2015年10月29日木曜日

2型糖尿病の死亡率は、一般住民に比べ、超過死亡リスク高いが、
その程度は若年ほど、糖尿病コントロール不良ほど、腎合併症多いほど影響が大きい


Excess Mortality among Persons with Type 2 Diabetes
Mauro Tancredi,  et. al.
N Engl J Med 2015; 373:1720-1732October 29, 2015

2型糖尿病・糖のコントロールレベルや腎合併症での全原因死亡、心血管死亡の超過リスクは不明。
登録ベース研究で、糖コントロール・腎合併症ごとのリスクを評価

Swedish National Diabetes Register(1998年1月1日開始)
一般から5つの対照をランダム選択し、年齢、性、国ごとにマッチ化
平均フォローアップは、糖尿病群 4.6年間、 対照群 4.8年間
糖尿病群 77,117/435,369 (17.7 %)対照群 306,097/2,117,483 (14.6 %)(adjusted hazard ratio, 1.15; 95% confidence interval [CI], 1.14 to 1.16)

心血管疾患死亡率糖尿病 7.9%対照 6.1%(adjusted hazard ratio, 1.14; 95% CI, 1.13 to 1.15). 


全原因死亡・心血管死亡超過リスクは、若年ほど、糖コントロール不良ほど、腎合併症重症ほど増加。
55歳未満で、HbA1c 6.9%以下の死亡ハザード比は  1.92 (95% CI, 1.75 to 2.11)一方、75歳以上でのハザード比は 0.95 (95% CI, 0.94 - 0.96)

微量アルブミン尿症患者においてHbA1 6.9%以下での対照群比較ハザード比は 55歳未満 1.60 (95%CI, 1.40 - 1.82)75歳以上 0.76 (95% CI, 0.75  - 0.78),65-75歳 死亡リスク有意に減少  (ハザード比, 0.87; 95% CI, 0.84 - 0.91)


なかなか感慨深い表である





75歳以上では、HbA1c 7%以下、正常・微量アルブミン尿、eGFR 45であれば許容的な感じ。逆に、74歳以下は HbA1c 7%未満が必要なのでは?75歳未満は微量アルブミン尿消失・eGFR 60以上を目指したい・・・というおおざっぱな意見




初期7年間と、後期7年間で分けて評価


全原因死・心血管死補正ハザード比、年代、年齢カテゴリー毎
Models 2 と 3.

Cox回帰に基づく分析
model 2 : timed-updated ageと性別補正で、0−1、1−5、5−10、10−20、20年間以上の糖尿病毎層別化
model 3 : 誕生国(スウェーデン、それ以外)、教育レベル、合併症病歴毎


COPD:呼吸困難関連心理的cueは前頭前皮質領域拡大と関連


訳しにくいので、そのままで・・・
vigilance : 警戒、用心: 何かが起こるのを待っていたり、 計器の異常がないか監視する状況のよう. な持続的な監視的注意のことcue : 手がかり(心理学)



COPD患者の情緒・心理特性と脳の構成・構造上の変化、すなわち、環境上のcueと関連するビジランスと特異的fMRI上PFC拡大



Dyspnea-Related Cues Engage the Prefrontal Cortex:
Evidence From Functional Brain Imaging in COPD
Mari Herigstad,  et. al.
Chest. 2015;148(4):953-961.
背景: 呼吸困難は、COPDによる機能障害の主要素。COPDにおいて、環境上のcue、例えば階段昇りを望んでる場合などが、呼吸困難と関連することとなり、身体活動開始前でさえ呼吸困難のトリガーとなる。  
このようなcue、心理学的(手がかり)に関連する脳の活動性はCOPD患者と健康対照者により差があり、結果、emotionalメカニズムの関与を反映しているのではないかと仮説された。

研究方法:  functional MRI (FMRI)を用い、COPD患者41名と健常年齢マッチ化対照とを呼吸困難関連word cueによる脳の反応を検討。これらの所見と、自己アンケートスコアを結びつけ、臨床的明瞭指標とのFMRIタスクを関連づけた。このアプローチは、身体的暴露なしの疼痛プロセシングの脳ネットワーク反応性の同定可能とした研究から適合化した方法である

結果: COPD患者は、言語cueのVAS(visual analog scale)と相関している内側前頭前皮質と前帯状皮質の活性化と関連。この活性化は、患者のうつ、疲労、呼吸困難vigilanceの質問評価の反応と相関。
前島部、外側前頭前皮質、楔前部の活動性は、VAS呼吸困難度と関連するが、アンケートとは相関せず。

結論: この知見は、脳の情緒回路拡大がCOPDにおける呼吸困難関連cueの解釈に重要である示唆し、うつ、疲労、vigilanceにより影響される
顕著なcueへの反応が高度化することで慢性疼痛、喘息の症状知覚亢進と関連し、上記メカニズムがCOPDで明らかなことも示唆される。


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