Bronchodilator response in FVC is larger and more relevant than in FEV1 in severe airflow obstruction
Philip H. Quanjer, et. al.
CHEST (2017), doi: 10.1016/j.chest.2016.12.017.
(序文)
スパイロメトリは気道閉塞診断のためのmainstayであり、短期作動薬による気管支拡張効果は重要な臨床的decision-makingであり、反応性検討が様々推奨されている。しかし、気管支拡張効果はdichotomous traitではなく、明確に区別されるわけでもない。ベースラインよりFEV1 200mL超かつ15%以上という定義が以前で、現在のATS/ERSガイドラインでは"FEV1 or FVC > 12% かつ 200mL超"で有意な気管支拡張反応としている。
気管支拡張剤後絶対的変化量はベースラインFEV1と関連性無いため、ベースラインとの%表示だと初期値低値症例では結果が過大になり、平均値回帰脆弱性をもたらすこととなる
故に、予測値比%表示が提唱されていることとあいなる。
オランダ、ニュージーランド、USA、カナダ、ノルウェーと5つのラテンアメリカ諸国の臨床患者のBDR検査データ
FEV1とFVCの変化(Δ) mLは、ベースラインとは関連性無いが、年齢、身長、性別、気道閉塞レベルによりバイアスを伴う
ΔFEV1はアフリカ系アメリカ人で有意に低値
低FEV1(200-1621mL)の1106名ではFEV1増加はベースライン値の 12-44.7%
種々クライテリアに基づくBDR陽性患者比率 (FEV1 左パネル, FVC right panel) : increase >12% initial value 、>200mL (ATS/ERS)、 >12% predicted value 、 >200mL (ECSC/ERS)、 ∆FEV1 >8% predicted value]、 z-score of FEV1 or FVC increases by >0.78 or >0.64 units
BDR表現に% predictedやz-scoreを用いた場合、このバイアスは低下し、200mLクライテリアが無駄となるが、陽性率が半減する
∆FEV1 % baselineでは、気道閉塞レベルを増加、z- scores or % predictedなら重度閉塞を減少となる
∆FVC表現なら、気道閉塞レベルを増加
(結論)FEV1反応性を%baselineで表現すると呼吸障害重症度を誤って示すことになる
FEV1やFVCを%、予測値比(%predicted)あるいはz-scoreで表現することで、アーチファクトや200mL要求最小値を回避できる
重度気道閉塞状態においてΔFVCは臨床的な過膨脹改善指数としてクリティカルな判断で利用すべきで、気管支拡張剤トライアルでも意味を持つだろう