2019年11月1日金曜日

妊娠中アセトアミノフェンとADHD、ASDとの関連性

パラセタモール大量摂取する習慣のある米国と日本では事情が異なると思うが、このNIH funddingの報告の影響は大きいと思う



Ji, Y, et al. Association of cord plasma biomarkers of in utero acetaminophen exposure with risk of attention deficit/hyperactivity disorder and autism spectrum disorder in childhood. JAMA Psychiatry.2019.
https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/article-abstract/2753512


アセトアミノフェン代謝産物の3つのコード(unchanged acetaminophen, acetaminophen glucuronide, and 3-[N-acetyl-l-cystein-S-yl]-acetaminophen) を測定

医師診断の注意欠陥・多動性障害:ADHD、自閉症スペクトラム障害:ASD、他の発達障害:DDを主要アウトカムとする


996名の被験者(平均年齢 [SD] , 9.8 [3.9]歳、男 548  [55.0%])最終サンプルとしてADHDのみ
 257 (258%)、ASDのみ 66(6.6%)、ADHDとASD 42(4.2%)、他の発達障害 304(30.5%)

全ての臍帯血サンプルで未変化アセトアミノフェン値検出

臍帯血アセトアミノフェンの第1・三分位比較で、第2、第3三分位では
ADHD診断 オッズ高い(第2・三分位 オッズ比 [OR]  2.26; 95% CI, 1.40-3.69; 第3三分位 2.86; 95% CI, 1.77-4.67)
ASD診断 (第2・三分位 オッズ比 [OR]  2.14; 95% CI, 0.93-5.13,  ; 第3三分位 3.62; 95% CI, 1.62-8.60)

感度分析およびサブグループ解析にてアセトアミノフェンburdenとADHD、アセトアミノフェンburdenとASDが母体適応症、薬物使用、早産、子供の年齢、性別を含む寄与要素層別横断的に一致した相関性認め、ORは ADHD 2.3-3.3、ASDは 1.6-4.1まで及ぶ





NIH-funded study suggests acetaminophen exposure in pregnancy linked to higher risk of ADHD, autism
https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-funded-study-suggests-acetaminophen-exposure-pregnancy-linked-higher-risk-adhd-autism



子宮内のアセトアミノフェンへの暴露は、注意欠陥/多動性障害および自閉症スペクトラム障害の子供のリスクを高める可能性があります。これは、国立衛生研究所および医療研究と品質機関によって資金提供された研究を示唆しています。この研究は、ボルチモアのジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部のXiaobing Wang博士と同僚​​によって実施されました。 JAMA Psychiatryに表示されます。
注意欠陥/多動性障害(ADHD)は、多動性と衝動的な行動のパターンによって特徴付けられます。自閉症スペクトラム障害(ASD)は、人の行動、他者との相互作用、学習方法に影響を及ぼす複雑な発達障害です。
研究者は、妊娠と子供の発達に影響を与える要因の長期研究であるボストン誕生コホートのデータを分析しました。彼らは996の出生から臍帯血を採取し、各サンプルのアセトアミノフェンとその副産物の2つを測定しました。子供が平均8.9歳になるまでに、25.8%がADHDのみと診断され、6.6%がASDのみと診断され、4.2%がADHDとASDと診断されました。研究者らは、サンプル中のアセトアミノフェンとその副産物の量を最低から最高の3分の1に分類しました。最も低い3分の1と比較して、暴露の3分の1はADHDのリスクの約2.26倍に関連していました。曝露の最高3分の1は、リスクの2.86倍に関連していた。同様に、ASDのリスクは、中間の3分の1(2.14倍)と最高の3分の1(3.62倍)で高かった。
著者らは、子宮内のアセトアミノフェン曝露とADHDおよびASDを結び付ける以前の研究を支持し、追加の研究の必要性を強調していると結論付けています。米国食品医薬品局は、妊娠中に痛みを和らげる薬を使用する前に慎重に検討することを求めています。

医薬品の種類の半数近くが腸内細菌microbiotaへ変化をもたらす

18 Common Drugs Tied to Altered Gut Microbiome
PPIs, oral antidiabetics, antibiotics, and laxatives had most impact
October 23, 2019
https://www.medpagetoday.com/gastroenterology/generalgastroenterology/82893


41種のコモンな薬剤の約半数が、ヒトの腸のmicrobiotaの変容をもたらすとオランダの研究者



  •  taxonomic structure、metabolic activity、 resistome (抗生剤耐性遺伝子) の大きな変化がヒトの便サンプルでみられ、41のコモンな薬剤カテゴリー中18のカテゴリーの薬剤使用後変化が見られ、特に4つの薬剤、PPI、メトホルミン、抗生剤、緩下剤が主。
  • PPIは、上部消化管のstreptococcal bacteriaの増加させ、脂肪酸整合性を増加
  • メトホルミンは、大腸菌感染レベルを増加
  • 抗生剤耐性メカニズムアー8つの薬剤カテゴリー、抗アンドロゲン経口避妊薬、β交感神経系吸入、緩下剤、メトホルミンや他の抗糖尿病薬、NSAIDs、トリプタンと関連
  • SSRIは、  Eubacterium ramulus増加と関連し、食事フラボノイドの有益な分解作用をもつと考えられる
  • 経口ステロイドは、メタン産生性の細菌増加させ、BMI増加と関連




United European Gastroenterology Week in Barcelona.
https://www.ueg.eu/uegweek-2019/index.html#/1

肥満・糖尿病・肝臓・神経変性疾患・癌に関連するmicrobiota変化増大している。メタゲノム解析で腸内マイクロバイオームの機能医薬治療に関する研究が前進しつつある






β交感神経系薬剤と書かれていて・・・気になったのだが・・・
喘息との関連ではここに記載が無い

The Role of the Microbiome in Asthma: The Gut–Lung Axis
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6337651/pdf/ijms-20-00123.pdf

地域住民研究:血中adipokinesと無症状CT所見の関連性

アディポネクチンは炎症作用、線維化作用あり、間質性肺疾患においてクリティカルな役割を果たしている可能性有り、CT上のサブクリニカルなILD所見との関連性を地域住民観察で検討


間質性肺炎病変とその進展に、何らかの関連性あるかもしれない


Associations of Serum Adipokines with Subclinical Interstitial Lung Disease Among Community-Dwelling Adults: the MESA study

John S. Kim, et al.
CHEST
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.10.011
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(19)34112-1/fulltext
Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis cohort (n=1968)で採血上アディポネクチン、レプチン、レジスチン測定フォローアップ(2002-2005)年で回帰モデルにて
1)CTスキャンからの高密度area(HAA)(n=1144)
 2)2010-2012の間質性肺病変(ILA)(n=872)
3)FVC(2004-2006, n=1446)
と測定値との関連性検討

アディポネクチン高値は、BMI 25 kg/m2以上成人では、CT上のHAA低値と関連 (P for BMI interaction=0.07)


レプチンは、喫煙既往無し成人では喫煙既往有り成人に比べ、ILAと強く関連する (P for smoking interaction=0.004)
log変換レプチン 1-SD増加毎%予測FVCは3.8%減少(95% CI; -5.0 , -2.5)

完全補正モデルで、レジスチン高値はCT上のHAAと強く相関する
log変換レジスチン値1-SD増加毎、 Hは14.8%(95% CI: 3.4, 26.3)増加
For every 1-standard deviation (SD) increment of log-transformed resistin there was an increase in H of 14.8 (95% CI: 3.4, 26.3).




アディポネクチン、レプチン、レジスチンだけでなく、他のアディポサイトカイン類が関与している可能性有り


Archives of Dermatological Research Volume 311, Issue 4, pp 251–263|
https://link.springer.com/article/10.1007/s00403-019-01893-1

The role of adipokines in the active phase of systemic sclerosis and their effect on immune cells, fibroblasts and blood vessels. The main source of adipokines is the adipose tissue. Adipokines have a pleiotropic effect on cells involved in the pathogenesis of systemic sclerosis. Elevated serum level of resistin and chemerin as well as a decreased level of vaspin result in vasoconstriction and oxidative stress in the endothelial cells. Increased concentration of chemerin and decreased levels of adiponectin and visfatin stimulate proliferation of fibroblasts and excessive synthesis of extracellular matrix proteins. Activation of lymphocytes and the production of pro-fibrotic cytokines are augmented as a result of decreased concentration of adiponectin, leptin and visfatin and increased concentration of resistin

強皮症モデルだが、「全 アディポカインの主な供給源は脂肪組織。 アディポカインは、全身性硬化症の病因に関与する細胞に多面的な効果をもたらす。 レジスチンおよびケメリンの血清レベルの上昇、ならびにバスピンのレベルの低下は、内皮細胞の血管収縮および酸化ストレスをもたらします。 ケメリンの濃度が増加し、アディポネクチンとビスファチンのレベルが減少すると、線維芽細胞の増殖と細胞外マトリックスタンパク質の過剰な合成が刺激される。 アディポネクチン、レプチン、ビスファチンの濃度が減少し、レジスチンの濃度が増加した結果、リンパ球の活性化と線維化促進性サイトカインの産生が増加する」

noteへ実験的移行

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