高齢者へのSudokuやクロスワード・パズルを含む認知トレーニングは、新しい経験を開眼することに!
"shifts in openness or willingness to seek out new and cognitively challenging experiences"という文書から、”openness”を翻訳すれば、”開眼”と言う言葉が妥当と考えた。
medpage(http://www.medpagetoday.com/Geriatrics/GeneralGeriatrics/30752)解説から・・・
16週間のinductive reasoningのトレーニング後、新しいactivityをトライする意志が対照群に比べ増加(P<0.05)したという報告
Joshua Jackson ( Washington University in St. Louis, Psychology and Aging)
高齢者はパーソナリティーの変化をもたらし、新しいこと、、知的チャレンジを見いだし、新規探求性への道へつながることとなる。高齢者に認知機能をより豊かにするような数多くの介入がデザインされたが、それへの開眼するような試みは少なかったと筆者ら。
筆者らの説明だと”認知機能改善を目的とする介入がパーソナリティー特性の変化までもたらす”という仮説の証明。
72.9歳の高齢者で、主に白人(94%)。平均的には教育としては15.5年。
仕事で15時間あるいはボランティアで週15時間過ごす場合には研究に参加しなくても良いとし、除外クライテリアは最近3年間卒中、積極的癌治療、MMSE 24未満
被験者を介入群、wait-list control群にランダム割り付け。研究評価完成に対し研究者に報酬。介入群85名は92%完遂。対照群は98被験者89%完遂。
介入は、クラスルームベースの"inductive reasoning(帰納的推理) training program"で、novel pattern recognitionを主としたものからなり、自宅施行を主にしたSudokuやクロスワードパズルをおこなった。パズルセットは前週のパフォーマンスをベースとした個別スキルレベルに応じて行った。レベルに達したとき、難易度を上げる。
パーソナリティー特性や帰納的推理テストを、介入前、期間中、介入後施行。二次latent growth modelを"openness to experience"のトレーニング効果として評価解析する。
検査前は、"openness to experience"と"帰納的推理スキル"の組み合わせ指標に2群差は認めず。
トレーニングにより"帰納的推理"能力が対照群比較で増加(P<0.05)。
著者らは、トレーニング群でpost-test openness scoreが対照群より高値であると報告し、帰納的推理の変化はopennessの変化に影響を与えないことも見いだした(z=1.47)。則ち、認知機能介入は、opennessに対し帰納的推理技術以上に、影響を与えた。
"(このタグは)使える”、”使えない”ということが、これらの研究で使われており、”これを使える”ということがより"open”になる・・・"openness to experinece"は健康状態をより良好西、死亡率リスクを減少させることにつながる・・・と筆者ら(の暴走?)。
研究の限界としては、メカニズムとして、"openness"変化を説明出来ず。帰納的推理トレーニングのためなのかどうかを直接検討した研究ではないということも。
個性が非心理薬理学的介入により変容したことを示す最初の研究の一つと著者らは胸を張っている。
Jackson JJ, et al "
Can an old dog learn (and want to experience) new tricks? cognitive training increases openness to experience in older adults"
Psychology and Aging 2012; DOI: 10.1037/a0025918.