2012年1月24日火曜日

朝日新聞虚報から...癌ペプチドワクチン海外拠点へ...




国家戦略欠如「無力さ」痛感 医療イノベーション推進室長辞任の中村祐輔教授  
2012.1.15 22:23 
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120115/trd12011522260014-n1.htm



この記事みて・・・  そういえば、震災以降、うやむやというか・・・話題にならなくなった、「がんワクチン」朝日新聞虚報騒ぎってどうなったんだろうと・・・・・・


ちょっと復習・・・
15日の朝日新聞の一面を飾った記事によれば、...、、医科研付属病院2008年、被験者に起きた消化管出血が「重篤な有害事象」と院内で報告されたのに...東大医科研が全体を把握できる状況にありながら他の施設に伝えていなかったのは、倫理に反すると朝日は主張している。朝日の論調的には、医科研の中村祐輔教授が自分が開発したワクチンでの有害事象を意図的に隠していたことを非難しているように読める。
...、東京大学医科学研究所が記者会見を行い、朝日の報道に反論...記事での被験者は、進行性すい臓がんであり、臨床試験にエントリーしたものの残念ながらすい臓がんにおいては少なからず起こりうる消化管出血が認められたため、被験者から外れたもので、その後、患者は無事に回復している。出血によって入院期間が約1週間延長したために、「重篤な有害事象」として報告されたが、「重大な副作用」とは全く異なるものである。さらにこの試験は、多施設共同研究でなく、医科学研究所附属病院が単独で行っていたものであり、そもそも朝日新聞がワクチンを開発したとしている中村教授は、ワクチンの開発者でもないし、臨床試験の責任者でもないということである。


各方面からこの虚偽報道批判された・・・


「事実を歪曲した朝日新聞がんペプチドワクチン療法報道」

平成22年10月29日
日本医学会
会長 髙久史麿
http://jams.med.or.jp/news/014.html


 斜め上の回答を、”抗議声明への記事”として掲載していた。


朝日「虚報」が歪曲したがんワクチンの「政策的意味」

http://medical-confidential.com/confidential/2010/12/post-173.html

記事中の人物・会社
・ 編集委員の出河雅彦氏
・ 東京大学医科学研究所教授 (当時)
・ 中村祐輔氏 
・ メディネット社
・ オンコ社 
・ 久住英二氏
・ 本庶佑氏

 最重点化課題「ライフ・イノベーションの推進」の新規募集の事実上の「×」


・・・

この記事を読むと、中村氏が日本での創薬開発に、いやけがさした理由が分かる気がする・・・


グリコマクロペプチド・G600乳脂肪抽出スキムミルク:痛風発作軽減効果

スキムミルクの急激な尿酸低下作用 2009年 10月 21日
これは、 MPC 85 skim milk (an ultra-filtrated skim milk containing very low concentrations of orotic acid, purines and lactose)の話




glycomacropeptide (GMP) と、 G600 milk fat extract (G600) は、急性痛風に効果があるという報告があったそうな。それで、RCT。

3ヶ月のランダム化二重盲検対照化トライアル
・ 対照:lactose powder control
・ 対照:SMP
・ SMP/GMP/G600群: SMP enriched with GMP and G600 )

プライマリエンドポイントは、痛風発作の頻度(痛発作日誌)3ヶ月

SMP/GMP/G600群では著明な痛風減少 pgroup=0.031,

3ヶ月のSMP/GMP/G600治療は、疼痛だけで無く尿酸fraction excretion増加し、関節細胞数も著明に改善。

 Dalbeth N, et al
"Effects of skim milk powder enriched with glycomacropeptide and G600 milk fat extract on frequency of gout flares: a proof-of-concept randomized controlled trial"
Ann Rheum Dis doi:10.1136/annrheumdis-2011-200156 



PTCA後の運動指導:より積極的な動機づけ指導で効果増加

ONLINE FIRST
Randomized Controlled Trial of Positive Affect Induction to Promote Physical Activity After Percutaneous Coronary Intervention
Janey C. Peterson, EdD, MS, RN; Mary E. Charlson, MD; Zachary Hoffman, BS; Martin T. Wells, PhD; Shing-Chiu Wong, MD; James P. Hollenberg, MD; Jared B. Jobe, PhD; Kathryn A. Boschert, MS; Alice M. Isen, PhD; John P. Allegrante, PhD


Arch Intern Med. Published online January 23, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2011.1311




 PTCA後1年内に、20%超の患者が新規イベントを生じる。一方、運動は25%死亡率軽減効果がある。
しかし、運動不足が多い。故に運動促進のための強力な行動的介入が必要。
週336kcal以上、12ヶ月時点で到達するよう動機づけを行う。
Paffenbarger Physical Activity and Exercise Index評価


242名のをPCI直後介入に登録。

患者教育(PE)対照群 (n = 118) 
(1) received an educational workbook
(2) received a pedometer
(3) set a behavioral contract for a physical activity goal




positive affect/self-affirmation (PA) 介入群  (n = 124) 
3 つの上記PE対照群要素に加え
(1) a PA workbook chapter 
(2) bimonthly induction of PA by telephone
(3) small mailed gifts.


脱落は4.5%、死亡は2.1%
介入群の多くは12ヶ月時点で336 kcal/wk以上で、対照群比較で(54.9% vs 37.4%, P = .007)

 介入群は、12ヶ月以上で、336-kcal/wk以上到達比率は、人口動態的・心理的測定値補正後 1.7倍

多変量解析にて、介入群は 12ヶ月時点で習慣での倍ほどの運動量 (602 vs 328, P = .03)




禁煙指導時頸動脈動脈硬化評価しても禁煙率改善せず

ONLINE FIRST
Impact of Carotid Plaque Screening on Smoking Cessation and Other Cardiovascular Risk Factors
A Randomized Controlled Trial
Nicolas Rodondi, MD, MAS; Tinh-Hai Collet, MD; David Nanchen, MD; Isabella Locatelli, PhD; Michèle Depairon, MD; Drahomir Aujesky, MD, MSc; Pascal Bovet, MD, MPH; Jacques Cornuz, MD, MPH

Arch Intern Med. Published online January 23, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2011.1326



末梢性動脈硬化評価スクリーニングが広がってるが、臨床的インパクトを検討するトライアルは少ない。頸動脈プラークスクリーニングが喫煙者に対し健康行動・心血管リスクを改善するか?

536名の40-70歳の喫煙者へ、頸動脈プラーク超音波スクリーニング施行群(US群)と、未施行群(対照群)
それに、個別カウンセリングとニコチン補充療法を全対象に行う。

少なくともプラークが1つみつかった喫煙者には、7分の構成化された説明がなされた。

アウトカムは、生化学的評価禁煙状況(12ヶ月後)をプライマリとし、他、心血管リスク要素レベル、Framinghamリスクスコアも評価。

ベースラインでは、平均年齢 51.1歳、 女性 45.0%、 32年の喫煙経験で 平均 20シガレット/日

US群は、頸動脈プラーク 57.9%

12ヶ月後、禁煙率は高いが、US群と対照群に差は認めない(24.9% vs 22.1%; P = .45)

US群では、禁煙率は、プラークの有無で、差認めず。


Figure 2


心血管リスク要素コントロール (ie, blood pressure and low-density lipoprotein cholesterol and hemoglobin A1c levels in diabetic patients)や Framingham risk score平均的絶対リスクは両群で差無し。

Framingham risk score 平均絶対リスク増加 US群  +0.6  vs  対照群 +0.3 (P = .56)



かかりつけ医”医療受診比率増加が米国でめだつ


”かかりつけ医”医療受診比率増加が米国でめだつ・・・という報告。
Trends in Physician Referrals in the United States, 1999-2009
Michael L. Barnett, MD; Zirui Song, BA; Bruce E. Landon, MD, MBA


Arch Intern Med. 2012;172(2):163-170. doi:10.1001/archinternmed.2011.722


かかりつけ医へ定期受診を他の医師へ受診を参照にして比率計算すると、1999年から2009年で、4.8%から9.3%へ増加(P<.000)と、94%の増加。絶対数は159%増加し、410万人から1050万人と増加している。


全サブグループ共通でこの傾向は存在するが、 所有権出資医師(P = .02) 、マネージドケアからの収入が大部分である医師 (P = .007).ではそれが伸びてない。


特に伸びているのが、心血管系、胃腸、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科の患者からの医師受診数増加がめだつ。



 
日本では、慢性疾患やコモンな疾患への外来対応を軽視が最近顕著だ。

その急先鋒は米国型市場主義をいまだに崇拝している連中。急性期医療・超専門的医療に今身を置いている医師の一部のなかに、医療全体を俯瞰できない人たちもいる。

はでな救急医療ドラマとは対極にある地味で目立たないが、医療の基礎である慢性期医療・コモンディジーズを軽視することって医療そのものを地盤沈下させる元となる。

ヨード造影剤:甲状腺機能亢進、一過性甲状腺機能低下と関連する可能性

ヨード造影剤は、甲状腺機能亢進症、一過性甲状腺機能低下をもたらす可能性がある。
EAssociation Between Iodinated Contrast Media Exposure and Incident Hyperthyroidism and Hypothyroidism
Connie M. Rhee, MD; Ishir Bhan, MD, MPH; Erik K. Alexander, MD; Steven M. Brunelli, MD, MSCE


Arch Intern Med. 2012;172(2):153-159. doi:10.1001/archinternmed.2011.677

nested case-control study

総数で甲状腺機能亢進 178、甲状腺機能低下213、それに655、799の正常甲状腺をマッチ化

ヨード造影剤暴露は甲状腺機能亢進と関連   (odds ratio [OR], 1.98; 95% CI, 1.08-3.60)、しかし、甲状腺機能低下とは統計学的相関は見られない (OR, 1.58; 95% CI, 0.95-2.62)

事前特異化セカンダリ分析において、ヨード造影剤一過性甲状腺機能亢進症と相関  (follow-up thyrotropin level ≤0.1 mIU/L; OR, 2.50; 95% CI, 1.06-5.93) し、一過性甲状腺機能低下と相関(follow-up thyrotropin level >10 mIU/L; OR, 3.05; 95% CI, 1.07-8.72)



一応、ヨード造影剤の添付文書には、禁忌に「重篤な甲状腺疾患のある患者」とある。慎重投与の中に「甲状腺疾患のある患者」と書かれている。

造影剤をつかうため、インフォームド・コンセントの文書をかわすことになるが、そのフォーマットの中に、「ヨード系造影剤のための甲状腺機能への影響」を説明する部分の追記が必要となるだろう。

早期食道癌:非切除治療評価

京都大学からのMultidisciplinary Gastrointestinal Cancers Symposiumでの報告

(情報ソース:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/MGICS/30804



日本の後顧的92名の研究で、stage 0-1Aの食道癌への非手術的治療として代替治療としての評価。

radiation therapy/chemoradiotherapy (RT/CRT) or endoscopic resection で、2年生存率 97.1%

手術が標準治療だが、radiation therapy/chemoradiotherapy (RT/CRT) or endoscopic resectionは非侵襲的であり、臓器保護的である優越性がある。


無再発2年生存率と包括生存率
  • Surgery: 77.8% 、 100%
  • RT/CRT: 68.6%、 97.2%
  • Endoscopic resection: 89.8% 、 95.7% 

Ito H, et al "Nonsurgical treatments for stage 0-IA squamous esophageal cancer"
J Clin Oncol 2012; 30(4): Abstract 113.


日本では、(上部消化管)検診が普及しており、早期食道癌発見率が高いという日本の特殊性を指摘されている。

いづれにせよ、前向き研究が必要と指摘


腸管憩室:食物線維をとると増える? ・・・ 従来の考えと逆の知見

憩室症予防に、たっぷり食物繊維を摂ろう”などと、確かに私なども指導してきた。

それは、腸内の食物残渣や圧増加が腸壁の脆弱な部分を破綻点にして広がるという仮説に基づいてきたものだが、右側腸管やS状結腸の憩室を説明出来ないし、もともと、腸管の径は大きく圧としても長時間作用するはずもない。・・・仮説に関する疑問点は多かった。


”食事性線維物が多いと3つ以上の憩室症が多い”と、逆であるかもしれない、観察研究結果。


2千超のコロノスコピー検査の結果、無症状憩室症に関して予防効果が見られないとの結論。

2104名の研究被験者で、878が憩室症、1226名を対照群として比較。
憩室例の28%が3つ以上の憩室、40%が1から2個の憩室。32%詳細不明。
憩室を有する場合 より高齢、体重増加・肥満が多く、たばこ使用、NSAID使用が多い。

補正解析にて憩室頻度は、線形に食物線維増加と関連。

最小四分位を指標にすると、憩室症は第2、第3、第4四分位毎、1.03、1.14、1.30 (P=0.004)

3つ以上の憩室はむしろ食事性線維高摂取に多かった(OR 1.81 vs 最小四分位)

週7回未満のbowel movementに比べ、7回の場合 1.34、8-14回の場合 1.59、15回以上の場合 1.70(P<0.001)

ほかに、脂肪食、赤肉、運動などを含めた他の要素に関しても有意な相関を認めなかった。
Peery AF, et al "A high-fiber diet does not protect against asymptomatic diverticulosis" Gastroenterology 2012; DOI: 10.1053/j.gastro.2011.10.035.


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