2019年3月15日金曜日

潜在性結核感染:メトホルミンとスタチン感染抑制

結核感染に糖尿病が関わるインパクトとともに、メトホルミンとスタチンの感染抑制効果示唆報告

プラバスタチンのみ記載されているが、脂溶性スタチンの影響は?





Early View 
Reduced prevalence of latent tuberculosis infection in diabetes patients using metformin and statins
Matthew J. Magee, et al.
European Respiratory Journal 2019 53: 1801695;
DOI: 10.1183/13993003.01695-2018


National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) 2011-2012
非施設入所成人3段階確率サンプル 糖尿病・糖尿病前症自己報告もしくは糖化ヘモグロビン定義 ( HbA1c 5.6%以下、 5.7-6.4%、 6.5%以上 )
LTBI感染率QFT、TST(ツベルクリン)にて測定

メトホルミン、スタチン、非メトホルミン薬剤(インスリン、SU、DPP-4i)自己報告

糖尿病での総加重LTBI感染率 QFT 11.6% (95%CI, 7.9-15.3%), n=4958、TST 7.1% (95% CI, 4.8-9.3%) n=4262は、血糖正常者(4.6% 、 4.1%)より感染率高い

糖尿病患者において、メトホルミン未使用率 53.8%。メトホルミン 非使用 53.8% vs 使用 では有意差ないが、メトホルミン使用者に比較し、LTBI率高い  [QFT PD, 1.4% 95%CI -3.7-6.4%] 、TST [PD, 2.7%, 95%CI: -0.3-5.7])

糖尿病患者において、メトホルミン+2剤以上糖尿病薬剤使用っかんじゃでは、非糖尿病治療患者に比べ、LTBI発生率低い (6.2% by QFT and 1.8% by TST)


年齢、性別、HbA1c、糖尿病種、収入レベル、糖尿病罹病期間補正後、TSTは糖尿病ありでのTST陽性率は糖尿病全薬剤未使用に比べオッズ比高い (aOR 3.9, 95%CI 1.1-13.8) 


糖尿病患者でのスタチン使用は46.2%、、LTBI最小罹病率はプラバスタチン(3.0% by QFT and 2.9% by TST)

糖尿病患者において、スタチン使用無し比較で、プラバスタチン使用者のQFT陽性率は尾オッズ比高い(OR 4.4, 95%CI 1.3-14.9)
スタチン非使用とLTBIの関連性は、年齢、性別、収入レベル、メトホルミン、HbA1c補正後も維持(aOR 4.8 95%CI 1.4-16.5) 

TST陽性率は、メトホルミン・スタチンとも未使用では、両者使用に比べ有意に高い (9.6% vs 4.0% p=0.02)


成人NHANES登録で、QFT陽性オッズ比について、糖尿病では血糖正常者に比べ有意に高く(OR 2.6, 95%CI 1.4-5.1) 、また、スタチン非使用で高い(OR 2.9, 95%CI 1.7-4.8)

スタチンと糖尿病にはTST陽性率について乗数関係みられ、糖尿病&非スタチン 9.0% 、糖尿病 & スタチン 4.8% p=0.03

スタチンによる相互作用は年齢、性別、BMI、喫煙状態補正後も有意差維持 p=0.03

糖尿病者のTST陽性オッズはスタチン未使用で高く(aOR 2.7, 95%CI 1.6-4.8)、スタチン使用糖尿病では有意増加無し(aOR 1.2, 95%CI 0.5-3.0)




それでも、メトホルミンを第1選択としないのだろうか? 日本の糖尿病関連学会のおひとたち・・・



急性鼻副鼻腔炎診断のための徴候・所見の正確性

臨床的印象が結構正確らしい

検尿試験紙の白血球エステラーゼ反応が簡便で役立ちそうという話に惹かれる



Accuracy of Signs and Symptoms for the Diagnosis of Acute Rhinosinusitis and Acute Bacterial Rhinosinusitis
Mark H. Ebell, et al.
doi: 10.1370/afm.2354
Ann Fam Med March/April 2019 vol. 17 no. 2 164-172
http://www.annfammed.org/content/17/2/164.full

目的 急性鼻副鼻腔炎(ARS)診断のための徴候と症状の正確性評価

方法 MEDLINE検索、臨床的ARS疑い外来患者の研究・感度/特異度計算のためのデータ収集
1,649名初期同定、クライテリア合致17
急性鼻副鼻腔炎は任意の有効参照スタンダードによる診断、急性細菌性副鼻腔炎(ABRS)は鼻腔穿刺の膿性または細菌培養陽性で判断。テストの正確さの要約推定値を計算するために、二変量メタアナリシスを使用しました。

結果 ARS臨床的疑い患者の内、画像診断ARS 51%、ABRS 31%
ARS "rule in"上ベストな所見は、中鼻道(middle meatus)の膿性分泌物  (positive likelihood ratio [LR+] 3.2) と、全体的臨床的印象 (LR+ 3.0)
ARSの"rule out"上ベストな所見は、全体的臨床的印象n (negative likelihood ratio [LR−] 0.37)、正常な透視性(translumination)所見(LR− 0.55)、先行気道感染のないこと(LR− 0.48)、鼻汁 (LR− 0.49)、膿性鼻汁 (LR− 0.54)


データ不足だが、全体的臨床的印象(LR+ 3.8, LR− 0.34),異常嗅覚 cacosmia (呼吸時悪臭 fetid odor on the breath) (LR+ 4.3, LR− 0.86) 、歯痛  (LR+ 2.0, LR− 0.77)  BRSの最良予測要素

いくつかの臨床的ルールが提案されているが、前向き評価研究は存在しない.


結論 臨床的にARSを疑う患者において、三分の一ほどABRS
全体的臨床的印象、異常嗅覚、歯痛がABRSのベストな予測要素
CRPや尿検査を含めた臨床的意志決定ルールは期待できるが、前向き評価が必要




noteへ実験的移行

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