2014年6月19日木曜日

APOC3遺伝子異常にて食後TG抑制、心血管疾患リスク減少

APOC3遺伝子産物、蛋白Apo-CIIIは、VLDLの構成成分で、リポ蛋白リパーゼ、肝リパーゼの阻害を示し、TGリッチ粒子の幹細胞内取り込みを阻害する働きと考えられる。

この機序抑制にて、食後TG値抑制され、さらに、心血管疾患リスク減少することが示され、創薬上のターゲットとも考えられる。




apolipoprotein C3 (APOC3)をエンコードする遺伝子異常で、非空腹時トリグリセライド低値をもたらす場合、虚血性心疾患リスク減少を示した。



Loss-of-Function Mutations in APOC3 and Risk of Ischemic Vascular Disease
Anders Berg Jørgensen, et. al.
N Engl. J. Med. June 18, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1308027

空腹時TG 90mg/dL(1.00mmol/L)未満 の被験者では、TG 350mg/dL以上に比べ、心血管発生リスクを有意に減少( 虚血性血管疾患ハザード比 , 0.43; 95% 信頼区間l [CI], 0.35 to 0.54、虚血性心疾患ハザード比, 0.40; 95% CI, 0.31 to 0.52).



APOC3機能喪失遺伝子変異hetero接合状況では、遺伝子変異なしに比べ、非空腹時TG値において平均的44%減少と相関。


血管疾患、虚血性心疾患累積頻度は、APOC3遺伝子異常なしの比べ、ヘテロ接合で、減少(p=0.009, p=0.05)、リスク減少としては、 41% (ハザード比, 0.59; 95% CI, 0.41 to 0.86; P=0.007)、36% (ハザード比, 0.64; 95% CI, 0.41 to 0.99; P=0.04)





ヨーロッパ・アフリカ子孫 3734名被験者、18,666遺伝子の蛋白コーディング領域をsequence

Loss-of-Function Mutations in APOC3, Triglycerides, and Coronary Disease
The TG and HDL Working Group of the Exome Sequencing Project, National Heart, Lung, and Blood Institute
N. Engl. J. Med.  June 18, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1307095

 APOC3遺伝子の稀な変異のaggregateは、低血中TG値と相関。具体的には4つ。
・ひとつのノンセンス遺伝子(R19X)
・ 2つのスプライス部位の変異: IVS2+1G→A 、 IVS3+1G→T
・ミスセンス遺伝子変異 (A43T)

どれか一つ変異である頻度は、150名に1人

TGレベルは、キャリアでは、非キャリアに比べ、39%低値
APOC3血中レベルは、キャリアでは、非キャリアに比べ46%低値( P = 8 x 10 ^ 10)

498名のいずれかの遺伝子変異キャリアでは、非キャリアに比べ、冠動脈疾患リスクは40%減少



Lifestyle Interventions and Independence for Elders (LIFE) 研究:長期構造的身体活動性プログラム

長期構造的身体活動性プログラムは、健康教育プログラムより有効と言えるか?


対象は平均年齢 78.9歳、女性比率 67.2%、アフリカ系17.6%、BMI 平均 30.2
Short Physical Performance Battery (SPPB)9点未満/12点満点


具体的プログラムは、構造的に、中強度身体活動プログラム週2回センター施行、週3回家庭内施行(内容はエアロビック、レジスタンス、柔軟性トレーニングactivity)(n=818)
対照は、教育プログラム、内容は、高齢者・上肢筋強化運動トピックスのワークショップ (n=817)

結果は、構造的中等度身体活動プログラムは、健康教育プログラムに比べ、2.6年間、高齢者において障害リスクを減少させる



Effect of Structured Physical Activity on Prevention of Major Mobility Disability in Older Adults
The LIFE Study Randomized Clinical Trial
Marco Pahor, et. al.
JAMA. 2014;311(23):2387-2396. doi:10.1001/jama.2014.5616.

主要アウトカムは、重大な可動性障害(400m歩行可能性喪失)


重大な可動性障害は、介入群 30.1%(246) vs 対照群 35.3%(290)  (ハザード比 [HR], 0.82 [95% CI, 0.69-0.98], P = .03)


持続的可動障害は、介入群 120(14.7%) vs 対照群 162(19.8%)   (HR, 0.72 [95% CI, 0.57-0.91]; P = .006)

重大副事象イベントは、介入群   404 名 (49.4%)  vs 373 名 (45.7%)   (risk ratio, 1.08 [95% CI, 0.98-1.20])



<重大可動性障害と持続可動性障害>










80歳前後の高齢者で、単に、かけ声だけでない、構成的センター・居宅運動プログラムにより若干ながら、可動性障害予防効果が見られた





日本の運動器系学会も、国内だけにアピールするんじゃなく、国外にアピールする発表したらぁ・・・と皮肉。

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