この指標、Framinghamスコアや心房細動でのCHA2DS2/VAScやCHAD2に比べ、項目多くて、面倒・・・その面倒さを上回るパフォーマンスがあるか?そして、項目にyes/no判定困難と思われる部分が多くなり曖昧さが増大するのでは?・・・そういう懸念を持った。
Derivation and validation of QStroke score for predicting risk of ischaemic stroke in primary care and comparison with other risk scores: a prospective open cohort study
BMJ 2013; 346 doi:
http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f2573 (Published 2 May 2013)
【目的】 ベースラインで卒中・一過性脳虚血発作既往のない患者での、卒中・一過性脳虚血リスク推定のための、QStrokeというリスクアルゴリズムの開発・評価; 以下比較 (a)心房細動患者での、 QStroke と CHADS2 、 CHA2DS2VASc score (b) 卒中・一過性虚血発作病歴無しの住民全体のQStrokeの Framingham stroke score比較のパフォーマンス評価
【デザイン】1998年1月1日から2012年8月1日までの前向きの open cohort study、ルーチンにデータ収集されたものを利用
【セッティング】英国・ウェールズの451のGP、国内的QResearchデータベースで、アルゴリズム開発目的のため、そして、アルゴリズムを評価するため225の異なるQReseach研究施行
【被験者】25−84歳の350万名の患者(derivation cohort 2億4,800万人年、77,578の卒中イベント)
登録時の卒中や一過性脳虚血発作(TIA)既往、経口抗凝固剤処方除外
【主要アウトカム測定】フォローアップ中のGPカルテもしくはリンクした死亡統計の卒中もしくは一過性脳虚血診断発生率
【リスク要素】民族、年齢、性別、喫煙状態、収縮期血圧、総コレステロール/HDL濃度比、BMI、冠動脈疾患60歳未満のfirst degree家族歴、Townsend deprivation score、治療中高血圧、1型糖尿病、2型糖尿病、腎疾患、関節リウマチ、冠動脈精神疾患、うっ血性心不全、弁膜症性心疾患、心房細動
【結果】 QStroke algorithmで、女性では変数57%、男性では55%説明可能
QStrokeのD staticsは女性で2.4、男性で2.3
QStrokeは、卒中既往のない患者では、Framinghamスコア比較にて、判別・キャリブレーションパフォーマンス改善
心房細動患者では、判別レベルは低い、しかし、QStrokeはCHADSやCH2DS2VAScに比べ全ての測定項目でパフォーマンスいくらか改善
【結論】 QStroke により、卒中・TIA既往無しの一般住民での絶対的卒中リスク信頼性評価を行い、個別的評価コホートでパフォーマンスが示された。
QStroke は、また、抗凝固剤の要求性心房細動群subsetで、現行リスクスコアリング法、CHADS2、CHADSDS2/VAScの改善がある程度認められた。
このアルゴリズムをプライマリケアで使用でのコスト効果に関しさらなる研究が必要。