスベストなどによってリソソームの膜が損傷を受けた際には過度に活性化し、重篤な組織障害を引き起こす。よって、NLRP3インフラマソームは、感染症や炎症性疾患の有力な治療標的と考えられている。

・・・痛風治療薬である微小管重合阻害剤コルヒチンが尿酸結晶によるNLRP3インフラマソームの活性化を抑制する機序を明らかにした 
http://shushoku-signal.com/soshiki/kobo/saito.html


アルコール性肝障害は可逆性のステージから進行するには炎症プロセスが必須。腸管から肝臓へのLPSのtranslocationがアルコール性肝障害の炎症プロセスに必要とまでは分かっていたが、炎症に必要な内因・代謝的危険信号は不明であった。


内因性代謝性危険シグナルである、尿酸、ATPが、肝細胞と免疫細胞の炎症性クロストークに関わり、アルコール誘因肝障害にクリティカルな役割を果たしていることが分かった。



Metabolic danger signals, uric acid and ATP, mediate inflammatory cross-talk between hepatocytes and immune cells in alcoholic liver disease
Jan Petrasek, et. al.
JLB,Published online before print May 1, 2015

尿酸とATPが主要な炎症誘発危険シグナルであることを、健康ボランティアあるいはヒト肝細胞へのエタノール暴露にて評価。in vitroでは、NLRP3欠損マウスにエタノール食を与え、尿酸、ATPのシグナリングダウンストリーム評価。
肝細胞が内因性炎症性シグナルの重要な発生源であることが示され、障害幹細胞と免疫細胞間のパラクライン炎症クロストークにおいて尿酸、ATPが介在している。IL-1β、TNF-α発現増加する。尿酸・ATPのリガンドセンシング成分であるNLRP3欠損マウスでは、アルコール肝障害予防的にとなり、肝障害・脂肪肝が減少する。




非アルコール性脂肪肝疾患は?




http://www.nature.com/nri/journal/v9/n4/box/nri2510_BX2.html

2014年2月1日土曜日

血中尿酸値は、冠動脈性心疾患の冠動脈側副循環発達と相関

血中尿酸値は、冠動脈性心疾患(CAD)と冠側副循環(CCC)と関連する


Association Between Uric Acid and Coronary Collateral Circulation in Patients With Stable Coronary Artery Disease
ANGIOLOGY March 2014 vol. 65 no. 3 227-231 

冠動脈造影施行・主要冠動脈病変1つ以上の安定CAD連続患者480名


空腹時血糖、WBC、Cr、血小板数、血中尿酸がそれぞれ、CCC不良多い
多変量解析にて、血中尿酸は空腹時血糖、WBCと共に独立したCCC要素
カットオフ値は、 5.65 mg/dLで、感度60%、特異度66%。

安定CA患者では、血中尿酸値は、poor CCCとの関連性がある。


高尿酸血症が動脈硬化進展の原因なのか、結果なのかはわからない。

2013年11月1日金曜日

ACR2013: 高尿酸血症治療は腎疾患発症を抑える

・酸は腎機能減少の独立したリスク要素
・尿酸低下治療(Urate Lowering Therapy (ULT))で、尿酸値低値維持例では、無治療患者に比べ、CKD発症リスク少ない

高尿酸血症治療にて薬物治療期間80%未満では、8%ほど、透析導入・GFR減少などリスク増加するという報告

ほとんどがアロプリノール治療についての報告

抄録見ると、文字制限のための工夫か略号が多く、わかりにくい

Levy G, et al "Impact of urate lowering therapy on renal disease progression in patients with hyperuricemia" ACR 2013; Abstract 857.
https://ww2.rheumatology.org/apps/MyAnnualMeeting/Abstract/33035

指標日(Index date:ID)7 mg/dL以上の11万あまりを対象 
全例指標日まえ6ヶ月の血中尿酸値、GFR測定あり、その後フォローアップされた例で、30%以上のGFR減少、 15 ml/min以下もしくは透析をアウトカムイベントとする。 
尿酸低下治療(Urate Lowering Therapy (ULT))において、登録クライテリア合致16,186名のうち、無治療(NT)患者 11,192名、 80%未満 392、80%以上1092 
ULT 80%以上群では高齢、男性、合併症が多い
ULT80%以上では、80%未満より、早期に治療開始され、2週間以内は43.5% vs 16.9%、4ヶ月内は 94% vs 41%
アロプリノールがULTの98.3%を占め、死亡1.2%。 
アウトカム要素として、年齢、女性、高血圧、糖尿病、うっ血性心不全、入院歴、ベースライン血中尿酸値、関節リウマチ 

治療タイミング 80%以上はアウトカムと関連しない(1.07 (0.76-1.52 , p=0.68)が、尿酸 6mg/dL未満では有意にイベント減少  p=<0 .0001="" 0.63="" font="" hr="" nbsp="">


尿

抗痛風薬

2012年8月23日木曜日

アロプリノールに降圧作用 ・・・ 軽度だが・・・

Effect of Allopurinol on Blood Pressure: A Systematic Review and Meta-Analysis
J Clin Hypertens (Greenwich). 2012;

10臨床研究(738名)のシステマティック・レビュー

対照群に比較して、アロプリノールにて、収縮期血圧 3.3 mm Hg (95% 信頼区間 [CI], 1.4–5.3 mm Hg; P=.001) 、拡張期血圧 1.3 mm Hg (95% CI, 0.1–2.5 mm Hg; P=.03) 減少
高質RCTで同様の降圧効果:収縮期 3.3 mm Hg (95% CI, 0.8–5.8 mm Hg; P<.001) 、拡張期  1.4 mm Hg (95% CI, 0.1–2.7 mm Hg; P=.04)

アロプリノールは小程度だが、有意な血圧減少効果

この効果は高尿酸血症を有する高血圧患者では補助的な役割はある。

2012年6月3日日曜日

急性冠症候群:尿酸は死亡予後因子である

Prognostic value of uric acid in patients with acute coronary syndromes.
Ndrepepa G, et. al.
Am J Cardiol. 2012 May 1;109(9):1260-5. Epub 2012 Feb 9.

1629名の急性STEMI、1332名の名の急性(非STE)MI、2163名の不安定狭心症

1年死亡率をプライマリエンドポイント

4分位比較 : Q 1, 1.3 to <5.3 mg/dl; Q 2, 5.3 to <6.3 mg/dl; Q 3, 6.3 to <7.5 mg/dl; Q 4, 7.5 to 18.4 mg/dl

観察期間中450名の死亡、Q1 80、Q2 77、Q3 72、Q4 221 (Kaplan-Meier推定1年死亡率 6.4%、 6.2%、 5.6%、 17.4% ;尿酸 Q4 vs Q1非補正ハザード比 3.05, 95% 信頼区間 2.54 to 3.67, p <0.001

従来の心血管リスク要素、腎機能、炎症状態補正後、尿酸と死亡率の相関残存
尿酸値1mg/dL増加毎、1年死亡率は12%増加。
尿酸は、1年死亡率予測モデルの判別的パワーを改善する  (absolute integrated discrimination improvement 0.008, p = 0.005)

PCI後の急性冠症候群では、1年生存率と尿酸高値との間に関連性が横断的に見られる。


とは言っても、尿酸低下薬剤により尿酸低下により、急性冠症候群の予後がよくなるという証拠はない。

2012年4月17日火曜日

急性冠症候群:尿酸も予後因子の一つ

「高尿酸血症は、一般住民において、心血管疾患リスク要素は正しいか?」という試験問題が出たとしたら、答えは、「正しくない」が正解だろう。そこで、「高尿酸血症は、一般住民にとって、生活習慣病のリスク要素か?」という問題を出してごまかすのが定石。時々、勘違いした人が尿酸を独立した心血管疾患のリスク要素と述べる場合があるので注意が必要。
 The relative importance of these associations remains controversial. Some experts, such as the Framingham Heart Study group, have argued that uric acid is not a risk factor for cardiovascular disease and that clinicians should rely only on classic risk factors in patient assessment. Nor have serum uric acid levels been considered a cardiovascular risk factor by major professional societies.
(尿酸は心血管リスク要因か? 2008年 10月 23日)



では、特定集団ではとうか?


Prognostic Value of Uric Acid in Patients With Acute Coronary Syndromes
American Journal of Cardiology Volume 109, Issue 9 , Pages 1260-1265, 1 May 2012


尿酸と心血管疾患の相関は不明。特に、PCI治療急性冠症候群での予後要素としては検討されてなかった。

5124名の PCI後急性冠症候群患者、1629名のSTEMI、1332名の急性非ST上昇型心筋梗塞、2163名の不安定狭心症

プライマリエンドポイントは、1年死亡率

尿酸値を4分位 :1, 1.3 ~ <5.3 mg/dl、 5.3 ~ <6.3 mg/dl、 6.3 ~ <7.5 mg/dl、 7.5 to 18.4 mg/dl

フォローアップ中死亡450、4分位あたり、80、77、72、221

1年死亡率(Kaplan-Meier推定)は、それぞれ、6.4%、 6.2%、 5.6%、 17.4%

ハザード比 3.05 95%信頼区間 2.54-3.67 p<0.001 尿酸 第4四分位 vs 第1四分位)


従来の心血管リスク、腎機能、炎症性状態要素補正後、尿酸と死亡率の相関は残存
1mg/dL増加毎1年死亡率は12%増加

尿酸は1年死亡率に関する予測モデルに関して判別的パワー改善
(絶対的集約的判別改善  0.008, p = 0.005)

結論から言えば、尿酸増加は、PCI治療後急性冠動脈症候群患者のあらゆるスペクトラムに関する、1年死亡率の独立した予測因子

2012年4月4日水曜日

高尿酸血症の新たな病型: ABCG2機能低下型:尿酸腎・腎外排泄低下型・過剰産生型


Decreased extra-renal urate excretion is a common cause of hyperuricemia
Nature Communications 3,Article number:764doi:10.1038/ncomms1756

 高尿酸血症は、腎臓からの尿酸排泄だけを問題にして、一般的に、“過剰産生型” and/or “排泄低下型”に分類。腎外経路は考慮稀であった。

ABCG2機能障害はコモンな高尿酸血症機序



644名の高尿酸血症外来患者での検討

 

  奇異的だが、ABCG2排泄機能障害は尿中の尿酸排泄を促進し、尿酸過剰産生リスク比を増加させる。abcg2 KOマウスは尿酸値増加、腎尿酸排泄増加、腸管尿酸排出減少。

腎外組織高ABCG2過剰発現という存在と共に、現行概念の“過剰産生型”は、“腎過剰負荷型”と改名した方が良いと主張。

“腎過剰負荷型”は、“腎外尿酸排泄低下型”と、純粋な“尿酸過剰産生型”の2つの型からなり、尿酸治療・痛風治療の新しい概念として有用。


ということは・・・
・ 腎排泄低下型 → 腎排泄低下型

・ 尿酸過剰産生型 → “腎外尿酸排泄低下型”+本来の純粋“尿酸過剰産生型”

ということかしら?


新聞表題、内容と違う感じがする。 

東京薬科大など、痛風の仕組み解明-高尿酸血症の“犯人”は腸管
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120404aabg.html


非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤 フェブリク との関連はどうなのだろう?
この薬剤無効例にこういう病型が存在するのか、あるいは、逆に、この新たな病型にも効果があるのだろうか?

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...