2016年5月27日金曜日

じゃがいも:高血圧発症リスク増加

全粒穀物や野菜/果物摂取などの多数の食物要素とは独立して、フレンチフライ以外のポテト食が高血圧症発症と関連

米国ではジャガイモ食はクリティカルな公衆衛生的問題で、政府スポンサーフードプログラムに加わっており、カリウム含有故心血管ベネフィットあるだろうと想定されていた


高血圧発症に関してリスキーな存在になろうとは・・・ glycemic loadがその説明となっているが、炭水化物一般に言えるのでは?






Potato intake and incidence of hypertension: results from three prospective US cohort studies
Lea Borgi,  et. al.
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i2351 (Published 17 May 2016) Cite this as: BMJ 2016;353:i2351
ベークド・ポテト、ボイルポテト、マッシュドポテト、フレンチフライいずれも、ジャガイモは、成人大規模コホート(女性:Nurses’HealthStudy 62 175 、女性:Nurses’HealthStudyII 88 475 、男性:HealthProfessionalsFollow-upStudy 36 803)において独立した高血圧症発症リスク増加


週4サービング以上を月1サービング未満摂食と比べたランダム効果プール化ハザード比
ベークド・ポテト、ボイルポテト、マッシュドポテト:1.11 (95% 信頼区間 0.96 to 1.28; P for trend=0.05)
フレンチフライ:1.17 (1.07 to 1.27; P for trend=0.001)
ポテト・チップ:0.97 (0.87 to 1.08; P for trend=0.98) 


非炭水化物野菜1サービングを同量 ベイクド、ボイルド、マッシュドポテトに置き換えると、高血圧リスクは減少 (hazard ratio 0.93, 0.89 to 0.96)

CRIC研究:CKDではナトリウム制限にて心血管イベントリスク減少

ナトリウム摂取 高血圧患者のみ減塩有効、 極端なNa摂取制限は高血圧有無にかかわらず有害
http://kaigyoi.blogspot.jp/2016/05/na.html



CKDとナトリウムに関してもJ字型にみえるのだが、制限3次スプライン回帰モデルでは非線形でなく、線形だそうな




Sodium Excretion and the Risk of Cardiovascular Disease in Patients With Chronic Kidney Disease
Katherine T. Mills, et. al.
for the Chronic Renal Insufficiency Cohort (CRIC) Study Investigators
JAMA. 2016;315(20):2200-2210. doi:10.1001/jama.2016.4447.

意義  慢性腎臓病(CKD)患者は一般住民と比べ心血管疾患(CVD)のリスク増加を生じる。これまでの知見では食事性ナトリウム摂取とCVDリスの相関については矛盾した結果を生じており(ナトリウム摂取量と血圧の関連は確立しているが、ナトリウム摂取とCVDリスクの関連性は確立してない)、この相関性について患者で検討されていない。

目的  CKD患者に於ける尿中ナトリウム排泄と臨床的CVDイベントについての相関性検討

デザイン・セッティング・被検者  米国内7箇所のCKD患者の前向きコホート研究 (Chronic Renal Insufficiency Cohort Study)、2003年5月から2013年3月までフォロー

暴露  3回の24時間用測定尿中ナトリウム排泄累積平均と性別特異的に24時間尿中Cr排泄で補正

主要アウトカム・測定  うっ血性心不全、卒中、心筋梗塞として定義したCVDイベント。イベントは6ヶ月毎報告し、カルテにて補正確認

結果  3757名被検者(平均年齢、58歳、女性 45%)中、フォローアップ中央期間 6.8年間につき804のCVD組み合わせイベント発症 (心不全 575 、心筋梗塞 305、卒中 148)

補正ナトリウム排出4分位 最小(<2894 159="" 174="" 198="" 273="" br="" mg="">
累積発生率はフォローアップ中央期間にて 18.4%、16.5% ,20.6%、29.8%
加え、フォローアップ中央値における、最大4分位vs最小4分位CVDイベント累積発生比は、心不全 23.2% vs 13.3%、 心筋梗塞 10.9% vs 7.8%、 卒中 6.4% vs 2.7%



多変量補正解析にて最大4分位の最小4分位比較ハザード比はCVDイベント組み合わせ 1.36 (95% CI, 1.09-1.70; P= 0.007) 、心不全 1.34 (95% CI, 1.03-1.74; P= 0.03) 、卒中 1.81 (95% CI, 1.08-3.02; P= 0.02)
restricted cubic spine analysis(制限3次スプライン回帰モデル)で、ナトリウム排泄と組み合わせCVDの相関性は非線形のエビデンス(p=0.11)示さず、有意に線形相関 (p < 0.001)


<0 .001="" br="">結論と知見  CKD患者において、尿中ナトリウム排泄はCVDリスクと相関する



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