2015年9月2日水曜日

心不全:CHA2DS2スコア:心房細動あろうがなかろうが心不全では卒中・血栓塞栓・死亡予測性高い

本来は心房細動患者の抗凝固療法判断根拠
CHA2DS2-VASc score
e.g. http://www.xarelto.jp/ja/home/medical-care-calculator/chadsvas/


心不全患者では、心房細動あろうがなかろうが、CHA2DS2-VASc scoreは、その後の虚血性卒中、血栓塞栓、死亡イベント予測性高い

むしろ、血栓塞栓合併症では、心房細動ない方が予測性高い。
ただし、正確性は中等度で、そのまんま臨床応用するには検討が必要。


Assessment of the CHA2DS2-VASc Score in Predicting Ischemic Stroke, Thromboembolism, and Death in Patients With Heart Failure With and Without Atrial Fibrillation
Line Melgaard, et. al.
JAMA. Published online August 30, 2015. doi:10.1001/jama.2015.10725




ARTS-DN研究:糖尿病性アルブミン尿へのFinerenoe(第3世代鉱質コルチコイド拮抗剤)効果

 RAS blockerと非ステロイド性鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト併用は、CKD患者の蛋白尿を減少するが、高カリウム血症など副事象イベント増加懸念で使用を控えている場合も多い。


糖尿病性腎症患者ではACE阻害剤あるいはARB服用されているのがほとんどのはず、それに、第3世代の鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト、FinerenoenをAdd-onした場合のアルブミン尿減少効果検討研究

Finerenone は、新しい非ステロイド性鉱質コルチコイド受容体アンタゴニストで、ミネラロコルチコイド受容体への結合能選択性が特異的で血圧減少を伴わない薬剤





Effect of Finerenone on Albuminuria in Patients With Diabetic Nephropathy
A Randomized Clinical Trial
George L. Bakris, et. al. ; for the Mineralocorticoid Receptor Antagonist Tolerability Study–Diabetic Nephropathy (ARTS-DN) Study Group
JAMA. 2015;314(9):884-894. doi:10.1001/jama.2015.10081



ランダム化二重盲検プラシーボ対照平行群研究(23ヶ国、 148サイト)

介入
ランダム割り付け
・ oral, once-daily finerenone (1.25 mg/d, n = 96; 2.5 mg/d, n = 92; 5 mg/d, n = 100; 7.5 mg/d, n = 97; 10 mg/d, n = 98; 15 mg/d, n = 125; and 25 mg/d, n = 119)
・ matching placebo (n = 94) for 90 days.

主要アウトカム
・ ratio of the urinary albumin-creatinine ratio (UACR) at day 90 vs at baseline
・Safety end points were changes from baseline in serum potassium and estimated glomerular filtration rate.

結果
被験者平均年齢 64.2歳、男性 78%
ベースラインで、アルブミン尿 300mg/g以上の比率は36.7%、eGFR 60 mL/min/1.73 m2以下は40.0%


Finerenone は、量依存的にUACRの減少を示す


プライマリアウトカムである、ベースラインと90日目比較のUACRプラシーボ補正平均比は、finerenone 7.5-, 10-, 15-, 20-mg/d 群 で減少
7.5 mg/d, 0.79 [90% CI, 0.68-0.91; P = 0.004]
10 mg/d, 0.76 [90% CI, 0.65-0.88; P =  0.001]
15 mg/d, 0.67 [90% CI, 0.58-0.77; P < 0.001]
20 mg/d, 0.62 [90% CI, 0.54-0.72; P <  0.001])



中止必要な高カリウム血症の事前設定セカンダリアウトカムは、プラシーボと finerenone 10-mg/d群で観察されない、他、7.5 mg、 15 mg、 20 mg / d群では、2.1%、3.2%、1.7%の差


事前設定セカンダリアウトカム、eGFR 30%以上減少あるいは副事象イベント重大副事象イベント頻度においてプラシーボとfinerenone群で差を認めない



喘息:Toll-like 受容体7機能障害がライノウィルスへのインターフェロン反応障害をもたらす 喘息急性悪化のあらたな治療ターゲット?


IL5誘導気道好酸球増加は、TLR7発現への、そして、抗ウィルス反応へのnegative regulatorとして 働く。

喘息急性悪化治療のメインターゲットとなるのではないか?





Toll-like receptor 7 governs interferon and inflammatory responses to rhinovirus and is suppressed by IL-5-induced lung eosinophilia
Luke Hatchwell, et. al.
Thorax 2015;70:854-861 doi:10.1136/thoraxjnl-2014-205465

喘息の急性増悪は重大な病態、ライノウィルスによる事が多い。ライノウィルスがToll-like受容体(TLR)、例えばTLR7によりセンスされる。喘息患者のうち、ライノウィルスへのインターフェロン感受性障害例もあるが、臨床的なメカニズム不明であった

野生型TLR7欠損(Tlr7-/-)マウスで、RV1B感染へのインターフェロン分泌障害、結果ウィルス複製増加、好酸球炎症増加、気道過敏性悪化を示した。
外部からインターフェロン投与、あるいは、TLR7-competent pDCのadoptive transferにてこれら炎症性反応亢進をブロックし、ホストTLR7シグナリング欠損でもインターフェロンγ遊離をboostした
肺内のTLR7発現は、アレルギー性炎症で抑制、アレルギー無しの状況でのIL5誘導好酸球で抑制

中等度から重症喘息好酸球性患者では、吸入ステロイド投与にかかわらず、気管支内生検標本でのTLR7、インターフェロンλ2/3発現増加するが、好中球性炎症では増加しない。

さらに、TLR7発現は、喀痰好酸球比率と逆相関する


noteへ実験的移行

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