組み替えリラキシンー2抗体であるセレラキシン
RELAX-AHF (RELAXin in Acute Heart Failure)トライアルで、プライマリ有効性エンドポイントの一つでは合致した結果だったが、もう一つのプライマリ有効性エンドポイントでは有効性示せなかった (P=0.007、P=0.70)
この新薬は、ゲームチェンジャー(サッカーなどで選手交代などで、趨勢を一気にかえてしまう状況)となるのか、死亡率ベネフィットは偶然示されたものか、真実なのか?
事前登録条件である組み合わせでいえば、有益性示され、成功とされる。
呼吸困難度、well-beingに関する自己報告による共同組み合わせエンドポイントの改善は見られた。
プライマリエンドポイントは、
・5日目の呼吸困難改善度(VAS ACU)これの組み合わせ
・中等度から著明呼吸困難(Lkert scale)改善:24時間
一方、よりハードなアウトカム指標である死亡減少有効性に関して、全原因死亡率に効果が示されている。死亡率改善効果が正しいとしたら、この治験はなんらかのヒントを与えてくれるのかもしれない。この治験での、「生存率は改善するが、再入院率などソフトなアウトカムは改善しない」というのは奇異という話
1161名を、治験薬(n=581)、プラシーボ(580)割り付け
Serelaxin, recombinant human relaxin-2, for treatment of acute heart failure (RELAX-AHF): a randomised, placebo-controlled trial
Prof John R Teerlink et. al.
for the RELAXin in Acute Heart Failure (RELAX-AHF) Investigators
The Lancet, Volume 381, Issue 9860, Pages 29 - 39, 5 January 2013
セレラキシンはVAS AUCプライマリ呼吸困難エンドポイント改善 (448 mm × h, 95% CI 120―775; p=0.007) するも、もう一つのLiert scale改善せず(プラシーボ, 150 名 [26%]; セレラキシン, 156 [27%]; p = 0.70)
セカンダリエンドポイントの心血管死亡、心不全・腎不全再入院のセカンダリエンドポイントで有意な効果無し (プラシーボ, 75 イベント [60-日 Kaplan-Meier 推定値, 13.0%]; セレラキシン, 76 イベント [13.2%]; ハザード比[HR] 1.02 [0.74―1.41], p=0.89] 、day 60 までの生存退院 (プラシーボ, 47.7 [SD 12.1] 日; セレラキシン, 48.3 [11.6]; p=0.37)
セレラキシン治療は、day 180での死亡数減少を含む、事前層別付加的エンドポイントで有意な減少を認めた (プラシーボ, 65 死亡; セレラキシン, 42; HR 0.63, 95% CI 0.42―0.93; p=0.019)