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2018年11月12日月曜日

漢方は安全だからと妊婦が「葛根湯」・・・

妊娠中の女性が「葛根湯」を服用してきたと・・・診療の場でよく聞く・・・妊娠中のエフェドラの問題


妊婦への投与に注意が必要な漢方薬
https://www.fpa.or.jp/library/kusuriQA/17.pdf


特に注意必要なもの

妊婦へ禁じられる漢方治療の原則
  • ・高度の発汗→陽気を損なう 例:麻黄剤(エフェドリンは末梢循環を損ない、胎盤への血流を損なう)
  • 高度の瀉下→陰血を損なう 例:大黄剤
  • 高度の利尿→津液(体液)を損なう 例:利尿作用ある薬剤





”妊娠高血圧症候群”の注意喚起も中途半端で・・・ バカスッタレ日本厚労省やる気無く、15年経過・・・

葛根湯の添付文書
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
このまま放置

AMRも重要だが、AMR対策で抗生剤注意喚起するほど、妊婦への葛根湯投与リスク高まる可能性有りと考える


2003年の話

ナチュラルな材料だから安全という妄想の下、エフェドラ(マオウ)がアジア地域を中心に使われるが・・・
Ephedra can cause a quickened heartbeat and elevated blood pressure. Side effects include heart palpitations, nausea, and vomiting. More than 800 dangerous reactions have been reported with use of the herb. These include heart attacks, strokes, seizures, and sudden deaths. According to a study in the Annals of Internal Medicine, ephedra products make up only 1% of herbal supplement sales in the U.S., but they are responsible for 62% of herb-related reports to poison-control centers.
https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/the-dangers-of-the-herb-ephedra


BRIEF COMMUNICATIONS  18 MARCH 2003
The Relative Safety of Ephedra Compared with Other Herbal Products FREE
Stephen Bent, MD; Thomas N. Tiedt, PhD; Michelle C. Odden, BS; Michael G. Shlipak, MD, MPH
http://annals.org/aim/fullarticle/716166/relative-safety-ephedra-compared-other-herbal-products

2018年2月28日水曜日

妊娠中・授乳中のエフェドラ含有漢方「麻黄湯、葛根湯など」

減肥的薬効を謳うエフェドラ含有「ナイシトール」の宣伝に眉をひそめている医療関係者も多いと思うが、医師たち自身が、この時期になると麻黄や葛根湯などを多く処方する。


エフェドラ(Ephedra)、「マオウ」の潜在的有害性に関して多くが語られている


せめて、“「漢方」だから妊婦でも安全”という間違いだけは正すべき


Periconceptional use of weight loss products including ephedra and the association with birth defects.
Bitsko RH et al. A; National Birth Defects Prevention Study.
Birth Defects Res A Clin Mol Teratol. 2008 Aug;82(8):553-62. doi: 10.1002/bdra.20472.
全ての減量目的製品使用は、無脳症:anencephaly (aOR 2.6; 95% CI: 1.3-5.3)、右旋性大血管転位 (aOR 2.1; 95% CI: 1.1-4.3)、大動脈狭窄(aOR 3.4; 95% CI: 1.5-7.9)と相関。さらに、
エフェドラ含有製品では、無脳症aOR増加  (aOR 2.8; 95% CI: 1.0-7.3)と関連
他の減量製品は、大血管転位  (aOR 1.8; 95% CI: 1.2-2.7)、大動脈狭窄(aOR 2.1; 95% CI: 1.3-3.5)と関連


オリンピック他のスポーツ競技において、麻黄は禁止薬物
業界団体の反対に対し、米国FDAは、2003年12月に翌2004年のエフェドラ製品の中止を宣言、業界団体の訴訟を経て、中止指示撤回回避されている。
さらに、FDAはエフェドラ製品の不当表示への注意喚起行っている。

"There has been a lot of debate about the safety of ephedra and legal wrangling over its status.
In June 1997, the FDA proposed restrictions on the ephedrine content of dietary supplements, new warning labels for products that contain the active ingredients in ephedra, and a ban on combination products containing ephedra and other natural stimulants, such as guarana and cola nut, both of which contain significant amounts of caffeine. These proposals were dropped after the link between ephedra use and serious adverse effects was challenged by the General Accounting Office (GAO) and the dietary supplement industry.
According to the Dietary Supplement Health and Education Act of 1994, FDA must prove a supplement is unsafe before it can be withdrawn from the market.
 The FDA reviewed numerous adverse event reports involving ephedra-containing products, with 140 of the reports receiving in-depth clinical review by FDA and outside experts. Findings from experts outside the FDA support the FDA's initial finding that ephedra is likely the cause of many of the events noted in the reports.

 On December 30, 2003, the FDA announced the ban of ephedra products in the U.S., effective April 2004. In April 2005, the dietary supplement industry successfully challenged the FDA ban on ephedra. A year after the ban on ephedra began, a federal judge in Utah struck down the FDA's action saying that FDA didn't prove that low doses of ephedra are harmful.
In August 2006, an appeals court reversed the Utah judge's decision and upheld the FDA's ban of ephedra-containing dietary supplements.
 Ephedra use is banned by the National Collegiate Athletic Association, International Olympic Committee, and National Football League. Ephedra is sometimes marketed as a recreational drug "herbal ecstasy."
The FDA has announced that ephedra products marketed as recreational drugs are unapproved and that misbranded drugs can be taken by the authorities."
 https://www.webmd.com/vitamins-supplements/ingredientmono-847-EPHEDRA.aspx



 改めて思うに、私は妊婦や授乳中の方に、麻黄湯や葛根湯処方する勇気を持てない!

2017年7月13日木曜日

グリチルリチン・甘草:少量でも高血圧、低カリウム血症

以下の報告の冒頭にも書かれているが、「漢方に副作用なし」という誤解が広まっているが、現実には、低カリウム血症など多くの副作用がある。


「医療用漢方製剤148品目のなかで,カンゾウを含有しているものは109処方あります。これらの製剤の基となるカンゾウの1日量は1.0~8.0gで,グリチルリチン酸40~320mgに相当します。特に,カンゾウの量が2.5g(グリチルリチン酸100mg)を超える製剤については,低カリウム血症を発現しやすくなるので注意が必要です。1日量としてカンゾウを2.5g以上含有する製剤は,低カリウム血症のある患者には禁忌となっています」
https://www.jshp.or.jp/banner/oldpdf/p43-9.pdf

グリチルリチン 100mg以上含有治療に関する検討



The association between consistent licorice ingestion, hypertension and hypokalaemia: a systematic review and meta-analysis
R Penninkilampi, et al.
Journal of Human Hypertension , (29 June 2017) | doi:10.1038/jhh.2017.45


慢性利用後で統計学的有意増加なのは

  • 収縮期血圧 (5.45 mm Hg, 95% CI 3.51–7.39) 
  • 拡張期血圧  (3.19 mm Hg, 95% CI 0.10–6.29) 


 以下は有意に減少

  • 血中カリウム (−0.33 mmol l−1, 95% CI −0.42 to 0.23)
  • 血中レニン活性 (−0.82 ngml−1 per hour, 95% CI −1.27 to −0.37) 
  • 血中アルドステロン (−173.24 pmol l−1, 95% CI −231.65 to −114.83) 



グリチルリチンと収縮期血圧 (r2=0.55)、拡張期血圧(r2=0.65)は量依存的にも有意相関
他のアウトカム測定項目では有意相関性認めず



慢性的グリチルリチン服用は血圧増加、血中カリウム低下に、少量でも影響与える
 



肝炎治療に於けるインターフェロン・柴胡剤併用による間質性肺炎の騒ぎは忘れ去られつつあるが生命に関わる副作用が多いのは事実。漢方擁護論客は「誤治 瞑眩など」と反論するが、これらの副事象を予見できない、対応できない医師たちに安易に処方できないようにする制度が必要。
パッケージ化漢方なんて歴史はせいぜい50年程度
漢方数千年の歴史なんて「消防署の方から来た詐欺」と一緒

2013年6月5日水曜日

心不全治療ランダム化トライアル:中国漢方有効性提示

Li X, Zhang J, Huang J, et al. Li X, Zhang J, Huang J, et al. A multicenter randomized double-blind parallel-group placebo-controlled study of the effects of qili qiangxin capsules in patients with chronic heart failure. J Am Coll Cardiol 2013. J Am Coll Cardiol 2013
参照:http://www.theheart.org/article/1546703.do

慢性心不全500名超へのランダム化トライアル

qili qiangxin(芪藶強心: 11種薬草配合物:黄芪、人参、附子、丹参、葶藶子、澤瀉、玉竹、桂枝、紅花、香加皮、陳皮。)

12週間研究にて、プラシーボ比較でナトリウム利尿ペプチド値改善


qiangxin部分は、「強心」という意味。中国でも、このトライアル結果で、即、標準治療として推奨とはならず、臨床的エビデンスが必要だが、この研究はその有効性根拠にはなり得ると、共著者の弁

中国版FDAはqili-qiangxinカプセルを心不全治療として2004年認可
有効性エビデンス不明のままの認可であった。

慢性心不全 512名 (23施設)、18-75歳 (平均年齢 57歳) NYHA 2-4
男性比率75%、慢性心不全歴 77.2ヶ月

血中NT-proBNP値 30%以上改善率 :治療群 48% vs プラシーボ群 32%

加え、NYHA分類、 6MWD、QOL指標改善

死亡数: 4 vs 7
心不全悪化入院: 8 vs 16


日本漢方医療より健全に感じる、中国医療行政
ただ、このRCTは臨床的アウトカムとして、MACEではなく検査値変化を強調している。
故に、確固たる臨床的エビデンスとして疑問。プライマリアウトカムをMACEとしてより高品質のRCTが必要だろう。

それでも、漢方はRCTにそぐわないなどと逃げてる日本の漢方医療権威者たちよりは遙かに・・・



偏狭な漢方屋さんたちの言い分 2012/01/31

“EBM漢方” 感想文 2004年 07月 04日

漢方の一律健康保険適応はおかしい・・・という意見まで抹殺される風潮 2009年 11月 30日

NHKの愚挙続く:認知症と漢方 2012/02/27
・・・そんなに効果があるというなら、二重盲験RCTを ・・・ open labelや症例対照でごまかす研究は品質保証のあるエビデンスとは言いません → NHK解体賛成!

2012年4月14日土曜日

新技術による中国漢方有害・違法物質検出法 ・・・ & あらためて思う、エフェドラ放置の日本

エフェドラ含有されたままの日本のOTC/処方漢方、東アジア以外の諸外国からどう思われているのだろう?


中国漢方中の成分を最新技術で検査した結果、様々な有害物質、違法的成分検出。

Chinese herbal medicines contained toxic mix
Ingredents from poisonous plants, endangered animals and allergens detected in products
CBC News
Posted: Apr 13, 2012 2:19 PM ET
http://www.cbc.ca/news/health/story/2012/04/13/chinese-medicine-traditional-hazards.html

Deep Sequencing of Plant and Animal DNA Contained within Traditional Chinese Medicines Reveals Legality Issues and Health Safety Concerns
Coghlan ML, Haile J, Houston J, Murray DC, White NE, et al. (2012)
PLoS Genet 8(4): e1002657. doi:10.1371/journal.pgen.1002657


オーストラリアの研究者は最新のDNAシーケンシング技術を用いて、中国漢方中の植物・動物成分を調べた。

腎障害(バルカン腎症など)との関連や発がん性示唆されるアリストロキア酸や、有害性ハーブであるエフェドラを検出。

アレルギーを引き起こす可能性のある、ナッツ、大豆など成分表示の無いものも検出

4種の動物、68種の植物を検出。

漢方の考えは様々な成分の組み合わせを肯定的に評価するのが基本で、 様々な成分が含まれる可能性がある。

上記以外にも、ツキノワグマやサイガアンテロープといった絶滅危惧種動物まで、検疫上・保護取引上問題ある成分も含まれる。

正しく、種レベルまで成分を調べる方法としてのDNAシーケンシングを活用することが、この報告で提案されている。 





日本の医療の不思議の一つは、“漢方”

特に、エフェドラである“麻黄”に関する有害性認識が欠如している、日本の医師たちや厚労省などの行政担当者達。

“The analysis revealed a plant ingredient called aristolochic acid, which is known to cause cancer and damage to the liver. They also found the potentially poisonous herb ephedra.”

欧米の医師たちから見れば、 “麻黄”なんて、腎障害作用のある“アリストロキア酸”と同様の認識なのである。


 処方薬剤どころか、OTCなどに多く含まれる“麻黄”

米国では、メジャーリーガーの死亡以降、 エフェドラOTC禁止処置がなされている。

日本では、厚労省はわざわざ“エフェドラ情報”をウェブ記載しながら、規制の動きが見えない。

なんらかの圧力があるのだろうか?

国は、ナイシトールなどの麻黄含有製品を放置し続けるつもりか? 2008年 07月 16日

非劣性試験のサンプル数:麻黄湯の記事にもとづいて疑似計算してみた 2009年 05月 23日

インフルエンザ:あぁ・・・薬害啓発軍団・メディア・医師・・・・・このステレオタイプな動き 2007年 12月 11日


“薬害”を声高に叫ぶ団体はなぜか漢方の害に関する問題提起はしないようだが・・・

2012年3月19日月曜日

ホーノキオール(厚朴の成分):脳炎症性ダメージを抑制


厚朴(こうぼく)の成分らしいが、ホーノキオール
http://www.qlife-kampo.jp/clinic/crude-drug/entry804.html


microgliaは、感染からの脳を守る最前線である。一方、microgliaの過活動により 制御不能な炎症を脳内で生じ、神経ダメージを生じる可能性がある。
対し、honokiol (HNK)が、Klf4経由でDNAを調性し、microglia内のこの炎症細胞惹起性サイトカイン産生、炎症性酵素ををdown-regulationする。

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-03/bc-tjt031612.php

LPSによるmicroglia 刺激で、炎症誘発性サイトカイン、TNFαなどを放出し、NO、COX-2産生刺激する。神経変性疾患、アルツハイマー病やパーキンソン病、多発硬化症などでこのmicroglia過活動がみられる。Klf4による炎症性反応はKlf4による介在があり、DNAへ直接transcription factorとなる。
 HNKは活性化を減少し、サイトカイン分泌減少を生じ、Klf4活性化をdown-regulateする。
 

Therapeutic targeting of Kruppel-like factor 4 abrogates microglial activation
Deepak K Kaushik, Rupanjan Mukhopadhyay, Kanhaiya L Kumawat, Malvika Gupta and Anirban Basu
Journal of Neuroinflammation (in press)

2012年2月27日月曜日

NHKの愚挙続く:認知症と漢方


漢方の一律健康保険適応はおかしい・・・という意見まで抹殺される風潮 2009年 11月 30日
http://intmed.exblog.jp/9332057/


抑肝散に関して、NHKでこういう放送をしたそうだ。

~漢方スペシャル~2月25日放送【漢方パワーで不調改善
有働治療初体験でアレに効果▽トリンドルも驚がく認知症に漢方!▽体質改善でアトピー治りピースが大興奮▽中国の不老長寿生薬?】


ウェブ検索すると、“東京女子医科大学 東洋医学研究所”、“漢方専門医:木村容子先生”という名前が上がる。

“抑肝散”の話だと思うのだが、一般大衆に訴求すべきほどのエビデンスがいつの間にか構築されたのであろうか?自分の知識がちょっと心配になって調べてみた・・・


"yokukansan" pubmed検索: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=yokukansan
MeSH登録記載されてない。
pubme検索で、67件の検索、うち、認知症での報告47件

トライアルの中身をみても“open-label”だらけで、エビデンスレベルとしても必ずしも高いとは言いがたい報告だらけである。


たとえば
Open label trial to evaluate the efficacy and safety of Yokukansan, a traditional Asian medicine, in dementia with Lewy bodies.
Iwasaki K, Kosaka K, Mori H, Okitsu R, Furukawa K, Manabe Y, Yoshita M, Kanamori A, Ito N, Wada K, Kitayama M, Horiguchi J, Yamaguchi S, Fukuhara R, Ouma S, Nakano S, Hashimoto M, Kinoshita T.
J Am Geriatr Soc. 2011 May;59(5):936-8.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=yokukansa%20dementia

よくとり上げられる論文

認知症の行動・心理症状(BPSD)の治療における漢方薬・抑肝散のランダム化クロスオーバー試験
A randomized cross-over study of a traditional Japanese medicine (kampo), yokukansan, in the treatment of the behavioural and psychological symptoms of dementia.
Mizukami K, et al.

Int J Neuropsychopharmacol. 2009; 12: 191-199.
ランダム化を名乗ってるが、交差対照試験で、washout期間が短すぎる。


以下は、例数が少ないが、行動・心理的所見改善効果を示した報告。
Effect of yokukansan on the behavioral and psychological symptoms of dementia in elderly patients with Alzheimer's disease 
A Monji et. al. 
Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry Volume 33, Issue 2, 17 March 2009, Pages 308–311
この報告の結論に、二重盲検ランダム化トライアルが必ず必要と書かれている。




いずれにせよ、中核症状である記憶障害に関する報告は乏しく、また、生命予後や身体的指標、介護者への負担随伴症状やコスト効果などの検討は少ない。



一般向けに、派手派手しく、認知症治療=抑肝散(あるいは 漢方)と言えるほどの知見が累積しているとは思えない。

noteへ実験的移行

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