COPD患者の運動限界の本質に関して議論あるところで、多要素。多くのパラメータとして、呼吸メカニクス、骨格筋の酸素化能力、呼吸筋のエネルギー必要量増加/酸素供給量低下など最大運動能低下に寄与と考えられる
COPD患者の自己選択歩行速度は、歩行エコノミー、適切な運動として移動コストから影響されるもので、コストとは一定の距離歩行に対する必要エネルギーであるが、それを最小化するような選択が自然と行われている可能性があるとされてきたが・・・患者選択歩行速度がこのクライテリアに従っているか根拠は?
筆者等は、移動コスト最小化ではなく、不快な呼吸困難と、移動コスト、歩行速度のばらつきなどが関与している複合的なものと仮説
Limiting Factors in Walking Performance of Subjects With COPD
Marcela Alves Sanseverino, et al.Respiratory Care March 2018, 63 (3) 301-310; DOI: https://doi.org/10.4187/respcare.05768
http://rc.rcjournal.com/content/63/3/301.short
健常と比較してCOPD患者の移動コストと歩行速度を検証し、自己選択歩行速度がコスト反映しているか検証
移動コスト、歩行ばらつき、自己選択歩行速度を含む検証
COPD FEV1 予測値比45.17%、11名の年齢、性別マッチ化健常者比較
6つのスピード(3.2 km/h、自己選択歩行速度、自己選択歩行速度の下の速度2つ、上の速度2つ)と、移動コスト(重量・距離正規化酸素摂取量)、歩行速度、自覚的呼吸困難、疲労
結果:COPD患者において移動コストは、歩行速度増加に従い減少するが、健常者では、自己選択歩行速度が最小であった
同じ絶対的速度では実験群同士移動コスト同じ p=0.62
COPD患者において、呼吸困難自覚は、自己選択歩行速度より上で感じ、最大歩行速度では2倍 p=0.03、歩行速度ばらつきは低速度ほど程度が大きい
結論:COPD患者の選択歩行速度では耐用できる呼吸困難維持でき、許容レベルで歩行速度ばらつきを維持、移動コストもキープできる状態であった
呼吸困難や歩行パターンに作用する介入は患者選択歩行速度増加し、QOL改善する何らかの介入にこの知見が役立つのかも