2016年2月27日土曜日

糖尿病高血圧治療:効果あるも、下げすぎ注意!

糖尿病の場合は、収縮期血圧140 mmHg以上の症例では降圧薬治療で死亡率・心血管疾患合併症リスク減少
ただ、収縮期血圧140 mmHg未満なら、さらなる心血管疾患死亡増加可能性有り



Effect of antihypertensive treatment at different blood pressure levels in patients with diabetes mellitus: systematic review and meta-analyses
BMJ 2016; 352
doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i717 (Published 25 February 2016)

49トライアル、73,738名のメタアナリシス、ほとんど2型糖尿病
ベースライン収縮期血圧 150 mm Hg超なら、降圧剤治療にて
全原因死亡率減少 (相対リスク 0.89, 95% 信頼区間 0.80 to 0.99)
心血管疾患死亡率減少 (0.75, 0.57 to 0.99)
心筋梗塞減少 (0.74, 0.63 to 0.87)
卒中減少 (0.77, 0.65 to 0.91)
ESRD減少 (0.82, 0.71 to 0.94)

ベースライン収縮期血圧 140-150 mm Hgなら
付加的治療で
全原因死亡率減少 (0.87, 0.78 to 0.98)
心筋梗塞減少 (0.84, 0.76 to 0.93)
心不全減少 (0.80, 0.66 to 0.97

ベースライン収縮期血圧 140 mm Hg未満なら
付加的治療で
心血管疾患死亡率  (1.15, 1.00 to 1.32)
全原因死亡率 (1.05, 0.95 to 1.16)

Metaregression 解析にて、収縮期血圧低下効果悪化治療効果は
・心血管疾患死亡率 (収縮期血圧 10 mmHg低下毎;1.15, 1.03 to 1.29
・心筋梗塞 (1.12, 1.03 to 1.22 ;同上)

パターンは、治療達成時収縮期血圧でも同様パターン




中年期にはSPRINTで厳格な降圧という方向性だったが、糖尿病という要素が加わると複雑なパズルになってくるようだ

EMPA-Reg OUTCOMEの結果の一部説明に降圧効果が示されているが・・・果たして・・・その説明・・・困難になってきたのでは?










 

肥満=記憶力低下:肥満は食べたことも忘れ食べてしまう? 

イギリスの小さなn数の研究



Higher body mass index is associated with episodic memory deficits in young adults
Lucy G.
Chekea,  et. al.
The Quartly Journal of Experimental Psychology
DOI:10.1080/17470218.2015.1099163
Published online: 22 Feb 2016

18-35歳、50名、BMI 18 - 51を「what–where–when style episodic memory test:  “Treasure-Hunt Task”」で検証、このテストは、対象、位置、一時的順序情報を同じパラダイム内で再収集することを要求し、単回イベント最終週でこれらの特徴をintegrateする能力を検証する
BMI高いほど、有意にWWWメモリーおよび全てのエレメント(対象物同定、位置記憶、一時的順序記憶)のパフォーマンス低下
年齢、性別、教育年数補正後、what-where-whenタスク個別に対しBMIの影響は維持されるが、有意性は低下する

肥満に於けるエピソード的記憶欠如という事実は、食欲調整におけるエピソード的に認識の役割に関しエビデンス収集が求められている。

・・・
メモリータスク低下のため、食事したことも忘れ、食べてしまう・・・と、言いたげな論文?

実際解説にもこう書いてあるし・・・

大学のpress-release
https://www.cam.ac.uk/research/news/being-overweight-linked-to-poorer-memory

 “The possibility that there may be episodic memory deficits in overweight individuals is of concern, especially given the growing evidence that episodic memory may have a considerable influence on feeding behaviour and appetite regulation,” she says.


さらに、一般解説では・・・もろにこう書いてある

Changes to the brain caused by obesity may harm memory, which researchers in a recent study think could influence people to eat more and gain more weight.
http://www.upi.com/Health_News/2016/02/26/Study-links-excess-weight-to-having-a-poorer-memory/2681456498277/

2016年2月26日金曜日

薬事承認・適応追加に伴い、肺結核へのLVFX基準追加

平成27年8月24日レボフロキサシン:LVFX(クラビットR)について、「肺結核及びその他の結核症」に対する薬事承認・適応追加に伴い、肺結核へのLVFX基準追加


「結核医療の基準」の一部改正について
http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2016/02/27chi3_225.pdf




この段階では(案)だったがそのままなのでわかりやすい

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000098520.pdf







結核へのLVFX使用には偏りがあり、INHやRFPの減感作試みようともせず、すぐにLVFX使用する医師・施設が目立つ。今回の通達でさらに偏りが悪化するかもしれない。

肝障害対応時処置の徹底もすべきだと思う

http://www.kekkaku.gr.jp/commit/yobou/200501.pdf





アルツハイマー病バイオマーカー:脳活訓練全般的には役立たず、高教育レベル・APOE4キャリアは例外かも

認知症無しの高齢者、この研究は70歳以上を検討


認知機能改善を目指すライフスタイルを中年期に行ってもアルツハイマー型認知症に繋がる神経変性変化スピードをさほど減少させないとのこと

アミロイド斑、脳のブドウ糖代謝、脳の容積といった神経変性バイオマーカーのtrajectory(軌跡)に対し、認知機能によいとされるライフスタイル介入は、感度分析に基づく利益性検出するためのパワー適正化させても、その意義を認めなかった


アミロイドtrajectoryに、中年期身体活動性も相関せず

ただ、APOE4キャリアでの画像データの改善が、「コンピュータ使用、書籍・雑誌読書、ゲーム遊び」などの中年期学習継続により、教育機関14年以上の高学歴コホートでは、アミロイドburdenの減少が、見られた。これらの教育レベル高度・APOE4キャリア群では、認知機能アクティビティ高いライフスタイルで33rdパーセンタイルのアミロイドburdenで、認知機能アクティビティ低い場合は67thのアミロイドburden




Effect of intellectual enrichment on AD biomarker trajectories
Longitudinal imaging study
Prashanthi Vemuri, et. al.
Neurology,     Published online before print February 24, 2016 doi:http:/​/​dx.​doi.​org/​10.​1212/​WNL.​0000000000002490 Neurology 10.1212/WNL.0000000000002490
http://www.neurology.org/content/early/2016/02/24/WNL.0000000000002490.short


アルツハイマー病のバイオマーカー痕跡対する、長軸的な画像データ、即ち、脳β-アミロイド負荷 (via Pittsburgh compound B PET)と神経変性(via 18fluorodeoxyglucose (FDG) PET)、構造MRI検査に、年齢、性別、APOE4 genotype、ライフスタイル改善(教育/職業、中年期認知機能、中年期身体活動)の影響調査

住民ベース長軸調査 Mayo Clinic Study of Aging
認知症無しの393名(臨床的正常 340名、 軽度認知機能低下 53名、70歳以上)

結果:
年齢がアミロイドと神経変性trajectory(軌跡)と相関
APOE4状態は、アミロイド、FDG痕跡に影響を与えるが、海馬容積には影響を与えない
教育レベル高度層別において、中年期認知機能活動性高い場合は、 APOE4キャリアにおいてアミロイド沈着低下と相関。
APOE4状態は完遂コホートにおいてGDG uptake低下と相関し、低教育レベルでも同様だが、高い教育レベルのコホート群では認めない。

アルツハイマー型認知症バイオマーカーの痕跡へライフスタイル健全化の影響は最小で、知的な状況良好なライフタイムは、APOE4キャリアではアミロイド低下と関連。
教育レベルが高い場合は、APOE4のFDG代謝へ防御的に働く
異なる教育レベルで、文献結果のばらつき説明可能である

2016年2月23日火曜日

Third International Consensus Definition:敗血症・敗血症性ショック(Sepsis-3)定義

Editorial | February 23, 2016
New Definitions for Sepsis and Septic ShockContinuing Evolution but With Much Still to Be Don
Edward Abraham, MD
JAMA. 2016;315(8):757-759. doi:10.1001/jama.2016.0290.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2492856


JAMA誌では、Sepsis Definitions Task Forceの3つの記事
1)敗血症、敗血症性shockのアップデート定義と、残り2つは新しい定義の根本・信頼性のエビデンスを記載した
2) Special CommunicationではSingerらが、重要性、過程、着眼点、エビデンスからの重要所見を記載し、敗血症、敗血症性ショックについてのコンセンサスカンファレンスの第3iteration開発について記載し、定義の詳細も記載。

Singer  M, Deutschman  CS, Seymour  CW,  et al.  The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3). JAMA. doi:10.1001/jama.2016.0287.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2492881

 敗血症は生命危機を伴う臓器障害で、感染に対するホストの調節障害により生じる


clinical operationalizationのため、臓器障害は Sequential [Sepsis-related] Organ Failure Assessment (SOFA) score 2以上、院内死亡率10%超と相関する


敗血症性ショックは、特に、重度の循環系、細胞性、代謝異常のサブセットで、敗血症単独より死亡率リスク増加と関連する


平均動脈圧65mmHgを維持するためのvasopressorと、hypovolemia無しで血中乳酸 2 mmol/L (18 mg/dL)超である場合として臨床的には定義 。この組み合わせだと40%超の院内死亡率となる


院外、ED、一般病棟セッティングでは、感染診断成人患者では、以下2つの臨床クライテリアがあれば敗血症アウトカム不良型である頻度が高い
・ new bedside clinical score termed quickSOFA (qSOFA)
・呼吸回数22/分以上、収縮期血圧 100mmHg以下
 



Seymour  CW, Liu  VX, Iwashyna  TJ,  et al.  Assessment of clinical criteria for sepsis: for the Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3). JAMA. doi:10.1001/jama.2016.0288.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2492875

Shankar-Hari  M, Phillips  GS, Levy  ML,  et al.  Developing a new definition and assessing new clinical criteria for septic shock: for the Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3). JAMA. doi:10.1001/jama.2016.0289.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2492876

禁煙指導:ショートメッセージ利用効果





禁煙指導に限らず、医薬品介入・生活指導介入に関し、携帯端末・電話へのショートメッセージは有効かもしれないし、そのような報告が多くなってきた


禁煙指導に関する試み






Effectiveness of Short Message Service Text-Based Smoking Cessation Intervention Among University StudentsA Randomized Clinical Trial
Ulrika Müssener, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 22, 2016.

単盲検2アームRCT:NEXit Nicotine Exit


NEXit core program 1-4習慣の動機付け期間で、中止日を選択できる
介入群:12週間禁煙介入有効化要素をベースとした157テキストメッセージを受ける
対照群:2週毎1テキスト、研究登録謝辞内容で、介入より遅延送付


主要アウトカム:自己報告禁煙継続(8週以上 5本超喫煙でない)、介入完遂直後4週ポイントでの完全禁煙率  (禁煙後4週間)


登録 1590名、21-30歳が主体、ランダム化
827名(女性 69.3%、573名)を介入群割り付け、763(女性 68.4%、522名)を対照群割り付け
プライマリアウトカムデータ利用可能、介入群 783(74.7%)、 対照群 719(94.2%)
ベースラインでの週毎喫煙中央値(レンジ) 介入群 63(1-238) 対照群 70(2-280)
 

8週間長期禁煙継続は、介入群 203名(25.9%)、対照群 105名(14.6%)
4週時点禁煙頻度は、介入群 161 (20.6%) 、対照群  102 (14.2%)
禁煙日から平均  (SD)  3.9 (0.37) ヶ月


これら所見の補正オッズ比 (95% CIs)は、それぞれ 2.05 (1.57-2.67) 、1.56 (1.19-2.05)


介入の短期効果評価困難だが、従来の禁煙介入に比べ十分効果あり
簡単なNEXit介入は禁煙介入有効性改善の可能性有り

慢性腰痛高齢者への“マインド・ボディ”プログラム

慢性腰痛への鎮痛剤使用は副作用の面で普遍的使用は制限があるべき
非薬物利用オプションが重要性


単盲検ランダム化臨床トライアル



“マインド・ボディ”プログラム
 e.g. https://som.georgetown.edu/medicaleducation/mindbody






慢性腰痛高齢者への効果を検証!


機能障害、疼痛スケールの短期・長期改善を認める
ただ、機能改善は持続効果がない!



A Mind-Body Program for Older Adults With Chronic Low Back PainA Randomized Clinical Trial
Natalia E. Morone,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 22, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2015.8033

被検者はピッツバーグ都市区域地域住民高齢者
2011年2月13日から2014年6月30日まで
4月9日まで6ヶ月フォローアップ完遂

登録被検者は、慢性腰痛による機能障害あり (≥11 points on the Roland and Morris Disability Questionnaire) の65歳以上、中等度以上慢性疼痛(罹病期間3ヶ月以上)
2015年3月1から7月1日までデータ解析


mind-body program (n=140)
健康教育プログラム(n=142)



フォローアップは、プログラム完遂および6ヶ月以上で行う。Roland and Morris Disability をプライマリアウトカムは、Questionnaire スコア、腰痛による機能障害を測定。Numeric Pain Rating Scaleによる疼痛(直近1週間の現行、平均、最重症)評価
セカンダリアウトカムは、QOL、疼痛自己評価、マインドフルネス。
ITT解析



1160名のスクリーニング被検者のうち、282名をトライアル登録(男性95名、33.7%、 女性187名、66.3%、平均[SD]年齢 74.5 [6.6]歳)
Roland and Morris Disability Questionnaire score ベースライン平均(SD)は、介入群  15.6 (3.0) 、対照群 15.4 (3.0)

機能障害:
対照群比較で、介入被検者は、8週目 −1.1 (平均, 12.1 vs 13.1) 点、6ヶ月目付加的改善 −0.04 (平均, 12.2 vs 12.6) 点 (effect sizes, Roland and Morris Disability Questionnaire −0.23  vs −0.08)

疼痛スケール:
6ヶ月目までに、介入被検者では、現行Numeric Pain Rating  Scaleの現行と最重症度スコア改善は −1.8 点 (95% CI, −3.1 to −0.05 points; effect size, −0.33) と −1.0 点  (95% CI, −2.1 〜 0.2 点; effect size, −0.19)


Numeric Pain Rating Scale mean pain measureの介入後差は、有意でない (8週後 −0.1 [95% CI, −1.1 〜 1.0]、6ヶ月後 −1.1 [95% CI, −2.2 〜 −0.01] ; effect size, −0.01 、 −0.22)



日本の高齢者腰痛治療は、“NSAIDs長期処方・貼付剤めいっぱい & リハビリテーションという名のマッサージ ”、そして、オピオイド大量処方→転倒・ふらつき出現など・・・


まともな腰痛治療の方がマイナーという変な世界


2016年2月22日月曜日

結核治療:新しいターゲット?

Crystal structure of Mycobacterium tuberculosis ketol-acid reductoisomerase at 1.0 Å resolution – a potential target for anti-tuberculosis drug discovery
You Lv,et. al.
The FEBS Journal
First published: 18 February 2016Full publication history
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/febs.13672/abstract


よく分からないので、解説記事から・・
http://medicalxpress.com/news/2016-02-discovery-treatment-strategy-tuberculosis.html
結核菌生存に関わるクリティカルな酵素である、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ketol-acid reductoisomerase (KARI)の3次元構造明らかになり、新薬ターゲットとなりえるかも・・・という話



KARIは、バリン・ロイシン・イソロイシン形成するクリティカルな代謝経路に関わる酵素
この酵素は除草剤レベルでは成功しているとのこと・・・

血液で結核診断・治療指標:Genome-wide遺伝子セット (GBP5, DUSP3, KLF2): Khatri blood test

 Khatri blood test


Genome-wide expression for diagnosis of pulmonary tuberculosis: a multicohort analysis
Timothy E Sweeney,  et. al.
The Lancet Respiratory Medicine, Published Online: 19 February 2016  


10ヶ国、2572のサンプル、14データベース解析
3つのデータセット(n=1023)にて3つの遺伝子セット (GBP5, DUSP3, KLF2) で活動性結核診断価値高い

10ヶ国小児成人8独立データベースにて、健康対照比較、ROC(AUC) 0.90 [95% CI 0.85–0.95])、遷延結核 (0.88 [0.84–0.92])、他疾患 (0.84 [0.80–0.95])

three-gene set発現では、HIV感染、薬物耐性、BCGワクチンにより影響されず


4追加コホートにおいて、結核スコアは活動性結核治療後減少



解説:http://www.medpagetoday.com/Pulmonology/Tuberculosis/56304

ピオグリタゾン:肥満・糖尿病への脂肪組織抗利尿ペプチド発現効果・・・筋肉関係せず、脂肪燃焼と関連

ピオグリタゾンの卒中二次予防効果:抗動脈硬化性が示されたわけだが・・・


IRISトライアル:アクトスの非糖尿病・インスリン抵抗症例に対する卒中二次予防効果 
2016年2月18日


今回、基礎的効果の話で、筋肉のサーモジェニックなプロセスと関連せず、脂肪組織内のサーモジェニックな作用(通俗的には脂肪燃焼)と関連し、抗利尿ペプチド発現増加させるというお話

心臓抗利尿ペプチド(cardiac natriuretic peptide):NPsの役割は、エネルギー代謝とインスリン感受性に重要な役割を果たし、2型糖尿病・肥満への治療標的となるホルモン
NPsの遺伝子発現は、正常体重・非糖尿病に比べ、糖尿病・肥満症例の脂肪組織ではdownregulationされており
ピオグリタゾンが2型糖尿病の遺伝子発現パターン可逆性の可能性示唆



Adipose tissue natriuretic peptide receptor expression is related to insulin sensitivity in obesity and diabetes

Zuzana Kovacova,  et. al.
Obesity ( The Obesity Society)
Article first published online: 17 FEB 2016
DOI: 10.1002/oby.21418
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oby.21418/abstract

心臓抗利尿ペプチド(NPs)は2つの受容体 (NPRA-mediator of signalingと、NPRC-clearance receptor) の比率、 NPRR (NPRA/NPRC比)にて NPバイオ活性 を評価

肥満・糖イントレランスでの脂肪組織・筋肉でのNP受容体遺伝子発現の関連性調査
前向きにNP受容体発現の変化、thermogeneic gene markerの変化と、インスリン甘受し絵改善との関連性評価

BMI値や耐糖能にばらつきのある対象者の横断研究(n=50)
ランダム化12週間トライアル(pioglitazone n=9, プラシーボ n=10)も施行

NPRR mRNAは、やせ被検者に比べ、肥満者では、脂肪組織内で有意低下 (P ≤ 0.001)
NPRAは、正常耐糖能から2型糖尿病(T2DM)へ進展するにつれ、肥満要素に関連せず、独立して減少 (P ≤ 0.001)

T2DM患者ピオグリタゾン治療では脂肪組織のNPRR増加 (P ≤ 0.01) し、インスリン感受性増加とthermogenic marker PPARγ coactivator-1α and uncoupling protein 1 とともに変化する (P ≤ 0.01)

脂肪組織NPRR(NPRA/NPRC比)は肥満、耐糖能、インスリン抵抗性と相関
この相関性は骨格筋NPRRでは観察されない
薬物的インスリン感受性改善は2型糖尿病患者において、NPRRによるNP受容体bioactivity評価改善と関連し、これはthermogenic process関与遺伝子発現パターンと関連

この期に及んでというか、アクトスも後発出現してから、いろいろ良い話が出てきた。製薬メーカーに先見性があれば(糖尿病関連先生方への鼻薬はさほど有効ではなかったということで企業は金の使い方を間違えたのだろう)、もっと世界的に早期に、広く認められる薬剤だったのかもしれない。


薬剤の利益性判明にはかなり時間がかかるわけで、特許切れに関してはもう少し配慮が必要な気がすると医者としても製薬メーカーに同情・・・


SGLT2阻害剤とピオグリタゾン併用に関して関心が高まってるようだが、まだ不明なことの多いSGLT2関連・・・

2016年2月19日金曜日

DPP4阻害剤に心不全入院リスク増加可能性あり

EMPA-REG Outcome研究以降、糖尿病周辺が騒がしい中・・・



システマティック・レビュー&メタアナリシス( Medline, Embase, Cochrane Central Register of Controlled Trials, and ClinicalTrials.gov検索データベース)

Dipeptidyl peptidase-4 inhibitors and risk of heart failure in type 2 diabetes: systematic review and meta-analysis of randomised and observational studies
Ling Li, et. al.
BMJ 2016; 352 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i610 (Published 17 February 2016) Cite this as: BMJ 2016;352:i610

登録研究は43トライアル(n=68 775)、12の観察研究(コホート9、nested 症例対照研究 ; n=1 777 358)



心不全報告を含む38トライアルのプーリングにて
・低Qualityエビデンスとして、DPP-4阻害剤使用 vs 対照にて、心不全リスク増加 (42/15 701 v 33/12 591; オッズ比 0.97 (95% 信頼区間 0.61 to 1.56);リスク差としては、5年間 2型糖尿病 1000名あたり -19 〜 +28回)


観察研究では、トライアル検討知見と一般的に一致しているが、低Qualityエビデンスである。


心不全入院記載の 5つのトライアルのpoolingにより、中等度Qualityエビデンスとして、DPP-4 阻害剤 versus 対照において、リスク増加認める(622/18 554 v 552/18 474; 1.13 (1.00 to 1.26); リスク差 8 増加 (0 増加 〜 16 増加))



観察研究からの補正poolingにて、かなり低Qualityエビデンスだが、DPP-4 阻害剤 (exclusively sitagliptin) versus no useにて、心不全入院リスク増加可能性示唆  (補正オッズ比 1.41, 95% 信頼区間 0.95 to 2.09)





糖尿病薬剤でも、心血管イベント減少可能性薬剤と、増加可能性薬剤があるようだ・・・




2016年2月18日木曜日

インフルエンザワクチンと心房細動

インフルエンザワクチンにより、インフルエンザ感染・無症状及びインフルエンザ感染・有症状を減少させ、結果、心房細動発症を抑制する・・・と考えるのが普通では・・・


反ワクチン無責任市民団体は、その利益性は無視するけどね・・・


The association between influenza infection, vaccination, and atrial fibrillation: A nationwide case-control study

Ting-Yung Chang, et. al.
Heart Rhythm Society
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.hrthm.2016.01.026
http://www.heartrhythmjournal.com/article/S1547-5271(16)00126-0/abstract

インフルエンザ感染なし・ワクチン患者 (reference group; n = 38,353)に比べ、ワクチンなしインフルエンザ感染患者 (n = 1369) は心房細動高リスク有意差あり
オッズ比 1.182  p = 0.032 ベースライン差補正後


心房細動リスクは、インフルエンザ感染無し・インフルエンザワクチン接種患者(n = 16,452)で低下 オッズ比 0.881 (P < .001)

インフルエンザ接種患者・インフルエンザ感染経験者では、心房細動リスクは参照患者と同等
 (オッズ比 1.136; P = .214)


 ワクチン接種心房細動のリスク低下は、サブグループ解析で一致

IRISトライアル:アクトスの非糖尿病・インスリン抵抗症例に対する卒中二次予防効果


多施設二重盲験ランダム研究:糖尿病無し、インスリン抵抗性(HOMA-IR 3超)で、直近の卒中もしくはTIAのある症例

プライマリアウトカムは、致死性・非致死性卒中・心筋梗塞


“インスリン抵抗”という病態への治療可能性を示した重要な報告となっている



Pioglitazone after Ischemic Stroke or Transient Ischemic Attack
Walter N. Kernan,  et. al. . for the IRIS Trial Investigators
N. Engl. J. Med. February 17, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1506930


4.8年間のうち、プライマリアウトカム発生
ピオグリタゾン群 75 / 1939 patients (9.0%)
プラシーボ群 228 / 1937 (11.8%) 
(ピオグリタゾン群ハザード比, 0.76; 95% 信頼区かbン[CI], 0.62 to 0.93; P=0.007)

糖尿病発症
ピオグリタゾン群 73 (3.8%)
プラシーボ群 149 (7.7%)
(ピオグリタゾン群ハザード比, 0.48; 95% CI, 0.33 to 0.69; P < 0.001)





全原因死オブ率群間差有意差認めず (ハザード比, 0.93; 95% CI, 0.73 to 1.17; P=0.52).


ピオグリタゾン群は、体重4.5kg超症例比率増加 (52.2% vs 33.7% ,  P < 0.001)

同様浮腫増加 (35.6% vs. 24.9%, P = 0.03)




ピオグリタゾンの卒中二次予防効果:抗動脈硬化性が示されたこととなる


体重増加、浮腫増加によりなんらかの不都合はないのか?

MACE事象減少を見いだせなかったPROactive研究などと反した結果であり、
様々な解釈ができる報告で、糖尿病から治療スタートしても遅い「インスリン抵抗性」という病気などと主張する向きも出現するかも・・・





ACT1:頸動脈ステントは手術より悪いとは言えない

minor strokeをプライマリ・アウトカムとして考慮してないため、リアルワールドにおいて全て同等とは言えないがという但し書きでの話




"LB25 randomized trial of stent versus surgery for asymptomatic carotid stenosis: initial and five-year results of ACT 1 trial"
International Stroke Conference : ISC 2016. http://my.americanheart.org/professional/Sessions/InternationalStrokeConference/International-Stroke-Conference_UCM_316901_SubHomePage.jsp






"Randomized trial of stent versus surgery for asymptomatic carotid stenosis" Rosenfield, K et al
N Engl J Med 2016; DOI: 10.1056/NEJMoa1515706.


背景
今までの臨床トライアルでは、手術合併症リスク平均以上の場合、血栓を"captureしremoveする"デバイスを用いたcarotid-artery stenting:頸動脈ステント (“embolic protection”) は、 carotid endarterectomy(頚動脈内膜切除)の代替的有効性を有することが示唆されてきた。

方法
carotid-artery stenting with embolic protectionとcarotid endarterectomyを比較
79歳以下、重症頸動脈狭窄且つ無症状(i.e. 卒中、TIA、一過性黒内障を登録180日間内無い症例)、手術合併症高リスクとは考えられない症例
1658名登録デザインも1453例ランダム化後登録状況のため途中中止
5年までフォローアップ
プライマリ複合エンドポイントは、施行後30日以内死亡・卒中、心筋梗塞、1年内の同側卒中を非劣性限界3%ポイントとして検証

結果
Stenting は、プライマリ複合エンドポイントに関して非劣性(イベント発生率、 3.8% vs 3.4% ; P = 0.01 for 非劣性)
30日内卒中・死亡発生率 stenting群 2.9% vs endarectomy群 1.7%  (P=0.33).

施行後30日から5年間、同側卒中無発生率は、stenting群 97.8% vs endarterectomy群 97.3% (P=0.51)、包括生存率 87.1% vs 89.4% P=0.21
5年卒中無事故累積生存率は 93.1% vs 94.7% (P=0.44)

米国FDA:ジカ熱感染懸念地域での輸血注意喚起

現時点では米国FDAでは、米国内輸血由来のZikaウィルス感染報告はないが、リスクは存在するとして注意喚起


FDA issues recommendations to reduce the risk for Zika virus blood transmission in the United States
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm486359.htm


2016年2月17日水曜日

「働かないアリ」というより「三年寝太郎」アリ・・・ 集団内労働閾値多様性



「働かないアリ、集団の絶滅防ぐ」…北大チーム
http://www.yomiuri.co.jp/science/20160216-OYT1T50149.html?from=y10

・・・と、著作権にうるさい読売新聞のタイトル

原文は・・・・


Lazy workers are necessary for long-term sustainability in insect societies
Eisuke Hasegawa, Yasunori Ishii, Koichiro Tada, Kazuya Kobayashi & Jin Yoshimura
Scientific Reports 6, Article number: 20846 (2016)
doi:10.1038/srep20846

http://www.nature.com/articles/srep20846


社会の生産性最大化のための最適化研究

アリの集団において、タスクに基づく刺激に応じる閾値に関して働き蟻の反応性が異なる
疲労に直面した働き蟻の代わりに不活発な蟻のが置き換わりクリティカルな役割を果たす。
怠け者に見える不活発な働き蟻は、短期的生産性減少を偽性にする代わりに、コロニーの長期持続性に寄与する。


原文見ると、怠け者を擁護するのではなく、ここぞという時に、力を蓄える、「三年寝太郎」エピソード(http://nihon.syoukoukai.com/modules/stories/index.php?lid=14)の方がフィットする気がする



コホート:間質性肺病変と死亡率の関連性

 間質性肺病変の存在の知名度はかなり低いが、美空ひばりさんなどその時々にインパクトを与えている疾患である。抗線維化薬剤などの存在で創薬に火がついている気はするが、 いまだ治療法の確立・導入には様々な難関が控えている。敵は医者という同業者にも存在し・・・



COPDなどを主とするコホートでの派生的研究で、間質性肺病変の死亡率へのインパクトが明らかに


Association Between Interstitial Lung Abnormalities and All-Cause Mortality
Rachel K. Putman, et. al. ; for the Evaluation of COPD Longitudinally to Identify Predictive Surrogate Endpoints (ECLIPSE) and COPDGene Investigators
JAMA. 2016;315(7):672-681. doi:10.1001/jama.2016.0518.

序文  間質性肺病変は6分間歩行距離、一酸化炭素拡散能、総肺容量低下と関連する。しかし、今まで死亡率との関連性は検討されてない。

目的  間質性肺病変が死亡率増加と関連するか検討

デザイン・セッティング・対象 前向きコホート研究
2633名 FHS (Framingham Heart Study; computed tomographic [CT] scans obtained September 2008-March 2011)
5320名 AGES-Reykjavik Study (Age Gene/Environment Susceptibility; recruited January 2002-February 2006)
2068名 COPDGene Study (Chronic Obstructive Pulmonary Disease; recruited November 2007-April 2010)
1670名 ECLIPSE (Evaluation of COPD Longitudinally to Identify Predictive Surrogate Endpoints; between December 2005-December 2006)


暴露 胸部CT評価による間質性肺病変異常


主要アウトカム・測定  中央値フォローアップ期間 約3〜9年
死因情報をAGES-Reykjavik cohort調査


結果
間質性肺病変はそれぞれ、 FHS 177 (7%) / 2633,  AGES-Reykjavik 378 (7%) /5320  , COPDGene 156 (8%) / 2068, ECLIPSE 157 (9%) /1670

フォローアップ期間中央値(3-9年)において、間質性肺病変有さない場合に比べ、有する場合の死亡率(死亡率絶対率の方が大)増加

FHS 7% vs 1%  (6% difference [95% CI, 2% to 10%])
AGES-Reykjavik 56% vs 33% (23% difference [95% CI, 18% to 28%])
ECLIPSE 11% vs 5% (6% difference [95% CI, 1% to 11%])

共役要素補正後、間質性肺病変は死亡リスク増加と関連
FHS (hazard ratio [HR], 2.7 [95% CI, 1.1 to 6.5]; P = .03)
AGES-Reykjavik (HR, 1.3 [95% CI, 1.2 to 1.4]; P < .001)
COPDGene (HR, 1.8 [95% CI, 1.1 to 2.8]; P = .01)
ECLIPSE (HR, 1.4 [95% CI, 1.1 to 2.0]; P = .02)


AGES-Reykjavik cohortで、死亡率増加は、呼吸器疾患、特に背仙位h総での死亡率増加により説明可能



結論・知見 4つの独立研究コホートにおいて、間質性肺病変は全原因死亡率増加と関連。
臨床的意味Iは今後の課題

2016年2月16日火曜日

EPO製剤によるCKD貧血治療によるQOL効果に疑問?

 EPO製剤によるCKD貧血治療によるQOL効果に疑問?


 http://www.jsn.or.jp/ckd/pdf/CKD06.pdf

この変更が必要?

The Effect of Erythropoietin-Stimulating Agents on Health-Related Quality of Life in Anemia of Chronic Kidney Disease: A Systematic Review and Meta-analysis
David Collister, et. al.
Ann Intern Med. Published online 16 February 2016 doi:10.7326/M15-1839
http://annals.org/article.aspx?articleid=2491918

17の検証研究中、SF-36 13 、KDQアウトカム 4
透析未施行(n=12)、透析(n=4)、混合サンプル (n=1)

バイアスリスク小さいのは4つのみ

pooled解析にて、Hb濃度ターゲット高くても、SF-36、KDQドメイン共に、統計的有意差、臨床的有意差認めず
HRQOLはさらにバイアスリスク低い研究、透析患者で減衰

認知症予防のためプロトンポンプ阻害剤使用を控えよう

観察研究データを使用した前向きコホート:2004-2011年、ドイツ最大の保険者、 Allgemeine Ortskrankenkassen (AOK)のデータ


PPIは、マウスの実験で、脳内のβアミロイド増加報告(PLoS ONE 8(3): e58837.)有り、認知機能低下に関わる可能性あり、その検証過程の一つ


Association of Proton Pump Inhibitors With Risk of Dementia
A Pharmacoepidemiological Claims Data Analysis ONLINE FIRST
Willy Gomm, et. al.
JAMA Neurol. Published online February 15, 2016. 
doi:10.1001/jamaneurol.2015.4791


認知症ベースライン認めない75歳以上、73,679名

PPI定期服用 (n = 2950; 平均 [SD] 歳, 83.8 [5.4] 歳;女性 77.9%) は非服用群 (n = 70 729; 平均 [SD] 歳, 83.0 [5.6]歳; 女性 73.6%) に比べ有意に認知症リスク増加 (ハザード比, 1.44 [95% CI, 1.36-1.52]; P < .001)



2016年2月15日月曜日

「くしゃみ」は風船のように広がり、破綻して、水泡として散らばる

MITの研究者たちのとらえた新しいハイスピードカメラにより、「くしゃみ」が液状のシートとして風船のように膨らみ、一部破綻した長いフィラメントが破れ、最後に、水滴状のスプレーとして散らばる、「空気中に放り投げたペイントのよう」と表現

http://news.mit.edu/2016/sneezing-fluid-cascade-not-simple-spray-0210

100を超える健常者くしゃみの動画撮影



http://abcnews.go.com/Health/high-speed-images-freeze-sneeze-explain-spread-germs/story?id=36904280


 



Visualization of sneeze ejecta: steps of fluid fragmentation leading to respiratory droplets
Research Article
Experiments in Fluids February 2016, 57:24 First online: 20 January 2016
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00348-015-2078-4


Sneezing produces complex fluid cascade, not a simple spray
High-speed imaging shows how fluid breaks apart in air, may help identify super-spreaders.
Jennifer Chu | MIT News Office February 10, 2016
http://news.mit.edu/2016/sneezing-fluid-cascade-not-simple-spray-0210

腹部大動脈瘤(AAA)と喘息のpossible link :直近活動性喘息はAAAおよび破裂AAAと関連

腹部動脈瘤(AAA)と喘息という2つの疾患は炎症的側面を共有する疾患でもある。腹部大動脈瘤の病理として、肥胖細胞・IgE増加し、reaginic immunityが関与も示唆されている。様々なLT類などの関与も・・・


ということで、抗喘息薬の副事象としてのAAA破裂というわけではなく、喘息・可逆性気道疾患とAAAのpossible linkを探る検討

直近活動性ある喘息は腹部大動脈瘤リスク増加し、破裂リスクも増加する




デンマーク国民レジストリ研究


Asthma Associates With Human Abdominal Aortic Aneurysm and Rupture
Cong-Lin Liu ,et. al. ATVBAHA.115.306497
Published online before print February 11, 2016, doi: 10.1161/ATVBAHA.115.306497
http://atvb.ahajournals.org/content/early/2016/01/07/ATVBAHA.115.306497.abstract



Danish National Registry
破裂腹部大動脈瘤全例と年齢・性マッチ化住民ベースの国民症例対照研究 Viborg vascular screening trial.
(1996-2012年、デンマーク)


喘息患者は病院診断、気管支拡張剤使用、抗喘息薬処方記録によりカテゴリー化

ロジスティック回帰モデルにて、指数日前6ヶ月未満6ヶ月までの喘息診断は破裂前でのAAAリスク増加

喘息診断がAAA破裂全リスク増加1年未満〜6ヶ月間 (オッズ比 [OR]=1.60–2.12) 、AAA合併症補正後リスク増加 (OR=1.51–2.06)

気管支拡張剤は、指数日前90日内AAA破裂リスクを増加 補正前 (OR=1.10–1.37) 、補正後(OR=1.10–1.31)

抗喘息薬処方患者は同様に補正前後とも破裂リスクと相関 (OR=1.12–1.79、OR=1.09–1.48)

Viborg vascular trialにて、抗喘息薬使用は、AAAリスクと補正前相関 (OR=1.45) 、喫煙補正後も相関 (OR=1.45)、他リスク要素補正後も相関(OR=1.46)



2016年2月12日金曜日

COPDリアルワールド研究死亡率比較:チオトロピウムチオトロピウム vs LABAs 

イタリアのリアルワールド研究:チオトロピウム vs LABA 安全性比較研究

結局、チオトロピウムでLABA比較で1年死亡率増加認めず

One-year mortality associated with COPD treatment: a comparison of tiotropium and long-acting beta2-agonists in three Italian regions: results from the OUTPUL study
Ursula Kirchmayer ,et. al. and , on behalf of the OUTPUL study group
Pharmacoepidemilogy & Drug Safety
Article first published online: 29 JAN 2016
DOI: 10.1002/pds.3961



33,891名登録 
チオトロピウム 28%
LABA 56%
両者 16%

年齢中央値74%、死亡率は腎炎 122/1000人年8ITT解析)、108(AT解析)


チオトロピウムの対LABA補正ハザード比は ITT 1.06 (95% CI, 0.94 - 1.20)、 AT
 1.00 (95% CI: 0.93 - 1.08)




COPDの臨床治験は、心血管系薬剤治験とくらべ、プライマリエンドポイントやセカンダリアウトカムがよりマイルドな項目の羅列であることが多い。
UPLIFTだって死亡率では有意差でてないのに、まるでMACEアウトカムで有意差がでた蚊の如く扱う呼吸系の医者たち・・・恥ずかしくないのだろうか?



2012年の報告だが、COPD急性増悪・疾患関連入院予防においてTioがLABAより有効で、、全原因入院や死亡率で大差は無く、副事象に関してはLABAに比べ重篤副作用や研究中断が少ない
Cochrane Database Syst Rev. 2012 Sep 12;9:CD009157. 
doi: 10.1002/14651858.CD009157.pub2.


それ以降は、合剤と単剤比較が多く、LAMA vs LABA比較少ない

Framingham Heart Study: 認知症発生は10年毎減少 :背景リスク減少だけでは説明できないがライフスタイル健全化による改善の可能性

高齢化に伴い発生頻度は減少していても絶対数としてみれば増加しているとみるべきなのだろうか?



Incidence of Dementia over Three Decades in the Framingham Heart Study
Claudia L. et. al.
N Engl J Med 2016; 374:523-532February 11, 2016
DOI: 10.1056/NEJMoa1504327


5年間年齢-性別-補正累積ハザード比100名あたり
認知症に関して、1970年代後半~1980年代前半:1st epoch 3.6、 1980年代後半~1990年代前半 2.8、1990年代後半~2000年代前半 2.2、2000年代後半~2010年代前半 2.0


1st epoch比較、第2 22%、第3 38%、第4 44%とそれぞれ減少

リスク減少は、高卒資格以上でのみ見られる (ハザード比, 0.77; 95% 信頼区間, 0.67 to 0.88).

(肥満・糖尿病を除く)多頻度血管リスクと、卒中、心房細動、心不全と関連する認知症リスクはepochとともに減少するも、これらの傾向だけでは認知症発生頻度減少を完全には説明できない

COPD診療:CAT

mMRC:modified Medical Research Council scaleやCAT:COPD Assessment Testは、COPD患者での健康状態評価単純ツール




結論から言えば、CAT 10以上とmMRC 2以上を同等にあつかう科学的エビデンス認めずということで、さしあたり、CATを臨床評価を健康状態評価ツールとして用いるのが順当・・・ということか?



The COPD Assessment Test: What Do We Know So Far?: A Systematic Review and Meta-Analysis About Clinical Outcomes Prediction and Classification of Patients Into GOLD Stages
Manuela Karloh, et. al.

Chest. 2016;149(2):413-425. doi:10.1378/chest.15-1752



2名の調査者が独立して検討

453研究中17を採用し8つでメタアナリシス施行
CATスコア予測モデルは、変数50%未満検出可能
CATスコアは急性増悪、うつ、健康状態急激悪化、死亡率の予測要素


全ての研究では、どの Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease categoryでもCAT 10以上あるいはmMRC 2以上で分布ばらつきあり

平均的分布はインスツルメントにより13%ほど異なる  
 CAT、mMRCのκ agreement は 0.13 ~ 0.77






http://www.goldcopd.org/uploads/users/files/GOLD_Report_2011_Feb21.pdf


2016年2月10日水曜日

代謝的に健康な体重過多・肥満でもCKDリスク増加

代謝的に健康な体重過多・肥満でもCKDリスク増加を生じる

Metabolically Healthy Obesity and Development of Chronic Kidney Disease: A Cohort Study Yoosoo Chang, et. al.
Ann Intern Med. Published online 9 February 2016



369,088人年フォローアップ期間に於いて、多変量補正5年累積CKD頻度は1000人対


低体重:−4.0 (95% CI, −7.8 〜 −0.3)
過剰体重:3.5 (CI, 0.9 〜 6.1)
肥満:6.7 (CI, 3.0 〜 10.4)

市中肺炎入院成人患者への抗生剤:入院後4-8時間以内βラクタム製剤+マクロライドもしくはフルオロキノロン投与にて短期死亡率改善

市中肺炎入院成人患者への抗生剤:システマティック・レビュー




Antibiotic Therapy for Adults Hospitalized With Community-Acquired Pneumonia
 A Systematic Review
Jonathan S. Lee,et. al.
JAMA. 2016;315(6):593-602. doi:10.1001/jama.2016.0115


市中肺炎入院成人抗生剤治療

20研究(17観察、3ランダム治験)クライテリア合致

4最大研究(2,878 - 1170,022)で入院後4-8時間内抗生剤投与は死亡率減少 5% - 43%と関連
4最小研究(451-2076)では、抗生剤開始と死亡率のタイミングに相関認めず

1つのクラスターランダム化トライアル(n=1737)では、βラクタム単剤(n=506) vs βラクタム+マクロライド併用(n=566)で絶対的補正差  90日死亡率 2.5% (90% CI, -0.6% - 5.2%)で、βラクタム単独の方が良好

2つめのランダム化トライアル(n=580)では、7入院日臨床的安定状況到達において、βラクタム vs βラクタム+マクロライド併用治療の非劣性検出できず、絶対的差は7.6%(片側90% CI 上限, 13.0%)で、βラクタム+マクロライド併用の方が良好

8つの観察研究中6つ(1188 - 24,780)では、併用群で短期死亡率相対的減少 26% - 68%
3観察研究全て(2068 - 24,780)では、 フルオロキノロン単独はβラクタム単独より死亡率相対的減少 30% - 43%



1つのランダムトライアル(n=302)で有意な入院期間減少(絶対差, 1.9日; 95% CI, 0.6 - 3.2日間)だったが、客観的臨床クライテリアで静注から経口変更使用した場合治療失敗の差を認めず






例えばイギリスのガイドライン(2015年update)では





入院症例では、ルートはともかくCo-Amoxiclav+クラリスロマイシン 、レジオネラ疑う場合はレボフロキサシン第一選択となっている




サンフォード熱病では
第一選択

    (CTRX 1g静注24時間ごと,またはCeftaroline 600mg静注12時間ごと)<日本では開発中止?>+AZM 500mg静注24時間ごと,または
    Ertapenem 1g24時間ごと+AZM 500mg静注24時間ごと

第二選択

    LVFX 750mg静注24時間ごと,または
    MFLX 400mg静注†24時間ごと

      治療期間:5~7日(N Engl J Med 370: 543, 2014).

    中等または重症の市中肺炎の入院患者において,βラクタム/マクロライド併用はβラクタム系単独投与(したがって,フルオロキノロン単独投与の患者は含まれていない)に比べアウトカムを改善したが,軽症患者では改善はみられなかった(Thorax 68: 493, 2013).
・・・という追記あり






2016年2月9日火曜日

時差治療:フラッシュ光線有効

時差ぼけに対する短時間の光線療法だが、光線をフラッシュ暴露することで時差対応迅速に可能となるかも・・・



カメラフラッシュに相当する、2 ミリ秒の光線フラッシュを各10秒毎で2時間の概日リズム変動をもたらす。これは36分の持続光線療法に相当する。
これで、覚醒無く睡眠移行可能?



Temporal integration of light flashes by the human circadian system
Raymond P. et. al.
JCI First published February 8, 2016
https://www.jci.org/articles/view/82306

網膜光受容体により検知された光線は、概日タイミング、睡眠、覚醒を誘導する
ヒトのnonimage-forming (NIF):非画像形成光線反応の生理学は詳細不明
光線療法のような生理学的治療介入にどのように役立つか不明であった

39名の被検者、持続的光線(n=8)、2ミリ秒の光線フラッシュ(n=31)を、種々刺激時間間隔(ISIs) 2.5秒から240秒

メラトニン相のシフトと抑制を評価、覚醒・睡眠変化を評価




ヒト概日システムは ピークレスポンスの線形的増加に対し非線形の連続フラッシュをintegrateし、反応ピーク後power function低下を示す




ピークISI時、同等持続ライト 3,800回と比べフラッシュは2倍有効

メラトニン濃度、覚醒はISI-変化により変化認めず



携帯端末でアプリ作成できそう?

in vitro実験:記憶固定にストレス悪影響

記憶固定にストレス悪影響=生体外で再現―阪大
時事通信 2月8日(月)17時19分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160208-00000078-jij-sctch




原論文



An in vitro reproduction of stress-induced memory defects: Effects of corticoids on dendritic spine dynamics
Shinichi Saito,  et. al.
Scientific Reports 6, Article number: 19287 


齧歯類器官型スライス培養モデルLTP( long-term potentiation)の反復導入によりシナプス形成カップリング強化促進長期持続徐行伸展をもたらすことを報告。可塑性RISE(repetitive LTP-induced synaptic enhancement)と名付け、in vitroでの反復によるメモリー固定化を再現。

過剰ストレスが行動的記憶固定化に関与することから、in vitroでのRISEとin vivoでの記憶固定化の疑似化

グルココルチコイドは、樹状突起増殖抑制しRISEを阻害する

これにより、ストレスによる記憶障害のモデル化示したとの要旨



ストレス反応を和らげるはずのストレスホルモンの直接作用の話で、タイトルの「ストレス悪影響」とはちょっと違うような気がする



メディアで見受けるストレス実験ではこの混同に出くわすことが多い


ストレスという言葉の曖昧性が主因だと思う

2016年2月8日月曜日

COPD:身体活動への不安・恐怖は、脳の構造変容、前帯状皮質減少と関連

特に重症COPD患者に見られる心理特性は、恐怖に由来するものなのか?
少なくとも、身体活動への不安・恐怖は、脳の構造変容、前帯状皮質減少と関連するらしい



Structural Brain Changes in Patients With COPD
Roland W. Esser, et. al.
Chest. 2016;149(2):426-434. doi:10.1378/chest.15-0027 

  • COPD患者の脳は皮質変性みられず
  • 灰白質:whole-brain analysisでは後帯状皮質(Posterior cingulate cortex)、regions-of-interest analysisでは前帯状回・中間帯状回、海馬、扁桃体の減少認める
  • 前帯状回灰白質減少は、COPD罹病期間、呼吸困難への恐怖、身体活動への恐怖と逆相関する
  • mediation解析にて罹病期間と前帯状回灰白質減少の関連性は身体活動への恐怖がその介在因子と判明


インチキ脳科学者のまねをすれば、"「学習の初期や問題解決のような、実行に特別な努力を必要とする課題に特に関係している」前帯状皮質は罹病期間長いCOPD患者で萎縮して、運動や呼吸リハビリテーションなどの課題をいやがる”と根拠のない言い方になる



一般的な事象なのかどうかわからないが、HADS-DとHADS-Aうつ、不安調査によれば、ABCDグループ毎に増加するものの、B/C群に解離がある



Impact of symptoms of anxiety and depression on COPD Assessment Test scores
Christina W. Hilmarsen, et. al.
ERS  Published 1 March 2014



COPD患者での身体活動啓発・・・一筋縄ではいかない

2016年2月6日土曜日

妊娠インフルエンザ:抗ウィルス薬早期投与だと入院期間短い:重症インフルエンザで著明、 ワクチン有効性も確認

The benefit of early influenza antiviral treatment of pregnant women hospitalized with laboratory-confirmed influenza
Ikwo Oboho, et. al.
J Infect Dis. (2016) doi: 10.1093/infdis/jiw033First published online: February 3, 2016


重症インフルエンザ定義:ICU入室、人工呼吸、呼吸不全、肺塞栓、敗血症、死亡

コンディション、インフルエンザワクチン、妊娠トリメスター補正後、重症度層別、抗ウィルス治療までのタイミングにより入院期間のパラメトリック生存率解析

865名の妊娠女性、年齢中央値27歳(IQR、23-31歳)

68%の多くで従来健常、85%で抗ウィルス治療

63名、7%で重症、4名死亡

重症度と早期産・胎児死亡と関連

重症女性はワクチン接種群では非接種群に比べて少ない  (14% vs. 26%, p=0.03)

抗ウィルス治療発症後2日間以下 vs 2日超投与比較で
  • 重症インフルエンザ層別グループ内比較LOS中央値(日)は 2.2 (IQR 0.9−5.8; n=8) vs. 7.8 (IQR 3.0−20.6; n=7) (p=0.03)
  • 非重症インフルエンザ層別グループ内比較 2.4 (IQR 2.3−2.5; n=153) vs. 3.1 (IQR 2.8−3.5; n=62) (p<0 .01="" li="">







家庭内にインフルエンザ確認患者が居ればインフルエンザである事前確率高いのは当たり前だとおもう。迅速診断キットで陽性にならなきゃ治療できないと思い込む医者・・・治療の遅れをもたらす可能性がある。医師たちは各自自戒しなきゃ・・・


反ワクチンプロパガンダを垂れ流す方々は、妊娠患者のアウトカム悪化をもたらしている自覚をしてほしいものだ

2016年2月5日金曜日

システマティック・レビュー:喫煙規制法制化による健康ベネフィット

受動喫煙を含め喫煙規制に関する規則制定の動き:健康アウトカムへの影響エビデンスの検討





Cochrane Database of Systematic Reviews 2016
Source Reference: "Legislative smoking bans for reducing harms from secondhand smoke exposure, smoking prevalence and tobacco consumption"
Frazer K, et al
Cochrane Database of Systematic Reviews online, Feb.
4, 2016.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD005992.pub3/abstract


公共の場での喫煙規制法が健康アウトカム改善効果をもたらす

77の研究のアップデートレビュー、12のオリジナル、65の新規研究
21ヶ国からのエビ炎スをアップデートし、8各国従来より増加
介入はランダム対照トライアル、36研究はinterrupted time series study design、23は対照化前後比較デザイン、18は対照をとらない前後比較、6つはコホート
72が健康アウトカム、心血管、呼吸器系、周産期。11研究は喫煙関連疾患による国内死亡率
多数の研究で健康アウトカム多数報告


一致した結果で、国内喫煙制限のインパクトはポジティブで、心血管健康アウトカム改善、喫煙関連疾患死亡率減少
呼吸器系・周産期での効果は一致せず
国内喫煙規制法制の喫煙への行動影響24研究
喫煙規制法制化の喫煙頻度・たばこ消費量へのエビデンスは一致していない
研究の中には喫煙頻度のトレンドとして長期変化が見られたというものもある







Cochrane Review: Smoking Bans Appear To Improve Health Outcomes
Cardiovascular disease admission rates fall after prohibitions begin
http://www.medpagetoday.com/Pulmonology/Smoking/56000

急性心筋梗塞/急性冠症候群の有意減少が喫煙制限法で改善し、12研究で入院退院率現象報告

2014年発表のドイツのレジストリ研究(Smoking ban in public areas is associated with a reduced incidence of hospital admissions due to ST-elevation myocardial infarctions in non-smokers. Results from the BREMEN STEMI REGISTRY
European Journal of Preventive Cardiology September 2014 21: 1180-1186)では、ST上昇型心筋梗塞を禁煙

低レベル品質研究で、喫煙関連疾患死亡率減少が示された。
意外なのは呼吸器系・周産期健康アウトカムへのエビデンス不足

不良デバイスPOCによる臨床トライアル:ROCKET AF 信頼性崩れる?

イグザレルト:リバーロキサバンの心房細動治療のエビデンス・・・崩れるか?




Rivaroxaban Once Daily Oral Direct Factor Xa Inhibition Compared with Vitamin K Antagonism for Prevention of Stroke and Embolism Trial in Atrial Fibrillation (ROCKET AF)試験<N Engl J Med 2011; 365:883-891>でのINR測定POC機器(Alere)は心房細動患者の卒中・全身塞栓への予防効果あるとされた。  2014年12月トライアル完遂後米国FDAはこの治験に使われたPOC機器・ Alere INRatio Monitor System (formally known as the Hemosense INRatio device)のリコールが求められた



欠陥検査デバイスはINR値を低下させ、不適切にワルファリンの用量増加をもたらし出血イベントを増加させ、ワルファリン不利・リバーロキサバン有利な治験結果をもたらした可能性




リコール下条件と非リコール下条件を比べ、結果的には、有効性・安全性結論にさほど大きな影響を与えてないという分析結果





To understand the effect of possible device malfunction leading to lower INR values and inappropriately high doses of warfarin and bleeding, we conducted a series of post hoc analyses of the ROCKET AF data.

Point-of-Care Warfarin Monitoring in the ROCKET AF Trial
February 3, 2016DOI: 10.1056/NEJMc1515842
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc1515842?query=featured_home

プライマリ解析にて、overall trial population (as-treated population)及びno-recall 条件のリバーロキサバンとワルファリンの主要効果・安全性アウトカム比較。継続解析にてリコール条件下比較 サブグループ解析



有効性に関しては、プライマリトライアルと一致したITT、per-protocol結果
安全性に関しては、非リコール状況では8942名、63%、リコール状況では5294(37%)

リコール無し条件ではリコール条件に比べ若年(72 歳 vs. 74 歳) で、卒中・TIA病歴多い(57% vs. 51%)、糖尿病少ない (39% vs. 42%)、エントリー前ビタミンK拮抗剤治療歴少ない (60% vs. 66%)

リコール下条件:PDF S6
非リコール下条件:PDF S7


2016年2月4日木曜日

喫煙関連疾患:呼気中の中枢気道虚脱(ECAC)・・・ 呼吸関連QOL増悪と関連

呼気中の中枢気道虚脱:ECAC、気腫・COPD有無にかかわらず呼吸器系QOL増悪と関係する ・・・ 新しい病態とでも言えるかもしれない

気管気管支軟化症(TBM)は横断面・矢状断面でダイナミックな気道狭窄を生じる病態。これは気管膜様部と関連するかどうか。さらに慢性気管支炎、肺気腫、喘息、喫煙関連においてECACがある症例存在する。膜様部においては長軸弾性線維の減少・萎縮により気管の脆弱性、軟骨密度の低下により気道の虚脱を生じる。先天性や創刊後、外傷、感染後、長軸外的圧迫、慢性炎症などが原因らしい。




 Association Between Expiratory Central Airway Collapse and Respiratory Outcomes Among Smokers
Surya P. Bhatt, et. al. ; for the Genetic Epidemiology of COPD (COPDGene) Investigators
JAMA. 2016;315(5):498-505. doi:10.1001/jama.2015.19431. 
序文  呼気時腔内面積50%超の中枢気道虚脱(ECAC)は、喫煙・COPDと関連する
しかしその頻度や臨床的意義不明

研究目的 ECACが、基礎肺疾患と独立して、喫煙者の呼吸系合併症と関連するか否か?
デザイン・セッティング・被検者 米国内21の臨床センタ、COPDGene研究の大規模多施設研究の吸気・呼気CTペア解析と喫煙既往
2008年1月〜2011年6月まで登録、2014年10月まで長軸フォローアップ。
定量法:吸気・呼気時気管直径最小axisの30%縮小以上を検知
スクリーン陽性スキャンサンプルから、気管横断面積を3つの事前決定レベルでマニュアルに3ヶ所測定し、EACを確認(横断面減少50%超)

暴露  呼気中枢気道虚脱

主要アウトカム・測定 
  • プライマリ・アウトカム: ベースライン呼吸 (St George’s Respiratory Questionnaire [SGRQ] scale 0 to 100; 健康状態最悪 100; minimum clinically important difference [MCID], 4 units)
  • セカンダリ・アウトカム:  ベースライン呼吸困難度 (modified Medical Research Council [mMRC] scale 0 to 4; 4 represents worse dyspnea; MCID, 0.7 units)、6-minute walk distance (MCID, 30 m)、長軸フォローアップ中  (100人年あたり) 

結果 COPD有無を含め8820名登録(平均年齢 59.7[SD, 6.9]歳、男性 56.7% 4667名、 現行喫煙 51.7%、4559名)
ECAC頻度は5%(443名)

年齢・整・人種・BMI、FEV1、喫煙pack-year、肺気腫補正後
ECAC存在患者はECAC非存在患者に比べ
  • SGRQ score悪化 (30.9 vs 26.5 units; P < .001; absolute difference, 4.4 [95% CI, 2.2-6.6]) 
  • mMRC scale scores悪化 (median, 2 [4分位 [IQR], 0-3]) vs 1 [IQR, 0-3]; P < .001])
  • しかし、6分間歩行距離の差は有意でない (399 vs 417 m; absolute difference, 18 m [95% CI, 6-30]; P = .30)
フォローアップ(中央値、4.3[IQR, 3.2 - 4.9 ] 年間)後、ECAC患者は 
  • 急性増悪回数増加 (58 vs 35 events / 100 人年あたり; 発生比[IRR], 1.49 [95% CI, 1.29-1.72]; P < .001) 
  • 入院必要な急性増悪 回数増加(17 vs 10 events / 100 人年あたり; IRR, 1.83 [95% CI, 1.51-2.21]; P < .001)

結論・知見 現行喫煙・喫煙既往者において、ECACの存在は呼吸器QOL増悪と関連する
臨床的アウトカムとの長期関連性評価必要

客観的指標:身体不活発と2型糖尿病・メタボリックシンドロームの関連性

客観的身体活動性データによる分析だから意義があるのだろう。実際、客観的指標測定による身体活発整データによる代謝リスク検討研究極めて少ない


横断研究だが、2型糖尿病、メタボリックシンドロームの人は、正常糖代謝の人に比べ、(身体)活動性低い。身体非活動時間多いほど有意に2型糖尿病発症増加するも、非活動時間の中断数、非活動長時間数増加、平均非活動時間数などは相関しない・・・ということが確認された



体を動かさない時間数に比例して肥満・メタボリックシンドロームリスク増加するってことなのだろう



Associations of total amount and patterns of sedentary behaviour with type 2 diabetes and the metabolic syndrome: The Maastricht Study
Julianne D. van der Berg , et. al.
Diabetologia pp 1-10
http://link.springer.com/article/10.1007/s00125-015-3861-8


Maastricht Study :activPAL accelerometer装着 24時間/日8日連続

正常糖代謝 1395名 (15.5%) 、糖代謝異常 388名 (15.5%) 、2型糖尿病 714名 (15.5%)


非活動時間増加毎のオッズ比
2型糖尿病  1.22 (95% CI 1.13, 1.32)
メタボリックシンドローム  1.39 (1.27, 1.53)


非活動から活動へのbreak数、一連の非活動単位長時間となる数、その平均時間数は、血糖代謝やメタボリックシンドロームとの相関認めないか、もしくは極軽度


正常糖代謝、糖代謝異常、2型糖尿病からみれば・・・さほど差が目立たない気がするが・・・






肥満非糖尿病妊婦へのメトホルミン:体重増加抑制効果

妊娠中のメトホルミン
禁忌「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」」となっている日本

メトホルミンはインスリン感受性改善する

現実にはPCOSなどでも用いられ、「催奇形性」増大リスクには疑念が持たれている・・・日本の薬事行政の(たくさんある)問題点の一つで、現場への責任押しつけとなっている




BMI 35超だが非糖尿病妊娠女性を対象にメトホルミン使用・・・新生児体重への変化は認めないが、母体の体重増加防止効果有り

科学的エビデンスを直に適応できなくしている・・・日本の厚労省



Metformin versus Placebo in Obese Pregnant Women without Diabetes Mellitus
Argyro Syngelaki,et.al.
N Engl J Med 2016; 374:434-443February 4, 2016

二重盲検プラシーボ対照化トライアル
BMI 35超の非糖尿病妊娠女性
・メトホルミン 3.0g/day 
・プラシーボ
妊娠期12-18週でエントリー
プライマリアウトカムは、新生児出生体重zスコア 0.3SD減少(新生児妊娠齢比較20%→10%増大 50%減少と同等)
セカンダリアウトカムは母体体重増加、妊娠糖尿病発症、preeclampsia(「妊娠高血圧腎症」)、新生児アウトカム副事象発生

総数50名トライアル中同意断念、残り、メトホルミン群2 202名、 プラシーボ群 198名 
新生児出生体重中央値zスコアの群差認めず
(メトホルミン群 0.05  [4分位レンジ, −0.71 〜 0.92]、プラシーボ群  0.17  [4分位レンジ, −0.62 〜 0.89], P=0.66) 
母体妊娠体重増加中央値はプラシーボ群よりメトホルミン群で低値  (4.6 kg [4分位レンジ, 1.3 to 7.2] vs. 6.3 kg [4分位レンジ, 2.9  〜  9.2], P<0 .001="" 0.10="" 0.24="" 11.3="" 95="" l="" nbsp="" p="0.001) </blockquote" vs.="">
副作用頻度はメトホルミン群で対プラシーボ群より高い 
妊娠糖尿病頻度、新生児妊娠齢比巨大化、副事象新生児アウトカム発生有意差認めず

2016年2月3日水曜日

ジカ熱:STDとしての側面

ジカ熱は蚊媒介だけではない可能性

米国CDCには・・・
http://www.cdc.gov/zika/transmission/index.html

3つの感染ルート報告が記載されている
・蚊
・稀に、母子感染
・性的接触経由



不顕性もしくは非重篤感染が主といえる感染症
知らず知らずにヒト・ヒト感染を生じる可能性ある

CDCはZikaウィルス感染予防は蚊対策と共にコンドームの使用を勧めている

https://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2016/02/02/dallas-reports-case-of-zika-spread-through-sexual-transmission/




カトリックの多い国で、社会的問題としての側面も出現は想像できた
Zika's no-pregnancy warnings put Catholic teachings under pressure
http://www.csmonitor.com/World/Global-News/2016/0203/Zika-s-no-pregnancy-warnings-put-Catholic-teachings-under-pressure

剖検報告:老人において海産物摂取は脳内水銀濃度増加をもたらすが、認知症・脳梗塞病理所見減少をもたらす 但し、APOE ε4キャリアのみ

フィッシュオイル、魚油サプリメントでは効果認めてません・・・と、先に書いておこう


そして、やはり魚の摂取は脳内の水銀濃度増加に関わるということも・・・故に、小児以下ではマグロなんてたらふく食べさせるべきではない(回転寿司屋のテレビシーンで時に見かけるが、子供がマグロ食べる・・・親を含めた周囲の見識の低さを嘆きたくなる)




だが、老人においては、海産物摂取は直接脳内の水銀蓄積と関連あるものの、アルツハイマー病やマクロ脳梗塞予防効果が剖検で確認された



ただし個別感受性があるようで、APOE ε4キャリアのみに認知症予防効果認める
ここが重要なのに 要約では、付け足しのように書かれてる


 MedPageのタイトルの方がマッチする・・・
Seafood Appears Neuroprotective in APOE4 Carriers
No increase in brain pathology seen with higher mercury levels
http://www.medpagetoday.com/Neurology/AlzheimersDisease/55961

横断研究のため評価に限界があるが、今後、ApoE層別化戦略で認知症予防役立つだろうか?


Association of Seafood Consumption, Brain Mercury Level, and APOE ε4 Status With Brain Neuropathology in Older Adults 
Martha Clare Morris,  et. al.
JAMA. 2016;315(5):489-497. doi:10.1001/jama.2015.19451.
【序文】  シーフード食品消費が多くの健康ベネフィットのため推奨されているが、神経毒である水銀を含むことに懸念が存在する。

【目的】海産物摂取消費が、脳内水銀レベルと相関するか否か、俣、海産物摂取消費が脳の神経病理と関連するかどうかの検証目

【デザイン・セッティング・被検者】the Memory and Aging Project clinical neuropathological cohort study、2004-2013年における、死者横断解析。被検者はシカゴの退職コミュニティ・優良賃貸住宅居住者。研究は554名死亡被検者のうち剖検286名(51.6%)。
平均年齢(SD)は89.9(6.1)歳、女性 67%(193)、平均(SD)教育経験年数14.6(2.7)年間

【介入暴露】海産物摂取量評価:死亡前平均年数4.5年間の食事回数アンケートによる1回測定評価

【主要アウトカム・測定項目】 認知症関連病理は、アルツハイマー病、レビー小体、macro梗塞、micro梗塞。海産物食事摂取、n-3脂肪酸を食事回数アンケートにて死亡前年数年時評価
水銀・セレニウム組織濃度をinstrumental neutron activation analysis(中性子放射化分析 )にて測定

【結果】544名の被検者中286名剖検において、脳水銀濃度は1週あたりの海産物食事摂取量と相関  (ρ = 0.16; P =0 .02) 
年齢、性別、教育、総エネルギー摂取量補正モデルにて、海産物食事摂取量(1週あたり1meal以上)で、老人斑(neutric plaque)濃度を含むアルツハイマー病病理の少なさと有意相関 (β = −0.69 score units [95% CI, −1.34 to −0.04])、神経原線維濃縮体(neurofibrillary tangle)の重症度・広がりの少なさと有意相関 (β = −0.77 score units [95% CI, −1.52 to −0.02])、アルツハイマー病定義の神経病理所見の少なさと有意相関(β = −0.53 score units [95% CI, −0.96 to −0.10])  
しかし、アポリポ蛋白Eキャリア (APOE ε4) にのみの所見

α-リノレン酸 (18:3 n-3) の摂取レベル高値ほど、脳のmacro梗塞オッズ比低下  (3分位オッズ比  3 vs 1, 0.51 [95% CI, 0.27 to 0.94]) 
フィッシュオイル、魚油サプリメントは神経病理マーカーのいずれとも統計学的有意相関せず 
水銀濃度増加は脳の神経病理レベル増加と統計学的有意相関なし

【結論と知見】横断分析にて、中等度程度の海産物摂取量では、アルツハイマー型認知症神経病理所見減少と相関。海産物摂取は脳内水銀濃度増加と相関するが、これらのレベルは脳神経病理とは相関せず

State-Of-The-Art ;糖尿病患者の冠動脈性心疾患リスクは不均一

JACCの生涯学習素材でもある、無症状糖尿病患者の心血管リスク評価:State-Of-The-Art


もしカルシウムスコアが高ければ、機能的ストレステスト必要


糖尿病患者の25%〜30%では心血管リスクが低く、冠動脈性心疾患リスクは以前想定されていたより低いという新しいエビデンス
糖尿病患者には心血管リスクの不均一分布があり、一律の治療する前にリスク層別化が必要となる





Noninvasive Cardiovascular Risk Assessment of the Asymptomatic Diabetic Patient
The Imaging Council of the American College of Cardiology
State-Of-The-Art Pape February 2016
CME
Matthew J. Budoff,  et. al.
J Am Coll Cardiol Img. 2016;9(2):176-192.






2016年2月2日火曜日

携帯電話へのテキストメッセージ:慢性疾患薬物アドヒアランス向上に役立つ メタアナリシス

 携帯電話テキストメッセージを用い慢性疾患の薬剤アドヒアランス改善効果をみた研究のメタアナリシス



 患者が了解すれば良い方法なのかもしれない、薬物アドヒアランス向上のための携帯メールなどテキストメッセージ





 Mobile Telephone Text Messaging for Medication Adherence in Chronic DiseaseA Meta-analysis
Jay Thakkar, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 01, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2015.7667

16のRCT、うち5つは個別化、8つは2方向性コミュニケーション、8つは1日1回のメッセージで頻回
介入期間中央値は12週間、自己報告が最も用いられる薬剤アドヒアランス評価方法


2742名、年齢中央値39歳、女性 50.3%のプール化解析では薬剤アドヒアランス改善有意:オッズ比, 2.11 ; 95% CI, 1.52 - 2.93 ;  P < 0.001)


効果は研究特性、テキストメッセージ特性(個別化、2方向コミュニケーション、連日テキストメッセージ)によりsensitiveではない



研究質に基づく登録クライテリアの変化に応じ感度分析では影響残る   (オッズ比, 1.67; 95% CI, 1.21-2.29; P = .002)


臨床トライアルのheterogeneity中等度(I2=62%)
出版バイアス補正後、ポイント推定は減少するも介入効果は残存  (オッズ比, 1.68; 95% CI, 1.18-2.39)

マリファナ使用既往は、言語記憶低下と関連

関係ないが、Coronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA) studyってのもいろんな要素を包括しているコホートなんだなぁ


マリファナ使用既往は、言語記憶低下と関連
現行使用は、あらゆる認知機能ドメイン低下と関連


Association Between Lifetime Marijuana Use and Cognitive Function in Middle AgeThe Coronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA) Study
Reto Auer, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 01, 2016. 

 Coronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA) study
1885年3月25日〜1986年6月7日(year 0)での黒人・白人 5115名、18-30歳男女
25年フォローアップ(1986年6月7日から2011年8月31日 )
マリファナ暴露累積量を推定(1 year=365日マリファナ使用)
year 25で認知機能評価


year 25での認知機能3つのドメイン評価
  • Rey Auditory Verbal Learning Test (verbal memory)
  • Digit Symbol Substitution Test (processing speed)
  • Stroop Interference Test (executive function)


 year 25受診での認知機能評価3385名中、マリファナ使用歴 2852名、84.3%、中年期も使用 392、11.6%


マリファナ現行使用は、言語記憶、処理速度悪化と相関
マリファナ生涯累積暴露量は認知機能3つのドメイン全部でパフォーマンス悪化と相関


現行使用除外・寄与要素補正後、マリファナ生涯累積暴露量 で有意相関残存は言語記憶悪化


過去使用5年毎、言語記憶障害は標準化単位 0.13 (95% CI, -0.24 〜 -0.02)減少し、5年間毎、15ワードリストから1つずつ言葉記憶喪失するに相当。


補正後、遂行機能低下 (–0.03 [95% CI, −0.12 to 0.07]; P = .56)とは相関せず、プロセススピード低下 (–0.04 [95% CI, −0.16 to 0.08]; P = .51)とも相関せず










ジカ熱


ジカ熱は、フラビウイルス科フラビウイルス属のジカウイルスによる蚊媒介感染症である。ジカウイルスは、1947年にウガンダのZika forest(ジカ森林)のアカゲザルから初めて分離され、ヒトからは1968年にナイジェリアで行われた研究の中で分離された。 
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/sa/zika.html



厚労省サイトによれば

「ブラジル保健省は、妊娠中のジカ熱感染と胎児の小頭症に関連がみられるとの発表をしており、 2016 年1月 15 日には、米国 CDC が、妊娠中のジカ熱感染に関してより詳細な調査結果が得られるまでは、流行国地域への妊婦の方の渡航を控えるよう警告を発出しました」

輸入感染として日本に定着しないかという不安も残るが、死亡例はまれで感染症状もさほど重篤ではないということで、妊婦対応に話が集中



「2015年初めにブラジル北東部でジカ・ウィルス確認され、この地域に9月に小頭症の報告増加あり、レジストリ35例報告。うち、その母親の74%に妊娠中有発疹発熱。71%がSD3未満の重症小頭症で、神経障害1つ以上あり、画像診断異常を認めた」
http://www.cdc.gov/mmwr/volumes/65/wr/mm6503e2.htm


妊娠を控えるだけじゃなく、中絶騒ぎにまでなっている現状が報道されている
http://www.newsweek.com/zika-could-change-abortion-conversation-latin-america-421761


過剰対応なのかどうか? 地域柄、カトリックも多い地域・・・社会的問題となっているのも頷ける




下記如く、 デング熱より軽症で非特異的な感染症症状主体、となると渡航歴だけが頼り



症状が軽度発熱などちょっとしたかぜとして見逃される可能性が高いこと と 潜伏期間が問題になりそう



実際、医療機関の対応は・・・


医療機関の情報提供について、
1) 医療機関において、下記の情報を参考に、渡航歴や臨床症状等からジカ熱の可能性が考えられる患者を診察した場合には、最寄りの保健所に情報提供をお願いします。
ジカ熱の臨床上の特徴
(1)症状
主として軽度の発熱(<38 .5="" font="">、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などを呈する者(一般的にデング熱、チクングニア熱より軽症だが、血小板減少などが認められる場合もある)
(2)潜伏期間 3日~12日
(3)感染経路 ウイルスに感染した媒介蚊の吸血によりヒトへ感染
3) ジカ熱の流行国地域
本年1月 15 日時点で、ブラジル、コロンビア、エルサルバドル、仏領ギアナ、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、マルティニーク、メキシコ、パナマ、パラグアイ、プエルトリコ、スリナム、ベネズエラ
・・・



Countries and territories with active Zika virus transmission


http://www.cdc.gov/zika/geo/index.html


渡航歴あり発熱者を診たら・・・保健所あたりに連絡をとる必要があるだろう





NIID:国立感染症研究所 ジカ熱とは http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/6224-zika-fever-info.html

ジカウイルス感染症(ジカ熱)のリスクアセスメント
2016年1月26日更新  国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/sa/zika/6227-zikara-160125.html




厚生労働省 ジカ熱について

1 ジカ熱に関するQ&A

ジカ熱に関するQ&A



2 自治体、医療機関向けの情報

2016年01月21日掲載PDF ジカ熱に関する情報提供及び協力依頼について(事務連絡) [620KB]



3 検疫所向けの情報
2016年01月21日掲載PDF ジカ熱に関する情報提供及び協力依頼について(事務連絡) [370KB]


4 報道発表資料
2016年01月21日掲載ジカ熱に関する情報提供について


5 リンク

ジカ熱とは(国立感染症研究所)






汗の特性をリアルタイムに測定するウェアラブル・センサー

汗の特性をリアルタイムに測定するウェアラブル・センサー



Fully integrated wearable sensor arrays for multiplexed in situ perspiration analysis
Wei Gao, et. al.
Nature 529, 509–514 (28 January 2016) doi:10.1038/nature16521
Received 26 June 2015 Accepted 23 November 2015 Published online 27 January 2016




解説:
http://www.sciencedaily.com/releases/2016/01/160127141402.htm

特異的に、汗中の代謝産物や電解質を足底し、皮膚体温に基づく補正を行い、スマートフォンにリアルタイムに同期させる

結果、事前に脱水、疲労、高体温症を検知し、アラームを発することができるデバイス

2016年2月1日月曜日

自閉症と他の発達障害は母体肥満と糖尿病と関連

解説記事
http://www.scienceworldreport.com/articles/36631/20160131/obesity-during-pregnancy-may-increase-the-risk-of-autism.htm

自閉症スペクトラム:ASDは68名に1人と米国CDCの報告。肥満や喘息などと比べ頻度は少ないが、患者個人、家族、社会的インパクトは大きい

Boston Medical Centerの3千の母子ペアのデータ研究


The Association of Maternal Obesity and Diabetes With Autism and Other Developmental Disabilities
Mengying Li, et. al.
Pediatrics February 2016
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2016/01/27/peds.2015-2206


Boston Birth Cohort、2734名、autism spectrum disorder:ASD症例 102例を含む1998−2014年出生後1回以上受診症例

個別、母体妊娠前肥満と妊娠糖尿病(PGDM)はASDリスクと相関

肥満とPGDM母体では、子供のASD発生比例ハザード:HR, 3.91, 95% 信頼区間:CI,  1.76 - 8.68
肥満・妊娠糖尿病では、HR, 3.04, 95% CI, 1.21 - 7.63

Intellectualな障害(IDs)は、他の発達障害(DDs)と違い、肥満とPGDM組み合わせとリスク増加パターンは同じ

このリスクパターンはASD、ID併発症例で特に多い

破水前帝王切開で喘息発症増加 →新生児へのmicrobiota治療

知らなかった・・・破水前帝王切開で喘息発症増加


Risk of Asthma from Cesarean Delivery Depends on Membrane Rupture
Astrid Sevelsted, et. al.
The Journal of Pediatrics
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.jpeds.2015.12.066



Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood2000 cohort
帝王切開の対経膣分娩比較喘息補正ハザード比は、2.18 (1.27 - 3.73)
レジストリ・データからも再現

破水前帝王切開で喘息リスク高値(発生頻度比 対経膣分娩比較 1.20 [1.16-1.23])
対し、破水後帝王切開では 対経膣分娩比較発生頻度比率 1.12 [1.09-1.16]




衛生仮説で説明可能か?


ということで、新生児に、microbiota治療を行った研究


Partial restoration of the microbiota of cesarean-born infants via vaginal microbial transfer
Maria G Dominguez-Bello, et. al.
Nature Medicine  (2016)  doi:10.1038/nm.4039
http://www.nature.com/nm/journal/vaop/ncurrent/full/nm.4039.html




驚くべき事だが、当地域には、未だに、妊娠中吸入ステロイドは控えるように・・・と言う医師、産科医がいる
分娩時喘息発作蓋然性高くなれば、産科医も苦労するだろうに・・・



インフルエンザA流行早ければRSウィルス流行は遅れ、コロナウィルス流行となりやすく、インフルエンザBは流行しない傾向





Early Occurrence of Influenza A Epidemics Coincided With Changes in Occurrence of Other Respiratory Virus Infections
Liselotte van Asten, et. al.
Influenza Resp Viruses. 2016;10(1):14-26. 

2003 〜 2012の間の検討
インフルエンザAのエピデミックが1週間前を早期と定義しその早期出現の場合、 インフルエンザ B、 RSV、 コロナウィルス流行発生のシフト生じる

シフトは必ずしも同じタイプだからといって一致はしないが、インフルエンザA早期の場合、RSV流行は遅れ、コロナウィルス流行は強化傾向、インフルエンザBは発生生じない傾向にある

ライノウィルス、ノロウィルス、ロタウィルス、エンテロウィルス流行には変化認めない




流行早い場合をカラーで、遅い場合を灰色で記載。

インフルエンザ流行早期の場合、RSVはやや遅れ、コロナウィルス流行強力となり、インフルエンザBは流行しない傾向らしい



noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note