2013年11月26日火曜日

ホルモン・オキシトシンにより男性貞操深まり、報酬系が関与する

オキシトシン: うわき防止ホルモン・貞節保持ホルモン・一夫一婦制度保持ホルモン・・・ 2012/11/15

上記は、オキシトシン鼻スプレーを投与し、浮気的行動を計測し、その抑制効果を示した報告。

fMRIにて、深めた報告

二重盲験プラシーボ対照被験者内pharmaco-functional MRI を20名のヘテロ性癖男性

オキシトシン治療(24単位)にて、女性パートナーを見知らぬ女性より認識し、顔見知り女性へは反応無し。これは、パートナーへの反応が見知らぬ女性より大きく、腹側被蓋野(ventral tegmental area, ventral tegmentum、VTA)や側坐核(Nucleus accumbens, NAcc)を含む脳の報酬系において反応促進が見られた。
左NAccで、オキシトシンは、顔見知り女性のそれと比較してパートナーでのニューラル反応を促進する。このことから、単に顔見知りの自省より、パートナーとは、そのつながりが特異的であることを意味する。
オキシトシンは、パートナーへのロマンティックなつながり重視を男性にもたらし、パートナーへの恋心を促し、報酬的価値を見いだす。


Oxytocin enhances brain reward system responses in men viewing the face of their female partner
Dirk Scheele
PNAS November 25, 2013



特発性肺線維症:herpesvirus saimiriとの関連性 ← 診断治療革命的発見?

オハイオ州大学包括的がんセンター研究者の報告

Modern Pathology誌のオンライン報告で、特発性肺線維症との関連性の発見

Herpesvirus salmiriは、γーヘルペスウィルス・ファミリーで、一部はすでに動物における肺線維症の原因として知られていた。T-cellリンパ腫や白血病のNew World monkeyでは発症するが、健常宿主では発症せず。 このウィルスの増殖的感染は4つのpirated mammnalian protein(IL-17、サイクリンD、チミジル酸シンターゼ (FAD:フラビタン依存性チミジル酸合成酵素)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dihydrofolate reductase、DHFR))と関連
(pirated; viral piracyとは、大型dsDNAウィルスで、ウィルス免疫調整蛋白と、ホストの蛋白の配列同等性により、ホストからpirateされる状況)
EBウィルスやCMV、HSVなどのヘルペスウィルスとの関連性もあるかどうかの研究からの発見。


Idiopathic pulmonary fibrosis is strongly associated with productive infection by herpesvirus saimiri
Virginia A Folcik1 et. al.
Modern Pathology advance online publication 15 November 2013;
 doi: 10.1038/modpathol.2013.198

特発性肺線維症に於ける、γーヘルペスウィルスの役割を検討
21のパラフィン固定肺生検病変を年齢マッチ化標本と比較
γ−herpesviruses’ DNA/RNAのシリーズを検査、In situ hybridaization、 RT-PCRベースメソッドで検討し、再生上皮細胞のco-expressionとして発現されているγ−ヘルペスウィルスのゲノム(cyclin D、thymidylate synthase、 dihydrofolate reductase、 interleukin-17)の4つの発現蛋白を検知し、対照では検知せず。γ-ヘルペスウィルスのうち、herpesvirus saimiri のみが、この4つのペア化ほ乳類蛋白を有している。

IPF症例を独立したプローブセットを用いIPF 21/21で、再生上皮細胞内に、herpesvirus saimiri DNAを検出したが、21の対照では認めず


DNA polymerase herpesvirus saimiri 遺伝子に対応するゲノムの一部配列をクローン化し、公表されたウィルス配列と100%マッチすることが示された。


これらのデータにおいてherpesvirus-誘起肺線維症と特発性肺線維症とは一致した


ウィルス増殖・ウィルス関連蛋白への治療にて進行が抑えられる可能性が出てきた。


喫煙によりBAL中CD8+、NKT-like細胞増加などT細胞サブセットに影響多大

現行喫煙は、COPD軽症・中等症患者の、BAL(気管支肺胞洗浄)中T細胞サブセットに影響を多大に与える。COPDにおけるT細胞の役割が重要


Distribution of T cell subsets in bronchoalveolar lavage fluid of patients with mild to moderate COPD is dependent on current smoking status and not airway obstruction
Helena Forsslund, et.al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-0873


COPDのある喫煙者、COPDのない喫煙者では、無喫煙経験者、COPD喫煙経験者に比べ、BAL中のCD8+、NKT-like細胞比率増加し、NKT-like細胞の大部分はCD8+


一方、非喫煙者に比べ、喫煙者において、 CD4+ T細胞比率低下


血中では、喫煙者両群での CD4+ T細胞 frequecyの増加が見られる。


現行喫煙では、非喫煙者と比べ、BAL中activated (CD69+) naïve and effector CD4+ T cell数増加、特に、COPD現行喫煙者で増加


男性喫煙者では、BAL中CD8+ T細胞比率は、1日あたりの喫煙数と相関



CD69受容体は、以下のT細胞活性化と関連


Treg(制御性T細胞):
制御性T細胞の機能低下がトレランス障害を引き起こしCOPDの重症化の原因となる可能性


Th17
Regulation in chronic obstructive pulmonary disease: the role of regulatory T-cells and Th17 cells
Clinical Science (2010) 119, (75–86)





NKT-like細胞はその比率はわずかだが、炎症誘発性サイトカインやgranzymeの重要なソース。COPD中のNKt-like細胞増加がみられる。重要な治療ターゲットの可能性。

粉じんガスなど吸入暴露建設業労働者COPD死:非喫煙者では半分、喫煙者では1/4が死亡原因

スウェーデン建築関係労働者・COPD患者:Vapor、ガス、ダスト、ヒューム職業的暴露と死亡率の関連性


粉じんガスなど吸入暴露建設業労働者でのCOPD死亡原因責任は、非喫煙者で半分、喫煙者で4分の1が、その職業的暴露に起因する



Occupational exposure to vapors, gases, dusts and fumes and mortality in relation to chronic obstructive pulmonary disease among Swedish construction workers – a longitudinal cohort study
Kjell Torén, et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1429


約35万5千名男性建築関係労働者
Vapor、ガス、ダスト、ヒューム暴露者 196,329 vs 非暴露 117,964
暴露は職業性暴露matrixベース、1970年代中頃にフォーカスを当て調査

COPD死亡 1085、うち 49名が非喫煙者
Vapor、ガス、ダスト、ヒューム暴露労働者は、COPD死亡率増加 (RR=1.32, 95% 信頼区間 (CI) 1.18 to 1.47)
暴露種類比較したところ、有意に増加したのは、
無機塵 RR 1.19, 95% CI 1.07-1.33)
非喫煙者内で比較
職業的空気汚染暴露はどの種類でもCOPD死亡率が高い (RR 2.11, 95% CI 1.17-3.83)

職業的暴露関与COPD寄与区分は、全労働者の0.24、非喫煙者では0.53
ヒューム RR 1.20, 95% CI 1.07-1.36) 


アスベストだけが特別じゃない!

RAPIDスコア:胸膜感染リスク推定

胸膜感染は合併症率・死亡率とも高い。
臨床的リスク評価スコア開発が必要

MIST1(multi-centre UK pleural infection trial n=411)ベース

RAPID : Renal profile (urea) / Age / Purulence of pleural fluid 
/ Infection Source (hospital versus community) and Dietary factors (albumin)



A clinical score (RAPID) to identify those at risk of poor outcome at presentation in patients with pleural infection
Najib M. Rahman,  et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1558

パラメータ 測定

スコア
腎(Renal) Urea < 5 mmol/L
0


5-8 mmol/L
1


> 8 mmol/L
2
年齢(Age) 年齢 < 50 years
0


50-70 years
1


> 70 years
2
胸水膿性 膿性

0
Purulence of pleural fluid 非膿性

1
感染源(Infection source) Community acquired

0

Hosptal acquired

1
食事要素(Dietary Factor) アルブミン > or = 27 mmol/L
0


< 27 mmol/L
1
リスクカテゴリー スコア 0−2

低リスク

スコア 3−4

中間リスク

スコア 5−7

高リスク

尿酸:mmol/L なので、日本で応用するには、代替式が必要となる
e.g. 尿素窒素濃度(mg/dL)に2.144を乗じると、尿素濃度(mg/dL)が、 尿素窒素濃度(mg/dL)に0.357を乗じると、尿素物質量濃度(mmol/L)が得られる。これを逆算、すなわち mmol/Lを0.357で割れば良いはずだが・・・


RAPIDスコアを用いると、リスク3分割
3ヶ月死亡リスクは、最小群(0−2)に比べ、
中等度リスク(3−4)では オッズ比 24.4 95% CI 3.1 to 186.7 p = 0.002)
高度リスク(5-7)では 192.4 (95% CI, 25.0 to 1480.4 ; p < 0.001)

noteへ実験的移行

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