2013年8月27日火曜日

禁煙治療後体重増加に関わる最も強力な要素は、たばこ依存度

たばこ依存度の高い人は、禁煙治療後体重増加のリスク要素でもある
故に、禁煙治療には、体重コントロール介入が必要。





Analysis of Factors That Determine Weight Gain during Smoking Cessation Therapy 
Komiyama M, et. al.Therapy. 
PLoS ONE 8(8): e72010. doi:10.1371/journal.pone.0072010

禁煙外来クリニック86名、男性132名、女性 54名、禁煙成功者

禁煙治療後 平均BMI 23.5 ± 3.5→ 23.9 ± 3.8

NRTとチャンピックスに体重増加の差認めず

3ヶ月後BMI増加と関連するのは、TG、HDL、日々の喫煙量、FTND依存指標

多変量解析では、FTNDスコアが最も強力な寄与要素で、禁煙治療中最も体重増加と関連

故に、禁煙クリニックでは、ニコチン依存対策と共に、体重増加に関わる介入が必要。

診断への自信過剰は、診断正確性と一致せず、追加検討も行われない

医師の診断正確性と自信満々さ、すなわち、confidenceとの関連性

その2つはかならずしもマッチしておらず、診断が外れても、毅然と診断に自信をもち、追加的検討がなされないことがある。過剰な自信は、誤った理由付けの認識がなされてないわけである


Physicians’ Diagnostic Accuracy, Confidence, and Resource Requests
A Vignette Study
Ashley N. D. Meyer, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():-. doi:10.1001/jamainternmed.2013.10081.

【目的】   医師の診断キャリブレーションで、定義として診断正確性と、その正確性へのconfidence、そして、診断プロセスの作成変化と、臨床症例像の診断困難性増加変化

【デザイン・セッティング・被験者】
オンラインの医師コミュニティーからの一般内科医を登録し、4つの以前確認された診断困難臨床症例像の診断を問う( 2つは容易、2つは困難)

症例をウェブベースフォーマット提示、4連続相疑似診断解決:病歴、身体所見、一般的検査データ、確定診断検査
いずれの相でも、医師は1−3の鑑別診断を残し、confidence判断を記録する。
確定診断検査データ提示前、医師は、どの症例の診断でも必要とする追加リソース同定を問われる (ie, 追加検査、セカンドオピニオン、その辺の人に聞くこと、リファレンス、, 照会、リファレンス・マテリアル)

【主要アウトカム】
診断正確性(スコア 0 or 1)、診断正確性 (0 - 10)、 診断のキャリブレーション、追加リソース要求の有無

【結果】
米国内の地域的に広範囲の118名の医師
正確な診断は 容易症例 53.3%、 困難症例 5.8% (p < 0.001)


容易例と困難例間で。診断正確性の大きな差があるが、confidence上の違いは比較的少ない  (7.2 vs 6.4 out of 10, for easier and more difficult cases, respectively) (P < .001) 、そして臨床的に有意でない程度。


全体からみると、診断キャリブレーションは、より診断困難例で悪く  (P < .001) 、 そして、診断は正確だと過剰な自信にもとづくと特性化さ

confidenceが高いほど、追加診断検査要求が少ない (P = .01);より難問題症例では、追加reference material要求が多くなる (P = .01)


【結論】
この研究結果では、医師の診断への自信レベルは、その診断正確性・症例困難さとも比較的insensitiveである。 
このミスマッチの認識こそが、診断間違いをしている困難症例での再検討されない理由となる。



住民調査:甲状腺超音波画像特性に基づく甲状腺がんリスク

放射線被曝の関連で、甲状腺結節の超音波検査クローズアップされている。

超音波検査による甲状腺結節性病変管理は、担当者の大きな関心事だろう

特に、甲状腺異常に対する生検適応に関して、一定のルールが必要だがばらつきがあるとのこと。

福島県県民健康管理調査 甲状腺検査マニュアルなどhttp://clearinghouse.main.jp/wp/?p=726
上記で用いられている指標;http://clearinghouse.main.jp/web/fukushima_m027.pdf
 ↑
形状、境界の明瞭性・性状、内部エコーのエコーレベル・均質性など主観的なものが多い


対して,下記報告は、比較的明瞭である。

Risk of Thyroid Cancer Based on Thyroid Ultrasound Imaging Characteristics
Results of a Population-Based Study
Rebecca Smith-Bindman,  et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():-. doi:10.1001/jamainternmed.2013.9245. 

超音波検査による甲状腺結節性病変管理にはばらつきがある 
超音波画像特性に基づく、甲状腺結節性病変の甲状腺がんリスク定量化の試み

後顧的症例対照研究

研究期間中 11,618の甲状腺検査、8806名、105名の甲状腺がん診断。
甲状腺結節病変は、甲状腺がん診断患者に多く、96.9%
甲状腺がんの診断されてない患者では、56.5% 
超音波による結節の3つの特性のみが甲状腺がんリスクに関わる所見である
・ 微小石灰化:microcalcifications (odds ratio [OR], 8.1; 95% CI, 3.8-17.3)
・ 2cmを超えるサイズ OR, 3.6; 95% CI, 1.7-7.6)
・ 完全なsolid composition (OR, 4.0; 95% CI, 1.7-9.2)

もし、これらのうち特性1つを、生検適応として用いるなら、甲状腺がんの多くを検出可能 (sensitivity, 0.88; 95% CI, 0.80-0.94)
ただ、偽陽性率高く(0.44; 95% CI, 0.43-0.45)、陽性尤度低い (2.0; 95% CI, 1.8-2.2)
がん診断1例あたり56生検が必要。 
もし、2つ用いるなら、感度・偽陽性率はより低くなる  (sensitivity, 0.52; 95% CI, 0.42-0.62; false-positive rate, 0.07; 95% CI, 0.07-0.08)、陽性尤度比は高い (7.1; 95% CI, 6.2-8.2)、そして、がん診断1例あたりの生検数は16となる。 
甲状腺結節 5mm超の全部生検するのに比べ、結節特性異常を2つとする、より厳格なルールで適切な生検がなされ、90%まで不要な生検数を減らすことができ、がんリスクは低いまま(未生検1000名あたり5名)


甲状腺結節取り扱い診療ガイドライン 2013
ダイジェスト版だけでも公開してくれれば・・・

乳頭がんが多く、濾胞がんが少ない、穿刺吸引細胞診が保険診療下で広まっていること、アイソトープ治療の未普及など我が国の独自性を強調されているとのこと。であれば、甲状腺診療のガイドラインくらいは、無料公開するのが本筋では?

一般的に減量効果困難な黒人女性に対する“maintain, don’t gain” アプローチ

黒人女性に対し減量促進はやっかいな臨床的課題。多数の研究により、黒人女性では、白人女性及び、白人・黒人男性より減量効果乏しいという現実がある。

では、現実的対処として、せめて体重増やさないことを目標とすると・・・




Behavioral Treatment for Weight Gain Prevention Among Black Women in Primary Care Practice
A Randomized Clinical Trial
Gary G. Bennett,  et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():-. doi:10.1001/jamainternmed.2013.9263

【序文】
黒人女性において、特に、プライマリケア現場で、臨床的意義を有する減量アウトカムとなる減量治療は少ない。新しい体重管理戦略がこの住民にとって必要とされる。
体重増加予防は、有効な治療オプションとなるかもしれない、特に過体重や1度肥満黒人女性にとって。

【目的】
12ヶ月間の、体重変化と、心代謝リスクの比較で、プライマリケアベースの行動的減量予防介入と通常ケアとのランダム比較

【デザイン・セッティング・被験者】
2つのアーム・ランダム化臨床トライアル(Shape Program)。6ヶ所の公共医療センターシステムから患者登録。194名の過体重・1度肥満(BMI 25-34.9)、閉経前女性 25−44歳。登録は2009年12月7日開始し、1

【介入】
中等度介入には、テーラー化された行動変化目標、週毎のインタラクティブ音声対応を介して自己モニタリング、月毎の電話カウンセリング、テーラー化されたスキルトレーニング・マテリアル、ジム・メンバー

【主要アウトカム測定】
12ヶ月間の体重・BMI、18ヶ月時点でのそれらの維持

【結果】
ベースラインでは、平均35.4歳、平均体重 81.1kg、平均 BMI 30.2
多くは社会経済的問題を有する (教育レベル カレッジ未満 79.7% 。年間収入 3万ドル未満 )

12ヶ月体重変化は介入群で大きく (mean [SD], −1.0 [0.5] kg),  通常ケアとの比較  (0.5 [0.5] kg; 差平均 −1.4 kg [95% CI, −2.8 to −0.1 kg]; P = .04)

12ヶ月時点でのベースライン以下の体重は介入群で62%、 通常ケア群で45%(p = .03)

18ヶ月までで、体重に有意な変化維持あり(差平均、-1.7 kg; 95% CI, -3.3 〜 -0.2 kg)

【結論】
社会経済的に問題のある黒人女性において、中等度プライマリケアベースの行動介入にて、体重増加予防効果が示された。"維持、体重増加防止"アプローチは、閉経前女性の肥満関連疾患リスク減少治療の代替的方法。





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