2020年2月12日水曜日

降圧剤やコレステロール薬剤開始で、BMI悪化、身体活動低下などライフスタイル悪化する現象確認

血圧が高い、コレステロール値が高い→「お薬出しときますねぇ」だと、ライフスタイルへの影響無いだけでなくほっとけば悪化の可能性もありそうだ

序文から
一次予防薬開始がライフスタイルに影響を与えるかどうか、そしてどのように影響するかは不明のまま。ライフスタイルのカウンセリングは予防薬の処方に先行する必要があるため、本来、薬剤使用者は非使用者と比較して、CVDリスクと健康的なライフスタイルをよりよく認識できるはず。薬物療法の認知された有効性は、他の病気も防ぐライフスタイルを順守するインセンティブを提供することがあるはず。しかし、個人が健康的なライフスタイルの代わりに薬物を使用し、不健康なライフスタイルを継続しすることもあり、薬物療法の有効性を低下させる可能性がある。 
一方、心血管疾患や糖尿病の診断は、体重減少、身体活動の増加、アルコール消費の減少、および禁煙を含むライフスタイルの変化を引き起こすことがわかっている
高血圧症や脂質異常では一般にライフスタイル介入がないがしろにされ、一次予防薬服用でライフスタイル軽視されがちなのでは?

現象として、降圧剤やコレステロール薬剤開始が却って肥満増加や運動不足を引き起こすもとになるのかも?


Lifestyle Changes in Relation to Initiation of Antihypertensive and Lipid‐Lowering Medication: A Cohort Study
Maarit J. Korhonen , et al.
Journal of the American Heart Association. 2020;9:e014168 , Vol 9, Issue 4 February 18, 2020
Originally published5 Feb 2020https://doi.org/10.1161/JAHA.119.014168
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/JAHA.119.014168

背景
ライフスタイル修正は心血管疾患予防に関し、薬物介入の前あるいは同時進行性鍵要素である。降圧剤・脂質低下薬剤(スタチン)開始に関連したライフスタイル要素の変化を評価

研究手法と結果
この研究対象は FPS (Finnish Public Sector) studyで、ベースラインで40歳以上、心血管疾患無し、2000年から2013年に4年間隔で2回以上の連続した調査に回答したもの
薬剤使用は薬局請求データから確認
前後シリーズデータセットを使用し、BMI、身体活動、アルコール摂取、喫煙の変化を降圧剤やスタチンの薬剤開始者 8837名と非開始者 46,021名と比較

薬剤開始者は非開始者に比べ、BMIはより増加 (変化差 0.19; 95% CI, 0.16–0.22) し、身体活動は低下 (−0.09 metabolic equivalent of task hour/day; 95% CI, −0.16 to −0.02)した
肥満となる尤度、身体不活発となる尤度は、何れも治療開始群の方が高値 (odds ratio: 1.82; 95% CI, 1.63–2.03、1.08; 95% CI, 1.01–1.17)

しかし、薬剤開始者では、平均アルコール摂取量大幅低下 (−1.85 g/週; 95% CI, −3.67 to −0.14、禁煙オッズ比減少 (2回目の調査での現行喫煙オッズ比低下( 0.74; 95% CI, 0.64–0.85)


noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note