2019年12月17日火曜日

SPIROMICS研究:オゾン暴露は喫煙者の呼吸器状態を悪化させる わずかな濃度でも10年スパンでは大変なことに

光化学オキシダントとオゾンは厳格に言えば異なるらしい

Ox濃度に関してppm単位が用いられている。
1時間値が0.06ppm以下であること 。(48.5.8告示)
https://www.env.go.jp/kijun/taiki.html



環境基準が 60ppbってことらしいが、以下の報告を見ると恐ろしい


世の中ではオゾン発生器を部屋の中にわざわざ置く人たちがいるらしい




多施設横断研究:SPIROMICS研究


Association of Long-term Ambient Ozone Exposure With Respiratory Morbidity in Smokers
Laura M. Paulin,et al.; for SPIROMICS investigators
 JAMA Intern Med. Published online December 9, 2019. doi:https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.5498 https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2757312


暴露:10年間の病歴的大気オゾン濃度




1874名のSPIROMICS被験者解析(平均[SD]年齢, 64.5 [8.8]才;1479[78.9% 白人;男性 1013[54.1%]
補正解析にて、オゾン濃度 5-ppb増加毎 %気腫 (β = 0.94; 95% CI, 0.25-1.64; P = .007)、air trapping比率 (β = 1.60; 95% CI, 0.16-3.04; P = .03)、mMRC 呼吸困難スケール悪化 (β = 0.10; 95% CI, 0.03-0.17; P = .008)、CAT (β = 0.65; 95% CI, 0.05-1.26; P = .04)、SGRQ、FEV1%予測比 (β = 1.47; 95% CI, 0.01-2.93; P = .048)、急性増悪高オッズ (odds ratio [OR], 1.37; 95% CI, 1.12-1.66; P = .002)、重症急性増悪高オッズ (OR, 1.37; 95% CI, 1.07-1.76; P = .01)と関連



病歴的なオゾン暴露と慢性気管支炎、COPD、気道壁肥厚、6分間歩行速度には関連性認めず



卒中リハビリテーション管理

The Management of Stroke Rehabilitation: A Synopsis of the 2019 U.S. Department of Veterans Affairs and U.S. Department of Defense Clinical Practice Guideline
無料記事
https://annals.org/aim/fullarticle/2755728/management-stroke-rehabilitation-synopsis-2019-u-s-department-veterans-affairs
Ann Intern Med. 2019;171(12):916-924.


キー・クエスチョン











ちょっと気になったのは、嚥下障害で、“ Shaker exercise or chin tuck against resistance in addition to conventional dysphagia therapy”と"呼気筋トレーニングのエビデンスは存在するも、“neuromuscular electrical stimulation, pharyngeal electrical stimulation, or tongue-to-palate resistance training”推奨のエビデンスは乏しい。 胃ろうの記載がある

運動負荷:収縮期血圧増加と心血管疾患リスク

健康な中年の白人男性の2つの運動テストで測定された中程度のworkloadで運動SBPを調査すると、安静時のSBPに依存しない運動SBPの増加に伴い、冠動脈心疾患のリスクが増加する。




Exercise Systolic Blood Pressure at Moderate Workload Is Linearly Associated With Coronary Disease Risk in Healthy Men
Julian E. Mariampillai ,et al.
https://doi.org/10.1161/HYPERTENSIONAHA.119.13528
Hypertension. 2020;75:44–50


負荷テストは100 wで開始、上限近くまで6分毎50 wずつ増加
予測最大心拍数の90まであるいは予測最大心拍90%超1分毎10拍到達した時、次の漸増まで継続
exhaustion あるいはECG情虚血変化あれば終了





運動中の収縮期血圧増加増悪の定義に関してコンセンサスはない
反復運動検査を用い健常男性の冠動脈疾患リスク増加と関連する運動時SBP増加のpotential thresholdを検討
2014名の健康男性白人雇用者を1970年代前半Oslo Ishemica Studyに登録

フォローアップ7年後、1392名の男性健常と考えられ、100 W workloadを自転車運動試験にて両受診時点で施行
Cox回帰解析で心血管リスク要素と身体フィットネス補正後、160 mmHg から200 mm Hgへの増加後peak SBP(100 W workload (SBP 100W)時)のカットオフ値検討

ベースラインと初回フォローアップ時のSBP 100W below cutoff level被験者を両受診時カットオフ値等しいかそれ以上のSBP100W被験者と比較。

165-195 mm Hg間のカットオフ未満のSBP100W被験者に比較して 全てのレベルのカットオフ値以上の被験者では冠動脈リスクは増加。

冠動脈精神疾患リスクの明確な閾値レベルのエビデンスはないSBP 100Wと冠動脈性心疾患のう関連性は線形である。

2回の運動試験で測定した中等workload運動時SBPを調べたとき、運動時SBP増加は健常中年白人において安静時SBPと独立して冠動脈性心疾患のリスク増加が見られる。
この相関は運動SBPのレンジ低いところから線形で、明確な感動役疾患リスクの明確なカットオフ値は見られない






運動負荷時昇圧反応乏しい、例外的小集団のみ、冠動脈性心疾患リスク少ないという大部分の健常者には関係のない話になっている

AHA:科学的助言 食事コレステロールと心血管リスク

日本の栄養指導は伝統的にカロリー制限だが、不可能ではないものの、実は指導も実施も
困難。
 A recommendation that gives a specific dietary cholesterol target within the context of food-based advice is challenging for clinicians and consumers to implement

コレステロールに関して上限設定しないというのは、実践的でプラクティカルな指導なのだろう。LDL高値、総コレステロール高値の人はやはり意図的にコレステロール含有食品は避けた方が無難
ただ、一般的には、食事の質を重視すべきという御託宣



Dietary Cholesterol and Cardiovascular Risk: A Science Advisory From the American Heart Association
Jo Ann S. Carson, et al.
Originally published16 Dec 2019
https://doi.org/10.1161/CIR.0000000000000743
Circulation. ;0:CIR.0000000000000743


最近のガイドラインでは心血管疾患に関してその役割として特異的食事コレステロールをターゲットとして排除することに疑問が呈されている

健康のための食事由来コレステロールのガイダンスの知見について疑問点に着眼することで、この助言は、食事性コレステロールと血中脂質、リポタンパク質、および心血管疾患リスクとの関係に関するヒトの研究のレビュー後作られたものである

観察研究からのエビデンスにおいて、いくつかの国のそれは心血管リスクについて有意相関を示唆するものではなかった。


介入研究のメタアナリシスではこの知見にばらつきがあルガ、多くは、総コレステロールやLDL濃度増加が現行平均値を超えると、多くの場合相関が見られる。

食事ガイダンスは、健康食事パターン (eg, Mediterranean-style and DASH [Dietary Approaches to Stop Hypertension]–style diets)で、現行の米国の摂取量に比べこれは内在的にコレステロールは少ない。パターンとしてはフルーツ、野菜、全粒穀物、低脂肪・無脂肪乳製品、lean protein source、ナッツ、シーズ、液状の野菜オイルを強調するもの


食品ベースのアドバイスのコンテキスト内で特定の食事性コレステロールの目標を提示する推奨事項は、臨床医と消費者が実施困難である。 したがって、食事パターンに焦点を当てたガイダンスは、食事の質を改善し、心血管の健康を促進する可能性が高くなる。


noteへ実験的移行

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