2013年8月21日水曜日

閉塞型睡眠時無呼吸症候群:「夜間うめき、窒息」

文献検索による閉塞型無呼吸臨床兆候検討


検診レベルと受診レベル、両方での検討


この疾患では、「夜間のあえぎ(gasping)、窒息」が最も信頼性ある兆候


Does This Patient Have Obstructive Sleep Apnea?
The Rational Clinical Examination Systematic Review
Kathryn A. Myers,  et. al.
JAMA. 2013;310(7):731-741. doi:10.1001/jama.2013.276185.

地域検診患者での睡眠時無呼吸の頻度は2%-4%(サンプルサイズ 350-1741)で、睡眠評価受診患者では21%-90%(サンプルサイズ 42-2677)
 
AHI閾値ベース有病率変数は、
AHI 5以上 14%
AHI 15以上 6%
 
疾患定義上AHI 5以上、且つ、有症状という定義では、2%-4%


睡眠評価受診という立場では、睡眠時無呼吸例では、そうでない例より体重増加
 (summary BMI, 31.4; 95% CI, 30.5-32.2 vs 28.3; 95% CI, 27.6-29.0; P < .001 for the comparison)


閉塞型無呼吸患者同定のためのもっとも有効な観察指標は、夜間窒息、あえぎ(AHI 10以上検出 要約尤度比 [LR], 1.1; 95% CI, 1.0-1.1)

いびきは睡眠時無呼吸で最も多い症状だが、診断確立には役立たない(summary LR, 1.1; 95% CI, 1.0-1.1)

BMI 26未満の軽度いびき患者は、中等度・重度無呼吸症候群の確率低い

集約医療システム内多枝高血圧プログラムにより血圧コントロール症例倍増 心血管予後改善

multipronged program:多枝プログラムという訳にしたが、その集約医療システム内多枝高血圧プログラムを地域規模で大規模に行ったところ、血圧コントロール改善に寄与し、アウトカム無改善ももたらされているという結論

日本の厚労省は、メタボ以降、心血管疾患予防方針間違えてるのではないかと思う。
肥満糖尿病対策ももちろん大事だが、高血圧治療の徹底の方が包括的に考えれば障害や死亡率への予防インパクトは大きいはず。メタボ検診を強引に進め、いま、意味不明な状況になっていると私は感じる。


エビデンスに基づくガイドラインやパフォーマンス測定の開発・シェアリングを含む大規模高血圧プログラムで、2001年から2009年間での間に、高血圧コントロールほぼ2倍となった。

決して、セクシーな(紹介記事にそう書いてある)報告ではないが、現実的なお話という評価

Kaiser Permanente Northern California (KPNC) hypertension program
http://www.nationalforum.org/sites/default/files/10th%20NF%20Plenary%204%20Jaffe.pptx

まとめ(KPNC 2001年−2009年)
      • HTN コントロール率 44%→80%と倍
      • HTN 登録 167%増加
      • コントロールされた高血圧 17万1千 → 53万1千
      • KPNCによる心発作減少効果
    • 6つのケアプロセスを組み入れ
      • エビデンスベースガイドライン開発
      • HTN登録作成
      • パフォーマンス測定分布
      • 臨床実践の成功的伝播
      • 単一製剤併用療法治療促進
      • 非医師血圧受診方法形成





高血圧ガイドラインの変遷















心臓イベントへの効果


















Improved Blood Pressure Control Associated With a Large-Scale Hypertension Program Marc G. Jaffe, et. al. JAMA. 2013;310(7):699-705. doi:10.1001/jama.2013.108769.

内側変形性膝関節症:メタ・アナリシスにて足底板使用支持するエビデンス無し

Lateral wedge shoe insoleとは、足底板

宣伝サイト e.g. http://www.drlannysinsoles.com



日本では、論文要約として有用という話もあるようだ;http://www.eisai.jp/medical/clinician/vol58/no603/pdf/sp13_603.pdf

上記日本での要約結論ではメタアナリシス手法使われておらず、その存在意味さえ疑問


で、メタアナリシス手法によると、研究方法の問題点が浮かび上がり、20項目WOMAC疼痛スケール 2.12点減少が示されるが、プラシーボに比べ明確な違いは証明できていない。
対照無しの通常の靴との比較というバイアスの存在が分析で指摘され、ブライド化されたneutralあるいはflatな足底板との比較では、その差が示されてない。


Lateral Wedge Insoles as a Conservative Treatment for Pain in Patients With Medial Knee Osteoarthritis
A Meta-analysis
Matthew J. Parkes, et. al.
JAMA. 2013;310(7):722-730. doi:10.1001/jama.2013.243229.


結論は、全研究メタ・アナリシス的プーリングにて、lateral wedgeと内側変形性膝関節症疼痛軽減に関し、統計学的に有意な関連性をみとめるが、比較要素として、neural insole使用研究が少なく、有意で、臨床的意義ある相関とは思えない。

故に、現状では、このlateral wedge shoe insole使用は支持できない。

アルツハイマー:銅は低濃度でも脳内アミロイドβ蓄積性に働く

銅などミネラルは、神経伝導、ホルモン分泌、骨や結合組織増殖に重要な役割をはたすが、ダークサイドな部分が存在することが明確になった。テレビやラジオ・新聞・週刊誌チラシなどでは、食品関連広告でミネラルたっぷりということを、プラスの効果のみ強調する。

だが、銅に関しては、たとえ許容範囲とされるレベルでも、脳内にて毒性作用を生じ脳内のバリアを障害する。βアミロイド産生増かの燃料となり、脳内の正常化しようとするメカニズムを障害する働きをもつ。銅はひろく食物、例えばレッドミート、貝類、ナッツ、果物野菜に含まれ、ビタミンサプリメントに使用される。

一方、創薬として、銅分子結合のp2治験が行われている状況にある。サプリメント内銅濃度、水フィルターによる銅除去などが有効かの検討も・・・

銅の悪影響開始あるいは働く、血液脳関門形成に関するキーポイント研究はスタートしたばかり


Low levels of copper disrupt brain amyloid-β homeostasis by altering its production and clearance
Itender Singha, et. al.
Published online before print August 19, 2013, doi: 10.1073/pnas.1302212110 PNAS August 19, 2013


銅の低レベル投与状態で正常動物脳内アミロイドβ蓄積するが、銅はクリアランス・その産生に関係することでアミロイドβ蓄積と関連。アミロイドβ前駆蛋白(APP)過剰発現トランスジェニックマウスで銅ホメオスタシス変化するので、正常マウスでの銅-誘導性アミロイドβ蓄積のメカニズム、アルツハイマーマウスモデルでの銅の役割を明確にする目的。

加齢マウスで、脳毛細血管内銅蓄積は、LDL受容体関連蛋白(LRP1)、アミロイドβ transporterの減少、脳内アミロイドβ増加と関連

ヒト脳毛細血管では、正常標識レベルにおいて、nitrotyrosination誘導によるLRP1特異的なdown-regulationの原因となり、銅/細胞内プリオン蛋白/LRP1の一部相互作用によるproteosomal-dependent degradationを引き起こす。

APPsw/0マウスでは、対照マウスに比べ、銅は、脳内のLRP1のdown-regulationするだけでなく、脳毛細血管内銅蓄積により、脳実質内のアミロイドβ産生と神経炎症増加する。

以上のように、脳内アミロイドβホメオスタシスの銅の影響として毛細血管内あるいは脳実質内蓄積することが確認された。

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