2015年5月28日木曜日

異常気候への備え:ちょっと寒いくらいが猛暑・極寒・軽度寒冷より死亡関与大きい

極寒や猛暑、ちょっと暑いより、ちょっと寒いくらいが死亡率増加に関与するらしい





Mortality risk attributable to high and low ambient temperature: a multicountry observational study Antonio Gasparrini, et. al. The Lancet , Published Online: 20 May 2015 Open AccessArticle has an altmetric score of 270
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(14)62114-0



【背景】
選別された国において、寒さ・暑さが寄与する早期死亡推定の研究がなされたが、種々季候状況暴露による全ての気温変化範囲でのシステミックな評価は全くなされてない。
ここでは、非適正気温の寄与死亡総負荷量を定量化、暑寒、軽度〜極端な気温関与の相対的寄与を評価

【方法】
384ヶ所(オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、イタリア、日本、韓国、スペイン、スウェーデン、台湾、タイ、英国、米国)のデータ収集。
各所の標準時間シリーズPoissonモデル、週のトレンド・曜日補正。
遅延21日とした、Distributed Lag Non-linear model (DLNM)による、気温・死亡相関を推定、各国指標や気温平均・レンジを含む多変量メタ回帰にてプール化した。
最小死亡率ポイント適合した至適気温上下の気温と定義し、2.5パーセンタイルから97.5パーセンタイルをカットオフ値と定義した軽度から極端な気温での死亡率を寒暑死亡寄与計算。

【結果】
1985年から2012年の様々な期間の74 225 200死亡。総数で、研究期間内の選択国における非至適気温に於ける関与は死亡率は7.71% (95% empirical CI 7.43–7.91)であった。各国間の実質的は相違は、タイ 3.37% ( 3.06 - 3.63 %)から中国の 11.00% ( 9.29 - 12.47)までであった。
最小死亡率の気温パーセンタイルは、熱帯の60パーセンタイルから、温帯地域の80-90パーセンタイルであった。
気温寄与死亡率は、寒気は暑気より影響大きい (7.29%, 7.02 - 7.49 vs 0.42%, 0.39 - 0.44)
極端な寒暖気温は総死亡率の0.86% (0.84 - 0.87 %)

【結論】気温関連死亡率の大多数は寒気温。 
極端な気温の日々の影響は、気温はよりマイルドだが非適切な季候よりその寄与は少ない。
このエビデンスは、気温変動の健康への影響を最小化するための公衆衛生介入へのプランニングに重大な示唆となり、気候変動シナリオでの将来への影響を示唆するものである



表2:国毎死亡率:寒暑の総要素・個別要素としての寄与死亡率、データはパーセンタイル中央値あるいは%(95%エンピリカルCI)
表2:暑寒気温の軽度から極端な変化の場合の国毎総死亡率寄与比率




副作用2割有っても、「副作用発現頻度が高いとは考えられず」と主張する専門家

第58回 日本糖尿病学会年次学術集会  学会レポート
ディベート:SGLT2阻害薬は糖尿病治療の主役になり得るか?

SGLT2阻害剤推進派の先生の言い分・・・ひどくないか?


「国内のSGLT2阻害薬全体の市販後調査では約2割の患者に皮膚障害がみられたが、日本人のみで副作用発現頻度が高いとは考えられず、医師の安全性への関心の高さや企業の熱心なPMS活動がバイアスとなっている可能性があることを指摘した。」

2割も副作用出しといて・・・よくも「副作用発現頻度が高いとは考えられず」と言えたもんだと・・・


ディベートとして、あえて悪者役を引き受けたとしても、PMS軽視しすぎだし、新薬に慎重な医師たちへの侮蔑にもなる。すこし言葉を選んだ方が良かったのではないか?


患者への副作用を心配して新薬処方に慎重な医師たちの方が賢い選択となることが多い。近年の薬剤副作用・薬剤発売中止事例の数々をみれば、明白。

米国では、処方しすぎて、SGLT2薬剤のケトアシドーシスFDA警告される事態も生じている。新薬は慎重でなぜ悪い!PMS重視して何故悪い!


納得ができない以上に、腹立たしくなる

非心臓手術リスク無し症例ではβ遮断剤死亡減少効果なし

非心臓手術へのβ遮断治療の32万6千あまりの巨大コホート:Veterans Affairs hospital


Revised Cardiac Risk Index (RCRI)による心臓リスク評価



β-Blockade and Operative Mortality in Noncardiac Surgery
Harmful or Helpful?
Mark L. Friedell, et. al.
JAMA Surg. Published online May 27, 2015. doi:10.1001/jamasurg.2015.86


非心臓手術のβ遮断剤による死亡率オッズ:心臓リスク要素層別化







心臓手術でのβ遮断剤による死亡率オッズ

セカンドオピニオンは価値があるのか? 高コスト、エビデンス欠如、患者満足度は高いが、従うのは2/3に過ぎない等

日本では医療保険でセカンドオピニオンが認められているが、医療機関側に人的資源などのコストをまかなう分だけの医療報酬が支払われないことや、主に癌以外の疾患でのセカンドオピニオン確立してないなど・・・いろいろ問題があると思う


主にがんに関するセカンドオピニオンの記事





乳がん診断に際し、両側乳房切除した、女優 Rita Wilsonはセカンドオピニオン故、優秀な医師と出会い、完全回復早かったと述べている。
重症の疾患診断あるいは混乱する治療手段オプションに直面したとき、誰でも他の視点を求めるのは当然だろう。セカンドオピニオンと一致した場合ですら、明快さを得ることができ、安心を得るという効用もある。しかし、初回での見逃しや誤解がはっきりする場合もある。診断や推奨治療の重大な変更がセカンドオピニオンにより、10%から62%となるという報告がある。他に、Best Doctorsの6800のセカンドオピニオンを、 従業員給付制度としての診断治療のセカンドオピニオンとしたところ、その変更が40%超でなされた。
しかし、問題点がある、すなわち、セカンドオピニオンにより、良好な医療意思決定がなされたというエビデンスがない。健康アウトカムを改善したというデータも乏しい。


診断過誤は10%から15%で生じるという専門家の推定されることより、セカンドオピニオンは良いアイディアである。

Best Doctors studyでは、セカンドオピニオンで要求される質問の34.8%が診断に関して、症状改善しない場合が22.5%、診断できない場合が6.3%。診断に関する疑問が6%。
Wisonの例は2つの乳房生検にて癌が見られなかったが、セカンドオピニオンで侵襲性がんであった。3rdオピニオンで診断確定となった。

セカンドオピニオンの費用は$565、病理レビューコストを含む場合は$745。

高コストにかかわらず、患者満足比率は94.7%だったが、セカンドオピニオンそのものの意見を受け入れた比率は61.2%で、全てではない。




Second Opinions Often Sought, but Value Not Yet Proven
Little hard data available to show better overall result
http://www.medpagetoday.com/PracticeManagement/PracticeManagement/51789



日本のメディアは最大限の報道すべきでは? 「隣国」韓国MERS拡大

South Korea's tally of MERS cases at seven; one suspected patient heads to China



”いつもは、お隣の国「韓国」では・・・”と報道する、テレビ・メディア


韓国でのMERSの広がり、なぜ報道しないのでしょう?
日本厚労省が”2種感染症”としてカバーしているMERSが「おとなりの国’韓国」で広がりを見せてます。


ですが、「韓国 MERS テレビ」と検索しても テレビ報道の証拠有りません
https://goo.gl/XLfrGQ



Twitterや外国メディアでは随分騒がれているの随分異なる、日本内外のメディアスタンス。
https://goo.gl/mDP3Y0






内外Yahooの差!





遠隔のはずの米国Yahoo!では、3番目注目記事としてクローズアップ
日本のYahooは小さな記事としてすら取り上げてない



WHO好きのマスコミさんたち・・・WHOが5月24日 Global Alert and Response (GAR)を出してますよ

http://www.who.int/csr/don/24-may-2015-mers-korea/en/
WHO助言

Based on the current situation and available information, WHO encourages all Member States to continue their surveillance for acute respiratory infections and to carefully review any unusual patterns. 
Infection prevention and control measures are critical to prevent the possible spread of MERS-CoV in health care facilities. It is not always possible to identify patients with MERS-CoV early because like other respiratory infections, the early symptoms of MERS-CoV are non-specific. Therefore, health-care workers should always apply standard precautions consistently with all patients, regardless of their diagnosis. Droplet precautions should be added to the standard precautions when providing care to patients with symptoms of acute respiratory infection; contact precautions and eye protection should be added when caring for probable or confirmed cases of MERS-CoV infection; airborne precautions should be applied when performing aerosol generating procedures.

Until more is understood about MERS-CoV, people with diabetes, renal failure, chronic lung disease, and immunocompromised persons are considered to be at high risk of severe disease from MERS‐CoV infection. Therefore, these people should avoid close contact with animals, particularly camels, when visiting farms, markets, or barn areas where the virus is known to be potentially circulating. General hygiene measures, such as regular hand washing before and after touching animals and avoiding contact with sick animals, should be adhered to.

医療関係者への警告、空気感染故の危険性配慮、易感染性対象者など記載がある



いつもは「おとなり」「おとなり」と連呼するくせに、おとなりの国に広まるということは日本でもあぶないということ。台湾でのSARS騒ぎとは扱いが天地ほども違う・・・あのときも日本メディアは中国の無法ぶりもスルー傾向だった。


日本のマスコミは、中国・韓国に過剰に遠慮するようだが、いったい何で?

食物繊維摂取は糖尿病予防的;だが、太るような食物繊維摂取増加は意味が無い

サプリメントCMも同様だが、かつての悪の代表格と言えるテレビ番組「あるある大事典」の常套句・・・奇跡の成分○○を摂れば健康になる。○○成分が豊富に含まれる△△を摂れば健康に!

「あるある」は無くなったが、こういうインチキが跋扈している。


果物に含まれる食物繊維は抗糖尿病的なのかもしれないが、多く摂ると体重増加にツナ有り、糖尿病促進的になる


こういうのってなぁ  
     ↓
温州みかんの成分 “β(ベータ)-クリプトキサンチン“肥満・糖尿病の改善効果を実証 ~第29回日本肥満学会にて発表~
http://www.arkray.co.jp/press/press/2008_10_28.html





食物繊維 成分摂取量が2型糖尿病リスク減少と関連するわけだが、ヨーロッパでの研究が少ない。2型糖尿病1万1千5百余りを同数の症例対照研究にて比較検討

EPIC-InterACT研究 4分位比較 HRQ4 vs Q1 0.82 ; 95% CI, 0.69 - 0.97)。シリアル繊維、野菜繊維では同様の逆相関見られたが、果物の繊維ではそのリスク減少観察されない。BMI補正後相関性消失。

19コホートのメタアナリシスにて、10g/日摂取増加毎
総繊維 0.91(95% CI 0.87, 0.96)、シリアル繊維 0.75 (95% CI 0.65, 0.86)でリスク減少
果物繊維 0.95 (95% CI 0.87, 1.03)、野菜繊維 0.93 (95% CI 0.82, 1.05) でリスク減少有意差無し

体重増加という要素で果物線維などのリスク減少効果相殺として説明可能



Dietary fibre and incidence of type 2 diabetes in eight European
countries: the EPIC-InterAct Study and a meta-analysis
of prospective studies
The InterAct Consortium
http://www.diabetologia-journal.org/files/InterActConsortium.pdf






Fig. 1 Association between cereal fibre, fruit fibre and vegetable fibre consumption and risk of type 2 diabetes in the EPIC-InterAct study (n= 26,088).




Fig 2. Dietary total fibre (a, b) and cereal fibre (c, d) and type 2 diabetes,linear dose–response meta-analyses per 10 g/day (a, c) and non-linear dose–response meta-analyses (b, d). In (a) and (c), the RR of each study is represented by a square, and the size of the square represents the weight of each study to the overall estimate.

米国FDA LABA/LAMAレスピマット吸入COPD適応承認

LABA/LAMAレスピマット FDA承認
http://www.medscape.com/viewarticle/845398



once-daily tiotropium bromide and olodaterol (Stiolto Respimat) inhalation spray


各々の単剤との比較した、5千名超の肺機能アウトカム改善効果証明: pivotal Phase III TONADO® 1&2 trials (NCT01431274/NCT01431287);52週間pIII

1万5千名超の多国治験、安全性比較 TOviTO® clinical trial program






日本では、COPD治療薬として、LABA/LAMA製剤は、「ウルティブロ®吸入用カプセル」、「アノーロエリプタ」がある。いずれもカプセル吸入製剤。

ウルティブロは、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)のグリコピロニウム(商品名 シーブリ)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)のインダカテロール(商品名 オンブレス)を配合

アノーロエリプタは、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)のウメクリジニウム臭化物(Umeclidinium Bromide)(商品名 エンクラッセエリプタ)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)のビランテロールトリフェニル酢酸塩(Vilanterol Trifenatate)(商品名 レルベア)を配合

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note