2013年5月10日金曜日

再発性下肢蜂窩織炎へのペニシリン12ヶ月少量持続予防投与

下肢蜂窩織炎は、皮膚・皮下感染として頻度多く、連鎖球菌が多いが、免疫不全の場合特に他種菌でも生じうる。リンパ系からの反復感染がさらなるリンパ系の障害を与え、合併症や医療費に影響を与えることも考えられる。現行ガイドライン(http://www.thebls.com/docs/consensus.pdf)では、コンセンサスベースの推奨なため、その確認ということらしい。



再発性下肢蜂窩織炎へのペニシリン 1日2回250mg投与×12ヶ月
プライマリアウトカムとして再発までの期間、3年間フォローアップ


Penicillin to Prevent Recurrent Leg Cellulitis
Kim S. Thomas,  et. al.
Dermatology Clinical Trials Network's PATCH I Trial Team
N Engl J Med 2013; 368:1695-1703May 2, 2013

初回再発までの期間
プラシーボ群:532日間
予防期間再発
プラシーボ群 51/138
(ハザード比 0.55、95%信頼区間 [CI], 0.35-0.86 ; p = 0.01)
再発エピソード1回 NNT 5(95% CI, 4-9)
非介入フォローアップ期間、初回再発までの期間、両群差認めず(27%)
全体では、ペニシリン群参加者は再発エピソード減少(119 vs 165, p=0.02)
副作用イベント被検者数の差認めず (ペニシリン群 37、プラシーボ群 48, p = 0.50)
ペニシリン群:636日間
ペニシリン群 30/136 


卒中予測指標:QStroke


この指標、Framinghamスコアや心房細動でのCHA2DS2/VAScやCHAD2に比べ、項目多くて、面倒・・・その面倒さを上回るパフォーマンスがあるか?そして、項目にyes/no判定困難と思われる部分が多くなり曖昧さが増大するのでは?・・・そういう懸念を持った。


Derivation and validation of QStroke score for predicting risk of ischaemic stroke in primary care and comparison with other risk scores: a prospective open cohort study
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f2573 (Published 2 May 2013)

【目的】 ベースラインで卒中・一過性脳虚血発作既往のない患者での、卒中・一過性脳虚血リスク推定のための、QStrokeというリスクアルゴリズムの開発・評価; 以下比較 (a)心房細動患者での、 QStroke と CHADS2 、 CHA2DS2VASc score  (b) 卒中・一過性虚血発作病歴無しの住民全体のQStrokeの Framingham stroke score比較のパフォーマンス評価

【デザイン】1998年1月1日から2012年8月1日までの前向きの open cohort study、ルーチンにデータ収集されたものを利用

【セッティング】英国・ウェールズの451のGP、国内的QResearchデータベースで、アルゴリズム開発目的のため、そして、アルゴリズムを評価するため225の異なるQReseach研究施行

【被験者】25−84歳の350万名の患者(derivation cohort 2億4,800万人年、77,578の卒中イベント)
登録時の卒中や一過性脳虚血発作(TIA)既往、経口抗凝固剤処方除外
【主要アウトカム測定】フォローアップ中のGPカルテもしくはリンクした死亡統計の卒中もしくは一過性脳虚血診断発生率

【リスク要素】民族、年齢、性別、喫煙状態、収縮期血圧、総コレステロール/HDL濃度比、BMI、冠動脈疾患60歳未満のfirst degree家族歴、Townsend deprivation score、治療中高血圧、1型糖尿病、2型糖尿病、腎疾患、関節リウマチ、冠動脈精神疾患、うっ血性心不全、弁膜症性心疾患、心房細動

【結果】 QStroke algorithmで、女性では変数57%、男性では55%説明可能
QStrokeのD staticsは女性で2.4、男性で2.3
QStrokeは、卒中既往のない患者では、Framinghamスコア比較にて、判別・キャリブレーションパフォーマンス改善
心房細動患者では、判別レベルは低い、しかし、QStrokeはCHADSやCH2DS2VAScに比べ全ての測定項目でパフォーマンスいくらか改善

【結論】 QStroke により、卒中・TIA既往無しの一般住民での絶対的卒中リスク信頼性評価を行い、個別的評価コホートでパフォーマンスが示された。
QStroke は、また、抗凝固剤の要求性心房細動群subsetで、現行リスクスコアリング法、CHADS2、CHADSDS2/VAScの改善がある程度認められた。
このアルゴリズムをプライマリケアで使用でのコスト効果に関しさらなる研究が必要。






母体のインフルエンザで、双極性障害 4倍増加?

母体にんしインフルエンザ暴露後、双極性障害 約4倍のオッズ比
(3.82 [95% 信頼区間 [CI], 1.58-9.24; p=0.003)
母体年齢、人種、教育粋人、出生時胎児期、母体精神疾患の寄与要素に影響されず 

確認には、再現性検討必要。

Gestational Influenza and Bipolar Disorder in Adult Offspring
Raveen Parboosing, et. al.
JAMA Psychiatry. 2013;():1-8.

CHDS(Child Health and Development Study)住民ベースnested症例対照研究(1959年1月1日から1966年12月31日)
構成研究インタビュー確認・双極性障害症例・登録者214名中のコンセンサス診断(48%確認)の92名と対照(722名)

ワクチンによる神経系合併症、話題になるが、インフルエンザ罹患による合併症増加は、話題に上ることが、少ない。情報の非対称性がワクチンの不当評価につながってる部分はあると思う。
昨日のNHKもひどかったと聞いたが・・・

アメリカ心臓病協会:ペットを飼うことを心疾患患者に勧める

「犬を飼って散歩する」ことは運動量増加を導き心血管疾患リスク要素を身体活動性増加にて改善するのはたしかだろう。だが、「ペットを飼うこと=心血管疾患患者の予後アウトカム改善」と断定するのはどうなんだろう?

The 2011-2012 APPA National Pet Owners Survey

Pets may help cut heart disease risk: American Heart Association
http://www.reuters.com/article/2013/05/09/us-heart-pets-idUSBRE94810U20130509

これは業界団体調査で、日本の果樹研究業界程度の信頼性となると、ほぼ信頼ない(e.g. みかんに関するイベントに参加した人を調査して、【みかん摂食多いほど糖尿病が少ないとマスメディアに大々的に宣伝】 下記参照)が、American Heart Association (AHA) の学術ステートメントで、ペット所有が、心臓疾患リスク減少、肥満・血圧・コレステロールリスク減少と発表

この AHA statement は、May 9 in the journal Circulationで発表とのこと


うさんくさいにおいが・・・

AHAの委員会メンバーは、ステートメントにペット所有にて、心血管リスク要素、例えば高血圧、血中コレステロール値、肥満と関連し、心疾患患者の生存率改善が示されたと記載とのこと。

犬を飼うことでは、特に、心リスク減少に役立つ。散歩のため運動増加に役立つ。5200名超の成人で犬を飼うことは、飼わない場合に比べ、ウォーキング多く、身体活動性増加に寄与する。54%もの身体活動性増加が認められたとのこと。
ものを考えずに運動することが大きいと、 Dr. Nieca Goldberg (clinical associate professor in the department of medicine at the Tisch Center for Women's Health at NYU Langone Medical Center in New York City)が述べている。

ストレス反応へポジティブな影響を与えるとも述べており、減量、socialization、神経をなだめ、不安・うつの緩和に役立つと・・・
(いかにものコメント)


http://www.americanhumane.org/aha-petsmart-retention-study-phase-1.pdf


参考:
独立行政法人農業技術研究機構 果樹研究所(前農林水産省果樹試験場)では、三ヶ日町や清水市などのミカン産地の消費者6,045人にアンケートを実施 し、糖尿病などの発病率とミカン摂取量との相関関係を疫学調査しました。http://www.ja-shizuoka.or.jp/mikkabi/mikan/07/

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