2012年8月22日水曜日

IL-5モノクローナル抗体 メポリズマブ(ボサトリア)

nterleukin-5モノクローナル抗体 mepolizumab (Bosatria)の多施設二重盲検プラシーボ対照化トライアル

12-74歳の621名の重症喘息


intravenous mepolizumab (75, 250, 750 mg)とプラシーボを総計13回4週間

Mepolizumab for severe eosinophilic asthma (DREAM): a multicentre, double-blind, placebo-controlled trial
The Lancet, Volume 380, Issue 9842, Pages 651 - 659, 18 August 2012

急性増悪回数
75 mg: 1.24    急性増悪減少 48% (95% CI 31% ~ 68%, P<0 .0001=".0001" br="br">250 mg: 1.46    急性増悪減少 39% (95% CI 19% ~ 54%, P=0.0005)
750 mg: 1.15    急性増悪減少 52% (95% CI 36% ~ 64%, P<0 .0001=".0001" br="br">
初回急性増悪までの遅延
75 mg: HR 0.45, 95% CI 0.33 ~ 0.61, P<0 .0001=".0001" br="br">250 mg: HR 0.60, 95% CI 0.45 ~ 0.80, P=0.0005
750 mg: HR 0.46; 95% CI 0.34 ~ 0.63, P<0 .0001=".0001" br="br">
入院もしくはED受診必要急性増悪はいずれも減少

プラシーボ比較で末梢血中好酸球数の減少

重度副事象回数は4群とも同様で、頭痛や鼻咽頭炎が多い
副作用で多いのは注射部位関連副事象

JAMA:福島原発災害後内部被曝報告


サブスクライバーしか閲覧できないとは残念・・・

Internal Radiation Exposure After the Fukushima Nuclear Power Plant Disaster
Masaharu Tsubokura, MD; Stuart Gilmour, MPH; Kyohei Takahashi, MD; Tomoyoshi Oikawa, MD, PhD; Yukio Kanazawa, MD, PhD
JAMA. 2012;308(7):669-670. doi:10.1001/jama.2012.9839


取り上げているメディア

USA Today
NBC News
NPR
Washington Post
Philadelphia Inquirer


解説がなされている

https://aspara.asahi.com/blog/hamadori/entry/99pw3x2Ygn
内部被曝通信 福島・浜通りから~測定結果の論文が載った。その意味は…


"Nature、Lancetなど(医学雑誌としてランクの高い=影響力の強い雑誌たち)にも投稿しましたが、査読にも回りませんでした"
→  震災直後一番熱心だった英国系雑誌が興味示さなかったのはなぜかが気になる。 

スタチンは膵炎リスク減少作用? 一方、フィブラートは増加リスク懸念

観察研究の結果スタチン治療と膵炎の関連性指摘報告があり、スタチン・フィブラートと膵炎発症に関する大規模ランダム化トライアルの関連性調査



Lipid-Modifying Therapies and Risk of PancreatitisA Meta-analysis
JAMA. 2012;308(8):804-811. doi:10.1001/jama.2012.8439

113800名登録者の、16のプラシーボ、標準化ケア対照化スタチントライアル

加重平均フォローアップ4.1(SD, 1.5)年間で、309名膵炎発症(スタチン割り付け 134、対照割り付け175) (RR, 0.77 [95% CI, 0.62-0.97; P = .03; I2 = 0%])

4.8(SD, 1.7)年間の5つの投与対照スタチントライアルで、156名膵炎発症(強化量割り付け 70、中等量割り付け 86) (RR, 0.82 [95% CI, 0.59-1.12; P = .21; I2 = 0%])

21のスタチントライアルすべての複合結果では、 RR 0.79 (95% CI, 0.65-0.95; P = .01; I2 = 0%)

7つのフィブラートトライアル(40162例、5.3(SD, 0.5)年間)では膵炎発症 144
(フィブラート割り付け 84、プラシーボ割り付け 60)(RR, 1.39 [95% CI, 1.00-1.95; P = .053; I2 = 0%])


膵炎リスクの少ない試験集団検討になってしまっている。
高トリグリセリド値そのものが膵炎リスクである。
フィブラート割り付けは妥当に行われたのか疑念があるが、この報告に従えば、フィブラートより膵炎減少についてはスタチンの方が効果的となっている。

メタボリック異常(日本のメタボリックシンドロームという概念にあらず)の場合、肥満では認知機能低下顕著

メタボリック異常(日本のメタボリックシンドロームという概念にあらず)の場合、肥満では認知機能低下顕著

軽度認知機能障害やアルツハイマー病予防を示唆するかもしれない事象との論説もなされている。



Obesity phenotypes in midlife and cognition in early old age
The Whitehall II cohort study
Neurology August 21, 2012 vol. 79 no. 8 755-762 


1991-1993年 39-63歳の6401(男性 71.2%)

BMI 18.5-24.9 kg/m2、 過体重 25-29.9、肥満 30以上

メタボリック状態:
1)TG ≧  1.69 mmol/L もしくは脂質低下薬剤使用
2)収縮期血圧 ≧ 130 mm Hg、 拡張期血圧 ≧ 85 もしくは降圧剤使用
3)血糖 ≧ 5.6 mmol/L もしくは糖尿病薬使用
4)HDL < 1.04 mmol/L (男性)、 1.29 (女性)

4つの認知機能試験(記憶、論理的思考、セマンティック、音素流暢性)評価

1997-199、 2001-2004、 2007-2009で行い、 総合スコアの標準化zスコア、平均評価


代謝異常 31.0% 、 体重正常 52.7%、 過体重 38.2%、 肥満 9.1%

肥満者において、ベースライン認知機能スコア 、認知機能10年間低下は代謝正常、異常群ともに同等 (p = 0.82、p = 0.19)

代謝正常群では、全般認知機能スコア10年間減少は、正常体重群、過体重群、肥満群で同等  (p for trend = 0.36) (正常 −0.40; 95% 信頼区間 [CI] −0.42 ~ −0.38), 過体重 (−0.42; 95% CI −0.45 ~ −0.39),  肥満 (−0.42; 95% CI −0.50 ~ −0.34) )

 しかし、代謝異常群では、全般スコア減少は肥満者で、正常体重者より急激である (肥満 −0.49; 95% CI −0.55 ~ −0.42)  vs 正常体重 −0.42; 95% CI −0.50 ~ −0.34), (p = 0.03)



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禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note