2013年6月13日木曜日

「睡眠薬の適切使用を」 初の指針 → ベンゾジアゼピン系・向精神薬全体の問題なのに・・・限定的に問題化する恣意性を感じる

睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
http://www.ncnp.go.jp/press/press_release130611.html

http://www.ncnp.go.jp/pdf/press_130611_1.pdf


睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
ー出口を見据えた不眠医療マニュアルー 
http://www.ncnp.go.jp/pdf/press_130611_2.pdf



「睡眠薬の適切使用を」 初の指針
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130613/t10015276791000.html

NHKのような書き方をすると、『ベンゾジアゼピン系』依存・離脱症状の問題が『フェノバルビタール系』あるいは『睡眠薬』だけの話と勘違いされる。


マイスリー(ゾルビデム)頓用を推奨してるようで、一方では、睡眠薬の頓用を避けるべきと推奨している。・・・矛盾してないか?
Q6.【勧告】 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるゾルピデムの頓用(As-needed/Non-Nightly 療法)が定期服用時と同等の治療効果 を有し、また認容性に優れていることを示す複数のエビデンスがあり、比較的軽症で治療初期の不眠症患者に対する治療 選択肢の一つとなりえる。【推奨グレード B】
ただし、他の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬でも同様な効果が得られるか確認 されていない。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬について休薬夜に薬物離脱性の不眠症状の悪化が見られる危険性が否定できないため、 頓用の推奨されず、必要な場合にの     慎重に行うべきである。【推奨グレード C2】


Q34:【勧告】短期服用時には睡眠薬による依存形成の危険性は少ないが,高用量・長期間の服用が依存形成リスクを上昇させるので避けるべきである。不眠症状が改善すれば、患者の状態に応じて、頓用、漸減、休薬日を設けるなどの方法がある。症状の推移に対応した治療計画を立てることが求められる。【推奨グレードB】


このガイドライン、睡眠薬使用擁護的趣意が目立つし、そもそも、他のガイドラインに比べ、エビデンスに比べ、推奨グレードのインフレーションが目立つ


マイスリーの老人や虚弱状態患者への投与の危険性・・・ 例のアステラス製薬なので変な宣伝しそうで怖い

マイスリーは、転倒の独立した危険因子 ・・・ 即刻対処必要 2012/11/21


このガイドラインの利益相反大丈夫だろうか?



医師たちが作る薬物依存 ・・・ 依存症原因の2位に 2013/02/22
日常臨床で頻回に遭遇するデパス依存症 2010年 04月 09日




向精神薬依存:8割、投薬治療中に発症 「医師の処方、不適切」−−専門機関調査  2013年06月19日
http://mainichi.jp/select/news/20130619mog00m040012000c2.html
ベンゾジアゼピン(BZ)系といわれる向精神薬の依存や乱用に陥った患者の8割以上が、アルコール依存など別の疾患の治療中に発症していたことが、 国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)の調査で分かった。BZ系は用量内でも乱用・依存に陥る可能性が指摘され、欧米では処方を避ける傾向にあ る。診察せずに処方されたケースも4割あり、調査した専門家は、医師の不適切な処方が発症につながったと指摘している。【和田明美】
 2011年12月、同センターなど首都圏の薬物依存症専門医療機関4カ所が、BZ系と、近い系統の睡眠 薬や抗不安薬を乱用するなどしていた20〜60代の87人(男性37人、女性50人)を調査。うち84%の73人が、調査対象の専門機関にかかる前の通院 先で、アルコール依存や気分障害、不安障害、睡眠障害などの治療中に乱用や依存に至っていた。
 依存、乱用するようになった薬は、調査対象者の89%の77人が精神科医療機関で処方されたものだった。知人や密売人などから入手したのは、いずれも1割未満だった。
 処方時の問題は、BZ系で特に依存の危険がある薬を処方(7割)▽患者が薬をためている可能性を考えず漫然と処方(同)▽多種類の処方(5割)▽用量を超えた大量処方(同)▽診察なしの処方−−などがあった。
 一方、患者は「不眠の解消」「不安・緊張感の緩和」「いやなことを忘れる」などを求めて乱用したものの、調査対象者の6割が暴力をふるったことを忘れるなどトラブルを起こしたほか、5割が過量服薬で救急搬送され、3割が交通事故や転倒で救急搬送されるなどしていた。
 BZ系は、不眠や不安の解消などさまざまな場合で処方され、国内での向精神薬の依存や乱用の原因の約9 割を占めるとされる。飲み過ぎるともうろう状態になり、健忘や転倒などの副作用が出る。1970年代に欧米で乱用・依存が問題化し、英国国立医療技術評価 機構のガイドラインでは2〜4週間を超える使用は推奨されておらず、米国食品医薬品局も長期の使用は承認していない。
 また、米国などでは90年代以降、新型の抗うつ薬が使われたことに伴い、BZ系抗不安薬の処方が激減した。日本では精神科以外でも広く処方され、抗不安薬の処方件数は欧米の6〜20倍とも言われる。

 同センター薬物依存研究部の松本俊彦・診断治療開発研究室長は「患者の不安が強いと、一時的にBZ系を使わざるをえない場合もある」としながらも、「医療機関が依存性の高い薬を処方し続けたり、多種、大量に処方したりすることが発症につながる。診察なしの処方は兆候を見過ごすことになり、絶対すべきでない」と指摘している。
 ◇医師が依存作り出す−−薬物依存症に詳しい成瀬暢也・埼玉県立精神医療センター副病院長の話
 ベンゾジアゼピン系の依存や乱用に陥った患者の薬の入手先を調べた事例は、これまでなかったのではないか。1、2人の医師で多数の患者を診察しなければ経営が成りたたない医療機関は多い。診察に時間をかけられず、薬に頼りがちで、医師が患者の薬物依存を作り出すことになってしまう。

若年・中年・高年齢層:喘息・COPD併発患者頻度とそのリスク要素

日本でも同様手法ののネットアンケート調査みたことがあるが・・・どれほど信頼できるものか・・・


呼吸器症状・診断・リスク要素のメール・電話での一般住民アンケート
20-44歳(n=5136)と、45-64歳(n=2167)と、65-84歳(n=1030)
multicentre Gene Environment Interactions in Respiratory Diseases (GEIRD) studyからの報告


The Coexistence of Asthma and Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD): Prevalence and Risk Factors in Young, Middle-aged and Elderly People from the General Population.
de Marco R, Pesce G, Marcon A, Accordini S, Antonicelli L, et al. (2013)
PLoS ONE 8(5): e62985. doi:10.1371/journal.pone.0062985

喘息あるいはCOPD(肺気腫/慢性気管支炎/COPD)の医師診断に基づく比率
<65歳 13%、 65-84歳で 21%
加齢により、喘息診断頻度減少と相関(8.2%→1.6%)、COPD頻度は著明増加(3.3% → 13.3%)
喘息・COPDのオーバーラップ頻度は、20-44歳 1.6%(1.3%–2.0%)、 45-64歳 2.1%(1.5%–2.8%)、 64-84歳で4.5%(3.2%–5.9%)




喘息・COPD併発では、喘息単独やCOPD単独に比べ、呼吸器症状、身体機能障害、入院増加が多い (p<0 .01="" br="">
加齢、性、教育、喫煙は、ばらつきがあるが、3つの疾患、喘息単独、COPD単独、喘息・COPD併発状態では逆の相関を認める。

HIACE:N-アセチルシステイン COPD有用性二重盲験プラシーボ対照化研究 ・・・ 急性増悪回数減少

PEACE Study:ムコダインのCOPD急性増悪予防効果  2008年 06月 13日 を彷彿とさせる研究で、かなり too lateな記載になったが、

香港の研究 高用量N-acetylsysteine (NAC)のCOPD治療への有用性

HIACE二重盲験


High-Dose N-Acetylcysteine in Stable Chronic Obstructive Pulmonary Disease: the 1-Year, Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled HIACE Study
Hoi Nam Tse, et. al.

 
133名中スクリーン後120名(男性 93.2%、平均年齢 70.8±0.74歳、%FEV1 53.9±2.0%)対象
ベースライン特性は2群同等

50-80歳安定期COPD患者

NAC 600mg×2 vs プラシーボ

1年時点で、強制呼気流量25%-75% (FEV25-75%: p = 0.37
FOT(強制オシレーションテクニック)で軽度改善

急性増悪回数 は有意 0.96 vs 1.71回/年 p=0.19
入院率減少傾向 0.5 vs 0.8 回/年 p=0.196

mMRC、SGRQ、6MWDの群間差認めず

重大副事象認め

 
 

 
【ムコフィリン】
ムコフィリン吸入液20%は、1包(2mL)中にアセチルシステイン352.4mg(アセチルシステインナトリウム塩として20w/v%)を含有する無色澄明な液 
  通常、1回1/2包~2包(アセチルシステインナトリウム塩20w/v%液として1~4mL)を単独又は他の薬剤を混じて気管内に直接注入するか、噴霧吸入する。
なお、年齢、症状により投与量、投与回数を適宜増減する。


日本でも十分、600mg ×2回 



大うつ:脳PET島皮質代謝にて治療選択の可能性 → 高代謝ならSSRI、低代謝なら認知行動療法選択

大うつに対する神経画像診断治療選択バイオマーカー

Toward a Neuroimaging Treatment Selection Biomarker for Major Depressive Disorder
Callie L. McGrath, BA, et. al.
JAMA Psychiatry. 2013;():1-9. doi:10.1001/jamapsychiatry.2013.143.

【重要性】 現在大うつ病の初回治療後寛解到達は40%未満。この(寛解率)オッズ向上に寄与するバイオマーカー同定で、健康上・経済上のインパクトを示す可能性がある。
【目的】  薬物・心理療法への異なるアウトカム推定に寄与する、神経画像診断上の『治療特異的バイオマーカー』同定
【デザイン】  治療ランダム化前に脳ブドウ糖代謝をPETで評価
・ escitalopram oxalate
・ 認知行動療法
12週間
phase 1治療遂行完遂時寛解しなかった患者は、phase 2に登録し、escitalopram+認知行動療法併用12週間追加を行う
【セッティング】  気分不安障害研究プログラム(学術医療センター)
【被験者】  現行無治療大うつ18-60歳男女
【介入】  ランダム割り付け12週間
・escitalopram oxalate (10-20 mg/d)
or
・マニュアルベースの認知行動療法16セッション
【主要アウトカム・測定】寛解 (定義は、17-item Hamilton Depression Rating Scale score  7 以下、week 10、12)、評価者は治療割り付け盲目
【結果】
寛解陽性・陰性予測指標を、治療変数(escitalopram or 認知行動療法)x アウトカム(寛解、非レスポンス)の2方向解析で検討
プロトコール完遂65名のうち、一次解析では38名は明らかなアウトカムと有用性の高いPETスキャンであった;認知行動療法寛解 12名、escitalopram寛解 11名、認知行動療法response無し 9名、escitalopram response無し 6名
6つの辺縁系と皮質領域同定され、右前部頭皮質を伴う場合は、グループ横断的に十分な判別性となった  (effect size = 1.43)
島皮質の低代謝(脳全体平均比較)は、認知行動療法寛解と関連し、escitalopramへの反応性の悪さと相関する。
一方、島皮質の高代謝は、escitalopramの寛解と認知行動療法反応性の悪さと相関。
【結論・知見】前向き検討にて評価するなら、島皮質の代謝ベースで、治療第一選択ガイドになるかもしれない初めての客観的マーカーに関する研究成果

乳児中等症以上急性細気管支炎:on demand ラセミ型吸入の方が、固定吸入より優秀

乳児細気管支炎で入院率増加するが、吸入治療のコンセンサスはまだ無い

ラセミ体アドレナリン吸入に関し、必要時吸入戦略は固定スケジュール吸入より臨床的有用性高い。

8センター、ランダム化二重盲験2x2区分デザイン
12ヶ月未満乳児・中等度から重症急性細気管支炎
・ラセミ体アドレナリン吸入必要時吸入
・ラセミ体アドレナリン吸入固定吸入(各吸入2時間まで)
対象は、研究登録時包括臨床スコア4点以上(スケール 0-10、重症ほどスコア値高い)
酸素療法・鼻腔栄養、換気サポートの記録
プライマリアウトカムは、入院期間(ITT解析)
ラセミ体アドレナリン吸入に関し、必要時吸入の方が固定吸入より有意に入院滞在期間平均減少と関連 (47.6 (95% 信頼区間 [CI], 30.6-64.6)時間 vs 61.3(95% CI, 45.4 - 77.2 )時間 (p = 0.01)
酸素投与回数少なく (38.3% vs 487.7, p = 0.04)、換気サポートも少ない( 4.0% vs 10.8 %)、吸入治療回数少ない( 12.0 vs 17.0 p<0 .001="" br=""> 
Racemic Adrenaline and Inhalation Strategies in Acute BronchiolitisHåvard Ove Skjerven,  et. al.
N Engl J Med 2013; 368:2286-2293June 13, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1301839




9-12歳女児:尿中BPAと肥満リスク相関 ・・・ 中国報告

9-12歳の女性で、BPAレベル高い場合、低い場合に比べ、2倍の肥満リスクを有するという報告。

bisphenol-Aは、プラスティック容器から金属食品容器にまで広く含まれ、体内で代謝され、体重減少困難になるのだという主張。
米政府研究で、米国人92%で、BPA濃度検出され、エストロゲンと類似性のある化学式構造であるため、脳・生殖器への影響が心配されて、子供への影響が心配されている。
昨年米国FDAは子供用ボトルやほ乳サックからBPAを禁止する処置がなされた。


PLos One 6月12日号のonline版で、中国での研究1300名超の尿中レベル測定し、体重との関連性調査

上海の3学校4-12学年での1326名の生徒調査で、BPA濃度 2μg/L以上の高値 群は、寄与要素補正後も2倍以上の肥満(体重90パーセンタイル超)リスク
補正オッズ比 2.32, 95% 信頼区間 1.15-4.65
Urine Bisphenol-A Level in Relation to Obesity and Overweight in School-Age Children
Li D-K, Miao M, Zhou Z, Wu C, Shi H, et al. (2013)
PLoS ONE 8(6): e65399. doi:10.1371/journal.pone.0065399


出生前BPA暴露:子供の行動に影響を与えている? 男女で異なる行動異常 2012/04/28 

缶入りスープとビスフェノールA暴露2011年 11月 24日

厚労省はH21年以降検討してない?

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note