2016年1月22日金曜日

悪性胸水の時間的推移:次第に蛋白量、pH低下 中皮腫はブドウ糖低下急峻、MCP-1の低下めだつ

確かに、悪性胸水、がん性胸水の時間推移検討は乏しい

638のmalignant pleural effusion (MPE)の95(中央値、 range 0-735)日間の推移検討


Longitudinal Measurement of Pleural Fluid Biochemistry and Cytokines in Malignant Pleural Effusions
Rajesh Thomas,  et. al.
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.01.001
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleid=2484447


経過と共に胸水中
・蛋白有意減少 8g/L/100days (SE 1.32; p<0 .0001="" br="" nbsp="">・pH減少 (0.04/100days, SE 0.02; p=0.0203)
だが、LDH増加は非有意

・胸水/血中蛋白比減少  0.06/100days (SE 0.02; p=0.04)

中皮腫MPE(n=63)では、非中皮腫胸水(n=38)に比べ、胸水中ブドウ糖ベースラインで低下 (p=0.0104)し、さらに低下速度大(p=0.0423)

中皮腫MSEでは、Log (MCP-1) (Log 0.37 pg/ml/100days, SE 0.13; p=0.0046)という進行性増加がみられるが、他のサイト間では観察されなかった


Goldman-Cecil Medicineをみて教科書的まとめ
・滲出性胸水の2番目の原因は悪性胸水、まれながら漏出液正常も存在する
・肺癌が最も原因として多く、乳がん、卵巣癌、胃癌、リンパ腫と原因は続く
・良性胸水の原因として最も多いのは無気肺、閉塞性肺炎後、低アルブミン血症、肺塞栓、リンパ管閉塞、放射線治療後、化学療法後
・MPEは1回目の穿刺での診断確定確率60%、繰り返しで80%、最終的にはthoracoscopy必要

胸水:滲出液特性
蛋白 胸水/血液比 > 0.5
LDH 胸水/血液比 >0.6
胸水LDH 血中正常上限 2/3 超

pH 7.2未満:膿胸、悪性、食道破裂、リウマチ性、ループス、結核
ブドウ糖 60mg/dL未満:感染、リウマチ性、結核性・ループス性、食道破裂
アミラーゼ 200μg/dL超:膵疾患、食道破裂、悪性、外妊
RF、抗核抗体、LE細胞:膠原病
補体低下:SLE、関節リウマチ
RBC >5000/μL : 外傷、悪性、塞栓
乳び胸水(TG>100 mg/dL) : 結核、胸腔管腔臓器損傷
細胞診:悪性
ADA (>50 μg/L) : 結核


中皮腫バイオマーカーとして、fibulin-3について記載

noteへ実験的移行

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