2012年4月17日火曜日

“適応外の後発品、「個別査定」の対象”

つい最近、“ レボフロキサシン100mg錠(後発)  1回5錠 食後 ” という処方箋を見た。


 今更ながらだが・・・


『適応外の後発品、「個別査定」の対象 製薬協 厚労相に照会、宣伝文句にされたらと危機感』という見出しのRIS Fax(H24.3.16)
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=37942

調剤薬局で変更調剤した後発品に先発品の効能が無く、効果として適応外となるケースは保険請求できるか---。請求があっても「査定しない」とした社会保険診療報酬支払基金の判断について、日本製薬工業協会が厚生労働省保険局に照会したところ、「従来通り、個別に判断すべき」と『査定すべきモノは行う』との見解を伝えたことが分かった。 
結果、
“後発品調剤体制加算の強化や一般名処方の2点加算など後発品の使用促進策が実施されるが、後発品の保険請求、査定から現場は混乱している。

・・・と書かれている。


社会保険診療報酬支払基金
厚生労働省への照会内容
p23
http://www.ssk.or.jp/pressrelease/pdf/pressrelease_258_20.pdf

 ○ 保険薬局において、先発医薬品と効能効果に違いがある後発医薬品に変更調剤された場合に、結果として支払基金の審査で適応外として査定され、保険医療機関又は保険薬局のいずれかに査定額を請求しなければならないケースが生じる。
○ しかしながら、保険薬局から処方せんを取り寄せても保険医療機関又は保険薬局のいずれに対し、当該査定分を請求するかの判断は困難であると考えられ、その取扱いについて、厚生労働省に見解を求めた。
 これがことの発端らしい・・・一部製薬会社が、「後発品でも、“先発医薬品の効能効果”とみなされますよ」と説明してまわったという。



厚労省は、そろそろ、今後の方針に関して、現場へ説明すべきではないか!

すでに、“後発品の適応外処方”が市井にあふれはじめているとはず・・・ 支払い基金はさすがに適応外処方判断しないだろうが、国保や組合健保は・・・

一般医師はRISfaxみることは一般的にはない。情報が一方向にのみ伝わってる可能性がある。

急性冠症候群:尿酸も予後因子の一つ

「高尿酸血症は、一般住民において、心血管疾患リスク要素は正しいか?」という試験問題が出たとしたら、答えは、「正しくない」が正解だろう。そこで、「高尿酸血症は、一般住民にとって、生活習慣病のリスク要素か?」という問題を出してごまかすのが定石。時々、勘違いした人が尿酸を独立した心血管疾患のリスク要素と述べる場合があるので注意が必要。
 The relative importance of these associations remains controversial. Some experts, such as the Framingham Heart Study group, have argued that uric acid is not a risk factor for cardiovascular disease and that clinicians should rely only on classic risk factors in patient assessment. Nor have serum uric acid levels been considered a cardiovascular risk factor by major professional societies.
(尿酸は心血管リスク要因か? 2008年 10月 23日)



では、特定集団ではとうか?


Prognostic Value of Uric Acid in Patients With Acute Coronary Syndromes
American Journal of Cardiology Volume 109, Issue 9 , Pages 1260-1265, 1 May 2012


尿酸と心血管疾患の相関は不明。特に、PCI治療急性冠症候群での予後要素としては検討されてなかった。

5124名の PCI後急性冠症候群患者、1629名のSTEMI、1332名の急性非ST上昇型心筋梗塞、2163名の不安定狭心症

プライマリエンドポイントは、1年死亡率

尿酸値を4分位 :1, 1.3 ~ <5.3 mg/dl、 5.3 ~ <6.3 mg/dl、 6.3 ~ <7.5 mg/dl、 7.5 to 18.4 mg/dl

フォローアップ中死亡450、4分位あたり、80、77、72、221

1年死亡率(Kaplan-Meier推定)は、それぞれ、6.4%、 6.2%、 5.6%、 17.4%

ハザード比 3.05 95%信頼区間 2.54-3.67 p<0.001 尿酸 第4四分位 vs 第1四分位)


従来の心血管リスク、腎機能、炎症性状態要素補正後、尿酸と死亡率の相関は残存
1mg/dL増加毎1年死亡率は12%増加

尿酸は1年死亡率に関する予測モデルに関して判別的パワー改善
(絶対的集約的判別改善  0.008, p = 0.005)

結論から言えば、尿酸増加は、PCI治療後急性冠動脈症候群患者のあらゆるスペクトラムに関する、1年死亡率の独立した予測因子

2型糖尿病:ビタミンD状態改善で全身性炎症軽減効果

2型糖尿病患者で、ビタミンD状態を改善させることで、全身性炎症性マーカー軽減作用が認められ、心血管疾患や糖尿病合併症への予防的作用を示すかもしれない。


Improvement of vitamin D status resulted in amelioration of biomarkers of systemic inflammation in the subjects with type 2 diabetes
Sakineh Shab-Bidar1, et. al.
Diabetes/Metabolism Research and Reviews, 03/07/2012
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/dmrr.2290/abstract

12週間ランダム化対照化臨床トライアル(RCT)

doogh ドゥーグ:http://bit.ly/kAqVgq


plain doogh (PD; カルシウム 170 mg + no detectable vitamin D/250 mL, n1 = 50)  vs ビタミンD3入りdoogh(FD; カルシウム 170 mg +ビタミンD 500 IU/250 mL, n2 = 50)  比較

FD群では、PD群に比べ、有意に、血中25(OH)D増加し、以下の変化を認めた
TNF-α (−57.9 (−264.6) vs. +106.3 (683.2), p = 0.044), IL-6 (−6.3 (−69.2), p = 0.002)
hsCRP (−0.39 (−1.50) vs. +0.8 (1.52), p < 0.001)
SAA (−14.2 ± 44.5 vs. +5.6 ± 37.5 mg/L, p = 0.022)
抑制性サイトカイン IL-10 (+38.7 ± 157.0 vs. -51.9 ± 165.2 ng/L, p = 0.013)

hsCRP、SAA、IL-6の群間差変化はQUICK I変化補正後も有意差残存 (p < 0.001, p < 0.001 , p = 0.009).

臨床的に実際意味があるかは、これから・・・

システマティック・レビュー:切迫性尿失禁薬 効果・副作用中断率など

切迫性尿失禁: urgency urinary incontinence


Systematic Review: Benefits and Harms of Pharmacologic Treatment for Urinary Incontinence in Women
Ann Int Med.
First published April 9, 2012 on annals.org.
http://www.annals.org/content/early/2012/04/09/0003-4819-156-12-201206190-00436.full



RCT 94の文献

pooled analysisで、切迫性尿失禁薬剤の検討

尿失禁治療到達(1000あたり)
fesoterodine 130(CI, 58-202)
tolterodine(商品名:デトルシトール) 85 (CI, 40-129)
oxybutynin(商品名:ポラキス 等) 114 (CI, 65-163)
solifenacin(商品名:ベシケア) 107 (CI, 58-156)
trospium 114(CI, 83-144)


Figure 1. Continence with drugs for urgency urinary incontinence (pooled with random effects from randomized, controlled trials). : 切迫性尿失禁薬剤抑制効果


副作用による中断率(1000あたり)
fesoterodine 31(CI, 10-56)
oxybutynin 63(CI, 12-127)
trospium 18(CI, 4-33)
solifenacin 13(CI, 1-26)

Figure 2. Treatment discontinuation due to adverse effects from drugs for urgency urinary incontinence (pooled results from randomized, controlled trials by using rate arcsine transformation). :副作用による治療中断率

尿失禁改善・QOL改善の定義は一致していないため、エビデンス構築上の障害となっている。



数字やグラフだけ見ると、“ベシケア”の優秀性が際立ってるかもしれない。比較対照が一致してないからホントは何も言えないのかも・・・
ただ、ガチンコ比較でデトルシトールは副作用中断率が高いことは確か。

ファーストフード塩含量:国毎製品毎ばらつき マックのチキンナゲット 塩(g/100g) 米国 1.6g 日本 1.3g 英国 0.6g




The variability of reported salt levels in fast foods across six countries: opportunities for salt reduction
CMAJ 2012. DOI:10.1503 /cmaj.111895
http://www.cmaj.ca/content/early/2012/04/16/cmaj.111895.full.pdf+html


オーストラリア、カナダ、フランス、ニュージーランド、UK、USのファーストフード比較
様々なカテゴリーの製品の肉内塩含量比較

たとえば、サラダでは、100gあたり0.5g、チキン製品には1.6g

国毎にばらつきがあり、チキン製品において、UKでは1.1g、USでは1.8g

sらに、会社毎、国別同製品間でもばらつきがある
たとえば、マクドナルド・チキンナゲットにはUKでは0.6g、しかし、USでは1.6g








日本のチキンマックナゲット内の塩含量は、“100gあたり1.3g”
http://www.mcdonalds.co.jp/quality/basic_information/menu_info.php?mid=1610

心因性非てんかん性発作

心因性非てんかん性発作 (Psychogenic. Non-Epileptic Seizure: PNES) 、いわゆる偽発作


日本のガイドライン
心因性非てんかん性発作(いわゆる偽発作)に関する診断・治療ガイドライン てんかん研究(0912-0890) 26巻3号 Page478-482(2009.01) 日本てんかん学会ガイドライン作成委員会 
http://square.umin.ac.jp/jes/pdf/pgszgl.pdf から引用
てんかんと鑑別を要するてんかん様症状の中で、心因性非てんかん性発作 (Psychogenic
Non-Epileptic Seizure: PNES) の占める割合は、失神発作と並んで頻度が高く、てんかん専門の施設では初診患者の1~2割を占めるとの報告が多い。従って、PSNE は、てんかんの診断および治療にとって重要な一部を構成しているにもかかわらず、身体科の側では診断が確定するや否や場合によって詐病と似た取り扱いをされる場合が現在でもあり、他方、精神科では身体疾患であるてんかんとの鑑別に専門知識を要するために敬遠される傾向がある。結果として、PNES は、誰も積極的な治療の引き受け手のいない無人の領域 “no man’s land” となる傾向が見受けられる。このため、PSNE においては、確定診断がつくことが医療的なケアを受けにくくするという逆説的な事態が実際に引き起こされる場合があり、患者側の診断への抵抗を一層助長する状況が生じている。

PNES患者におけるストレスとcoping(対処)パターンを理解することは治療上重要。

"Stress life event appraisal and coping in patients with psychogenic seizures and those with epilepsy "
Testa SM, et al
Seizure 2012; DOI:10.1016/j.seizure.2012.02.002.
20名のPNES症例と、40名の対照、20名のてんかん(EPIL)比較
様々なストレス・イベント(ポジティブ、ネガティブ イベントとも)と、それに伴うdistressを調査。
習慣的なcoping behaviorも記載。

PNES群ではEPILや健常対照に比べストレスフルな生活イベント少なかったのにかかわらず、PNES群は、他の2群(健常対照、EPIL)に比べ、active coping低下を示す(P=0.0002)。加えて、ストレッサーとしては客観的に見て重度なものでは無かった。
しかし、ネガティブな生活イベント、特に職業上、社会生活機能、法的問題、健康問題において特に重度のdistressを報告している。

対照群に対し、業務上のdistressスコア高く(P=0.036)、社会的イベントに対するdistressも高い(P=0.006)。

PNESは健常者よりプランニングや積極的対処が低下している。この2つの要素は、distress程度と相関する。

PNES群は他の2群と比べ、拒絶性との関連は少ない。
distress認識程度との関連がPNESの特徴。しかし、拒絶性が大きいほど、よりdistress認識が大きい。

対処としては、distress認識の大きさにより特徴づけられており、そのため、actionの少ないstrategyでストレッサーの程度軽減するようにすること。

以上の検討は、PNES患者の認知行動療法への情報となる。

noteへ実験的移行

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