2013年7月12日金曜日

米国:健康状況 ・・・ 国内では経年的に改善しているが、国際比較するとランク低下 ・・・ こんな国に健康施策リードさせてよいのか?

米国内の腫瘍健康問題の理解、経年的変化の理解が、米国国内の医療施策情報としてクリティカルな部分である。そこで、OECD諸国34日ヶ国と比較した、1990年から2010年の米国内の疾患、外傷、主要リスク要素を調査。

結論は、1990年から2010年の間に、米国は健康改善認められた。寿命(誕生からの平均余命)、HALE(健康寿命)は増加し、全原因死亡率は全年齢層で改善。年齢特異的障害保有は以前同様。
しかし、合併症・慢性的障害が現在米国内の健康burdenのほぼ半分を占め、米国内住民健康の改善は他の富裕国の住民健康の発達に比べ必ずしも同等に維持されてるわけではない。

1990-2010年の34OECD各国のうち、米国野ランクは、年齢補正死亡率として18位から27位へ、年齢補正YLD率は5位から6位へ、平均寿命は20位から27位へ、HALEは14位から26位 ・・・ 筆者等は、米国内では改善したが、多国と比べると、失敗しているといえると

TPPなどでこんな国に健康施策ごちゃごちゃいわれるのもなぁ・・・

 The State of US Health, 1990-2010
Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors
JAMA. 2013;():-. doi:10.1001/jama.2013.13805.


男女複合的な平均余命(寿命)は、1990年 75.2歳から、 2010年 78.2歳へ増加
同期間に、HALE(健康寿命)は 、65.8歳から68.1歳へ増加


2010年最大数となったYLL(早死:premature mortality)の疾患・外傷は、虚血性心疾患、肺がん、卒中、COPD、交通外傷。


年齢補正化YLL率は、 アルツハイマー病、ドラッグ使用疾患、CKD、腎がん、転倒


YLD(障害生存年数:Years lived with disability)の長い疾患は、2010年、腰背部痛、大うつ、他の筋骨格筋疾患、頸部痛、不安疾患


米国内住民加齢とともに、DALY(Disability-adjusted life-years )における比率 が、YLLよりYLDの方が大きくなっている。


DALY関連のリスク要素としておおきいのは、食事性リスク、喫煙、BMI高値 、高血圧、空腹時血糖高値 、運動活動性の少なさ 、アルコール飲用


1990-2010年の34OECD各国のうち、米国は年齢補正死亡率として18位から27位へ、年齢補正YLD率は5位から6位へ、平均寿命は20位から27位へ、HALEは14位から26位へ





 Number of Years Lived With Disability by Age for 20 Broad Groups of Diseases and Injuries in the United States in 2010 for Both Sexes Combined





 YLD Numbers in 1990 and 2010 for Both Sexes Combined for the 30 Leading Diseases and Injuries Contributing to YLDs in 2010 in the United States and Percentage Change From 1990 to 2010, Ranked by the Magnitude of YLDs in 20101





Disability-Adjusted Life-Year Ranks for the Top 30 Diseases and Injuries in 1990 and 2010 and Percentage Change Between 1990 and 2010



Number of Deaths and Percentage of Disability-Adjusted Life-Years Related to the 17 Leading Risk Factors in the United States in 2010 for Both Sexes Combined




超高齢者は以前の世代より知的にシャープになっている

もちろん認知症の問題はあるが、一般的には、一昔前に比べ、最近の老人は知的に衰えてない。 

慢性疾患死亡減少による長寿化に伴い、高齢者の健康が包括的に減少するはずという、"failure-of-success" hypothesisへのチャレンジ現象が、先進国諸国で生じている

「みんなが長生きすると、知的・身体的障害をもつ絶対数が増える」という考えは間違いらしい

Physical and cognitive functioning of people older than 90 years: a comparison of two Danish cohorts born 10 years apart
The Lancet, Early Online Publication, 11 July 2013
doi:10.1016/S0140-6736(13)60777-1


先進国内で100歳まで生存する比率急増しているが、脆弱性、障害を生き延びる超高齢者のその要因への関心のため、誕生年10年離れたのデンマークの超高齢者2つのコホートの認知・身体機能調査。

93歳までの生存チャンスは、1915年コホートの方が、1905年コホートより28%高い(6.50% vs 5.06%)、95歳までの生存チャンスは、1915年コホートが、1905年コホートより32%高い (3.93% vs 2.98%)

MMSEにおいて、1915年コホートのスコアは、1905年コホートより有意に良好 (22·8 [SD 5.6] vs 21.4 [6·0]; p<0 .0001="" p="">最大スコア被験者比率も明らかに高い (28—30点; 277 [23%] vs 235 [13%]; p<0 .0001="" p="">
同様に、認知組み合わせスコアは1905年コホートより1915年コホートが良好  (0.49 [SD 3.6] vs 0.01 [SD 3.6]; p=0.0003)

このコホートでは、身体的パフォーマンスに関しては一致していないが、1915年コホートは1905年コホートよりADLスコア有意改善  (2.0 [SD 0.8] vs 1.8 [0.7]; p<0 .0001="" p="">






1型糖尿病では、タイプA性格で冠動脈性心疾患死亡リスク減少 ・・・ うつの影響が少ない方が重きが置かれる

テレビ番組の稚拙化が一因と思うが、性格ステレオタイプ分別によるくだらない言葉のやりとりが、いろんなところでなされている。医療関係者ですら、タイプAの行動はすべて心血管へ悪影響とされてきた。


1型糖尿病において、type A行動 (Bortner Rating Scale指標)と、冠動脈性心疾患(CAD)の関連性についての知見によれば、そのステレオタイプな考えはやめた方が良いことがわかった。

"Rosenman, & Bortner(1977)は WCGS のデータをもとに 40 以上のタイプ A 構造化面接 の関連変数について比較し,患者群とコントロール群の有意な差は,敵意,外交的怒り,1 1 度以上の怒りの経験,行列で待つ苛立ち,元気な答え,激しやすい反応などであった と述べている.同様にHecker, Cheseney, Black, & Frautschi(1988)やDembroskiら (1985)もタイプ A のいくつかの要素と CHD の関連を調査し,その中で敵意性の重要性 を指摘するようになっている."
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/2964/3/Honbun-3900.pdf

本来は、このタイプAというのは、元気でいらだちやすく、激しく反応しやすい正確で、冠動脈性心疾患リスクを増やすという分類にはいるのだが・・・


1型糖尿病では逆にタイプA行動が利益的に働く



Type A Behavior and Risk of All-Cause Mortality, CAD, and CAD-Related Mortality in a Type 1 Diabetic Population
22 years of follow-up in the Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications Study
Catherine E. Fickley, et. al.
Diabetes Care Published online before print July 8, 2013, doi: 10.2337/dc13-0266

目的 1型糖尿病において、type A行動が全原因死亡率、冠動脈疾患(CAD)発生頻度予測となるか?


研究デザイン・方法 小児期発症1型糖尿病 Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications (EDC) study フォローアップデータ(22年間)、506名のの被験者で Bortner Rating Scale (measuring type A behavior) と Beck Depression Inventory (BDI) をベースライン(1986–1988)として検討。
CADは病院記録/心電図Q波、心筋梗塞、CAD死亡(死亡分類委員会決定)、血管造影狭窄所見、虚血性心電図、狭心症の組み合わせ判断


結果 フォローアップ中128名(25.3%)死亡

単変量解析にて、Bortnerスコアと全原因死亡率の逆相関 (p = 0.001)
年齢、性別、期間、HbA1c、教育、喫煙、BMI、身体活動性補正後も有意差残る (p=0.03)

しかし、BDIスコア追加検討にて・・・
この相関は減弱 (p=0.11)したが、有意相関存在 (p=0.03)
BDIスコア低値患者(5分位下位3群)での死亡への予防的影響は限定的 (p=0.07)
しかし、BDIスコア高値患者では影響認めず (P = 0.97)

Bortnerスコアは、CAD発生に関して境界的有意差みとめる (P = 0.09)


結論  type A行動性の高い1型糖尿病患者では、全原因死亡率低下
BDIスコアの低い一群でのみoperativeだったことから、うつの症候的意義による関連と考えられる。この関連性の理解のためにはさらなる検討が必要だが・・・



水疱性類天疱瘡:抗BP180-NC16a抗体

類天疱瘡関連検査法・診療報酬の改定(H25年7月)

類天疱瘡とは・・・
類天疱瘡群の疾患は、全身に水疱形成し、組織学的に表皮下水疱を示し、抗表皮基底膜部抗体を検出する皮膚疾患である。代表疾患である水疱性類天疱瘡のほかに、多数の亜型があり、異なった抗原に反応することが明らかとなりつつある。

水疱性類天疱瘡の抗原はBP230BP180 であり、後天性表皮水疱症の抗原はVII型コラーゲンである。最近、新しい類天疱瘡としてラミニンガンマ1に反応する疾患が存在することを私共は明らかにし、抗ラミニンガンマ1類天疱瘡と名づけた。水疱性類天疱瘡において、その自己抗体が病原性を有していることは、BP180リコンビナント蛋白蛋白で免疫したウサギ血清のIgG を新生児マウスに投与することにより病変を形成することができることから、明らかになった。さらに、ex vivoの皮膚切片上反応で、後天性表皮水疱症の自己抗体が病原性を有していることも明らかとなっている。

抗BP180-NC16a抗体
http://www.srl.info/srlinfo/kensa_ref_CD/KENSA/SRL6211.htm

BP180の主要なエピトープは、NC16aと呼ばれる最も細胞膜に近い部分に存在し、大部分の患者血清がこの部位の組み替え蛋白質に反応性を示す。本試薬は抗原としてBP180NC16aを用いて、患者血清中の抗BP180抗体を特異的に測定する試薬である。

特異性・感度ともかなり優秀

BP180 IgG reactivity was associated with an overall sensitivity of 0.953 and specificity of 0.940;

抗デスモグレイン1抗体・抗デスモグレイン2抗体
(ELISAまたはCLEIA
「自己免疫水疱症の自己抗体の読み方と治療への応用」

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