2020年4月16日木曜日

COVID-19の約60%はレントゲン所見正常である。ACPは感染防御予防検査を評価

そろそろゲームチェンジの時期では?

中国の臨床データを規範とする現在の感染防御戦略だが、多くが見落とされていた
One widely cited modelling study concluded that up to 86% of cases might have been missed in China,4 and reports of patients with unusual presenting symptoms are rising worldwide.:広く引用されているあるモデリング研究では、中国では最大86%の症例が見落とされている可能性があると結論づけられています

Clinical features of covid-19
BMJ 2020; 369 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m1470 (Published 17 April 2020)
Cite this as: BMJ 2020;369:m1470

https://www.bmj.com/content/369/bmj.m1470.short?rss=1

問題は、このウィルス感染症の特徴でもある、無症状・軽度症状、非呼吸器症状などの存在


SARS-CoV-2感染のための広範な集団スクリーニング、接触者追跡や隔離による確定症例の隔離と社会的距離を置くこと、そして大規模な血清学的研究が、covid-19の感染拡大を遅らせるために重要となる

診断上やはり迅速性が要求されるのでPCRなどのウィルス抗原検出が重要
IgM・IgG抗体など抗体産生反応が確実ではないという話もあるが一般的には感染既往の証拠を示す抗体検査は集団免疫上の評価として重要なのだろう


臨床診断のきっかけとしての自覚症状による評価が心許ないとしたら・・・より簡便な発見法が求められる。
CXRが頼りになれば・・・と 淡い期待




通常の胸部レントゲン写真について・・・

COVID-19患者の「単純X線所見」を調べ、「今日までで最大の観察研究」と説明し、 以前の研究では主にCT画像に焦点を当てていたが、「コストと実用的な考慮事項」から、通常のレントゲンについてフォーカスしたも研究とした

CT所見との対比が必要だが・・・


"Chest x-ray findings in 636 ambulatory patients with COVID-19 presenting to an urgent care center: A normal chest x-ray is no guarantee"
Weinstock MB, et al
Journal of Urgent Care Medicine 2020.
https://www.jucm.com/documents/jucm-covid-19-studyepub-april-2020.pdf/



11名の放射線パネルのレントゲン所見

Characteristics of the Radiographic Findings Reported by the Panel of 11 Radiologists Who Re-Read CXRs of COVID-19 Patients Seen in Greater NYC UC Centers from March 9 to 24, 2020. (N=636)

レントゲン特性カテゴリーn(%) of total
重症Normal371 (58.3%)
Mild195 (30.7%)
Moderate65 (10.2%)
Severe5 (o.8%)
浸潤影の型Interstitial151 (23.7%)
Ground Glass Opacities (GGO)120 (18.9%)
Consolidation34 (5.3%)
部位Lower215 (33.8%)
Upper128 (20.1%)
Diffuse6 (0.9%)
FocalityMultifocal154 (24.2%)
Focal 71 (11.2%)
外側Bilateral133 (20.9%)
中心性Peripheral225 (35.4%)
Central45 (7.1%)
Effusions2 (0.3%)
Lymphadenopathy2 (0.3%)
Note: Numbers do not add to 100% as some patients had more than one finding.


UCに来院したCOVID-19の確定診断済みおよび症候性患者から得られたCXRは、58.3%の症例で正常、89%の症例では正常または軽度の異常しか認められなかった。
異常が認められた場合、最も一般的な所見は下葉に認められ、そのパターンは間質性 and/or 多巣性であった。胸水やリンパ節腫脹はまれであった。



<hr>

REVIEWS 
Diagnostic Testing for Severe Acute Respiratory Syndrome–Related Coronavirus-2: A Narrative Review
Ann. Int. Med.  13 APRIL 2020
Matthew P. Cheng, et al.


COVID-19パンデミックは、伝染病の制御における診断法の本質的な役割を実証している。
呼吸器検体中のSARS-CoV-2を検出するための実験室ベースの分子アッセイがCOVID-19診断の現在の基準となっているが、 Point-of-Care 技術および血清学的イムノアッセイが急速に出現している。
症例発見のための SARS-CoV-2 診断法の早期の大規模な導入は、いくつかの国での流行の抑制に役立った。
現在、緊急の臨床および公衆衛生上のニーズが、検査能力を高めるための前例のない世界的な取り組みを推進している。



 




そろそろ時相がかわったのでは?

市中感染期は歩いて緯度の臨床症状・リスク対象者に検査を受けさせるべき時期になってきていると思う。
某朝日系および某医師主張のような節操のない検査は以前否定したいが・・・







Covid-19と凝固障害関連

ヘパリンとコロナウィルスとの関連
surface plasmon resonance とcircular dichroismにて、SARS-CoV-2 Spike S1 protein receptor binding domain (SARS-CoV-2 S1 RBD) とヘパリンの結合のinteraction
The 2019 coronavirus (SARS-CoV-2) surface protein (Spike) S1 Receptor Binding Domain undergoes conformational change upon heparin binding
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.02.29.971093v1


ヘパリンの治療有用性については初期から注目されている
preliminary tests for the ability of the SARS-CoV-2 S1 RBD to bind
heparin
, an important prerequisite for the underpinning research related to the development of SARS-CoV-2 heparin-based therapeutic.

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.02.29.971093v1.full.pdf


anticardiolipin IgA とanti-β2-glycoprotein I IgA と IgGの存在報告
Coagulopathy and Antiphospholipid Antibodies in Patients with Covid-19
DOI: 10.1056/NEJMc2007575
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2007575

血管内皮傷害からの凝固障害も考察され・・・



Anticoagulation Guidance Emerging for Severe COVID-19
— Pragmatic choices dominate as guidelines are shaping up
by Crystal Phend, Senior Editor, MedPage Today April 8, 2020
https://www.medpagetoday.com/infectiousdisease/covid19/85865

以下はこの論説


COVID-19に入院しているすべての患者は、ICUに入院していない患者であっても、禁忌(活動性出血および血小板数<25 font="">である。

International Society on Thrombosis and Haemostasis の最近の推奨
https://clotconnect.wpcomstaging.com/2020/03/26/covid-19-and-coagulopathy-two-management-guidance-documents-for-health-care-professionals/

イギリスでは、高リスクでのVTE予防と突然の酸素飽和度低下・呼吸困難・血圧低下時肺塞栓を考慮すべきと推奨
DOACやビタミンK拮抗剤使用患者を含め経口抗凝固薬よりLMWHを推奨
https://thrombosisuk.org/downloads/T&H%20and%20COVID.pdf




多くの施設では、Dダイマー>1,500ng/mL、フィブリノーゲン>800mg/mLを目安に全身性抗凝固療法を開始するための閾値を選択している。
(Jason Katz, MD, director of cardiovascular critical care at Duke University Health System in Durham, North Carolina)


LMWHは抗炎症作用が少なく、DOACに置いては存在しないとしてLong chain (unfractionated) hepariが理論的には抗凝固薬としては望ましいし、IV unfractionated heparin が出血イベント時すぐ中止できるとういアドバンテージもあるとの主張も紹介
SARS-CoV-2結合にヘパリンが影響することも示唆される

しかし、現実的な問題が優先されることもある。ニューヨーク市では、モンテフィオーレをはじめとする多くの病院がDOACを選択しているとMoll氏は指摘する。"看護師が患者の部屋に入って、1日に2~3回、未分割ヘパリンを投与したり、静脈内の未分割ヘパリンを調整したりすることを望んでいないのだ。膨大な数の患者を抱えて経口抗凝固薬を投与するだけの方がはるかに簡単だ。"












N95マスクなど消毒効果評価の報告:蒸気化過酸化水素:VHPなど

プレプリントで研究査読されていない報告

N95レスピレータは、2~3回の着用程度では機能的な完全性を損なうことなく安全に除染できることが、政府の研究で明らかになった
紫外線とvaporized hydrogen peroxide (蒸気化過酸化水素)は対照のレスピレータに比較して2回の着用と除菌後、SARS-CoV-2ウイルスを死滅させるための基準を満たし、filtrationは2つの手段による方法えの3回め装着でも許容内であった
N95レスピレータは、2~3回の着用程度では機能的な完全性を損なうことなく安全に除染できることが、政府の研究で明らかになった
紫外線とvaporized hydrogen peroxide (気化過酸化水素)は対照のレスピレータに比較して2回の着用と除菌後、SARS-CoV-2ウイルスを死滅させるための基準を満たし、filtrationは2つの手段による方法での3回め装着でも許容内であった

蒸気化過酸化水素:Vaporized hydrogen peroxide (VHP, approximately 1,000 ppm)がより迅速であると Vincent Munster(PhD, chief of the National Institute of Allergy and Infectious Diseases' Virus Ecology Unit in Hamilton, Montana)らは述べている。

許容レベル以下到達時間は、紫外線 (260-285 nm) 約 1 時間に対して、約 10 分でウィルス増殖消失


Assessment of N95 respirator decontamination and re-use for SARS-CoV-2
Robert Fischer, et al.
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.11.20062018v1
medRxiv 2020; DOI: 10.1101/2020.04.11.20062018.





medpagetoday.com 解説では
https://www.medpagetoday.com/infectiousdisease/covid19/85982

CDCはマスク殺菌に関する手段としていずれも承認していないが、
 it "does not intend to object to the distribution and use of sterilizers, disinfectant devices, and air purifiers that are intended to be effective at killing SARS-CoV-2 ... FDA believes such devices will not create such an undue risk, when performance and labeling criteria are met."; FDA は、「SARS-CoV-2 消毒を目的とした滅菌器、消毒器、空気清浄機の流通と使用に異議を唱えるつもりはない... FDAは、性能と表示基準が満たされている場合、そのようなデバイスは、そのような過度のリスクを引き起こすことはないと考えている。"
・・・という曖昧な物言いを含むスタンス
(パラシュート理論・・・ :検証優先破棄現実路線)

同様に、70%エタノールスプレーや 10分間70℃以上熱処理も同様のスタンス
ただ、エタノールは迅速だが、2回目使用のレスピレータ機能検証にパスできなかった

Dry heatは、1時間程度のゆっくりで殺ウィルス閾値に該当し、2回目の機能を温存する

研究者らは、汚染されたマスクをどのように最初に使用するかが、特に紫外線や乾燥熱での処理時間に影響を与えることに注意を促しています。また、「すぐに利用できる定性フィットテストツールを使用して、除染後にN95呼吸器が適切に機能するように細心の注意を払う必要がある」とも述べている。




noteへ実験的移行

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