2015年3月12日木曜日

企業スポンサー臨床トライアル結果報告;遅延・未報告となる可能性大

法的倫理的に縛っても、臨床トライアルの結果が正直に報告されることは少なくとも現時点ではない。会社側が身銭を切って行ってるトライアルにそんなものを求めることは自然の摂理に反してるのではないかと・・・私は思う。自己企業に不都合な結果が出た場合は、こっそりと報告するか、その結果報告を先延ばしするのは、企業側からすれば当然だろう。


ClinicalTrials.govという、多くの医師・研究者たちが信用するであろうトライアルシステムにおいても、そのような現象をうかがい知ることができる。



Compliance with Results Reporting at ClinicalTrials.gov
Monique L. Anderson,  et. al.
N Engl J Med 2015; 372:1031-1039March 12, 2015DOI: 10.1056/NEJMsa1409364

ClinicalTrials.govの全トライアルから、highly likely applicable clinical trials(HLACTs) 13,327 を収集 (2008年1月1日〜2012年8月31日)
77.4%が薬剤トライアル。

トライアル中36.9%が第2相、23.4%が第3相
製造メーカーからの資金供出65.6%

トライアル完遂後12ヶ月内のトライアル報告サマリーのうち、わずか13.4%のみ完遂。2013年9月27日までのいずれかの時点までに報告されたのは38.3%。

タイムリーな報告作業は、FDA oversight、トライアル後期相、企業資金捻出のような要素とは関連せず

サンプルレビューによると、企業資金源トライアルの45%は、レポート結果を要求されてない。一方、NIH基金では6%、他政府や学術団体からの資金によるトライアルでは9%と比べるとその比率はかなり高い。




H7N9の脅威

「効果的なコントロール指標がなされないなら、H7N9などのウィルスは継続し続ける」
http://www.nbcnews.com/health/cold-flu/h7n9-bird-flu-mutating-china-threatens-pandemic-n321721


H7N9鳥インフルエンザウィルスは、わずか2年前で、中国東部から南部へ広がり、鳥に持続感染し続けている。鶏からカモ・アヒル類に集団的に伝播し、変異し続け、かつて無いヒトへの脅威となりつつある。

48種のサブタイプ発見、2013年以来622名感染し、うち227名死亡

H5N1は専門家たちをシナピさせた。2003年以来16ヶ国784名が感染し、うち429名が死亡、現在も感染し続け、変異や遺伝子Swapping継続中である。



といいつつ、無能WHOはH5N1にのみご執心
http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/Influenza_Summary_IRA_HA_interface_3_March_2015.pdf

パーフェクト・ストーム モデル:ストレスとうつ同時にあるとき、冠動脈性心疾患患者予後不良になる

「パーフェクト・ストーム」って映画だよなぁ・・・と
災難が同時に起きることを表してるのだろうか・・・




ストレスと重度うつの組み合わせは有意に死亡・心発作を増加させる

REGARDS治験参加者、45歳以上の冠動脈疾患4487名検討


自宅での調査・自己報告による打つ、孤独、悲嘆、嘆きなどの調査、さらにストレスレベル調査

高度ストレス、高度うつは約6%


Concurrent Stress and Depressive Symptoms Increase Risk of Myocardial Infarction or Death
Carmela Alcántara,  et. al.
CIRCOUTCOMES.114.001180
Published online before print March 10, 2015,

背景—うつとストレスは、それぞれ、冠動脈疾患患者の予後不良と関連。心理的Perfect Storm概念モデル、仮説として、ストレスとうつ症状同時存在そのリスクの増幅が生じるというモデルの提唱。この仮説を米国冠動脈疾患大規模モデルで検証。

方法と結果—Participants included 4487 adults with coronary heart disease from the
REasons for Geographic and Racial Differences in Stroke studyからの冠動脈疾患を有する4487名の成人被験者。前向きコホートを3万239名の黒人・白人で行った。Cox比例ハザード回帰を心筋梗塞・死亡組み合わせアウトカムで行い、住民統計・臨床・行動要素で補正。
全体で6.1%で、高度ストレス・高度うつ症状のベースラインあり。
フォローアップ中央値5.95年間で、1337イベント発生。
フォローアップ初期2.5年間で高度ストレス・高度うつ存在は、心筋梗塞・死亡リスク増加と関連する (低ストレス・低うつ症状比較補正ハザード比, 1.48 [95% 信頼区間 1.08–2.02])
対して、ストレスとうつ同時存在しない場合は、そのリスクは高くない。
低ストレスと高度うつ症状では ハザード比, 0.92 [95% 信頼区間, 0.66–1.28])
高ストレスと低うつ症状では、 ハザード比, 0.86 [95% 信頼区間 0.57–1.29])
心筋梗塞と死亡は、初期2.5年フォローアップ後有意でなくなる  (ハザード比, 0.89 [95% 信頼区間 0.65–1.22])

結論—この結果は、概念モデルである心理的パーフェクト・ストームを初期的サポートするもの;鬱症状とストレスのコンフルエンスは、冠動脈性心疾患病的予後の上で短期的に破壊的に働く。



解説:
http://blog.heart.org/perfect-storm-of-stress-depression-may-raise-risk-of-death-heart-attack-for-heart-patients/


Perfect Storm モデル

The ‘Perfect Storm’ and Acute Coronary Syndrome Onset: Do Psychosocial Factors Play a Role?
Volume 55, Issue 6, May–June 2013, Pages 601–610




自然災害・人的災害が生じたとき、うつ管理が必要で、とくに、grave careはもっと協調されて良いと、震災のニュースを見て思う

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