2015年11月18日水曜日

小児反復重度下気道感染:アジスロマイシンの早期予防的アジスロマイシン投与有効

抗生剤乱用・薬剤抵抗性問題など抗生剤使用に関しては自制的使用が望まれる。だが、抗生剤使用には大いなるベネフィットがあ。


マクロライド系少量持続療法に関して、浅学な医療関係者の無責任な発言で、その使用を止めてしまった患者さんたちもいる。昨日のNHK(治る病気が治らない!? ~抗生物質クライシス~)の放送内容に偏りは無かったのだろうか?

さらに、薬剤耐性に関しては、医療機関側の問題だけではないことも示唆される。


下気道感染(LTI)のうち、重度反復症例という限られた症例に限っての話だが・・・就学前児童・繰り返し重度下気道感染対象者に対して、重度下気道感染発症前のアジスロマイシン投与開始でその発症を予防できるか?


Early Administration of Azithromycin and Prevention of Severe Lower Respiratory Tract Illnesses in Preschool Children With a History of Such Illnesses
A Randomized Clinical Trial
Leonard B. Bacharier, et. al.; for the National Heart, Lung, and Blood Institute’s AsthmaNet
JAMA. 2015;314(19):2034-2044. doi:10.1001/jama.2015.13896.





デザイン・セッティング・被検者  ランダム化、二重盲検、プラシーボ対照、平行群トライアル、9ヶ所の米国内学術医療センター( National Heart, Lung, and Blood Institute’s AsthmaNet network)、2011年4月登録開始、2014年12月までフォローアップ完遂。12歳の子供607名、71ヶ月間反復、重度下気道感染病歴、障害日差変動のすくない症例

介入  ランダム割り付け・アジスロマイシン (12 mg/kg/d for 5 days; n = 307) ・マッチング・プラシーボ (n = 300)個別アクションプランにしたがい、事前定義RTI期間早期(LRTI発症前徴候・症状)に治療開始、12−18ヶ月間。

主要アウトカム・測定項目  プライマリアウトカム測定は、医療機関での経口ステロイド処方トリガーとなるであろう、重度LRTIに至らないRTI数、RTIのレベル測定副事象イベントとともに、口腔咽頭サンプルでのアジスロマイシン耐性菌の存在をセカンダリアウトカムとする

結果  RTI治療総数937名(アジスロマイシン群, 473; プラシーボ群, 464)で、重度LTRIs 92を含む事例 443 名 (アジスロマイシン群, 223; プラシーボ群, 220)アジスロマイシン群では、プラシーボ群比較で、重度LRTI発症リスク減少 (ハザード比, 0.64 [95% CI, 0.41-0.98], P = .04; 初回RTI絶対的リスク: 0.05 for azithromycin, 0.08 for placebo; リスク差, 0.03 [95% CI, 0.00-0.06])アジスロマイシン耐性細菌誘導・副事象イベントは頻回に見られず

結論と知見  反復重度LRTIsの病歴小児において、アジスロマイシンを臨床的明確なRTI早期に使用することは、プラシーボ使用に比べ、重度LRTI尤度減少を示す。この戦略に於ける抗生剤耐性発症に関してはさらなる情報が必要


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